「ロブスター」のネタバレあらすじと結末の感想

ラブストーリー

ロブスターの紹介:2015年製作のアイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ合作の不条理ブラックコメディ。独り身であることが悪と考えられる未来社会で、妻に先立たれた中年男が新たなパートナーを探すべく奇妙なホテルで暮らす姿を描く。「籠の中の乙女」で注目されたヨルゴス・ランティモスが監督を務め、コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、レア・セドゥら豪華キャストが出演した。第68回カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞。

予告動画

ロブスターの主な出演者

デヴィッド(コリン・ファレル)、近視の女性(レイチェル・ワイズ)、滑舌の悪い男(ジョン・C・ライリー)、独身者たちのリーダー(レア・セドゥ)、足の不自由な男(ベン・ウィショー)

ロブスターのネタバレあらすじ

【起】- ロブスターのあらすじ1

物語の舞台は、独身であることが許されない近未来の社会。その社会では、独身の人々を人里離れたホテルに収容し、パートナー探しをさせるという制度がありました。独り身の男女たちは結婚することの素晴らしさを教えられ、パートナーを見つけた男女は祝福を受けられる一方、男女の恋とは相反する事柄、例えば自慰行為は厳しい処罰の対象となっていました。さらに、ホテルに収容後45日以内にパートナーを見つけられない場合は恐ろしい罰が待っていました。それは、動物に変えられ森に放たれてしまうというものでした。唯一の救いは、変えられる動物を自分自身で選べるということくらいなもので、ホテルに暮らす独身の人々は期限が切れる日が来ることを恐れながら暮らしていました。

そんなある日、妻に先立たれた中年男が新たにホテルに収容されることになりました。男の名前はデヴィッド、数年前に犬に変えられた兄とともに101号室に入居することとなりました。入居後すぐにホテルの支配人からなりたい動物を尋ねられると、デヴィッドはロブスターと答えました。「100年以上も生きられるし、貴族みたいに由緒があって、死ぬまで生殖能力がある」というのがその理由でした。

デヴィッドは入居後すぐに滑舌の悪い男と足の不自由な男と友人になったものの、なかなか女性と親しくなれずにいました。また、45日の期限を延長するにはホテルの森に潜む独身者のレジスタンスを狩ることが必要でしたが、そこでもデヴィッドはレジスタンスに麻酔銃を命中させられず、結果を出せずにいました。

【承】- ロブスターのあらすじ2

刻々と期限が迫る中、足の不自由な男がホテルから抜け出すべく行動に出ました。鼻血が出やすい女性の気を引こうと、足の不自由な男は自らの鼻を強打させ、さも自らも鼻血が出やすい人間を装ったのです。このアプローチが功を奏し、二人はカップルとなりダブルルームに移動することに。ダブルルームでの生活とヨットでの同棲生活を過ごし、そこで問題がなければ四週間で街に戻れることとなったのです。

鼻血が出やすいカップルの誕生を見届けた後、デヴィッドもある女性と急接近を図ります。その女性とは、ホテルに暮らす人間の中でも特に冷徹で残酷と噂されるショートカットの女でした。二人はすぐにダブルルームに移り、ごく普通のカップルのように同じベッドで寝て、ときにはセックスをするような仲にまで発展します。しかし、ある朝デヴィッドが目覚めると、ショートカットの女はデヴィッドの兄である犬を蹴り殺していました。懸命に悲しみを抑えるデヴィッドでしたが、ショートカットの女は「嘘の上に恋愛関係は成り立たない」と言ってデヴィッドを責めてきました。ショートカットの女は嘘の恋愛をした罪でデヴィッドをホテルの支配人に告発しようとしますが、逆にデヴィッドはショートカットの女を麻酔銃で撃ち気絶させることに成功します。デヴィッドはショートカットの女を動物に転換させる部屋へと運び込み、兄を殺した復讐を果たすのでした。

その後、デヴィッドはホテルを逃げ出し、森で独身者のレジスタンスと出会います。レジスタンスのリーダーの女に迎え入れられるデヴィッドでしたが、このレジスタンスの中にも厳しい掟がありました。死ぬまで独り身でいられる代わりに、恋愛やセックス、ナンパや男女がいちゃつくことは厳しく制限されていたのです。

【転】- ロブスターのあらすじ3

レジスタンスの一員として、デヴィッドはホテル勢力との戦いに身を投じることとなりましたが、同じレジスタンスの近視の女と徐々に親しくなっていきます。そんなある日、デヴィッドはリーダーとともに街へ買い出しに行くことに。街の警官に独身と怪しまれないように、リーダーは仲間の中年男と、デヴィッドは近視の女とカップルを演じることとなりましたが、デヴィッドたちはまるで本物のカップルのような雰囲気を醸し出していました。そして、リーダーの実家に行った際、デヴィッドは近視の女に優しくキスをしました。リーダーはこのキスをデヴィッドの熱演と勘違いし満足していましたが、この一件以来、二人は愛し合うようになっていきました。

その後、レジスタンスはホテル襲撃を計画します。その目的は、ホテルに暮らす男女の愛が本当のものなのかどうか試すことでした。リーダーはホテルの管理人とそのパートナーに銃を突きつけると、二人はあっけなく愛のもろさを露呈。デヴィッドはヨットで過ごす鼻血が出やすいカップルを訪れ、足の不自由な男が鼻血を自演していたことを鼻血が出やすい女に告げると、たちまちカップルの雰囲気は最悪なものに。ホテルで育まれた愛が薄っぺらかったことを暴き出し、レジスタンスたちは勝利に沸くのでした。

その後も、デヴィッドと近視の女の愛は続き、二人は他のレジスタンスに関係が気づかれないよう独自のサインを考え出しました。その数週間後には、二人は口を開かずとも会話ができるようになっていました。しかし、そんなある日、二人の関係にリーダーが疑問を抱くようになってしまいます。いつものように街に買い出しに出た際、実家で両親のクラシックギター演奏を聴いていると、デヴィッドと近視の女がロマンティックな旋律に合わせて激しいキスをし始めたのです。演技にしてはあまりにも親しすぎる二人の様子をリーダーは危険視するのでした。

【結】- ロブスターのあらすじ4

リーダーは近視の女の日記を読み、デヴィッドと恋仲にあること、そして、二人で森から逃げ出そうと考えていることを知るとすぐに、残酷な処罰を近視の女に下しました。視力矯正の手術と偽り、近視の女から視力を奪ったのです。森に戻ると、近視の女は目の異変に気づき、目が見えないながらもリーダーにナイフで襲いかかりました。リーダーは部下を身代わりにして攻撃を避け、近視の女に落ち着きを取り戻すよう諭すのでした。

デヴィッドは近視の女の失明にショックを受けながらも、懸命に彼女を支えようと力を尽くします。コップやボール、様々なものを近視の女に触らせ、少しでも生活しやすいようにとリハビリを手伝ったのです。そして、デヴィッドはある大きな行動に出ることを決心します。それは、リーダーを襲い、二人で街へと逃げることでした。

デヴィッドのリーダー襲撃はさほどの苦労もなく成功しました。デヴィッドに気絶させられたリーダーが目覚めると、全身を拘束され猿轡をされた状態で森の穴の中に横たわっていました。その周りにうろつく野犬二頭に、リーダーは恐怖の表情を浮かべていました。

その翌朝、デヴィッドと近視の女は誰にも見つかることなく街へとたどり着き、喫茶店へ入りました。そこでデヴィッドは近視の女と同じように自らの目を失明させようと考えていました。近視の女に「最初は変な感じだけど慣れるわ」と励まされ、デヴィッドはステーキ用ナイフを持ってトイレへと向かいました。口にペーパータオルを詰め込み、自らの目にナイフを突き刺そうとするデヴィッド。近視の女は一人席に座り、デヴィッドの帰りをいつまでも待っていました。

みんなの感想

ライターの感想

ホテル、レジスタンス、どちらも人を圧迫するという点では同じで、絶望的な舞台設定には苦笑いしかできません。不条理な世の中、不思議なテンポ、無機質な俳優の演技など、観る者を戸惑わせる作品ですが、そんな中でも主人公が愛する相手と交流を重ねていく場面にはほっこりさせられます。ただ、ラストシーンではこの後主人公たちがどうなってしまうのか明確には描かれていません。悲劇なのか喜劇なのか、観る人によって解釈が分かれる映画だと思います。

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