映画:今夜ロマンス劇場で

「今夜ロマンス劇場で」のネタバレあらすじと結末

今夜、ロマンス劇場での紹介:2018年2月10日公開の日本映画。モノクロ映画の中から現実世界へと飛び出したヒロインと、彼女に恋する映画監督志望の青年の淡い恋を描く、綾瀬はるか主演のロマンティックなラブストーリー。思いを寄せるが、人のぬくもりに触れると消えてしまうヒロインを前に困惑する青年を坂口健太郎が演じる。

あらすじ動画

今夜ロマンス劇場での主な出演者

美雪(綾瀬はるか)、牧野健司(坂口健太郎)、成瀬塔子(本田翼)、俊藤龍之介(北村一輝)、山中伸太郎(中尾明慶)、吉川天音(石橋杏奈)、成瀬撮影所長(西岡德馬)、本多正(柄本明)、病室の老人(加藤剛)

今夜ロマンス劇場でのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①助監督の若い青年・健司はモノクロ映画のヒロインに恋をし、映画を幾度も劇場で見ていた。その映画が見られなくなる前日に落雷があり、健司の前にヒロイン・美雪が姿を現わす。モノクロ映画から抜け出たので、美雪はモノクロの姿だった。 ②メイク道具でごまかし、美雪は健司と暮らし始める。現実世界の人のぬくもりに触れると、美雪は消えてしまうという秘密を抱えていた。健司は触れない決断をし、美雪を引き留めた。

【起】- 今夜ロマンス劇場でのあらすじ1

モノクロの映画『お転婆姫と三獣士』。
主人公の美雪は召使をかわし、パーティーを上手に抜け出して、冒険に出かけようとします。
そこへ声をかけたのは、タヌキの狸吉、トラの虎衛門、ハトの鳩三郎でした。ハトだけはしゃべれませんが。
こうして高飛車な姫・美雪は、3人のおともを連れて、冒険の旅に出かけます…。

第二次世界大戦よりも前に作られた、この『お転婆姫と三獣士』は、戦前戦後の時代の流れにより、廃棄処分になりかけたまま、老舗の映画館『ロマンス劇場』のロッカーで、埃をかぶっていました。

その映画が見つかるのは、戦後しばらく経過してからです。
昭和35年(1960年)に、映画好きなある若者、牧野健司が埃をかぶったフィルムを見つけ、映写機で上映しました。
健司はスクリーンに映る女優・美雪役の美しさに見入られ、その後、幾度となく上映しては、映画を見ます…。


〔現代〕

病気で長期入院している牧野老人を、看護師の女性・吉川天音は気遣います。
牧野には孫とおぼしき子が見舞いに来るのですが、この孫は老人が転倒しても、手すら貸さない非情な子なのです。
看護師仲間のあいだでは「財産目当てで、見舞いに来ているのではないか」と囁かれていました。

病室を覗きこんだ天音は、牧野が落とした原稿を集めます。
原稿はその昔、牧野老人が助監督だった頃に書いた脚本で、映画化がかなわなかったものだと聞いた天音は、内容を聞かせてほしいと言いました。
牧野老人は天音相手に、話し始めます…。


〔昭和35年(1960年)〕

健司はまだ若く、駆け出しの助監督でした。助監督とは名ばかりで、している仕事といえば雑用ばかりです。
当時、俊藤龍之介というスター俳優がおり、俊藤を主演に据えた『ハンサムガイ』シリーズは好評でした。いくつも作品が作られています。
主演の俊藤は発言力もあり、「次の作品はミュージカルにしよう。マブな(美しい)ヒロイン、用意してくれよ」と監督に行っていました。

健司の楽しみは馴染みの映画館『ロマンス劇場』で、月曜の深夜に映画を見ることでした。
劇場のオーナー・本多正と交渉し、月曜の夜だけは特別に健司の貸し切りにしてもらっているのです。
健司はそこで、幾度となく飽きることなく、発掘した『お転婆姫と三獣士』をスクリーンにかけては、見入っていました。
しかしその日、健司は本多にショッキングなことを告げられます。

その映画は本来、廃棄処分となった作品で、日本ではこの1本しか存在しないものとなっていました。
好事家が高値で買い取ると言い、本多が売ることを決めたのです。
つまりその夜が見納めだと知った健司は、ちょっぴり切ない思いで映画を見ていました。
その女優は病気で夭折しており、ほかの主演作はありません。


その夜、雷鳴がとどろき、ネオンに落雷がありました。映画館は停電になります。
停電が復旧した後、なんと映画の中にいたはずの、モノクロの美雪がスクリーンから出てきて健司の前にいました。健司は驚きます。
美雪はスクリーンの世界から見ていた、現実世界の色あざやかな景色を見て喜びました。
劇場主の本多が戻ってきて、一瞬ですが健司と美雪を目撃します。

【承】- 今夜ロマンス劇場でのあらすじ2

健司は驚いたものの、美雪を放置しておくことができません。
なにせ、美雪は白黒の姿のままだったからです。
健司は美雪を説得し、家に連れて行こうとしますが、道中も大変でした。
映画に『お転婆姫~』とあるとおり、美雪はお転婆姫でした。
不審に思って話しかけてくる警官を、「無礼者!」と殴るありさまです。
それはまさしく、映画の主人公のお転婆姫が、出てきたようでした。

健司の粗末なアパートを牢獄呼ばわりした美雪は、健司に映画から出てきた理由を「あっちの世界は退屈で」と言い、いきなり健司に「今日からお前は、私のしもべだ」と言い始めました。
「明日は町を案内しろ」と言われ、健司は絶句します。

翌日。
美雪を家に置いておくと、何をしでかすか分からないこともあり、健司は美雪をリヤカーに乗せると上から毛布をかけて隠し、撮影所まで連れていきました。
健司は美雪を控室へ入れると、ドレスや化粧品を渡します。
美雪は化粧品を使い、自分の肌に色をつけました。衣装も着替えて、現代風(昭和30年風)にします。
(映画の中では王女様だったので、洋風のドレスを着用していた)

着替えて外に出た美雪は、早速勝手気ままなことを開始しました。
美雪はカキワリ(セットの背景)に落書きをするイタズラをします。
健司と美雪は恋人同士とみなされ、健司が美雪の勝手な行動を叱責されました。
しかしスターの俊藤は気に入り、美雪をヒロインに抜擢しようとします。
健司が割って入り、話を白紙にしました。

その後、騒動のどさくさでスモーク(映画で使う白いケムリ)の中にダイナマイトが紛れこみ、俊藤は吹き飛ぶトラブルに巻き込まれます。
しかし俊藤は生きており、人生観まで変わりました。


スクリーン越しでは見とれていた健司でしたが、現実世界に出てきた美雪は騒動ばかり巻き起こすので、健司は美雪に「あなたと出会ってから災難ばかり。うんざりだ」とぼやきました。
直後、健司は自分の言葉を悔い、雨の中を出て行った美雪を探し、引き戻します。
美雪は、なくしたお守りを探していました。オカリナの笛です。
健司が見つけて渡すと雨があがり、虹が出ました。

虹を見た健司は、虹が二本かかると願い事がかなうと言います。
美雪は、もし虹が二本かかれば、いまいる場所、お地蔵さまのところでまた見ようと健司に答えました…。


〔現代〕

牧野老人から話を聞いていた天音は、わくわくしながら話を聞いていました。
天音に促され、牧野は続きを話します。


〔昭和35年(1960年)〕

撮影所の所長の娘・成瀬塔子は、健司にひそかに思いを寄せていました。
助監督の健司がなんとか活躍できないかと思い、若手の監督に脚本を書かせて、出来の良いものを映画化させればよいと、父親に助言します。
健司だけでなく、若手はみんなこのチャンスに飛びつきました。

健司は、美雪との話を脚本に書き始めます。
健司が机に向かってばかりだったので、美雪は退屈しました。
健司は美雪を「シナリオハンティング」と称し、あちこちに連れていってカメラで撮影します。ロケ地の下見のようなものです。

【転】- 今夜ロマンス劇場でのあらすじ3

健司につきあってあちこち行きながら、美雪は映画の結末を聞きましたが、健司は「まだ決めていない」と答えました。
その頃には、健司に対して美雪も好意を持ち始めていましたが、美雪にはある秘密がありました…。


健司と美雪の関係を知りたがって、塔子が美雪に直接聞きます。
塔子の反応から、塔子が健司を好きだと気付いた美雪は、「遠い親戚だ」と答えました。
塔子は喜び、塔子のあとおしもあって、健司の脚本が起用されることになります。
但し、結末はハッピーエンドにしろという、注文がつけられました。

映画監督デビューも近いと踏んだ健司は、美雪に「ずっと僕の隣にいてくれますか」と、プロポーズまがいのことを言います。
その時に、指輪を出そうとしますが、美雪は「無理だ。元の世界に戻らないといけない」と、今まで隠していた秘密を明かします。

美雪は、この世界の人間に触れ、人間のぬくもりに触れてしまうと、この世界から消えてしまうのでした。
それを聞いた健司は、おおいにショックを受けます。
(美雪は警官や健司に乱暴を働く時、必ずほうきなどの武器を用いていた。直接触れないよう、細心の注意を払っていた)

では、なぜ自分の前に姿を現わしたのかと、健司は美雪を思わず責めてしまいました。
美雪は「うずもれた作品だった自分を鑑賞してくれたお前に、会いたかった」と言います。
美雪も本多館長の話を聞いており、あの時が最後の上映で、翌日に売られて別の好事家の元へ行くと知って、美雪は健司の元へ降り立ったのでした。
美雪は、化粧品をぬぐった手を見せて「私には色がないから、共に生きることができない」と健司に告げます。


健司は美雪への恋心に悩みました。
そんな健司を見た塔子が、健司に告白します。
健司の思いを振っ切らせるために、美雪はわざと健司につらく当たり、家を出て行きました。

健司の元を去ったものの、行く場所がない美雪は雨の中、公衆電話ボックスで雨宿りします。
それを見つけた『ロマンス劇場』のオーナー・本多が、何も言わずに劇場の部屋を提供しました。
本多が何も言わないのは、本多自身にも同じ経験があるからです。
落雷の直後、健司と美雪が出会ったのを本多は見ていましたが、それだけではありませんでした。
過去に本多自身も、スクリーンから出てきた女優と恋をした経験が、あったのです。
(壁にかけられた写真で示される)


美雪に去られてくよくよする健司を見て、スター俳優の俊藤が、声をかけました。
「下を向くな。男の視線は常に未来」
傷心の健司に、その言葉が響きます。

外を散歩していた美雪は、二重にかかった虹を見ました。
同じ頃、子どもたちが虹の話題をしているのを聞いた健司も、虹を目撃します。
二重にかかった虹を見たら、会おうと言われたお地蔵さまの場所へ健司は行きますが、すでに美雪は去ったあとでした。

【結】- 今夜ロマンス劇場でのあらすじ4

美雪に会いたい健司が本多のところへ行くと、本多は「ここにいるよ。でもお前にはもう会わないって言ってるよ」と告げます。
それをおして会った健司は、「お前はもっと普通の恋をするべきだ」と言う美雪に対して、僕はあなたじゃなきゃダメなんです」と言いました。
「その言葉だけで充分だ」と言った美雪は、最後に一度だけ抱きしめてくれと、健司に頼みます…。


〔現代〕

…そこまで話を聞いた天音が「それで、彼女は消えちゃったの?」と話を促しました。
牧野老人は、「この話はけっきょく、映画化にならなかったので、ここまでしか書いていない」と答えます。
(すでにお分かりかと思いますが「牧野老人」=「健司」)

天音は牧野老人に、話を完結してくれと言いました。牧野も死ぬまでに、脚本を書き終えたいと思います。
天音は「幸せな結末がいいな」と言いました。

天音と入れちがいで、「牧野の孫」と言われる女性がやってきます。
その女性は、牧野が転んだ時に手を差し伸べたそうにしますが、牧野は「大丈夫だ」と言って自力で立ちました。
女性は…美雪でした。
美雪は消えずに、また年も取らずに、ずっと牧野のそばにつきそっていたのです。
(看護師たちが勝手に「孫」と勘違いしていただけ)

牧野は脚本の続きを書こうと思うと美雪に告げると、美雪も天音同様に「幸せな結末がいい」と言いました。
牧野は執筆を開始します…。


〔昭和35年(1960年)〕

「抱きしめて」と美雪が言ったにもかかわらず、健司はそれを拒否しました。
「触れられなくても、僕はあなたにいてほしいんです。たまには僕のわがままを聞いてくださいよ」
そう言って、健司は美雪をずっと手元に置く決断をします。

その後、健司が勤めていた京映株式会社は倒産し、40年の歴史に幕を閉じました。
健司の脚本の話もうやむやになります。

健司は『ロマンス劇場』のオーナー・本多のあとを継いで、映画館の店主になりました。
美雪と触れあうこともなく、それでも仲良く過ごします。
海辺を歩く時には、手を繋げない代わりに、ある時はネクタイ、ある時は手拭いの両端を持ち、一緒に歩きました。
やがて時代の波の変化で、『ロマンス劇場』も閉鎖します。


〔現代〕

家で健司とのアルバムを見て、過去を振り返っていた美雪は、病院から電話をもらい、走って駆け付けます。
瀕死の健司の元へ行った美雪は、「見つけてくれてありがとう」というと、最後のわがままとして触れたいと言います。
美雪は、牧野老人の手を握り、胸に顔を寄せました。
牧野老人も、その手を握り返します…。

こうして牧野は他界し、美雪も消えてしまいました。
看護師の天音は、書き上がった原稿を机に見つけます。

ラストシーンは、健司がモノクロの世界に入り、お転婆姫こと美雪と一緒にダンスを踊るシーンで終わっていました。
その世界には、健司が若い頃の知人が多く詰めかけています。
健司は友人たちに見守られながら、赤いバラを美雪へプレゼントしました。
すると、モノクロだった映画がカラーに変わります。

健司と美雪がキスをすると、観客たちは拍手を送りました。

(エンドロール)健司が撮った、美雪の写真。

みんなの感想

ライターの感想

いやあ、綺麗にまとまった作品~。
美雪のお姫様役は多分に意識しているんだろう、『ローマの休日』の王女のよう。
それを客席から見る健司は『ニュー・シネマ・パラダイス』の少年のよう(帽子とか一緒)。
かつて映画黄金期であった頃のことを描いた作品。
色のない世界からやってきたヒロインが、色を堪能するというシーンがあるだけあって、
本当にこの映画は、色彩が美しい。

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