映画:伊藤くんAtoE

「伊藤くんAtoE」のネタバレあらすじと結末

伊藤くん A to Eの紹介:2018年1月12日公開の日本映画。女たちを翻弄する“痛男”を軸に、5人の女の無様な恋愛と成長を描いた柚木麻子の小説を、岡田将生&木村文乃主演で映画化したラブストーリー。容姿端麗だが自意識過剰で無神経な28歳のフリーターと、落ち目のアラサー脚本家が巻き起こす恋の騒動がつづられる。

あらすじ動画

伊藤くんAtoEの主な出演者

伊藤誠二郎(岡田将生)、矢崎莉桜〔E〕(木村文乃)、島原智美〔A〕(佐々木希)、野瀬修子〔B〕(志田未来)、相田聡子〔C〕(池田エライザ)、神保実希〔D〕(夏帆)、塾長〔伊藤のおじ〕(田口トモロヲ)、久住健太郎〔クズケン〕(中村倫也)、田村伸也(田中圭)、宮田真樹(山下リオ)

伊藤くんAtoEのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①数年前にヒット作を出したきり鳴かず飛ばずのシナリオライター・莉桜は、等身大の4人の女性の悩み相談をすることでドラマ企画を考えようとし、A~Dと名付ける。 ②A~Dの恋の相手は同一人物で莉桜のシナリオ教室に通う伊藤、しかも伊藤はE・莉桜を入れていた。伊藤も莉桜も企画は通らないが、伊藤の本心を聞いた莉桜は、みっともなくても書く道を選択。

【起】- 伊藤くんAtoEのあらすじ1

東京都、現在。

32歳の脚本家・矢崎莉桜は、5年ほど前にテレビドラマ『東京ドールハウス』という脚本を書き、大流行させた過去があります。
しかしその後、莉桜はヒット作を作り出せません。

莉桜は『東京ドールハウス』の功績だけを頼りに、現在、シナリオ講座の先生をしていました。むろん担当の編集者・田村伸也には、プロットを提出していますが、駄目出しを出され続けています。
後輩の久住健太郎、通称:クズケンにも脚本で追いぬかれ、クズケンが書くドラマがテレビ放送されていました。

そのクズケンが出す次の企画が飛びそう(企画が潰れそう)だと聞いた莉桜は、自分が主催したトークイベント『ドラマのような恋しよう』にやってきた女性客にアンケートを取ります。
等身大の女性の悩みを書いてもらい、彼女たちをモデルにしてドラマを作れば、いいものができるのではないかと、田村もアドバイスしました。
アンケートを読み込むと、興味深い女性が4人浮上します。
莉桜は彼女たちにアルファベットを振り、個別に呼び出して「悩み相談」という形で、彼女たちの事情を聞き始めました。
恋愛相談という形を取りながら、その実、彼女たちを次回作のモデルにするのです…。

・『A』島原智美…28歳のアパレルショップ店勤務の女性。付き合って5年の彼と、最後の一線を越えられないのが悩み。さりげなく迫ってみても、いつもはぐらかされる。関係を進展させたい。

・『B』野瀬修子…24歳の女性。学芸員になりたいが、欠員がないので塾でアルバイトをしている。同じ職場で働く男性に、一方的に言い寄られていて困っている。恋愛経験が豊富ではないので撃退法なども分からず、夢をかなえるため、恋などしている場合ではないと考えている。

・『C』相田聡子…23歳の女性。ケーキ屋勤務。聡子自身はそれなりに恋愛経験あり。親友・実希の片思いを応援したい…?

・『D』神保実希…23歳の女性。聡子とは親友同士。大学時代の先輩に片思いをしていて、処女を捧げたいと考えている。

(・『E』矢崎莉桜…後に判明)


『A』と『B』は別物で、『C』と『D』は親友同士でした。
莉桜はまず、『A』から着手します…。


〔A・島原智美の場合〕→B・野瀬修子と時間的に重複している箇所あり

…智美は伊藤誠二郎と、交際しているつもりでした。しかし悩み相談にあるとおり、伊藤と関係が進展しないことを、悩んでもいます。
前にさりげなく智美のほうからアプローチしたこともあるのですが、さらっとかわされました。
その際に「大事にしたい」と言われたことで、智美は伊藤が誠実な交際をしてくれているものと思います。

ところが…。
その伊藤がある日、いきなり智美に「俺、好きな子ができてさ。応援してくれよ」と言い出したので、智美は内心、ショックを受けます。
交際していたつもりだったのは、自分だけだったのだと気付いた智美は、「安心しちゃった。人を好きになれるんだね」と返しますが、同時に落胆します。

莉桜から「断捨離したほうがいいかも」「気持ちの整理がつくまで伊藤に会わずにいればいい」というアドバイスをもらった智美は、そのとおりにします。

【承】- 伊藤くんAtoEのあらすじ2

すると、ある時突然、伊藤が会いに来ました(※)。
「俺、生まれ変わるよ。今まで気付けなかったよ、ごめんな」と伊藤に言われ、智美はどきっとします。自分の気持ちに気付いたのかと思ったのです。
ところが伊藤は、自分を成長させるための自己開発セミナー『トータル・エモーションズ』に入会を考えていると言い出しました。入会金として20万円が必要だと洩らします。

智美はまた分からなくなりました。伊藤が自分を金づるにしようとしているのではと、疑心暗鬼に陥ります。
莉桜に相談した智美は「今の状況を抜け出すのに、その金は高いのか」と言われ、状況打開のために20万円を都合しました。

金を用意して伊藤のところへ持って行くと、伊藤は「俺、『貸して』なんてひとことも言ってないよね」と言い出し、智美のことを「勝手にどんどん先回りして、重たい」とはねつけます。
智美は伊藤の態度に、今度こそ吹っ切れました。
「じゃ私が使う、自分のために」と伊藤に告げた智美は、やっと伊藤のことをあきらめました。
新しい道へ進めそうです…。


〔B・野瀬修子の場合〕→A・島原智美と少しかぶる

修子は大学を卒業したものの、夢である学芸員になれないままです。
ルームシェアをしている宮田真樹は、アパレルショップの店員として働いていました。第一志望ではなくても、真樹がそれなりに満足、充実して勤務しているのを見ると、修子は少し苛立ちます。
やむなく瞬栄セミナーという塾でバイトを続ける修子ですが、「今の場は正式な就職先までの、『仮の姿』」という意識が濃厚です。

その瞬栄セミナーに、修子のストーカーがいました。
修子側からは好意を見せたことがないのに、相手の男・伊藤はお菓子のプレゼント(注:伊藤が智美にセレクトしてもらったもの)を持ってくるし、メールをばんばん送りつけてきます。
修子は「好意がない」ことをわざと示すのですが、それでも伊藤はやたらアプローチしてきました。
伊藤が塾長の甥っこで、実家が千葉の大地主だと知り、よけいに修子は鬱陶しいと思います。

ある日、伊藤が家まで押しかけてきて、勘違い発言をしました。
「俺があの子(智美)と会ってること、気にしてる? 俺がその子と会わなくなったら、俺と付き合ってくれるわけ?」
あきれ果てた修子に、伊藤が「俺にそういう態度を取ったら、どうなっても知らないからね」と言われたことに立腹し、自分からバイト先の塾を辞めます。

「職場までの仮の姿」と修子がやたら言うのを聞き咎めた莉桜は、「では本当の姿は、どんな姿なのですか」と聞きました。「今いる場所を、おろそかにしてはならない」とも重ねて告げます。

莉桜のことばを聞いてそのとおりだと思った修子は、自分とは何かを考えるために、自己開発セミナーに通ってみようと考えます。
『トータル・エモーションズ』の無料セミナーに参加した修子は、そこに伊藤がいるのを見て驚きました(これが※と同じ時点)。
伊藤はセミナーで修子と再会したのを手放しで喜び、運命だと勘違いしています。

【転】- 伊藤くんAtoEのあらすじ3

「俺はあくまでも仮の姿だから。仮の姿から生まれ変わるために、セミナーに参加する」という伊藤の言葉は、修子自身の考えとも一致していました。
ぞっとするくらい自分と同じだと思った修子は、その場でセミナーを聞くことをやめます。

伊藤の口から「仮の姿」という言葉を聞いたことで、修子も目が覚めました。
修子は莉桜にかけられた言葉「今いる場所をおろそかにしてはならない」を伊藤に告げ、自分自身もきちんと現実に向き合おうと決めます…。


…こうしてAとBの問題は、ほぼ時を同じくして解決しました。
聴取をしていた莉桜は、相手の男性の名前までは聞いていないものの、AとBの供述の中に同じセミナーの名前が出てきたことに、少し不可解さを感じます。
CとDは親友同士なので、並行して莉桜は向かうつもりでした。


〔C・相田聡子、D・神保実希の場合〕

聡子と実希は親友同士です。
ある時、実希のところへ伊藤からメールが届きました。デートの誘いです。
(注:伊藤はBの修子が駄目になったので、実希にアタック開始)
実希はどきどきしていました。

聡子はそんな実希を見ながら、少し心配でした。
23歳の純朴な実希は、処女を伊藤に捧げたいと考えているようで、聡子ははたで見ていて不安なのです。
聡子は相談を莉桜に告げますが、莉桜は「それなりにリア充の聡子が、実希に嫉妬しているのではないか」と冷静に観察します。

実希の誕生日プレゼントのケーキを予約しに、伊藤が聡子の勤務する店へやってきました。
聡子は伊藤に「初めての彼氏」であることを強調し、実希が処女であることをにおわせます。
若干ヒキぎみの伊藤に対し、聡子は「相談に乗る」と声をかけました。

デート当日。
実希は伊藤とホテルへ行き、服を脱いでベッドに横たわると「お願いします」と言いました。
伊藤は「いきなり丸投げされても」と言い、けっきょくその夜は、何もありませんでした。

外泊した手前、処女を捨てられなかったと言えない実希は、聡子に見栄をはりたくて、嘘八百の初体験を語ります。
いっぽうで相談相手の莉桜には、「その日は何も進展がなく、しかも避けられているみたい」と真実を語りました。
伊藤を吹っ切ったと言い、実希は「自分のために先に進みたい」と莉桜に告げます。

「先に進みたい」と考えた実希は、処女を捨てるために大学の同窓生のクズケンに、それを頼みました。
クズケンは実希のことが大学時代から好きで、どぎまぎしながら部屋に向かいます…。


いっぽう。
実希から話を聞いた聡子は、伊藤のお手並み拝見とばかりに、伊藤の相談に乗る振りをしてホテルに引き込みました。
伊藤を押し倒した聡子は、伊藤が実希と関係を持っていないばかりではなく、28歳になっても童貞だと知りました。
実希と何もなかったと知り、安心しつつ、聡子は伊藤の童貞を卒業させます。

脱・童貞を果たした伊藤は、初体験の相手・聡子に「君を好きになってきたみたいなんだよなあ」とアタックし始めました。
聡子は「気持ち悪い。逃げてばっかで、実希みたいに人をちゃんと好きになったことがないんだろ。お前まじでキモいんだよ、バーカ」と罵詈雑言を並べたて、伊藤の電話を切ります。

【結】- 伊藤くんAtoEのあらすじ4

聡子の電話に傷ついた伊藤は、実希に連絡を取りました。


ちょうどそれが、クズケンと実希が初体験のため、部屋に入った直後でした。
実希は伊藤を吹っ切ったと言いながら、伊藤から電話をもらうと、やはりどぎまぎします。
部屋へやってきた伊藤、実希、クズケンは、三角関係になりました。
伊藤が「クズケンが実希のことを、昔から好きだった」とぶちまけたことで、実希はクズケンに失礼なことをしていたと知ります。
同時に口論の際、伊藤が聡子と関係を持ったことを、実希は聞かされました。
自分に酔っている伊藤の言葉を聞いて、実希の恋はいっぺんに冷めます。


…伊藤が絡んだことで、一時的に聡子と実希は疎遠になりますが、実希から聡子に復縁してきました。
女同士の友情は、戻ります…。


…さて、ABCDの女性の悩み相談をした莉桜は、それをプロットにまとめて提出しますが、担当の田村から「伊藤とかぶっている」と聞かされました。
田村は局の廊下で伊藤に原稿を渡され、ABCDの女性が悩む恋のお相手・伊藤が、伊藤誠二郎だと知ります。
しかも伊藤の企画にはもう1人、「E・矢崎莉桜」なる人物までいたのです。
それを聞かされて、莉桜は絶句しました。


〔E・矢崎莉桜の場合〕

莉桜は5年前に大ヒットを飛ばした『東京ドールハウス』の栄光が忘れられず、以後もヒット作をひねり出そうと、あがいていました。
売れたドラマで購入したマンションを、「あくまで仕事場」と決めます。
仕事場と決めたので、浴槽には蓋をしました。住みかではなく、仕事場に風呂は必要ないのです。

もっと上を、もっと高みを目指した莉桜は、しかしヒット作が書けませんでした。
デビュー当時から交際を続けていた担当の田村とは、田村の結婚を機に肉体関係ではなくなったものの、莉桜の方はまだ未練たらたらでした。
田村は莉桜に温情をかけ、上に企画を通すよう、かけあっていました。

「仕事もできる都会の女」を装いながら、莉桜もぶざまな女性のひとりでした。
それを、莉桜のシナリオ講座に通う伊藤は観察し、Eとしてプロットに組みこんでいました。
莉桜は田村からそれを聞かされ、動揺します。


…結局、莉桜も伊藤も採用されず、見送られました。
莉桜は伊藤の思惑を知りたくて、伊藤に聞きます。

伊藤は「ドラマ研究会のみんなが、ハラハラしているのが見たかった」と言います。
みんなは人からどう思われているか気にしすぎで、「自分をよく見せたい、世間から評価されたい」という欲求ばかり追求していると、伊藤は語ります。
伊藤は、その戦いに自分が参加しないことで「僕は誰からも傷つけられない。僕は絶対、誰のことも好きにならない(みじめな姿を見せない)」と宣言します。

戦わなければ、負けることもないと主張する伊藤に対し、莉桜は「私はたぶん、これからも負ける。でも、何度傷ついても私は書く」と言い返しました。
みっともなくてもいいのだと思った莉桜は、その夜、浴槽の蓋を開けます。それは、仕事場と決めていた場所を、住みかと決めた日でもありました。

宣言どおり、莉桜はその後も書く道を選択し、ぶざまでも努力しつづけます。
伊藤は5人の女性と別れを告げ、「みさきちゃん」という新たな女性にアタックを始めます…。

みんなの感想

ライターの感想

岡田将生が、好きになれない「伊藤くん」を上手に演じてた。いやあ、確かにこんな男性、ヒクわ。
でも…こういう男性、たまにいるよなあ、とも思った(笑)。
ラストで伊藤の本音が出てくるわけだけど、もう、これっぽっちも共感できない。
いっぽう、ラストで莉桜が伊藤にぶつけることばに共感し、醜くても進もうという気にさせられる。
変わったスタイルの映画。ただ、ラストまでもやもやが続く。

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