映画:娼年

「娼年」のネタバレあらすじと結末

娼年の紹介:2017年製作の日本映画。直木賞候補になった石田衣良の恋愛小説を、2016年8月の舞台化に引き続き、主演・松坂桃李、監督・三浦大輔のコンビで映画化したセンセーショナルなラブストーリー。会員制ボーイズクラブの娼夫となった20歳の大学生と、彼が出会う女性たちとの物語がつづられる…。

あらすじ動画

娼年の主な出演者

森中領〔リョウ〕(松坂桃李)、御堂静香(真飛聖)、咲良(冨手麻妙)、平戸東〔アズマ〕(猪塚健太)、白崎恵(桜井ユキ)、田島進也〔シンヤ〕(小柳友)、イツキ(馬渕英里何)、主婦(荻野友里)、紀子(佐々木心音)、ヒロミ(大谷麻衣)、女性(階戸瑠李)、泉川氏(西岡徳馬)、老女(江波杏子)

娼年のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①イケメンで秀才の青年・リョウは女性に不自由しない代わりに、退屈だと思っていた。静香と出会ったリョウは、情熱試験を受け娼夫の仕事をすることに。静香の言う通り女性の欲望は深く、興味深いものだった。 ②静香に思いを募らせたリョウだが、静香はエイズウイルスに侵されていた。静香の娘、咲良と身体を重ねることで、リョウは静香と一体になった満足感を得る。リョウはもう女性を退屈だと思わなくなった。

【起】- 娼年のあらすじ1

大学生・森中領、通称:リョウは、一流の大学、光和(こうわ)大に通っています。
見た目もよくもてるリョウは、女性に不自由したことがありませんでした。
しかしそのためにリョウは、「女なんて、つまらない」と思っています。

それが相手にも伝わるのでしょう。
すぐにベッドインした女性は、リョウの元からすぐ去ります。

リョウはバーテンダーのアルバイトをしています。
リョウの親友は2人います。
1人はホストをする田島進也、通称:シンヤでした。
もう1人は同じ大学のゼミの同級生、白崎恵、通称:メグミです。メグミはリョウにいつも大学の講義のノートを貸しており、その代わりにリョウは、メグミがバーで飲む代金はタダにしていました。


ある日、シンヤが御堂静香という、ターゲットにしようとしている女性を連れてきます。
静香は富裕層の女性で、40代半ばごろの女性です。
静香はリョウを見て、もてるだろうと褒めますが、リョウは「女なんてつまらない」と発言します。
シンヤはリョウの店へ連れてくると、バーテンダーのリョウとカクテルの腕前を競いました。

静香は両方のカクテルを飲み、「今すぐ飲むならシンヤ、ゆっくり味わうならリョウ」と判断を下します。
シンヤが静香をホストクラブに連れていきますが、静香はコースターの下に自分の名刺を置いており、「仕事が終わる頃、店の前で待っています」と書いていました。


店が終わると、本当に静香が店の前で会っていました。
静香はリョウを自分の赤い車に乗せると、自分のマンション(兼、事務所)へ連れて行きます。
セックスについて聞かれたリョウは、「手順の決まった退屈な運動」と言いました。
すると静香は咲良(さくら)という少女を差し出すと、見せてみろとリョウに告げます。

リョウは、相手が静香ではないことに戸惑いました。静香が車で迎えに現れたので、てっきり相手は静香なのだと思っていたのです。
咲良は生まれつき耳が聞こえない、聴覚障害者でした。
「始めろ」と言われ、リョウは咲良と身体を重ねます。

行為が終わった後、静香は5千円札を机に出すと「これくらいかな」と言いました。リョウは真意を測りかねます。
そこへ咲良が5千円札を追加して、シャワーを浴びにいきました。「ぎりぎり合格」と静香が言います。

そこで初めてリョウは、一連の行動が静香がリョウに課した「情熱試験」であったことを、教えられました。
女性相手に男を売る、会員制のクラブの経営者であることを、静香は明かします。
会員からは、1時間に最低1万円の代金を徴収するそうです。
女性相手に身体を売らないかと、リョウは静香に娼夫にスカウトされました。


ひと晩考えたリョウは、静香の経営する『クラブ・パッション』に入ると決めます。
静香は早速リョウに合うスーツを、見立てました。撮影もします。
金髪の若者、平戸東(あずま)、通称:アズマが事務所に顔を出しました。
アズマはリョウを見て、「きっと、すごい売れっ子になると思うよ」と言います。

静香がなぜ自分に低評価をつけたのか、気になるリョウは、娼夫のクラブのことは隠して、シンヤとメグミにセックスの話を振ります。
どんなセックスがいいかという話題を3人でした後、リョウは性病の検査が陰性だと知りました。


静香から連絡が入り、リョウに初仕事が回ってきます。

〔渋谷〕

初めての相手は、ヒロミという年上の女性でした。
ヒロミはリョウを喫茶店に誘い、お茶を飲みながら話をします。
「年上の女性についてどう思うか」と聞かれたリョウは、「年上の女性が好きだけれども、罪の意識を抱えていて、自分でも不思議な感じだ」と答えました。
その答えを得ると、ヒロミは「じゃあ、またね」と言い、立ち去ります。

ヒロミとお茶の後に、まだ展開があると思っていたリョウは、あっけに取られました。
自分は不合格だったのかと思いつつ、静香に言われていたとおり、業務完了の電話を入れます。
すると静香に「成功だ」と言われました。同時に、翌日また同じ時間にヒロミと会うよう指示されます。

翌日会ったヒロミは、リョウに「別れ際『またね』って言ったじゃない」と答えました。
ヒロミは「好きなものを我慢する、その時間が楽しい」と言います。
リョウとすぐに関係を持たず、初日すぐに別れたのは、「我慢する時間が楽しい」からでした。
その日、ヒロミはリョウと関係を持ちたがります。

【承】- 娼年のあらすじ2

〔円山町〕

円山町のホテルへ移動した2人は、シャワーも浴びずに身体を重ねました。
ヒロミと別れた後、リョウは静香に業務完了の連絡を入れます。
静香は、ヒロミから電話があり、専属にしたいくらいだと言っていたと伝えました。
事務所に立ち寄ったリョウは、ヒロミとの仕事の報酬を受け取ります。

静香はリョウに、「この仕事をすると、女性の欲望の深さを知り、そのあまりにも予測不能なことでパニックに陥り、辞めていく者もいる」と語ります。
リョウは、それまで女性のことを「つまらない」と思っていましたが、ヒロミの件があってから「女性のことを、もっと知りたい」と思うようになりました。


〔表参道〕

イツキという女性に会ったリョウは、イツキが読んでいた本の話題をします。
イツキも、リョウが本の虫だとすぐに気付き、ひとしきり本の話題で盛り上がりました。
リョウは勢い込んで、本の話をします。

家に招いたイツキは、リョウに打ち明け話をしました。
イツキが初めてエクスタシーを感じたのは、小学時代の時のことです。
好きな幼馴染みの男子と話したいイツキは、好きな子の前で「おしっこに行きたい」と言えず、我慢していました。
尿意を我慢する際にふとももをこすりあわせていると、だんだん妙な気分になりました。
イツキは幼馴染みの男子と別れ際、尿意の我慢の限界を達し、男子の前でおもらしをしてしまいますが、その時にえもいわれぬ快感を得たそうです。
以後、「我慢したうえで自分が用を足すところを、男性に見てもらう」のが、イツキの満足に繋がりました。

その話を告白したイツキに、リョウは「見せてください」と答えます。
イツキはリョウの前で放尿し、リョウはイツキが満足そうな表情を浮かべたのを見て、愛おしいと思い、イツキの頭にキスします。


『クラブ・パッション』での仕事は、リョウにとって思わぬ益をもたらしました。
知的な女性の意外な一面を見られるなど、非常に興味深い仕事内容なので、リョウは楽しみになります。
大学のゼミ仲間・メグミにも、「楽しそう」と言われます。


静香と咲良に会ったリョウは、リョウの行きつけの店へ案内してくれと言われました。

〔高田馬場〕

猥雑とした居酒屋ですが、静香は喜びました。一定の年齢に達すると、チェーン店の居酒屋に女性ひとりでは、足を運びにくいからです。
静香は、リョウが客に評判がいいことを伝え、秘訣があるのかと聞きます。
リョウは、少し重たい話になると前置きし、自分の過去を話します。

…リョウが10歳、母が37歳の時でした。
リョウが風邪をひいて学校を休んだ日、母はよそゆきの服を着て家を出ていきました。
母は「すぐ帰るから、いい子にしてて待っていてね」と言って出ていきましたが、そのまま帰らぬ人となりました。
あとで父に聞くと、母は心筋梗塞で、横浜の中華街で亡くなったそうです。

以来、母恋しさもあってか、リョウは年上の女性に惹かれるようになりました。
特に女性が37歳と聞くと、10歳当時のリョウは殊更に嬉しく感じ、その女性にまとわりついていました…。

その話をすると、静香は「リョウくんは今でも、お母さんとの約束を守っているように見える」と言い、咲良は手話で「きっとお母さんは、優しくて綺麗な人だったんでしょう」と伝えます。
友だちには気軽に語れない過去を話せたこと、2人からあたたかい言葉を貰えたことで、リョウは胸がいっぱいになりました。
リョウは静香の肩を借り、居酒屋ですすり泣きます。

【転】- 娼年のあらすじ3

〔池袋〕

リョウは娼夫として、どんどん仕事をこなしていきました。
ある主婦は、セックスレスの悩みを抱えていました。
子どもを出産して以来、夫と身体を重ねることがなくなっていました。
「家族なのにそんなことをするのは、気持ち悪い」と、夫に言われたそうです。

仕事をこなすうち、リョウは、快感とはその人の弱点、コンプレックスに息づいているように感じ、女性の欲望はその「弱いところ」を満たしてあげるべきなのではないかと思います。
そのうちリョウは、女性たちの欲望のジャングルに、身を投じるようになりました。


〔熱海〕

泉川ご夫妻に指名されたリョウは、熱海の旅館に行きました。
そこには車椅子の泉川と、年若い妻・紀子がいました。

紀子がリョウのそばへくると、先にこっそり囁きます。
夫が余命一年半の病に犯されていることを告げると、「私が乱暴に扱われるのを、夫が好むから、残酷にしてくれ」と言いました。

リョウは泉川から、人相が分からないようにサングラスをかけるよう指示されます。
紀子にこっそり「ドレスを破ってもいいですか」と聞いた後、リョウはわざと紀子を乱暴に扱い、レイプするような振りをしました。
泉川はそれを喜び、撮影しながら興奮します。


後でその話を静香にすると、静香は笑いました。
常連の泉川夫妻は、いつも手の込んだストーリーを練ってきて、娼夫を巻き込むのだそうです。
つまり泉川が余命一年半の病だというのは、真っ赤なウソでした。

とはいうものの、泉川夫妻はリョウの演出を喜んでくれ、プラスアルファのボーナスをはずんでいました。
『クラブ・パッション』ではプラスアルファのボーナスを貰うということは、VIPの仲間入りをすることです。
VIPに昇格したリョウは、さらにディープな客を紹介されることになります。


同じ頃。
リョウをひとめ見て「売れっ子になる」と予言したアズマと会ったリョウは、なぜ分かったのかと聞きました。
「この業界では『ふつう』なのが出世する秘訣だ」という答えを得ます。
アズマはクラブハウスの個室で上半身裸になり、リョウに無数の傷を見せました。
アズマにつく客は、みんないたぶることが好きな「変態」客なのだそうです。

その話をした後に、アズマは「僕がこんなこと言うとみんなヒイちゃうんだけど、君は真剣に聞いてくれた」と言い、リョウにお礼をしたいと言い出しました。
男同士、アズマはリョウに奉仕します。

奉仕されたリョウもお返しをしたいと言うと、アズマは「小指の骨を折ってほしい」と頼みました。
骨が再びくっついた時には、骨折以前よりも強度が増すのだそうです。
言われるまま半信半疑で、リョウはアズマの左手の小指の骨を折りますが、アズマは痛みを喜んでいました。

リョウはすぐに手当てをしようとしますが、アズマは制止して「折れてからの2~3時間、痛みが増して気持ちがいい」と言います。
リョウは、自分の知らない世界がまだあることに、圧倒されていました。


ホストのシンヤ、ゼミ仲間のメグミに、リョウがクラブで娼夫をしていることが露見します。
シンヤもメグミも、リョウを責めました。
「ふつう」の世界で充分生きていけるのに、なぜそんな世界に身を投じるのかと、2人はリョウを詰問します。
詰問されたリョウが怒ると、メグミは傷ついて席を立ちました。
シンヤは「昼間の世界でも生きていける奴なのに」とリョウに言い、メグミのあとを追います。

【結】- 娼年のあらすじ4

〔鶯谷〕

70歳の誕生日を迎えた老女に呼ばれたリョウは、「あなたの話を聞かせて」と言われ、先日、友人と喧嘩になったことを話します。
口論になった内容やその原因を話すと、老女はリョウの手をにぎったまま、絶頂を迎えました。
あっけにとられるリョウに、老女は「年を取ると、こういうこともできるのよ」と、けろっとした顔で答えます。

リョウはどんどん売れっ子になりました。
今ではナンバーワンの座を、アズマと競うほどです。

お祝いとして何が欲しいと静香に聞かれたリョウは、「僕と付き合ってもらえませんか」と言います。
仕事をしているうちに、リョウは静香に思いを寄せるようになっていました。
リョウは静香を押し倒そうとしますが、静香は拒みます。
「ほかのことはできるけど、私はあなたとはセックスできない。残念だけれどね」

静香はその後、リョウに指名が入ったと告げます。
リョウはそれを遮って「咲良さんにはご面倒をおかけしますが、情熱試験をもう一度受けさせてくれ」と頼みました。
静香は、仕事が終わってからと言います。


〔新宿〕

リョウを指名したのは、ゼミ仲間のメグミでした。
リョウを指名するために、1か月のバイト代を注ぎ込んだと言います。

メグミは先日、シンヤとセックスしたことを告げ、「ホストのシンヤくんよりも、娼夫のリョウの方が上手なんだよね。それを私の身体で証明して」と言います。
リョウはメグミと関係を持ちました。

行為の後、メグミはずっと、リョウとこういう関係になりたかったと告白します。
(メグミはリョウのことが好きだった)
でも「私がいる世界とは、ちがう世界の人だと分かった」と言いました。
リョウは「落ち着いたら、またバーへ来てよ。メグミはいつも、あの店ではタダだから」と答えます。


戻ってきたリョウに、静香が自分の過去を話します。
静香はもともと、娼婦でした。客のひとりと恋をして、咲良を出産します。
咲良を出産する頃には、もうその男性とは別れていました。

咲良が障害を持って生まれた時、静香は落胆しました。
長じた咲良はそれを察していたのか、母親である静香の仕事を手伝いたいと言い出します。
それが「情熱試験」として、雇用する相手と関係を持つ行為でした。

なぜ咲良がその仕事をするのか…それは、母である静香がエイズウイルスに感染しているからでした。
静香の告白を聞いて、リョウはハッとします。
(リョウが静香を押し倒した時、静香が拒否したのは、病気をうつしたくなかったから。
断じて、リョウを嫌いだったからではない)

「あの時、拒否するのは、自制心が必要だったかな」
そう静香は答えて笑いました。
(静香もリョウを好もしく感じており、抱かれたいと思っていた)


静香の秘密を知ったリョウは、泣きながら、改めて咲良と試験を行ないます。
今度は時間をかけてじっくりと、時には静香に見せつけるようにおこないました。
静香もそれを見て、興奮します。

3人で身体を重ねているような感覚に陥ったリョウは、絶頂の瞬間に「静香」「咲良」両者の名前を呼んでいました。


後日。
リョウのいるバーに、封筒を抱えた咲良がやってきます。

静香の店『クラブ・パッション』は摘発され、店がつぶれました。静香は警察に連行されます。
咲良が持ってきたのは、静香が娼婦仲間のつてをたどり、得たものでした。

リョウの母は娼婦でした。横浜の中華街で倒れたのは、客と会っていた時でした。
(リョウの父が知っていたかどうかは謎)
「リョウと母、静香と咲良は同じ仕事で結ばれていた。リョウは、なるべくして娼夫になったのだ」という内容の手紙でした。


〔1年後〕

老女のところへ、リョウが派遣されています。
老女の夫は10年前に他界しており、老女は夫の姿が見えると言いました。
誕生日を祝った後、老女はリョウに抱いてくれと頼みます。
リョウは老女の応じるまま、着物を脱がせ始めました…。

静香のあとをついで、咲良が店を経営しています。アズマも健在です。

(静香がどうなったかは謎。リョウは仕事を続けるつもり)

みんなの感想

ライターの感想

鑑賞し終えて「いやあ、たしかにこれ、18禁だわ」。
松坂桃李が好きな女性にとっては、嬉しい映画なのかも。
(私は特にファンというわけではないので、淡々と見ただけ)
とにかく濡れ場の多い映画。びっくりするくらい。
でも不思議なことに、あまりいやらしさを感じることがない。
むしろ一種の儀式を見ているような、不思議な感覚。
ただのマザコンだった男が、一歩成長した、そんな作品。

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