映画:隣の女(1981年)

「隣の女(1981年)」のネタバレあらすじと結末

ラブストーリー

隣の女の紹介:1981年のフランス映画。巨匠フランソワ・トリュフォーの晩年の作品で、激しい愛と葛藤の物語。家族と平和に暮らしていたベルナールの隣の家に、かつての恋人だったマチルドが夫と共に越してくる。背徳感を感じながらも、互いの伴侶に隠れて求め合うベルナールとマチルドだったが、次第に正気を失っていく…。

あらすじ動画

隣の女(1981年)の主な出演者

ベルナール・クードレー(ジェラール・ドパルデュー)、マチルド・ボーシャール(ファニー・アルダン)、フィリップ・ボーシャール(アンリ・ガルサン)、アルレット・クードレー(ミシェール・ボームガルトネル)、ジューブ夫人(ヴェロニク・シルヴェル)、ロラン(ロジェ・ヴァン・オール)

隣の女(1981年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 隣の女(1981年)のあらすじ1

フランス・郊外の閑静な街。
油槽船の研究所に勤める32歳のベルナール・クードレーは、28歳の妻アルレット、愛息トマと3人で穏やかに暮らしていました。つい庭で愛し合ってしまうほど夫婦仲はよく、順風満帆な家庭を築いています。
ある日のこと。ベルナールの家の隣の空き家に、航空管制官として働く初老のフィリップ・ボーシャールが越してきます。転居前の下見の際に、1度だけクードレー夫妻と顔を合わせていたフィリップは、彼らに自慢の妻を紹介しました。フィリップよりもだいぶ若く美しい妻マチルドは、ベルナールの顔を見て一瞬膠着すると、何か秘密を抱えたような表情で微笑みを浮かべました。

隣同士2軒のそれぞれの窓からは、互いの家の様子がよく見えます。アルレットが外出するのを目視したマチルドは、ベルナールに電話をしました。実は8年ほど前、2人は恋人同士だったのです。予期せぬ再会に喜んだマチルドは、電話をしてほしいと彼に乞いました。それに対しベルナールは嫌悪感を示し、すげなく電話を切ります。元恋人とのまさかの体面に、ベルナールは心穏やかではいられません。ところがボシャール夫妻に好感を抱いたアルレットは、何も知らないがゆえに夫妻を夕食に招く約束を交わしていました。

翌日の夕方、ベルナールはよく行くテニスコートにいました。マチルドに顔を合わせたくないベルナールは家に電話を入れると、“残業中”だと嘘をつきます。その会話を聞いていたコートの経営者のジューブ夫人が、ベルナールの心境を見計らって話を聞いてくれました。ジューブ夫人もまた、若い頃に恋人が他の女性と結婚したと知り、飛び降り自殺を図って失敗した経験がありました。その影響で、現在も右脚が不自由です。そんな体験をしたジューブ夫人だからこそ、一筋縄では行かないといった状況のベルナールを思いやって話しかけたのです。結局ベルナールは夕食会をすっぽかし、深夜に帰宅しました。

【承】- 隣の女(1981年)のあらすじ2

スーパーでマチルドに話しかけられたべルナールは、彼女を避けました。そんなベルナールにマチルドは、かつて自身が姿を消した理由を打ち明けます。愛したり、憎んだりと浮き沈みのあるベルナールの愛に疲れ、マチルドは彼から離れたのでした。今更ながら別れの理由を知ったベルナールは納得したうえ、友人になるという意見がマチルドと合致し、互いの伴侶にも自分たちの関係を話すことを約束します。
しかし“友人”であるにも関わらず、別れ際にマチルドは「名前で呼んで欲しい」とベルナールに甘えてきます。それを聞いた彼にもまた昔の感情が蘇り、思わず熱く口づけをしてしまいました。その最中にマチルドは気を失って倒れますが目覚めるとすぐに、心配するベルナールを振り払うように、車で走り去りました。

ある日、クードレー一家とボーシャール夫妻は、テニスコートで鉢合わせします。奇遇にもジューブ夫人の命の恩人とも呼べる存在であるロランという男性が、フィリップの旧友であることも判明しました。出版社に勤めるロランは、マチルドが趣味で絵を描いていることに興味を持ちました。
テニスコートでベルナールに話しかけたマチルドは、冷たくあしらわれましたが、それは彼のうわべの行動でした。帰宅したベルナールは、何度もマチルドの家に電話をかけました。何度かけても通話中だったのは、マチルドもベルナールに電話をかけていたから。ようやく電話が繋がるとマチルドは、ホテルの部屋での待ち合わせをベルナールに持ち掛けるのでした。

翌日、約束したホテルで2人は愛し合いました。出会った日のこと、離れた時のことなどを語り合い、理解し合えなかった溝が埋まっていきます。マチルドの体に触れていたベルナールは、彼女の腕にリストカットの痕跡を見つけます。マチルドは理由を語らないものの、2人の想いは再燃していきました。
その頃。ジューブ夫人は自殺未遂の原因になったかつての恋人から、会いに行くと綴られた手紙を受け取ります。自分の姿を見られたくなかったのか、ジューブ夫人はテニスクラブをロランに預けて旅に出ました。しばらくこの地に滞在することになったロランは、マチルドと絵本の制作を進めることに。

【転】- 隣の女(1981年)のあらすじ3

今度はボーシャール夫妻が、クードレー夫妻を家に招きました。そこでベルナールはフィリップから、マチルドに離婚経験があることを聞き動揺します。明日からフィリップが急遽出張で家を空けると知ったマチルドは、ベルナールといつものホテルでの逢瀬を約束しました。

ホテルへ行ったマチルドですが、部屋に入ることを拒んだので、2人はお茶をすることに。ベルナールに離婚について問われたマチルドは、彼と別れた淋しさからとりあえず結婚してすぐに分かれたという真相を語りました。すっかりマチルドに心を奪われてしまったベルナールは、「過去を忘れて一緒に何処かへ行こう」と言い出します。しかしマチルドは、8年前に妊娠しても子供を望まなかったベルナールが、アルレットとは子供を設けたことに対し恨み節を。それでもマチルドは、結局帰路の車内でベルナールに求められると、激しく愛し合うのでした。
これきりにしたいとマチルドから拒絶されたベルナールですが、頭は彼女の事ばかり。マチルドの行動が気になって仕方ないベルナールは、彼女が夜に出かける姿をチェックすると、次の日仕事を抜け出してまで、電話で執拗に聞き出しました。電話を切られたベルナールは、マチルドの家まで押しかけます。口喧嘩にはなるものの顔を合わせた2人は、つい許し合ってしまうのでした。

出張から戻ってきたフィリップは、若いマチルドにべったりです。彼女の昔の写真を見ていたフィリップは、集合写真の1枚にベルナールが映っているのを発見します。それを問われたマチルドは、一度だけベルナールに会ったことがあると咄嗟に嘘をつき、自分のいとこが彼と恋仲で、うまくはいかなかったとごまかしました。

ボーシャール夫妻は結婚2年目にして新婚旅行に行くことになり、その前にパーティを開き仲間や近所の人々を自宅に招きました。旅行に行くと初めて知ったベルナールは取り乱し、大声を出してマチルドに迫り狂います。マチルドは失神したうえ、ベルナールの暴挙にて2人の関係が周囲に知れることに。そんな混乱の最中、アルレットの妊娠が判明します。
ベルナールに憤慨し逃げるように旅立ったフィリップは、旅行中も心あらずといった様子で、すでに転居先も検討していました。帰宅後に愛し合ったマチルドとフィリップでしたが、マチルドはベッドでベルナールの名を呼んでしまい、フィリップとの関係が乱れていきます。

【結】- 隣の女(1981年)のあらすじ4

もともと不安定だったマチルドは、一連の出来事でどんどん精神を病んでいきます。めでたくマチルドの絵本が出版されサイン会が開かれますが、彼女は他人の噂話を聞いただけで、不安で泣き崩れてしまいます。
マチルドは入院を余儀なくされ、食事もとらない日々が続きました。マチルドの衰弱ぶりを心配したフィリップやジューブ夫人から依頼され、ベルナールが彼女の病室を訪ねます。しかしマチルドは返事さえしませんでした。再びベルナールが見舞った際には、マチルドは会話が出来るまで回復していて、シャンソンに登場する歌詞を彼に語って聞かせます。それはまるでマチルドからベルナールへの愛のメッセージのようでしたが、それとは裏腹に彼には冷たい態度をとりつづけました。

マチルドが退院します。フィリップはマチルドを家に戻させないために、退院より前に引越し作業を済ませていました。
その夜。再び貸家となった隣の家の扉が風に揺れる音が響き、気になったベルナールは1人で様子を見に行きます。空っぽになったはずの家には、マチルドの姿が。ためらいもなく求め合う2人。ベルナールに愛されながら、ハンドバッグに手を伸ばしたマチルドは、彼の頭を銃で貫きました。その後マチルドは、自身のこめかみも撃ち、2人は両脚を絡ませたまま永遠の眠りにつきました。

この事件についてジューブ夫人が語りました。「もし2人の遺体が同じ墓に葬られるとしたら、墓碑銘に刻みたい。“あなたと一緒では苦しすぎる。でもあなたなしでは生きられない”と」

みんなの感想

ライターの感想

恐ろしくおぞましい恋愛劇でした。哲学的で上品な演出のおかげで、なんとか正気を保ったまま鑑賞することができた気がします。
マチルドにもジューブ夫人のように、かつての相手に会わない勇気があれば…。と思ってしまいますが、それが出来なかったというのは、ジューブ夫人の最後の言葉通りなのでしょう。2人の成れの果ては悲しいけれども、あの印象的な言葉には感懐を抱きました。

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