映画:華氏451(2018年)

「華氏451(2018年)」のネタバレあらすじと結末

SF映画

華氏451(2018年)の紹介:2018年放送のアメリカテレビ映画。レイ・ブラッドベリのSF小説を原作とする。タイトルは、本の素材である紙が燃え始める温度を示す。

あらすじ動画

華氏451(2018年)の主な出演者

ガイ・モンターグ(マイケル・B・ジョーダン)、ジョン・ベイティ隊長(マイケル・シャノン)、クラリス(ソフィア・ブテラ)、レイヴン(リリー・シン)、ダグラス(ディラン・テイラー)、コミッショナー(マーティン・ドノヴァン)、トニ・モリソン(カンディ・アレキサンダー)、歴史学者(キア・デュリア)

華氏451(2018年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①情報統制され監視される近未来、本は悪とみなされ本を焼く焼火士がヒーロー扱いされていた。焼火士のモンターグはクラリスという女性の言葉がきっかけで、自分の仕事に疑問を持ち始める。おかしいのは世間のほうだと気づいたモンターグは、次第にウナギという本擁護派に。 ②オムニス計画に加担しようとしたモンターグは上司・ベイティに裏切りが見つかり、無実の罪を着せられた。モンターグはベイティに焼き殺されたが、その前に計画の要の鳥を放した。

【起】- 華氏451(2018年)のあらすじ1

華氏451(2018年)のシーン1 近未来のアメリカ…。

世界は劇的に進歩し、すべてオートメーション化していました。
社会では知識や情報がすべて映像化され、伝達されます。
巨大なビル群の壁一面がスクリーンとなって、テレビ番組が映されていました。

時代の流れで、人々は文字を習うものの、活字の集積体…「本」を読むことはよくないことと教え込まれています。
「過多な文字は人をむしばむ」とされ、読書は悪、本は見つかり次第、焼却処分されるべきだと思われていました。

人間たちの生活は、便利なものと引き換えに監視されていますが、彼らに自覚はありません。
『ユークシー』という名前のスマートスピーカー型の人工知能が普及しており、人間たちは『ユークシー』で管理されています。体のいい監視です。
「機能制御」と指示すれば、一定程度『ユークシー』の介入は阻止できますが、それもどの程度監視の目から逃れられているか分かりません。
さらに人間たちは目薬をさすよう、指示されています。
目薬の処方により、人間たちは昔の記憶があいまいになっており、判断力も少し鈍くなっていました。


若い男性・モンターグは本を焼く仕事、いわゆるファイアマン「焼火士(火トカゲ)」の仕事をしていました。
焼火士は世間のヒーロー的職業です。
本を守る一団がいました。それを世間では「ウナギ」と呼んでいます。

モンターグは上司ジョン・ベイティ士長に、気に入られていました。
モンターグもベイティの期待に応えようと、必死で仕事をしています。
ベイティとモンターグが活躍をしたために、出世が決まりました。
ベイティは年末に士長から司令長へ出世が決まり、モンターグも小隊長から中隊長へ出世します。

モンターグはある夜、ベイティに同行して、減刑のために情報提供をしようとする若い女性・クラリスと会いました。
減刑というくらいですから、クラリスは「ウナギ」だったことがあります。いえ、厳密にはいまもウナギ側の人間です。

自分の刑が軽くなるために仲間を売ろうとするクラリスを見て、モンターグは軽蔑しますが、クラリスもモンターグに「なぜ本を焼くのか、一瞬でも考えたことがあるのか」と問いかけました。
本を焼くことを自分の仕事にしながらも、その行為の意味を考えたことがなかったモンターグは、虚を突かれました。
それ以降、自分の仕事の意味について、モンターグは考えるようになります。


それは実のところ、出世をするならば誰もが一度は考える通過儀礼のようなものでした。
上司のベイティも、ひとりで部屋にいるときには、紙にペンで文字を書きつけることを、こっそりとしてみます。
もちろんそんなことは、よくないことです。ベイティも自覚はあります。
格言のようなものをいくつか書いたベイティは、あとでまとめて紙を燃やします。

【承】- 華氏451(2018年)のあらすじ2

華氏451(2018年)のシーン2 クラリスの言葉から仕事について考え始めたモンターグは、かねてから気にかかる記憶がありました。
目薬をさすために忘れがちになりますが、モンターグは父との思い出に、おかしなものがあるのです。
モンターグの父親も、立派な焼火士でした。
しかし幼いモンターグは、父親が自室に本を所持し、自分に見せてくれたような記憶があるのです。


クラリスの情報提供で森の奥へ行ったベイティ、モンターグのチームは、そこに大きな屋敷を見つけました。
なんとその屋敷の屋根裏には、大量の本がありました。
老女ママ・ジョードは『怒りの葡萄』という本を読んでいます。

クラリスの発言で本への興味が高じていたモンターグは、その摘発の際に、現場から本を1冊だけ盗みました。ふところに隠し持ちます。
本が積み上げられ、助燃材のケロシンという液体がまかれると、ママ・ジョードはマッチをすって、本と一緒に焼身自殺を図ります。
映像による取材中で、ママ・ジョードの死の一部始終は放送されました。

ママ・ジョードは死の間際、「オムニス」ということばを呟いたのですが、そこは情報操作されます。
殉難者(思想などのために、わが身を犠牲にする者)になってはならないとして、国家はママ・ジョードのことを過度に報道しないようにしました。
しかし目の前で一部始終を見ていたモンターグは、政府が工作することで「おかしい」と疑問に思い始めます。

自室に戻ったモンターグは、持ち帰った本を取り出しました。
ドストエフスキーの『地下室の手記』という本です。
モンターグは『ユークシー』の機能を制限させて、本をこっそり読みますが、制限させたはずの『ユークシー』が話しかけてきたので、モンターグは居心地が悪くなって部屋を出ていきます。

本について質問したいので、モンターグはクラリスに接触しました。
尾行に気づいたクラリスは、モンターグにナイフを向けて警戒します。
とはいうものの、クラリスはモンターグの接触に疑念を抱きました。
改竄された情報を得ていたクラリスは、ママ・ジョードが最後に残した言葉を知りたくて、モンターグに質問します。
モンターグは「オムニス」という言葉だったことを告げました。
それでもまだ警戒するクラリスに、モンターグは本を見せます。
クラリスは警戒を解き、ナイフをおろしました。

クラリスはモンターグを自室に案内します。
モンターグはクラリスに、本の朗読を頼みました。
モンターグももちろん文字は読めるのですが、モンターグの自宅だと『ユークシー』が反応しますし(クラリスの部屋には『ユークシー』がありません)、文字を続けざまに読むことに、モンターグは慣れていません。

【転】- 華氏451(2018年)のあらすじ3

華氏451(2018年)のシーン3 モンターグの持ってきた本の一説を朗読したクラリスは、「国はことばを制御して、思想を駆逐している」と指摘しました。
目薬で記憶を統制することで国民を反抗しないようコントロールし、芸術などに触れさせないようにしていると、クラリスは言います。
クラリスはハーモニカを見せ、演奏方法を教えました。モンターグはハーモニカを演奏し、芸術の魅力を知ります。
モンターグはクラリスと少しずつ、心を通わせていきます…。


表向きは焼火士の仕事をしながら、モンターグはクラリスと親しくなりました。
モンターグはクラリスから、今の国家の問題点を教わります。
クラリスの信頼を得たモンターグは、「オムニス」というものの正体を聞きました。

ある夜。
ウナギたちのアジトを摘発したモンターグは、バスルームに隠れていた父と娘を見逃します。
ところが上司・ベイティに、それが見つかってしまいました。
父と娘は連行され、モンターグはベイティに、どういうつもりなのかと詰問されます。

モンターグは「魔が差した」と答えますが、ベイティはモンターグの心のゆらぎに気づきました。
現行政府への不満は一過性のもの、風邪みたいなものだろうと言ったベイティは、「自分をしっかり保て」とアドバイスし、頭を冷やしてくるよう言われます。
少しの間やすんで「風邪」を治してこいとモンターグを解放したベイティは、モンターグが信用ならないとして、モンターグの次に腹心の部下であるダグラスに連絡し、モンターグを尾行しろと命令しました。


クラリスの信頼を得たモンターグは、「オムニス」の秘密を知るときがきます。
ウナギたちのアジトへ連れていかれたモンターグは、他のウナギたちと会って試されました。
モンターグはウナギたちに、「奥の部屋にいる焼火士を殺せ」と言われ、実行しようとします。
本当は焼火士など捕らえられていませんでした。信頼を得たモンターグは、計画を教わります。
モンターグは同時に、クラリスとも愛情で結ばれていきました。


…クラリスたちウナギは、見つかった本が焼却処分になり、いずれ絶えることを恐れました。
本が焼かれても中身が消えてしまなわないように、ウナギは「1人が1冊の本を担当し、それぞれ『暗記』することで」本を途絶えさせないようにと、計画していました。
森の奥で焼身自殺したママ・ジュードが担当していたのは、『怒りの葡萄』という作品で、クラリスは『ホワイト・ティース』という本を暗記しています。

【結】- 華氏451(2018年)のあらすじ4

華氏451(2018年)のシーン2 クリフォードという少年がいます。
クリフォードは天才的な頭脳を持つ人物で、1万3000冊の本を記憶するほどの優秀な頭脳を持っています。
クリフォードの母はオムニス計画の遺伝学者で、死ぬ前に研究していたDNAを、クリフォードの飼い鳥であるムクドリ・レニーに注入していました。
ウナギの望むのは、クリフォードとムクドリ・レニーを、カナダの科学者のところまで送り届けるということです…。


モンターグは応答機を職場から盗み出して、クリフォードを送り届けてくれと言われました。
出勤したモンターグは、応答機を手にします。
そこへベイティが話しかけ、出動するぞと言いました。

モンターグとベイティのチームが行ったのは、なんとモンターグの部屋でした。
ベイティの指示でモンターグのことを調べたダグラスは、モンターグがウナギと通じていることをベイティに報告していました。
ベイティは、モンターグの部屋に大量の本を置き、偽装工作します。あたかもモンターグが本を所持していたかのようにおぜん立てをし、みんなの前で罰を与える…それが、ベイティの考えたことでした。
(モンターグの部屋にあった本は、モンターグが所持していたものではない。罠にはめられた)

モンターグが有罪だとカメラで取材されながら、モンターグは処罰を受けます。
本は焼かれ、モンターグも罪びととして指紋を焼かれました。
(ちなみに焼かれる本の中に『ハリー・ポッター』がある)

罰を受けたモンターグは、クラリスたちウナギを差し出せと要求されますが、モンターグは裏切りませんでした。
ダグラスの武器を取ったモンターグは、そのまま向かってきた仲間に火炎放射器を向け、燃やします。
炎でかく乱して逃亡したモンターグは、テロリストとして指名手配されました。

ベイティはウナギのアジトを見つけ、入り込むと建物を燃やします。
モンターグはクリフォードと鳥を解放しようとしました。
倉庫の屋根に穴が開いていることに気づいたモンターグは、応答機を鳥の足につけると、鳥を空に放します。
怒ったベイティは、モンターグに火を放ちました。モンターグは目を閉じて、死を受け入れます。

モンターグが放した鳥は空を飛び、海を渡り、移動しました。
やがておおぜいの鳥の群れと合流し、空に広がります。それはあたかも、DNAが広がっていくかのようでした。

(レイ・ブラッドベリの原作とも、1966年版の映画とも内容がかなり異なっている。
主人公は独身、ひとり暮らしの設定になっている。モンターグが殺した相手も、ベイティではなく別人。
この作品ではラスト、モンターグが亡くなっている)

みんなの感想

ライターの感想

原作とも、1966年の作品ともだいぶ違った内容。これはこれで「ありだな」と思った。
有川浩の『図書館戦争』は、つまるところこの『華氏451』から着想を得て作られたようなもの。
本はよくないものとして焼かれる運命…まさしく設定はこの世界。
いままで自分のしてきた仕事に疑問を抱いていなかった主人公が、クラリスのことばがきっかけで考えなおす…そこが上手に描かれていた。
原作と1966年版の映画では、主人公は森の奥に行く。
しかし今作品では主人公がラストに死んでしまう。死んでもなお、主人公が放した鳥は飛び立って計画の成功が判る。なかなかいい作品。

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