映画:あいつの声

「あいつの声」のネタバレあらすじと結末

あいつの声の紹介:韓国三大未解決事件の一つ、1991年の”イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件”をモチーフとし、被害者家族と犯人の、事件発生から遺体発見までの44日間の苦悩と攻防を描いた2007年公開のサスペンス映画。監督/脚本は「ユア・マイ・サンシャイン」のパク・チンピョ。主演は「公共の敵」のソル・ギョングと「僕の妻はスーパーウーマン」(ドラマ)のキム・ナムジュ。

あらすじ動画

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あいつの声の主な出演者

ハン・ギョンベ(ソル・ギョング)、その妻ジソン(キム・ナムジュ)、その息子サンウ(イ・ヒョンチョル)、キム刑事(キム・ヨンチョル)、スヒ刑事(コ・スヒ)、誘拐犯(カン・ドンウォン)、ノ班長(ソン・ヨンチャン)、刑事課長(キム・グァンギュ)、声紋分析官(チョン・ヘジン)、ジェジュン(イム・ジョンユン)、その息子インソク(キム・ヨンピル)、牧師(ユン・ジェムン)など

あいつの声のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①1991年、人気ニュースキャスターのギョンベとその妻ジソンの9歳の愛息サンウが誘拐され、犯人から身代金1億ウォンを要求する脅迫電話が来る。②金を渡せば解決すると踏んだギョンべは通報を拒むが、ジソンが通報し警察が介入する事に。しかし捜査は後手後手に回り、夫妻も警察も犯人に翻弄されるうち、子供の生死も不明のまま身代金だけを奪われる。③ギョンベに恨みを抱く元友人ジェジュンとその息子が容疑者とされる一方、ようやく息子の声を聞かされたギョンベは希望を抱く。④息子の声がテープと判明するが、一縷の望みをかけギョンベは犯人との最後の交渉に打って出るが…。

【起】- あいつの声のあらすじ1

1991年の韓国。国民的番組DBCニュースのメインキャスター、ハン・ギョンベは、ソウルの高層マンションで若く美しい妻ジソンと9歳の息子サンウと共に幸せに暮らしていました。
ギョンベは知的で辛口のコメントが評判の正義漢、ジソンは良妻賢母のクリスチャンという理想の夫婦でした。2人の目下の心配事はサンウの肥満でしたが、ジソンがつきっきりで鍼灸やジム、運動・食事療法などのダイエットをさせています。
サンウはキビシイ母親の目を盗み、マンションの片隅の隠れ家で菓子を食べ息抜きをするちゃっかりした子で、父親のようなキャスターになるのが夢で、子供用のカセットでアナウンスの練習もしています。
2人はサンウをこよなく愛し、酔って帰ったギョンベは、サンウを起こして「男は最後までカッコよく勇ましくだ!太ってる事なんか気にすんな!パパに任せろ!」と笑っていました。

その年は誘拐殺人事件が相次ぎ、ある日、階段昇降や縄跳びに音をあげ、公園でサボっていたサンウに、黒いキャップを目深にかぶった男が近づいていきます。
ジソンが息子の帰りが遅いと気づいたのは夜の9時。彼女が知り合いに片っ端から電話をしているところにギョンベが帰宅しますが、警察への通報は止められます。
深夜0時。犯人から電話があり「サンウは今ここにいます。明日までに現金1億ウォン、車に電話を設置して3コール以内に取る事。もし通報したり私を怒らせたら、子供を殺します」と言われます。
犯人は公衆電話からかけているようで、サンウは縛られ口にガムテープを貼られ、狭い場所に入れられ「助けて下さい…パパ…」と泣いていました。

誘拐から8時間後の翌朝。ギョンベは「国民的ニュースだから休めない」と言い「休暇を取り、金を借りて代役も頼んでくる。犯人の逮捕はどうでもいい、金を渡せば済む事だ。必ず連れて帰ってくる。自動車電話から連絡する。絶対に通報しちゃダメだ」と言い出勤します。
ジソンはサンウに禁じていたごちそうを作り、ギョンベは親が倒れた体で休暇を取り後輩に代役を頼み、金を用意します。

21時間後。ギョンベは、犯人からの「キンポ(金浦)空港の国内線出口に、エンジンをかけたまま、ドアとトランクを開け放し、金を積んだ車を置き、必ず家に帰れ」との指示に従いますが、第三者に金を盗とられる不安から、隠れて車を見張っていました。
一方犯人は、自宅のジソンに電話し「サンウは、中華料理が食べたいと言い、風邪薬を飲んで寝てる」と話していました。ジソンは顔色を変え電話機を手に取ります。

22時間後。犯人が現れないまま自動車電話が鳴り、ギョンベが取ります。
犯人は「自宅に電話しても奥さんが出ない、あなたにも帰れと言ったはず」とイラつき、「時速40キロでククトン劇場の伝統茶屋に行き、エンジンをかけてドアを開けて車を置け」と新たな指示を出します。速度制限は「後を尾けているから」、サンウの声を聞かせろと言うと「質問が多い」と切られます。

23時間後。ギョンベは指定場所に到着しますが、伝統茶屋は終業していました。
犯人は自宅に電話をし、ジソンに「路地の奥のチキン店で待つようご主人に伝えてください」と言い、ギョンベがチキン店に行きますが、客はおらず、入れ違いに出て来たキャップを被った作業着の男に「お前が犯人だろう?!息子を返せ!」と掴み掛ります。
男は、ジソンから通報を受けて動き出した警察のキム刑事でした。

ジソンは犯人に子供を返すよう懇願しますが、犯人は「うるさいから叫ばないで。今から子供を飢えさせます。劇場前に知り合いがいます…」と指示を続けますが、ジソンが取り乱し、切られてしまいます。
その直後、ギョンベは自宅に電話をし「なぜ通報した!」と怒鳴りますが、彼女は「チキン店に行って!」と泣き叫んでいました。
彼は再度チキン店に行きますが、中では太った客が食事をしていただけでした。

誘拐から2日後。警察は6人の容疑者を上げ、自宅にも逆探知の機材と大勢の人員が導入されますが、責任者のノ班長と刑事課長はギョンベにサインをねだり、主力メンバーも熱血人情派のキム刑事と、愚痴っぽく太った女刑事スヒといった凸凹コンビで期待薄、また唯一の手掛かりである犯人の声の声紋分析にも、時間が掛かるようです。
犯人は、自宅の電話と自動車電話にかけてくるため、自宅にはジソンと逆探知の機材と大勢の捜査員が、地下駐車場の車にはギョンベとキム刑事が待機し、トランクには逆探知の機材とキム刑事が潜んで同行する手はずになります。
けれどトランクは中から開けられず、狭く暑いため、キム刑事は早々に音を上げます。

誘拐から4日後のマンションの駐車場。
キム刑事は出前のジャージャー麺を食べながら、ギョンベに犯人の心当たりを聞き「麺が伸びますよ」と声を掛けます。
ギョンベは「報道に7年いた。私の報道で失職した人は大勢いるだろうが、特に恨みを抱く者と言われても思いつかない。私は品行方正にやって来たのに」と話していました。
そこに犯人から電話がありますが「麺が伸びますよ」と笑われ、ギョンベは思わず感情的に言い返してしまいます。犯人は「脅す気ですか?子供も金もどうでもよくなってきた」となじり、一方的に切られます。
同じ頃、自宅にも電話がありますが、泣いてすがるジソンに「あなた方を監視しています」とだけ言い、切られてしまいます。

間もなく駐車場には、キャップをかぶった若者が、バイクで出前の皿を取りに来ます。
その時ギョンベは運転席でうたた寝していましたが、白手袋の誰かが車の窓に「よだれを垂らして緊張感が無い」と書いた付箋を貼って立ち去ります。
ギョンベはすぐに気付いて追いかけますが、あたりに怪しい者はいませんでした。
監視カメラは、出前の若者が去った直後に動かされ、犯人は映っていませんでした。ノ班長は激怒し、八つ当たりされたスヒ刑事は、タバコを吸いに駐車場に行き、サンウの菓子の空き袋に気づき、隠れ家を発見します。
そこは駐車場の一角にある古い倉庫で、捜査員たちは犯人のアジトと断定し検証します。ギョンベは小さなオモチャを密かに持ち帰り、サンウの写真と一緒に部屋に飾ります。
一方、出前の中華屋で食事をしていたキム刑事は、犯人と同じく「麺が伸びますよ」と言った出前の青年に手錠を掛け、騒動になります。

誘拐から7日後。駐車場にいたギョンベは、日記代わりの報道記録を見直すうち、友人だったジェジュンの収賄報道を思い出し、警察はジェジュンの動向を監視し始めます。
その時ジェジュンは、ギョンベの前に跪き懸命に懇願しましたが、ギョンベは人気取りのため彼を見捨てたのです。

一方、自宅にはギョンベの母親から電話があり、ごまかして切ろうとするジソンを「サンウを電話に出して」「子供が太ってる事を気にするなんて最低」「ニュースに息子(ギョンベ)が出てないのはなぜ?」となじります。
同時に犯人から車に電話があり「奥さんがずっと通話中です」「あなた方が私を怒らせるからですよ。息子さんはチョコレートが好きですね」「息子さんは本当に実子ですか?」と話し、「今日もドライブしましょう。金浦空港の国内線に今度は夫婦で来てください」と言われます。ギョンベは必死で食い下がりますが聞き流され、逆探知も失敗します。
部屋に戻ったギョンベは、シャワーを浴びていたジソンを責めますが、彼女は「冷静になるため水を被ってた」「犯人は通報した事も知ってる。私のせいよ」と泣き出します。
ギョンベは「君は何も悪くない、自分を責めるな」と抱きしめる事しかできませんでした。

夫妻が乗った車のトランクにはキム刑事が隠れていましたが、途中渋滞に巻き込まれ、別な道に入ったところで、犯人から電話があり「警察の気配がする。本当に返して欲しいと思ってるんですか?」となじられ「子供が熱に浮かされてる」と言われます。
ジソンは電話を奪い「熱を出してるんですか?!お願いだから返して!あなたも親でしょう?!」と責めますが、犯人はかまわず「63ビルのゴミ箱にメモを入れた」と言っただけでした。
メモはすぐに見つかりますが、警察は夫妻の車を見失い、残るはトランクの中にいるキム刑事のみとなります。

夫妻の車は南山(ナムサン)に向かい、犯人からは「ケーブルカーの乗り場に、エンジンを切らず開けっ放しにした車を停めて、ケーブルカーに乗ってください。山頂に息子さんがいます」と言われます。一方キム刑事の連絡で、たくさんのパトカーや警察車両が出動します。
夫妻はなんとかケーブルカーに乗り山頂に向かいますが、眼下にはキャップに白手袋の若い男が夫妻の車に乗り、走り去る姿が見えていながら何もできませんでした。
またトランクにいたキム刑事は、隠し窓から運転席を見ますが犯人の顔は見えず、ピストルの準備をします。
結局サンウは見つからず、キム刑事からの連絡も途絶え、夫妻は言い訳をする刑事課長とスヒ刑事を怒鳴りつけて追い出します。逆探知の機材と人員は駐車場の倉庫に移され、夫妻は久しぶりに静かな時を過ごします。

誘拐から11日後。キム刑事は全裸で縛られ、粗大ゴミ置き場で気づきます。
彼は見つかった瞬間ガス銃で眠らされ、その間の出来事を全く覚えていませんでした。また車も見つかりますが、金だけが奪われ証拠は一切見つかりませんでした。
警察は容疑者を再度洗い出し、24時間以内に犯人からの連絡が無ければ公開捜査に切り替えると言い出します。

【承】- あいつの声のあらすじ2

誘拐から12日後。容疑者として拘留されていたジェジュンはやつれ果て、ギョンベを”善人ヅラした冷血漢”と恨んでいました。
彼はギョンベの報道で逮捕され、2年服役し半年前に出所したばかりで、その一件で出来た3億ウォンの返済額が動機と思われましたが、事件当日、飛行機で江陵(カンヌン)に行ったというアリバイと物的証拠がありました。
彼は「調べるならご自由に」「出世に目が眩んで友人を売った因果応報だ」と薄笑いを浮かべていました。

誘拐から13日後。捜査には若い女性の声紋分析官が加わりますが、ジェジュンは全くの別人という結果が出ます。
誘拐から14日後。ギョンベは再び車のトランクに戻ったキム刑事を弄るように、酒を呷りチョコ菓子を頬張ってガタガタ道を往復し、「サンウ、男らしく…怖がらずにカッコよく…いやいや、おじさんに”助けて下さい”と泣いて頼み込むんだ…」と涙をこぼし、ジソンはキッチンで泣きながら酒を呑んでいました。
その時、犯人から車に電話がありますが、通報した事やキム刑事、家を売って金を作ると平謝りするギョンベを嘲笑い「そこまで言うなら最後のチャンスを上げます」と言い出し「パパ…」というサンウの泣き声を聞かせ、1億ウォン要求します。
サンウ生存の確信を得たギョンベは笑顔を浮かべます。
誘拐から15日後。犯人は路上のはんこ屋に作らせた”ハン・インス”の判で通帳を作り、脅迫状を書いていましたが、そばに子供の気配はありませんでした。

誘拐から16日後。キム刑事はようやくトランクを中から開けられるように改造し、ギョンベはそんな彼に「これまで報道で多くの人を傷つけて来た…人は検事気取りだと批判したが、何でもできたから神だと…”カッコよく”生きるべきだと思ってた…。しかしそれは虚勢と虚栄に過ぎなかった…これは神様が私に与えた罰だ」とこぼします。
キム刑事は警察の無力さを認め「今も全力で捜査はしているが、犯人は手強く緻密だ」と話します。
ジョンウは「サンウもつらいかな…」と言い、公開捜査を望みますが、キム刑事はサンウが殺されるからと反対します。
そこに署から電話があり、キム刑事の幼い息子が着替えと弁当を届けにやってきます。息子は薄汚れたキム刑事を見て「すごくカッコいい。犯人を捕まえてね。信じてるよ」と励まします。

誘拐から17日後。ジソンが犯人から届いた手紙に気づきます。手紙には「ご主人を信用できません。息子を助けたければ、誰にも知らせず赤い服を着て、奥さん一人で来てください。サンウの奥歯が自然に抜けました」とあり、洗った奥歯が同封されていました。
ジソンは声を殺して泣き、服を探しますが、赤は冬用のコートだけしかありませんでした。

その頃居間には声紋分析官が来ていて、ノ班長やソヒ刑事たちに「声紋は指紋と同様、声色を変えても変わらない」「犯人の電話が長ければ長いほど、話し方や出身地、周囲の音まで分析できる」と話していました。
ノ班長は感心しますが、自動車電話で彼女と話したギョンベは「犯人の口癖は”とにかく”と”ドッキング”(会う、会わせるという意)だ」と言い、「怒らせてでも話を長引かせろ」と言われて「息子に何かあったら責任取ってくれるんですか!」とブチ切れます。
彼女は「ニュースとは違いますね」と苦笑いし、ジソンの居場所を聞きますが、彼女はソヒ刑事に教会に行くと言い、出掛けた後でした。
ジソンは教会には立ち寄ってもおらず、キム刑事とソヒ刑事はケンカを始め、キレたギョンベはゴミ箱を蹴飛ばし「君たちの給料は私が出した税金だ!もしも妻に何かあったらただじゃおかないからな!警察がなんだ!!」と怒鳴っていました。

その頃ジソンは、夏にも拘らず赤いファーコートを着て、タクシーで指定場所に向かっていましたが、運転手には怪しまれ、トンネルでは渋滞に捕まり、やむなく車を降りて駆け出します。
指定場所はトンネルの先のバス停のゴミ箱で、彼女は収集車の作業員を押しのけてゴミ箱を漁り、犯人からのメモを見つけます。
指定場所のオフィスビルにたどり着いた彼女は、7階のゴミ箱を目指しますが、エレベーターを逃し、やむなく非常階段を昇る事に。非常階段の灯りは切れ掛かっていて、時おり明滅しています。
彼女はそれでも必死に昇り続けますが、やがて下からサンウが現れ「ね?階段はママでもキツイでしょ?僕は見るだけで吐きそうになる。縄跳びも大っキライだ」と言い、汗だくで彼女の腕に倒れ込みます。
彼女は「ママが悪かったわ」と言い抱きしめますが、サンウはすぐに立ち直り「僕先に行ってるよ。早く来てね。時間が無いから早く!」と言い駆け上がって行ってしまいます。

彼女はなんとか7階のゴミ箱にたどり着き、メモを見つけます。それには「あなたを監視しています」という言葉と口座の暗証番号が書かれていました。彼女は辺りを見回しますが、1階上のロビーからキャップをかぶった男がじっと見つめていたのには気づきませんでした。
けれどATMでは、うまく操作が出来ないうちに取扱時間が終わってしまい絶望の淵に立たされます。その背後をキャップの男が通り過ぎて行きました。
どしゃ降りの雨の中、彼女は全身びしょ濡れのまま街を彷徨い、倒れてしまいます。

誘拐から18日後。家には教会の神父と信者たちが見舞いに来て、ジソンの枕元で「この困難と試練に感謝します。この困難を克服する勇気と力を与えたまえ」と祈っていました。ギョンベは止めていた煙草を吸い、輝かしい過去の記録を片づけていました。
その時ふいにジソンが起き上がり、タンスの奥から札束を出して神父に押し付け「神様と親しいんでしょ?!お願いだから息子を助けて!!」とすがります。
それを聞いたギョンベは、壁にかけてあった十字架をへし折り「神が何を守ってくれた?帰ってくれ!」と怒鳴って神父たちを追い出します。
彼は日当たりのいい公園のブランコに座って空を見上げ、サンウと妻との楽しかった日々を思い、一筋の涙を流します。

【転】- あいつの声のあらすじ3

誘拐から19日後。キム刑事は容疑者たちにキャップを被せて脅迫状を書かせ、ソヒ刑事は、ジェジュンの息子の名が”ハン・インソク”で、通帳名が犯人が作成した通帳名”ハン・インス”と同じだと言い出し、ジェジュンとその息子の共犯説が浮上します。
また声紋分析では「30代前半から半ば、慶尚道(キョンサンド)出身、推定身長180㎝、痩せ型、冷静で教養があり、手法は緻密で、高卒以上の高学歴者」との結果が出て、犯人を唯一間近で目撃したはんこ屋の証言で作成されたモンタージュの顔もインソクに似ていました。

誘拐から23日後。インソクはジェジュンと共に取り調べを受け、声も犯人と非常に似ているという結果になりますが、事件当日のジェジュンのアリバイは立証済み、インソクも予備軍の訓練に参加していて証明書もありました。
誘拐から24日後。ギョンベが警察署に押し掛け、ジェジュンに跪いて許しを乞いますが、ジェジュンは心底彼を憎悪し軽蔑し、薄笑いを浮かべているだけでした。
そこに犯人から新たに1億ウォンを要求する脅迫電話が入り、ジェジュン親子の疑いが晴れます。

誘拐から25日後。その日はサンウの10歳の誕生日で、ギョンベは息子がニュースを読んでいるテープを聞いて泣き、ジソンはご馳走とケーキを作り、不精髭のあるギョンベに「髭がある方がカッコいいわ。サンウもカッコよくなるわね」と話していました。
同じ頃、声紋分析官は犯人が聞かせたサンウの声が録音だと気づき、刑事らがそれを知らせに自宅にやってきます。
それはサンウに生存の望みは無く、公開捜査に切り替えると言う意味でした。

彼らを追い返して間もなく、犯人から41回目の電話がかかってきます。
ギョンベは、これまで3回以内に取るという禁を破って、何度も鳴った後に電話に出ますが、犯人は彼をなじり「それでも父親か、息子の命が惜しくないのか」と脅し、彼が何度切ってもかけ直して来て「今すぐ外に出て、受け渡しの指示に従え」と要求します。
ギョンベは怒りを抑えて「息子を電話に出せ」と要求、その声は以前聞いた息子の声と同じ声、同じ言葉でした。
夫妻は全てを悟り「今日で終わりにしましょう」と指示を続ける犯人の言葉を遮り、「今はイヤだ。雨だし疲れてる。明日話しましょう」といい、電話を切ってしまいます。

誘拐から26日後。ギョンベは風呂に入って髭を剃り、身支度を整え、朝食を摂っているところに犯人から電話がありますが、彼は「朝食中だから、30分後にしてくれ」と断ります。
しかし再び食べ始めたギョンベの茶碗をジソンが奪い、「サンウが死んだと思ってる?!勝手に諦めないで!サンウは生きてる!だから逆らったりしないで!今日は必ずサンウと帰って来て!」と説得、ギョンベは無言で駐車場に向かい、ジソンは1人、己の胸を何度も叩き嗚咽していました。

30分後、犯人は車に電話してきますが、彼は「自動車電話の無い妻の車で行くから、必ず会って話しましょう」と仕掛けます。
犯人は笑って快諾、「9時30分にロッテワールドで。金の入ったバッグをメリーゴーランドの券売所の上に置いてください。子供はそれに乗ってる。これが最後です」と言います。

それは時間的にかなり厳しい上にデモ隊に巻き込まれて立ち往生し、彼はやむなくバッグを抱え全力で走り始めます。息子の名を呼び、神に祈りながら。
彼はなんとか時間内に駆け込みますが、メリーゴーランドのある正面広場ではショーの真っ最中で、ひどく混雑していました。
彼は飛び跳ねてメリーゴーランドを確認しながら人混みをかき分けて進み、その真後ろにいた黒いキャップの男には全く気づきません。
ギョンベはなんとか券売所の棚にバッグを置き、廻っているメリーゴーランドへと向かいます。その間、男はまんまとバッグを持ち去ります。

ギョンベはバッグを振り返りもせず、木馬に乗る子供たちの中にいるはずの息子を必死で探し、やがて疲れた顔で乗っていたサンウの姿を見かけ、柵を乗り越え、動き続ける台の上で息子を探します。
「サンウ!パパが来たぞ!一緒に家に帰ろう!…もう大丈夫だ…」
息子は見つからず、彼はその場に倒れ意識を失います。

【結】- あいつの声のあらすじ4

誘拐から44日後の1991年8月1日、サンウは漢江(ハンガン)市民公園の土手で、無惨な遺体となって発見されます。
その日は大雨で、殺害されたのは誘拐1日目で窒息死と推定、手足は縄で縛られたまま埋められてすらいませんでした。検証に立ち会ったギョンベは傘もささず、慟哭していました。

その夜、ジソンはぼんやりと賛美歌を口ずさみながら聖書を破り、ギョンベが灯りを消すと「サンウが帰ってきたら怖がるから、灯りを消さないで」と言います。
ギョンべは黙って彼女に口づけしブラウスのボタンを外しますが、その胸には無惨な痣が出来ていました。彼は戸惑いながらも「もう一人子供を作ろう」と言い抱きしめようとします。
ジソンは力無く笑って振り払い「偉そうな口叩いて『僕を信じろ』って言ったくせに…今さら『子供を作ろう』?…やってみなさいよ!」と言いブラウスを脱ぎます。
ギョンベは言い訳しようとしますが言葉にならず、彼女は「私はサンウがいいの!早く捜して連れて帰って来て!何もいらない!あなたも!神様もいらない!」と怒鳴って、胸に下げていた十字架のペンダントを引きちぎり、嗚咽します。

駐車場の倉庫では警察の捜査隊の撤収が始まっていました。
キム刑事はやつれ果てたギョンベと2人きりになり、懺悔のように話し始めた彼の話にじっと耳を傾けます。
「最初に家を売って、奴の思うまま金を払えばよかった」「生むだけで満足し、父親らしいことは何もしてやれなかった…サンウは私が必要だっただろうに…」「無能で、バカみたいだ」
キム刑事は「逮捕できなかったから、辞職しようと思ってる」とこぼし、「あなたに『そばにいる時によくしてやれ』と言われて目が覚めた…すまなかった」と謝り、「今にも死にそうな顔だ、気をしっかり持って」と励まします。
そして「”極楽も地獄もこの世にある”、生きていてこそ恨みを晴らせます」と言い、内緒で持ち出した犯人の肉声テープを渡します。

1週間後の8月8日、ギョンベはキャスターに復帰しますが、第一報はサンウの誘拐殺人事件のニュースでした。
概要は女性キャスターとレポーターが伝え、画面には葬儀で泣き叫ぶ彼の母親、サンウの同級生のコメントが流れています。
自宅では、ジソンが画面のサンウの顔を撫でて泣き「あなた、泣いちゃダメよ」と祈っていました。
「この上なく常軌を逸した事件が起きました。犯人は被害者家族に87回もの脅迫電話をかけ、2億ウォンを奪いました。その上わずか9歳のサンウは……生きて帰れず、漢江市民公園で遺体となって発見されました」…そして「サンウ…すまない…パパが…」と言葉に詰まります。
調整室は騒然としますが、責任者と思しき誰かが「責任を取るから、最後まで映せ」と言い、静かになります。

彼はひとしきり嗚咽した後「殺されたサンウは、私の息子です」「このような事件は他人事だと思っていました、本当にすみません」「皆さん、どうか協力してください!今から流す声をよく聞いてください!」「息子は死にましたが、殺害した犯人は皆さんの近くで平然と生きています!」と涙ながらに話し、立ち上がって「息子を殺した犯人!よく聞け!この世に完全犯罪は無い!お前を地の果てまで追いかけて、必ず捕まえてやる!」と泣きながらテープをかけます。

画面には、実際にあった1991年のイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件の犯人の肉声とモンタージュが流れ、故人の写真が飾られた墓所が映ります。
「16年間に渡り10万人の捜査員を動員、420人の容疑者を検挙及び捜査、87回の脅迫電話の音声と筆跡を鑑定したが、2006年1月に時効が成立、2007年現在も未解決」
犯人の肉声テープは、くっくっという含み笑いで終わっています。
-「故イ・ヒョンホ君のご冥福を祈ります」

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みんなの感想

ライターの感想

被害者家族を演じた「公共の敵」のソル・ギョングと「僕の妻はスーパーウーマン」(ドラマ)のキム・ナムジュは文句なし、真面目で正しく生きて来たのに息子をさらわれ、犯人に翻弄され、警察も神も役立たずで、姑にはなじられ、完全な四面楚歌状態の中、最後の最後までひたすら我が子の無事を祈り、孤軍奮闘し続けます。2人とも始めと最後では別人、やつれようが実に見事です。
一方刑事や警察はギャグと言っても過言じゃないほどダメダメで、90年代の事件とは言え、ガッツだけが取り柄の人情刑事(キム・ヨンチョル)とおデブで愚痴っぽい女刑事(コ・スヒ)の凸凹コンビって一体…その上上司2人もダメダメ、科学捜査も後手後手で大雑把、ギョンベならずとも怒鳴りたくなります。
ラストは、実際の事件の情報提供を求める映像になっていますが、本作にも引用されているセリフも多く、嘲笑うような笑い声にもゾッとさせられます。いつの日か解決する事を心から願ってやみません。

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