「さらば愛しき女よ」のネタバレあらすじと結末の感想

さらば愛しき女よの紹介:レイモンド・チャンドラーの同名小説を映画化した1975年製作のアメリカのハードボイルドドラマ。ロバート・ミッチャム演じる主人公の私立探偵を誘惑する美女をシャーロット・ランプリングが魅力的に演じた。刑務所帰りの男から恋人探しの依頼を受けたことから、主人公が犯罪に次々と巻き込まれていく。

さらば愛しき女よの主な出演者

フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム)、ヘレン・グレイル(シャーロット・ランプリング)、ナルティ(ジョン・アイアランド)、ジェシー・ハルステッド・フロリアン(シルヴィア・マイルズ)、グレイル判事(ジム・トンプソン)

さらば愛しき女よのネタバレあらすじ

【起】- さらば愛しき女よのあらすじ1

舞台は1941年のアメリカ、ロサンゼルス。物語の主人公マーロウが安宿の窓からネオン街を見下ろす場面から物語は始まります。私立探偵を営むマーロウは迫り来る老いを実感しており、ディマジオの連続ヒット記録の更新だけを唯一の楽しみとしてきました。しかし、そんな穏やかな日々がここ数日で崩れ去っていました。マーロウは友人で警部補のナルティを呼び出し、これまでに起きた事件のあらましについて語り始めました。

そもそものきっかけは、マロイという大男からベルマという恋人を探す依頼を受けたことでした。マロイは銀行強盗犯で最近出所したばかりで、短気で暴力的なうえに何者かに命を狙われている様子でした。マロイはマーロウを連れ、かつてベルマが働いていたクラブで聞き込みをしますが、非協力的な態度をとる黒人店主をマロイは殺してしまいます。マーロウはマロイを逃し、その後駆けつけたナルティら警察はよくある黒人殺しとして事件を処理しようとしていました。ただし、手続き上マロイのサインが必要なため、ナルティはマロイに出頭するよう伝えて欲しいマーロウにと頼むのでした。

その後、マーロウはベルマ探しを続け、クラブで働いていたトミーという男にたどり着きます。トミーは黒人の妻とその幼い息子とともに安宿で貧しい生活をしていました。トミーはベルマのことは知らない様子でしたが、かつてクラブを経営していた男性の未亡人ジェシーの連絡先を教えてくれました。

翌日、マーロウが手土産の酒を持ってジェシーを訪ねました。ジェシーによれば、ベルマとは音信不通状態だが、当時の写真をトミーが持っているといいます。マーロウはトミーがベルマを知らないと嘘をついたことに困惑します。トミーの家に行くと、トミーの幼い息子がベルマの写真を持って待ち構えていました。無邪気な少年の笑顔にマーロウは顔を綻ばせるのでした。

【承】- さらば愛しき女よのあらすじ2

写真を基に調査した結果、ベルマは病院で廃人となっていることが判明します。この調査結果をどうマロイに伝えるかマーロウが考えていると、新しい依頼が舞い込んできました。依頼主はマリオットという男で、依頼内容は今夜行われる現金の引き渡しの護衛でした。友人が高価なネックレスを盗まれ、その犯人が大金を友人に請求し、マリオットはその代理として現金を引き渡さなければならないといいます。マーロウはその依頼を引き受けることにしますが、一方でベルマを巡って不穏な空気が流れ始めていました。マーロウはマロイに調査結果を伝えると、そもそも写真の女はベルマではないと言われてしまいます。さらに、偽の写真をマーロウに渡したトミーは行方不明になっていました。

ベルマ探しはひとまず置いて、マーロウはマリオットの護衛に出かけますが、人里離れた指定場所に着くと、マーロウは何者かに気絶させられ、その間にマリオットは殺されてしまいました。マーロウはマリオット殺害について独自に調査を行い、グレイルという老齢の最高判事にたどり着きます。マーロウはグレイルになんとか面会の場を持ってもらうことに成功しますが、豪華な屋敷でマーロウを迎えたのは妖艶な金髪碧眼の美女でした。彼女の名はヘレン、グレイル判事の妻でした。

【転】- さらば愛しき女よのあらすじ3

マーロウはヘレンがネックレスを盗まれたマリオットの友人と睨みますが、ヘレンはマリオットと友人ではあるものの、ネックレスは盗まれていないといいます。ヘレンはマリオットのために犯人を探して欲しいと依頼すると、マーロウを誘惑してきました。マーロウはヘレンの魅力に勝てず、唇を重ねてしまうのでした。

グレイル邸を後にすると、マーロウは何者かに襲われてしまいます。マーロウが目覚めると、目の前には娼館の経営者の大女アムソーが立っていました。アムソーはマロイの関係者らしく、マーロウは薬漬けにされてしまいます。マーロウが衰弱した状態で目覚めると、監禁部屋の片隅にトミーの死体を見つけました。マーロウは部屋から脱出し、奪った銃でアムソーを脅迫しマロイについて問いただそうとしますが、アムソーは同時に起こった娼館内の内輪揉めで命を落としてしまいます。

マーロウは娼館を後にし、友人宅に隠れ体を回復させることに専念します。マーロウが回復した頃、ディマジオが記録達成に成功したというニュースが届きました。その知らせに喜んでいると、ヘレンから電話が掛かってきました。今夜行われる夫主催の政治パーティに来て欲しいというのです。

パーティでマーロウがヘレンと談笑していると、街の有力者の悪徳検事ブルネットから呼び出されました。話を聞くと、ブルネットもマロイの行方を追っており、その報酬としてマーロウに現金2000ドルを渡してきました。それから間もなく、マーロウはジェシーからベルマと電話で連絡が取れたという報告を受けるのでした。

【結】- さらば愛しき女よのあらすじ4

マロイはマーロウの手引きでベルマと電話し、会う約束を取り付けました。しかし、指定場所にいたのは武装した男たちでした。マーロウとマロイはなんとか男全員を殺しますが、マロイはベルマを探すべく姿を消してしまいます。そこにナルティら警察が駆けつけ、マーロウはすべてを打ち明けようとジェシーの元へと警察を案内しますが、ジェシーは死体となっていました。そして、部屋からはジェシーとマリオットとの繋がりを示す証拠も見つかりました。

ここで舞台は物語冒頭に戻り、マーロウはナルティに一つの推理を話し始めました。一連の黒幕はマロイの死を望んでおり、マロイをおびき寄せるためにジェシーたちはベルマ捜索の撹乱に利用され、用済みになった途端殺されたというのです。マーロウは黒幕をブルネットと推測し、ともに協力してブルネットに真偽を正そうとナルティに提案します。マーロウはトミーの息子のために事件解決を望んでいましたが、ナルティはリスクの高さにこの提案を断るのでした。

やむなく、マーロウとマロイはブルネットが乗る客船への潜入を実行します。二人はブルネットを追い詰めますが、そこにヘレンも現れました。マーロウはヘレンの登場で真相を察知します。ヘレンこそがベルマだったのです。ベルマはアムソーの娼館の売春婦で、マロイの銀行強盗にも協力していました。その過去を隠し判事と結婚したベルマは、口封じのためにブルネットと協力しマロイ殺害を計画、さらに、かつての友人全員を利用したうえで殺したのです。しかし、マロイは恋人との再会の喜びでこの推理に耳を貸す気配はありません。マロイはベルマの指示でマーロウから銃を奪いますが、その直後ベルマはマロイを射殺、そして次にマーロウに銃を向けました。しかし、マーロウは隙をつきベルマを射殺、その直後、ナルティら警察が部屋に入ってきました。ナルティも正義のためにと思い直し、潜入を実行していたのです。

後始末をナルティに任せその場を後にしたマーロウは、この騒動の間にディマジオの記録が破られたことを知ります。その後、マーロウは2000ドルの使い道を決め、ある場所へと向かいました。マーロウは片手で野球ボールを遊ばせながら、トミーの妻子が暮らす安宿に入って行くのでした。

みんなの感想

ライターの感想

自分の現在を守るために過去を消そうとする女の執念が描かれている点では、「ゼロの焦点」と重なりますが、本作のベルマは死の直前まで人を利用しようとし、女の恐ろしさがより強調されています。ベルマを演じたシャーロット・ランプリングは眼差し、所作の一つ一つに至るまで怪しい雰囲気を醸し出し、悪女になり切っていました。入念に作り上げられた物語構成とともに、この魔性の演技が本作を魅力的な作品にしています。

映画の感想を投稿する

映画「さらば愛しき女よ」の商品はこちら