映画:まともな男

「まともな男」のネタバレあらすじと結末

まともな男の紹介:2015年製作のスイス映画。スイスの雪山を舞台に、気の良い男が重ねる小さなうそが混沌の事態を招く人間ドラマ。中年会社員のトーマスは、家族と上司の娘・ザラを連れてスキー旅行に向かう。しかし、現地のパーティーに出掛けたザラが、地元の青年にレイプされたと告白し…。

あらすじ動画

まともな男の主な出演者

トーマス(デーヴィト・シュトリーゾフ)、マルティナ(マレン・エッゲルト)、ザラ(アニーナ・ヴァルト)、ジェニー(ロッテ・ベッカー)、ルエディ(ステファン・マーダー)、セヴェリン〔セヴィ〕(マックス・フバッカー)、オルロフ(ビート・マルティ)、エスター(オリアナ・シュラージ)、セラピスト(テレサ・アフォルター)

まともな男のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①妻子と上司の娘・ザラを連れてスイスへスキー旅行に出かけたトーマス。ザラが地元の青年・セヴェリンにレイプされてしまった。トーマスはザラの気持ちを汲み、隠すことに。 ②ザラの気持ちが変化、警察へ届け出ると言う。事態を悪化させたくないトーマスは止め、ザラは事故で入院、軽い記憶障害。セヴェリン側の親子を事故に追いやったトーマスは、なすすべがない。

【起】- まともな男のあらすじ1

まともな男のシーン1 トーマスは妻子を持つ、ごく平凡な中年男性です。
このたび休暇を取って、スイスにスキー旅行へ行くつもりです。


…トーマスは1つだけ、妻に隠しごとがありました。
妻・アルティナと不仲になっているトーマスは、酔っぱらった勢いで車を運転し、同僚のウリの車に突っ込むという事故を起こします。
その結果、トーマスは現在、セラピストにかかっているのですが、不都合なので妻には内緒です。
「アクセルを踏むと、すっきりしましたか?」と聞かれたセラピストに否定したトーマスは、「僕はいたって普通の、まともな男だ」と答えました…。


・トーマス…会社員の中年男性。このたび家族を連れてスイスに別荘を借り、スキー旅行をする予定。上司の娘・ザラを軽い気持ちで預かったのが、運の尽き。
・マルティナ…トーマスの妻。小説家。旅行には参加するものの、基本的に別荘にこもって作品を仕上げるつもり。トーマスとの仲は最近、あまりよくない。
・ジェニー…トーマスの娘。15歳前後。少々わがままに育っている。ザラとは面識あり。
・ザラ…トーマスの上司の娘。15歳前後。両親が離婚調停中。


妻子を乗せてトーマスが運転する車は、上司の娘・ザラを加えてスイスへ移動します。
別荘は、雪の中の一軒家でした。
携帯は圏外に近い状態で、手違いで別荘に電気が通っておらず、トーマスは車を運転して、管理人のところへ言いに行きます。

初老の管理人・ルエディに電気が通っていないことを告げると、ルエディは自分の息子・セヴェリンを派遣します。
セヴェリンは20歳の青年でした。
電気を通したセヴェリンは、思春期のジェニーやザラを見ると、パーティーに誘います。
ジェニーが行きたいと、夕食の時にごねました。トーマスは悩みます。

妻はその日から、早速仕事にかかるつもりでした。
トーマスは夕食後、ジェニーとザラを連れてふもとの町へ降り、2人をパーティーへ送りだしました。
11時半に迎えに来ると告げ、トーマス自身は別のダイナーでコーヒーを飲み、時間をつぶします。


午後11時半になり、トーマスは娘たちを迎えに行きました。
すると娘のジェニーはいますが、上司の娘・ザラはいません。
ジェニーはザラに怒っているようで、「どっかにいるでしょ」と言うと、先に車へ乗り込みました。トーマスは探しに行きます。

ザラは証明写真機のところで、うずくまって泣いていました。
トーマスが聞くと、泣いている理由を話します。
ジェニーがトイレに立った間に、誘われたザラはセヴェリンの車に乗り込んだことで、レイプされていました。
「初めてだったのに。やめてって言ったの。誰にも言わないで」と泣くザラを、トーマスは慰めて家に連れ帰ります。
(ザラがセヴェリンにレイプされたというのは、事実)

【承】- まともな男のあらすじ2

まともな男のシーン2 帰りの道中、ジェニーは後部座席で寝入っていました。
助手席に座ったザラは、レイプされたことは警察にも両親にも言いたくないと呟きます。
トーマスは、ザラの心中を慮り、ザラの希望するようにしたいと考えました。
その結果、事態がどんどん悪化するということを、この時点ではまだ、トーマスは知りません…。


レイプされたザラは、翌日も調子が悪いようです。
前日のパーティーで、未成年にも関わらずお酒を飲んだということも、あるからでしょう。
(ザラもジェニーも少量のウォッカを飲んでいた)
起きぬけに吐いたザラを心配し、トーマスがフォローします。
洗面所に付き添ったトーマスに、ザラは「アフターピルが欲しい」と言い出しました。
(レイプによる妊娠が怖いので、ザラは薬を欲しがった)
しかし当然、買いにいかねばなりません。

具合の悪いザラのことを「胃もたれ」とごまかしたトーマスは、スキー場に行きたがるジェニーに「新しいボードを買ってもいいから」と言い、待たせます。
ザラと2人でふもとの町へ降りたトーマスは、薬局へ行けと金を渡しますが、「16歳未満の場合は病院へ行け」と言われたと、ザラは手ぶらで戻ってきました。
やむをえず、トーマスはザラの父親の振りをして購入します。


夜。
どうにも寝つけずにトーマスがリビングに降りると、下着姿で雪の上に大の字に寝転がっているザラを見つけました。大急ぎでトーマスは室内へ入れます。
着替えをさせ、ザラを毛布でくるんだトーマスは、抱きしめて慰めるしかありませんでした。


このままではよくないと考えたトーマスは、レイプした相手・セヴェリンのところへ文句を言いに行きます。
ところがセヴェリンはおらず、父親である管理人だけでした。
遠まわしにトーマスがセヴェリンのレイプのことを話すと、管理人は「トーマスが嘘をついている」と思い、怒り始めます。
客観的な証拠もなく、女の言い分だけ聞いて息子の人生を台無しにするつもりかと怒った管理人は、トーマスを追い返しました。
トーマスは困ります。

ジェニーとザラをスケートに連れて行ったトーマスは、ザラの父親(自分の上司)に電話をかけて、なんらかの報告をしようかと考えました。
しかし上司がご機嫌で、仕事を増やすという話をされ、言い出せなくなります。


薪割りをするトーマスのところへザラが来ると、「セヴェリンに罰を与えたい」と言い出しました。
「警察に届け出たい」と、気持ちが変わっています。
トーマスはザラを連れて2人で車に乗り込み、ふもとの警察署の前まで行きました。
冷静に話せるか自信がないザラのため、車中でトーマスが事情聴取の予行演習をします。
質疑応答は、ぐだぐだでした。
ザラもそれを自覚し、「メモをして臨みたい」と言い、警察署へは別の日に出直すことにします。

【転】- まともな男のあらすじ3

まともな男のシーン3 ところでこの日、トーマスとザラが2人で車に乗り込むところを、妻のマルティナが見ました。
それまでも何度かトーマスとザラが2人だけで出かけるので、妻はいぶかしく感じます。
帰宅したザラは、日記帳に「レイプ被害に遭遇したこと」を覚えている限り、詳細に書きこみました。


翌日。
街頭の音楽隊ステージを見ながら、妻がトーマスに別居を切り出します。
娘同士は喧嘩をしていました。トーマスが近づき、仲裁に入ります。
ジェニーは、自分が好意を持っていたセヴェリンが、自分ではなくザラの方に気があると気付いており、それで苛立っていました。

セヴェリンを見かけたトーマスは、「このままでは警察沙汰になる」と忠告します。
(外国では強姦罪は重い)
ザラのところへセヴェリンが来て、謝罪しました。しかしザラは許さず、和解の握手を拒否して逃げました。
ザラはゴンドラのところで、警察へ通報をしようとします。
セヴェリンの将来のことを考えると、事を大げさにしないほうがいいと思ったトーマスは、それを制止しました。
ザラはトーマスから逃げようとし、ゴンドラから落下します。


ザラは意識不明の重態になりました。連絡を聞いた両親が駆け付けます。
人工呼吸器をつけ、チューブが繋がれたザラを見て、トーマスもつらい思いをします。

ザラの母親は付き添い、父親(トーマスの上司)が事情を聞くために、トーマスの家の夕食にやってきました。
夫婦仲がよさそうに見えると感じた上司は、夕食の席でトーマスが起こした事故と、セラピストに通っていることを口にします。
(冒頭の、酔った時に同僚の車にぶつけた話)
事故を隠していたことが、妻・マルティナの気に障りました。


朝、トーマスの別荘に電話がかかり、ザラの意識が戻ったという報告が入ります。
呼び出されたトーマスは、ザラが頭を打ったために、記憶が曖昧であることを知ります。
軽い記憶障害でした。但し、すぐ回復するだろうと思われます。
ザラの両親に「ザラのカバンをあさると、アフターピルの包みがあった」と言われたトーマスは、自分の娘のものが紛れこんだのだと、ごまかしました。

病院へセヴェリンが謝罪にやってきます。
それを見つけたトーマスは、必死で止めました。
今ザラとセヴェリンを会わせると、ザラがパニックになるかもしれないし、うまくいけばザラが、レイプのことも忘れたままかもしれません。それに越したことはないと考えて、止めたのです。

【結】- まともな男のあらすじ4

まともな男のシーン2 悩んだトーマスはその日の夜、ザラの部屋に忍び込み、ザラが書くと言っていた「メモ」を探します。
日記帳がそれらしいと気付いた時に、日記をあさっている現場を妻・マルティナに見られました。
妻のマルティナは、当然ですがトーマスを疑います。

トーマスは、ザラのレイプ事件のことを隠したいために、苦し紛れの嘘をつきました。
実はザラに好きだと告白されたけれども断った、怪しい仲ではないと言います。
それでも疑うマルティナに「じゃ、日記を読めよ」と突きつけたトーマスは、ページを開こうとしたマルティナを見て「疑われるなんてショックだ」と大げさに言うと、日記を取り上げて外へ出ました。
そのまま車に乗って家から離れたトーマスは、ザラの日記帳を読み、悩みます。
(やはりレイプ事件は本当のことであった)


セヴェリンを探しにバーへ行ったトーマスは、セヴェリンが自分の娘・ジェニーと飲んでいたことを知りました。
セヴェリンはとっくに帰ったらしく、トーマスは腹立たしく思い、酒を煽ります。
(本当はセラピストの指示で、酒を飲むなと言われていた)

その足で管理人の家まで行ったトーマスは、セヴェリンに詰め寄り、ジェニーの居場所を聞きました。
セヴェリンは「家まで送った」と答え、「ジェニーに興味はない(ザラのことが好き)」と答えます。
かっとなったトーマスは衝動的にセヴェリンを殴り、セヴェリンは頭から血を流すケガを負いました。
管理人が来て制止し、病院と警察へ行くと言い出します。

管理人がセヴェリンを乗せて、車で去りました。
腹を立てたトーマスはその車を追跡し、パッシングしたり、並走したりして止めようとします。
それでも管理人が車を止めないので、トーマスは猛スピードで追突しました。
管理人とセヴェリンの乗った車は坂道を転げ落ち、裏返しになった状態で止まります。

トーマスは自分のやったことの恐ろしさに気付き、そのまま帰宅しました。
シャワーを浴びてベッドに潜ると、妻のマルティナにすがりつきます。


休暇最終日です。
ザラはまだ入院中でした。両親が付き添う病院に、先に帰るトーマスたちは挨拶に行きます。
ザラは記憶が曖昧ですが、レイプ事件を思い出した時にどう出るかは、分かりません。
現段階では分かりませんが、管理人とセヴェリンの乗せた車が見つかった場合、トーマスが起こした事故だということは明白でしょう。
どうあがいても、この先に待ち受けているのは「最悪の展開」だと自覚しつつも、トーマスにはなすすべがありませんでした。
サービスエリアでザラの日記を捨てたトーマスは、声をあげて泣きます。
ひとしきり泣いた後、車中では平静を装って、トーマスは帰途に就きます…。

みんなの感想

ライターの感想

くすりと笑える系の面白さなのですが、…実は怖い内容。
それというのもこの主人公・トーマスは、タイトルにあるとおり「まともな男」なのです。まともというか、小心者。
それ相応の常識があり、もめごとを嫌いなるべく事態を悪化させないよう立ち振る舞う人間。
本当はザラがレイプされた時点で、速やかに警察に届け出ておけばよかったのだろう。
本人の意思を尊重し、洩らさないようにした結果、事態はどんどん悪化していく。
この「事態悪化」具合が非常にリアリティある。だからこそ、怖い。
誰の身にも起こりそうな状態、そう考えるとこの映画、そらおそろしい。

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