「ら(拉)KEPT」のネタバレあらすじと結末の感想

サスペンス映画

ら KEPTの紹介:2015年公開の日本映画。「冷たい熱帯魚」の園子温監督に師事し「東京残酷警察」の監督や特殊造形の分野で活躍する西村喜廣のもとで映像制作を学ぶ一方「終わらない青」などに出演する水井真希が、かつて被害に遭った連続少女暴行拉致事件での体験をもとに映画化。消すに消せない深いトラウマを負った被害者の心をあらわにする。

予告動画

ら(拉)KEPTの主な出演者

まゆか(加弥乃)、男・畜生(小場賢)、みさと(ももは)、リナ(衣緒菜)、かすみ(文月)、ゆうこ(亜季)、みさとの母(佐倉萌)、酒屋店員・あや(久住翠希)、フクロウ(屋敷紘子)

ら(拉)KEPTのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①まゆかはバイト帰りのある夜、見知らぬ男に拉致される。何事もなく帰されたまゆかは警察に電話するが、面倒くささが先に立ち通報をとりやめ。 ②結果、男はその後も犯行を重ね次第にエスカレート、逮捕される。まゆかは被害者を思って悔いた。

【起】- ら(拉)KEPTのあらすじ1

『拉
ら・らっ・ろう・みじ-く・ひし-ぐ
ひっぱる・押し付けてつぶす・無理に連れて行く』

千葉県野田市。

〔大暑(二十四節気の第十二。おおよそ7月23日ごろだが年により異なる)〕
居酒屋でアルバイトをする若い女性・まゆかは、バイト終わりに夜道を歩いていました。ひとり暮らしをするアパートからバイト先までは少し距離があるのですが、複数のアルバイトを掛け持ちして生活するまゆかにとっては、タクシー代は大きな出費なので、徒歩で移動します。
その夜道、ひとけのない道でまゆかは背後から男にナイフを首に当てられて脅され、側道のくさむらの中に連れ込まれました。
男は用意していた粘着テープでまゆかの口と目をふさぎ、両手首、両足首を拘束すると手首と足首を結びます。
少し離れた場所にエンジンをかけて停めてあった車を近くに寄せると、男はまゆかを車に乗せて去りました。
まゆかは内心恐ろしいのを我慢して、男に話しかけようとします。それに気づいた男が口の粘着テープを外しました。
平静を装いつつ、まゆかは男に「どこ行くの?」と質問します。男は自分の家だと答えました。
どうして拉致したのかと質問すると、男は「話し相手が欲しいだけ」と言います。誘えばよかったのにと言うと「(拒否されるのが)怖いから」と答えました。
男はまゆかに名前を聞きます。まゆかは「まゆ」と名乗りますが、男にとって名前はどうでもよいことだったようで、その後、男は「まい」と呼んだり「まな」と呼んだりします。
まゆかはなるべく普通の会話を試みました。普段何をしているのかとか、趣味とかを聞きます。
男が「静かにして」と言いました。まゆかは黙ります。横をパトカーが通ったのですが、まゆかは目隠しされているので気づきませんでした。
パトカーが通り過ぎた後、男は田舎道へ車を走らせます。
まゆかの問いかけに対し、男も比較的礼儀正しく答えました。いきなり拉致して車に乗せたにしては、行儀よく接します。
男は家に着いたものの、まゆかを家に連れ込むことをやめました。心変わりした理由は明白ではありませんが、まゆかが思ったよりも抵抗せずに普通に接してくれるので、連れ込む気が失せたようです。

【承】- ら(拉)KEPTのあらすじ2

家の電気を消してくると言う男ですが、まゆかはひとりで車中に残されるのを怖がりました。男は足首の拘束を外し、まゆかを連れていきます。手首は拘束されたまま、目にも粘着テープがつけられたままです。
部屋で電気を消してくる間、玄関先でまゆかはこっそり目の粘着テープの隙間から家の中を見ようとしますが、わずかの時間しかなかったので玄関先の一部しか見えませんでした。
男はまゆかをまた車に乗せると、ドライブをします。そして助手席でまゆかを自分の膝に乗せて、おしゃべりさせました。恋人同士の気分です。
DVD鑑賞が趣味と男が言ったので、まゆかは必死で話を合わせようとしますが、アイドルの映画を見たといっても、男はアイドルの身体しか見ておらず、話がかみ合いません。
気を許した男は、まゆかの両手首の拘束もカッターで外しました。その時、まゆかの手首のリストカット痕を見て「自分のこと、大事にしなきゃ」と言います。
まゆかは友だちになろうと男に告げて名前を聞きますが、男は最後まで名前を明かしませんでした。
男はまゆかの目の粘着テープを外すと(まゆかに男は自分の顔を見せた)、まゆかを押し倒そうとします。肩口を助手席の椅子にテープで拘束しようとしましたが、まゆかが怖がったのでやめました。恐れるまゆかに、水を買って渡します。
まゆかが帰りたいと言うと、家の近くまで送ってくれました。時間はもう明け方になっています。
そのまま男はまゆかを解放しました。まゆかは送ってくれた礼を言うと、立ち去る車を急いで見送ります(ナンバープレートを見ようとしたのだと思われる)が、車は急発進して去りました。
家に返ったまゆかは、しばらく玄関先で座り込みます。無事に解放されたのが不思議でした。
部屋に入ってから携帯電話を使って警察に通報します。
ところが、警察署に来て詳しい事情を話せと電話口で言われ、「じゃあいいです」と電話を切りました…。

心象風景。
森の中にいるまゆかは、右の内太ももに怪我を負いました。太い枝が刺さって痛く、抜きますがジェル状の血が出ます。
傷口にはまだ枝のささくれが残っていて、まゆかは傷口をえぐって小さなささくれを取り出しました…。

【転】- ら(拉)KEPTのあらすじ3

〔処暑(二十四節気の第十四。およそ8月23日ごろだが年により異なる)〕
男には恋人の女性・リナがいました。しかし最近リナは男と関係を持ちたがらず、男が迫っても生理と言って断ります。
昼間に女子高校生・みさとを見かけた男は、車でみさとのあとをつけました。
みさとは家に帰った後、夕方に近所のおじさんのところへおかずをおすそ分けに行きます。その帰り道、腹を殴って車に連れ込んで拉致しました。車の助手席で男に口、目、手首を粘着テープで巻かれた後、上半身を椅子ごとぐるぐる巻きにされます。
夜まで車で連れ回した後、山奥に連れられたみさとは男にレイプされました。拉致したのと似た場所まで男はみさとを連れ帰りますが、助手席のシートが血で汚れているのを見て、怒ってまた暴力を振るいながらレイプします。
深夜、みさとの両親と近所のおじさんたちが探しまわり、みさとを見つけました。呆然としているみさとを母親が抱きしめて名前を呼びますが、みさとは心ここにあらずといった様相でした。

心象風景。
森の中にいる、まゆかの右ふとももは化膿しています。傷口が広がり、うみがあちこちから出ています。
そこへ、スーツ姿のフクロウが現れました。まゆかはフクロウに手を差し伸べます…。

〔寒露(二十四節気の第十七。10月8日ごろだが年により異なる)〕
男は店にひとりでいる女性・かすみを見つけ、近づきます。
「ねえ、遊ぼうよ」と気さくに声をかけましたが、かすみは「キャバクラか風俗に行けば?」とすげなく扱いました。男が怒って距離を詰めようとすると、かすみは大声を出し、男は退散します。
男はむしゃくしゃしました。

心象風景。
森の中にいるまゆかは、黄色い花を見つけます。
ところが近づいて花に触れると、やけどしました。
まゆかはフクロウに「ねえ、助けてよ」と声をかけますが、フクロウは見ているだけです。

むしゃくしゃした気持ちを晴らそうと、男は恋人を呼び出そうとしましたが、断られました。さらに腹立ちは増します。
夜、駅の駐輪場から自転車に乗って出た女性・ゆうこのあとを、男はライトの前照灯を消したまま車でつけました。ゆうこは深夜まで営業している大型スーパーの、近くのマンションに帰りつきます。

【結】- ら(拉)KEPTのあらすじ4

マンションの廊下を歩くゆうこに、男はいきなりカッターナイフで切りかかりました。
ゆうこは驚いて逃げ、近くのスーパーに駆け込んで助けを求めます。
店員はゆうこを見て、急いで救急車を呼びました。反射した自分の顔が、ずだずだに切り裂かれているのを見たゆうこは、絶叫します。
パトカーが接近し、男は逮捕されました。

〔冬至(二十四節気の第二十二。12月22日ごろだが年により異なる)〕
まゆかは届いた郵便物を開けました。千葉県警から取り寄せた、刑事訴訟記録です。
男は「わいせつ目的略取等」の容疑で逮捕されていました。その記録を読みながら、まゆかは自分が事件を見ている感じに襲われます。

心象風景。
車中でレイプされているのは、まゆか自身で、顔を切られたのもまゆか自身です。そういうふうに、まゆかは感じました。
2人の被害者・みさととゆうこからは「あなたがやられればよかったのに」「あなたが捕まえてれば、こんなことにならなかったのに」と責められます。
みさととゆうこに謝ったまゆかは、森の中でひとり、カッターナイフで自分の腕に大きくバッテンの印の傷をつけます。
腕を切って泣くまゆかを、フクロウはじっと見ていました。
同じ森の中に、逮捕された男がいます。着せ替え人形大の女性の人形を、男はむさぼり食っていました。
フクロウが「あなたはなんにも悪くない」と言うと、両手で携えた杖をまゆかに渡します。
まゆかは男を何度も足蹴にし、杖で刺そうと振りかざしました。しかしフクロウがじっと見るので、刺すのをやめます。
まゆかはフクロウと共に、森の中から立ち去りました…。

女子高校生・みさとは事件後、登校拒否を続けています。そこへ友人がクラスメイトの寄せ書きを持ってきました。それを見て母親は涙を流します。

草原で空を見上げたまゆかは、一時、つらいことを忘れたようですが、また太ももが腐ってきました。ひざまずきます…(事件の傷はなかなか癒えないということを訴えたい)。

『日本での性犯罪認知件数は年間8000件あまり。
発生件数はその7~10倍と推定される。
また、被害者の10~25%は男性とも言われている。
この映画は監督自身の体験を基に制作された。
犯人は逮捕・起訴され、現在も服役中である。』

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みんなの感想

ライターの感想

カテゴリーはサスペンスにしたが、途中の心象風景と最後の被害者の顔を切り刻むシーンはグロいので、グロいの苦手な人は要注意。
性被害者にとってはじゅうぶんホラーとなりうる作品。
最初のケースであるまゆかは、咄嗟に機転をきかせて、わざと世間話をして難を逃れた。
しかしその後の女性たちは被害に遭ってしまう。その手口も「いきなり腹を殴られて車に押し込められる」「廊下を歩いていたら突然カッターナイフで切りつけられる」などひどいことばかり。
見終わっても決して愉快な気持ちにはなれない。むしろこれは、性犯罪に遭った人に対してのメッセージを訴えかける映画。
見ていてつらいシーンが多いのも、そのため。心して見るべき映画。

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