映画:アホーマンス

「アホーマンス」のネタバレあらすじと結末

ア・ホーマンスの紹介:狩撫麻礼原作・たなか亜希夫作画による同名の漫画を基に、故・松田優作が監督・主演を務めた作品です。諸事情により別の監督から受け継いだ形になりましたが、松田優作さんにとって初の監督作であり、そして生涯唯一の監督作になりました。全編を貫く「静かなる狂気とバイオレンス」は、今見ても鮮烈です。

あらすじ動画

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アホーマンスの主な出演者

風さん(松田優作)、山崎(石橋凌)、藤井(ポール牧)、山崎の恋人・千加(手塚里美)、刑事(小林稔侍)、謎の女(阿木燿子)

アホーマンスのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- アホーマンスのあらすじ1

アホーマンスのシーン1 新宿の町で、ヤクザの組織「大島組」の幹部として、シマをまかされている山崎。しかし最近は組の縄張りに、大阪の組と繋がる対抗組織・旭会のヤクザが顔を効かすようになり、山崎は面白くありません。そんな時、背の高い無表情な男がバイクに乗って街へやって来ます。正体不明の男の出現に、山崎は旭会の組員ではないかと怪しみ始めます。

男はホームレスのたむろするガード下にバイクを止め、そこに住み着き始めます。「先輩」のホームレスが恐る恐る男に話しかけ、名前と素性を話すように言うと、男は「覚えていない」と返します。それは記憶喪失ってやつか?と問いかけても、「医者はそう言っていた」と答えるのみでした。

山崎も手下を使い、男が銭湯に入っている間にバイクに乗せていた荷物などを調べますが、やはり素性はわかりません。試しにと、夜道を歩いている男に山崎の手下がケンカをふっかけますが、それでも表情も変えず通り過ぎていきます。そこで山崎自身が男の元へ行き、「若いもんが失礼をした」と詫びると、男は山崎に「仕事を紹介して下さい」と頼みます。

男は山崎の紹介で、風俗店で下働きを始めます。1人の客が店の女に強引に手を出そうとすると、男は黙ってその前に立ちはだかります。客は表情を変えない男に恐れをなし、店を出ていきます。店が終わったあと、助けられた店の女は男の元へ。女が男を自分の部屋に連れて行くと、男は女を優しく抱きしめます。

【承】- アホーマンスのあらすじ2

アホーマンスのシーン2 従業員が店の女に手を出すのは「ご法度」でしたが、安心して眠る女を、本当に優しく見守っているだけのように見える男を見て、山崎は咎めずに「あんたは不思議な人だな」と語ります。山崎は、男が最初に来た時に何か風が吹いていたことを思い出し、風来坊のような無口な男を「風さん(ふうさん)」と呼ぶことにします。

そして、事件が起こります。山崎を含めた大勢の組員と共に、大島組の組長が新宿の街を歩いていると、旭会の者と思われる鉄砲玉が組長を銃撃。組長は帰らぬ人となってしまいます。山崎は当然、旭会との抗争が始まるものだと思っていましたが、大島組のナンバー2・藤井は、旭会の組長ではなく副会長の命を狙うと山崎に告げます。

「こっちは組長取られたのに、狙うのは副会長ですか」と山崎が不満を漏らすと、「組長が狙撃された時、俺も一緒にいたが撃たれなかった。旭会は、俺と手を組みたいんだよ」と、双方の組が一緒になって更に「でかいシマ」を持つんだと自慢げに話します。

その後、山崎は副会長狙撃のために使用する、銃の取引に向かいます。途中、風さんが山崎の車に乗り込み、「連れて行って下さい」と頼みます。山崎は「素人さんが行く場所じゃない」と断りますが、風さんは「山崎さんを、助けたいだけです」と静かに座り続けます。山崎も仕方なく、風さんと一緒に取引現場に行くことにします。

【転】- アホーマンスのあらすじ3

アホーマンスのシーン3 しばらくして車の後から、風さんに目をつけていた刑事が尾行してきます。山崎は巻こうとしますが、なかなか振り切れません。風さんは黙ったまま、何かを念じるように前をじっと見つめます。すると刑事の車はなぜかコントロールを失い、尾行を断念することになってしまいます。刑事も無事振り切り、取引は無事終了しましたが、その帰り道、山崎の車と取引相手の車が暴走族の集団に絡まれてしまいます。

ヤクザが相手でも引き下がらずイキがる暴走族に、山崎はどうしたものかと考えますが、その時風さんが車を出て、族たちの前に立ちはだかります。殴っても動じない風さんに、族の1人がナイフを突きつけますが、風さんはナイフの刃を握りしめ、パキンと折ってしまいます。異様な迫力の風さんを見て、族は次々に去っていきます。取引相手の親玉は、「いいタマ持ったな」と感心したように山崎に告げます。

山崎は風さんと共に水上バスに乗り、風さんに礼を言いますが、降りたところに刑事が待ち構えていました。2人は取り調べ室に連れて行かれ、別々に事情徴収を受けます。しかし風さんは刑事の詰問に対し、完全に沈黙。刑事も呆れ果て、2人を釈放します。解放された山崎は、風さんに「もうこの街にいない方がいいですよ」と告げ、車から降ろします。

山崎は「藤井さんに、2人とも連れてくるよう言われてるんですが」と部下に告げられますが、山崎は「向こうの頭を取らずに何がヤクザだ、俺も組には戻らねえ!」と、藤井に反発し組を離れます。山崎の離脱を知った藤井は、「山崎のシマは俺がもらう。山崎を殺れ」と部下に命じます。藤井は更に、花屋をしている山崎の恋人をレイプし、山崎をおびき出そうとします。

【結】- アホーマンスのあらすじ4

アホーマンスのシーン2 藤井は風さんを呼び出すと、拳銃を渡し「これで山崎を殺れば組の幹部にしてやる」と持ちかけますが、風さんは黙って拳銃を破壊します。そして藤井の下アゴをガッチリ握りしめると、「山崎さんに手を出したら、お前をコナゴナにしてやる」と藤井を脅します。その後風さんは山崎の恋人の元へ行き、「山崎さんは戻ってきますよ」と恋人を励まします。

山崎は単独で旭会の会長を襲撃、命を奪います。旭会と大島組の両方から追われる身になった山崎でしたが、街を去る前に恋人のいる花屋に立ち寄ります。そこに藤井の手下3人が待ち構えていて、山崎は銃撃されてしまいます。山崎を待っていた風さんは、撃たれて倒れた山崎に自分の上着をかけると、山崎を襲撃した3人を猛ダッシュで追い始めます。

風さんは超人的な脚力で、あっという間に2人を追い詰め、殺してしまいます。残る1人も追い詰められ、風さんの胸を撃ちます。すると、風さんの胸に開いた穴の中には、ギッシリと機械が埋め込まれていました。風さんの正体は、人造人間だったのです。

山崎を撃った奴らを倒したあと、風さんは山崎の恋人の元へ戻ります。恋人は風さんにすがりつきますが、風さんは「まだ、生きてますよ」と恋人に囁きます。何発もの銃弾を受けた山崎でしたが、奇跡的に息を吹き替えしていたのです。恋人は風さんに礼を言うと、山崎と一緒に救急車に乗り込みます。それを見届けて、風さんはどこへともなく、バイクで去っていくのでした。

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みんなの感想

ライターの感想

故・松田優作の唯一の監督作で、ARBの石橋凌アニキが俳優としてブレイクした、記念碑的作品です。セリフも少なく説明的なナレーションもないので、物語的には説明不足な印象を覚える方もいらっしゃるかと思いますが、日本映画における「ハードボイルドタッチ」を構築し体現した初の作品ではないかと思います。

過去も名前も謎に包まれたまま、表情を変えることもない主人公。ヘタな演出を加えるよりも、その無表情さこそが何よりも不気味であると、実感出来ます。メロディーラインより無機質なベース音が響く音楽、ひんやりとした新宿の夜の光景。それと対象的な、主人公が恋人の作った食事を口にして「美味いなあ」という名シーン。どれもこれもが、心に残ります。

「指パッチン」で有名だったポール牧の、ひょうひょうとした態度が醸し出す怖さと言ったら!部下の口元を、いきなりカミソリで切り裂くシーンは、ジャック・ニコルソン主演の「チャイナタウン」で主人公が鼻を切られるシーンを思い出します。

そしてクライマックスの、裏通りをどこまでも追いかけていく手持ちカメラのロングショット。追いかける標的を遠目に捕らえ、それが徐々に「近づいてくる」緊張感と興奮。主人公の「正体」が明かされるシーンは、最初見た時はさすがに「マジか!」とぶっ飛びましたけど。

ヒロインを演じる手塚里美さん(出演時間は短いのに、その可憐さがなんと胸に沁みることか!)との絡みも含め、「余計な装飾」は最小限に抑え、リアルな肌触りを感じさせるハードボイルド作品として、画期的な作品だと思います。序盤、ホームレスとの絡みのシーンのみややコミカルな味付けがされていますが、これが降板した監督の「テイスト」だったのかもしれません。実験的な要素も含んでいるので評価が分かれる作品でもありますが、ラストを飾る名曲「After'45」も含め、令和の時代になっても忘れがたい名作だと思います!

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