映画:アンチヴァイラル

「アンチヴァイラル」のネタバレあらすじと結末

アンチヴァイラルの紹介:華やかなセレブに憧れるあまり、セレブがかかった病気のウイルスを注射することによって、セレブの生活を「疑似体験する」ことが認可された、近未来の世界で。セレブのウイルスを販売する青年シドは、自らもそのウイルスの虜になってしまうのでした・・・という近未来SFで、かのデヴィッド・クローネンバーグ監督の長男、ブランドン・クローネンバーグの長編初監督作にふさわしい、変態チックなドラマに仕上がっています。

あらすじ動画

アンチヴァイラルの主な出演者

シド(ケレイブ・ランドリー・ジョーンズ)、ハンナ(サラ・ガドン)、アベンドロス医師(マルコム・マクダウェル)、アーヴィッド(ジョー・ピングー)

アンチヴァイラルのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- アンチヴァイラルのあらすじ1

アンチヴァイラルのシーン1 時は近未来。華やかなセレブとその生活に憧れ、少しでもセレブに近づきたいと切望する「一般市民」のために、セレブたちがかかった病気の病原体を売るという商売が成立していました。市民は憧れのセレブが発症した病気のウイルスを注射してもらい、セレブの生活、セレブ自身の「体験」を「疑似体験」をするのです。
更に、セレブから採取した細胞で培養した人工の肉片も、「食用」としての販売が認可されていました。売店に並ぶ、セレブの顔写真と共に陳列された肉片を、市民たちは争うように買い求め、自らの体内に「摂取」していたのです。
セレブウイルスの開発・販売会社、ルーカス・クリニックに勤める青年シドは、顧客に最新流行のウイルスを販売する営業をする傍ら、密かにウイルスを自らの体にも打って「楽しんで」いました。そして「セレブ肉」販売店の知人・アーヴィッドに、最新のウイルスを横流しする「副業」も営んでいたのです。シドは自分にウイルスを打ち、人工肉を食べながら、体温計を咥えて自分の病状を確認することが日課になっていました。

【承】- アンチヴァイラルのあらすじ2

アンチヴァイラルのシーン2 そんな時、顔もスタイルも抜群の、「究極の美」と称されるセレブ・ハンナの担当をしていた同僚のデレクが、会社のウイルス分析用端末を勝手に持ち出したことで処分を受けます。シドも同じく、端末を密かに自宅に隠し持っていたのですが、バレることなく上司から、デレクの代わりにハンナの担当をしてくれと依頼されます。
海外旅行中に病気になったハンナは、そのウイルスをルーカス・クリニックに売ろうといていました。ハンナの自宅を訪れたシドは、ベッドで療養中のハンナから、ウイルスをもらうため血液を採取。シドは会社に戻る前に、「最新のウイルス」が含まれたハンナの血液を、自分に注射してしまいます。
しかしそれ以降、シドの体調は目に見えて悪化していきます。しかも自宅のウイルス分析用の端末が、ハンナのウイルスを分析しようとした途端に壊れてしまいます。シドはアーヴィッドに、端末を修理出来る奴を知らないかと尋ねます。アーヴィッドはハンナの最新ウイルスが開発された情報を仕入れており、シドに少し分けてくれないかと頼みますが、端末を盗んで処分されたデレクの件もあり、それは出来ないと断るのでした。

【転】- アンチヴァイラルのあらすじ3

アンチヴァイラルのシーン3 シドはアーヴィッドの紹介で、端末の修理をしてくれるレビンという男の元に向かいますが、レビンはアーヴィッドとグルになり、シドが接種しているであろうハンナの最新ウイルスを盗もうと企んでいました。ウイルス元のハンナが病気で死亡したため、ハンナの「最後のウイルス」は高値が付く貴重なものになっていたのです。2人に押さえ込まれ、シドは強引にウイルスを含んだ細胞を抉り取られてしまいます。
細胞を取られたあと、通りに放り出されていたシドに、ポートランドという男が話しかけてきます。シドに頼みごとがあるというポートランドに、シドが大人しく着いていくと、案内された屋敷では、死んだはずのハンナが寝ていました。しかし、先日会った時より明らかに体調が悪化していて、口元に血を吐いた跡があるハンナは、シドに「あなたも血を吐いた?まだ?」と聞いてくるのでした。
ハンナの世話をしている女性は、ハンナは不治の病にかかっており、世間に騒がれず治療に専念するため、死亡したという嘘の情報を流したのだと説明します。ハンナの担当医・アベンドロスは、ルーカス・クリニック内に、ウイルスを突然変異させている人物がいると睨み、その調査をシドに依頼します。その代償として、ハンナと同じ病状を示すシドに、これで病状が少しは治まるはずだと、抗ウイルス剤(=アンチ・ヴァイラス)を渡します。
シドはまずアーヴィッドの店に行き、襲い掛かりますが、逆に押し倒され「お前から取ったウイルスで、端末が壊れたとレビンが怒っていた。面倒に巻き込まれるのはごめんだ。もう顔を見せるな」と告げられます。次にシドはデレクの部屋へ忍び込み、端末を見ると、そこにはルーカス・クリニックのライバル会社、テッサー社の情報が入力されていました。

【結】- アンチヴァイラルのあらすじ4

アンチヴァイラルのシーン2 シドはデレクの部屋を出たところで、謎の男たちに捕まり、拉致されてしまいます。シドが目を覚ますと、病室のように白い部屋に監禁されており、女性の声のアナウンスが、「これからあなたの病状を、あなたが死ぬまで観察する。貴重なウイルスを採取するために必要だから」と告げるのでした。
それから、シドの病原体を調べるため、細胞や血を採取される日々が始まります。シドの体を押さえつけ採取する男の中に、レビンもいました。ある日シドはレビンの隙を突いて、注射器を刺し、白い部屋から逃げ出します。部屋の外の廊下を辿っていくと、そこはテッサー社の社内でした。
騒ぎが収まったあと、シドはテッサー社の女社長・ミラと、モニター越しに一対一で面会します。独自の強力なウイルスを開発したテッサー社は、ハンナにウイルスを注入して「商品価値」を上げようとしましたが、ハンナはルーカス社と独占契約を結んでいたため、テッサー社はハンナから取ったウイルスをそのまま販売することは出来ない。そのため、シドが接種した血液からウイルスを抽出し販売するという作戦を、ミラは立てていたのでした。
そんなミラに、シドは「取引」を持ちかけます。ハンナをウイルスに冒されたまま永久睡眠状態にし、ウイルスによる「永遠の美」を売りにすることをテッサー社に提案したのです。そのことによりシドもまた、半永久的にハンナの血液を「摂取」出来ることになったのでした。

みんなの感想

ライターの感想

かのデヴィッド・クローネンバーグ監督の長男の、初監督作品!しかも脚本も長男が手がけている!と来れば、「ビデオドローム」や「ザ・ブルード」、「ザ・フライ」などに狂いまくった世代としては、そりゃもう期待しない方がおかしいだろってくらいでありますが。いやはや期待通りに、いえ期待以上に「変態の遺伝子」が見事に受け継がれていて、嬉しい限りでございます!
もう、セレブの病気や人工セレブ肉が「商売として認可されてる世界」っていうのが完全に狂ってますよね、セレブの顔写真と一緒に並べられた「人口肉」のおぞましさよ。でも、「死者の病原体(死ぬほどの病気から採取したウイルスや人工肉)は販売出来ない」ってところがギリギリモラルを保っていると言いますか、言えないかなやっぱり。
舞台となるルーカス社や主人公の部屋、主人公が監禁される部屋も「妙に白い」のがまた、ヒンヤリ感をかもし出していて素敵でありますが、監禁される部屋なんて、「2001年宇宙の旅」で主人公が最後に辿りつく部屋みたいですしね!その反面、肉屋の裏側はちゃんと「肉屋っぽい」生々しい描写にしてるのが、さすがクローネンバーグの息子。
で、通常では考えられないような近未来のトンデモ設定を通じて、ライバル会社が策略を・・・っていうのは、お父さんの「ビデオドローム」のプロットに似ているなあとも感じました。長男による、「ビデオドローム」の21世紀版リメイク・ウイルスバージョンと言ってもいいかもしれない。中盤で主人公が見る「悪夢」とかね、機械と人間の融合をアナログチックな描写で見せてくれるところも、さすが長男、わかってらっしゃる!と思いましたね!
それでいて、ウイルスにコピーガードを付けて独占販売するとか、そのガードを外して闇で売りさばいたりとか、現実のネットの世界で行われているような事柄をウイルス世界に持ち込んだ、斬新な設定も見事だなと。分析しようとする端末を壊しちゃう(そうなるように最初から作られている)ウイルスなんかは、PCをダメにしちゃうコンピューター「ウイルス」みたいですしね!
壊れた端末のダメになった部品が「悪い病にに冒された人体の一部」みたいなのも素敵ですし、そもそもその端末自体が少しクラシックな雰囲気で、「裸のランチ」のゴキブリタイプライターをちょっと思い出したりもして。出演時間は短いですがマルコム・マクダウェルも相変わらず「いい味」出しまくりでしたし、いやあ、これは本当に「大満足」な変態映画でした!さすがクローネンバーグ長男、血は争えない!!

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