「コインロッカーの女」のネタバレあらすじと結末の感想

コインロッカーの女の紹介:2015年製作の韓国映画。コインロッカーに捨てられた娘と、彼女を育てた闇金業者の女との愛憎を活写したドラマ。育ての母のもと生きるために何でもしてきた娘は、初めて心惹かれた青年を殺すよう命じられ…。R-18指定作品。

予告動画

コインロッカーの女の主な出演者

イリョン(キム・ゴウン)、マ・ウヒ(キム・ヘス)、ウゴン(オム・テグ)、パク・ソッキョン(パク・ボゴム)、チド(コ・ギョンピョ)、ソン(イ・スギョン)

コインロッカーの女のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①へその緒がついた状態でコインロッカーに入れられた赤ん坊は、その番号10番を取り「イリョン」と名付けられ裏社会のボス・母の元で働き始めた。母はイリョンの気の強さを見抜き、目をかける。 ②大人になったイリョンは借金取り立ての時に出会った青年・ソッキョンに恋をするが、ソッキョンは父の借金のカタに殺される。きょうだいの絆が崩れ、イリョンは母を殺害するが、母はそれも見越していた。母の仕事を継いだイリョンは、生前の母と同じようにして母を弔った。

【起】- コインロッカーの女のあらすじ1

韓国。
若い女・イリョンに、包丁を持った母マ・ウヒが「力を抜けば痛くない」と言います…(このシーンは後に出てくる)。それを聞きながら、イリョンはなぜ生まれてきたのか考えました。
…地下鉄の駅のコインロッカーに、生まれてすぐの、まだへその緒がついた状態の女の赤ん坊が捨てられました。その子は10番のコインロッカーに捨てられたことから「イリョン(10)」と名付けられます。
イリョンを見つけたのは路上生活者の男性で、その子を育てていました。
ある時タク刑事が戸籍のないその少女・イリョンを見つけ、連れていきます。そして母に引き渡すと、バクチの借金の「元金がこの子で、利子はこの前に連れて来た子にしてくれ」と言いました。イリョンは出生届が出されていない「まっさらな子」なので、使いがいがあるのです。
その母というのは、韓国・仁川(インチョン)の裏社会で闇金融を営む女性で、各方面に力を持っていました。自分の元で子どもたちを育て、独立させてネットワークを作るのです。
タク刑事も母・ウヒのところで育ち、巣立って行った人物でした。独立してからも母・ウヒは母と呼ばれ、先輩の男性は兄、女性は姉というふうに擬似家族のような呼び方をされます。
イリョンは母の下で働き始めました。
母は闇金融以外にも、手広く商売をしていました。偽の入国許可証を作ったり、闇金融で借金を返せなくなった人物は拉致して、臓器売買の業者に引き渡したりもします。
イリョンは普段は地下鉄で、子どもの物乞いとして働きました。帰りの車中で、同じ境遇の男の子と喧嘩になったイリョンは、「うるさい」と言われ男の子と共に捨てられます。
イリョンと男の子は、それでも歩いて帰ってきました。母はそれを見て、2人にチャジャン麺を用意させます(肝の据わり具合をチェックした)。
ある夜、仕事だといって現金の入ったリュックを背負わされたイリョンは、母といっしょに歩きました。その時、死にかけの犬に母は止めをさしながら「役立たずになったら、お前も殺す」と言われます。
それから十数年の時が経過しました。
大人になったイリョンは、やせぎすながらすっかり裏稼業に馴染んでいました。
400万ウォン(約37万円)の融資をし、返済額が1210万ウォン(約113万円)に膨らんだ顧客カン・セユンは、イリョンに「返済期限が今日だ」と言われ、麻雀の場に取り立てに現れたイリョンを灰皿で殴ります。
イリョンは左の目の下にかすり傷を作りますが、そんなことくらいでは動じないように成長していました。憤るセユンに妻子の声を携帯で聞かせ、妻子の身柄を拘束していることを告げて、麻雀の賭け金をあげて勝負させます。
イリョンのアドバイスで賭けに勝ったセユンは借金を返済でき、態度を一転させて「真面目に生きます」とイリョンに頭を下げました。イリョンは「利子」と言って、セユンの頭を灰皿で殴り返します。

【承】- コインロッカーの女のあらすじ2

現在、母と共に寝起きしながら働いているのは、頬に傷のある兄・ウゴンと、知的障害のある弟・ホンジュと、髪をピンクに染めている姉・ソンとイリョンでした。食事時には必ずみんな顔を揃えます。
イリョンは年頃になってもショートカットにパンツ姿で、いつも色気のない格好をしていました。実際、身なりに気を使っていません。
次の日イリョンはいつものように、借金の取り立てに行きます。現在はフィリピンに移住している父パク・ギテが借金をした相手で、借金を取り立てるのは韓国に住んでいる息子パク・ソッキョンでした。
息子のアパートに取り立てに行くと、パク・ソッキョンは爽やかで人を疑うことを知らない好青年でした。ソッキョンはイリョンを家に上げ、食事(パスタ料理)をふるまいます。
ソッキョンはフィリピンで働いている父を信じ切っており、父が自分を見捨てるなどということは考えない人物でした。イリョンは今まで裏社会で、金のためなら親も子もないことを知っているので、その純朴さに驚きます。
ソッキョンはイリョンの目の下の傷に触れて「治療しないと」と言いますが、イリョンはそこまで優しくされたことがなかったので、思わず食べかけのパスタを放りだしてその場を去りました。
夜、母に聞かれたイリョンは「家は留守だった」と嘘をつき、「明日回収する」と言います。
姉・ソンがクラブで暴れていると聞いて駆け付けたイリョンは、兄・チドにヤクを売ってもらってソンがヤク漬けなのを知り、チドに「もう売るな」と言いました。
翌日再び取り立てに行ったイリョンはソッキョンが留守なので携帯に電話をし、電話も出ないので勝手に家を開けて入りました。夜逃げはしておらず、家財道具があるのを見たイリョンは安心します。
ソッキョンからすぐ折り返し電話があり、イリョンはソッキョンの職場に呼び出されました。ホテルのレストランの厨房で働くソッキョンは、借金の一部20万ウォン(約1万8千円)を返すと、イリョンを映画に誘います。
映画は特別室のもので、その後にソッキョンに呑みに誘われたイリョンは初めての気持ちを感じます。初恋です。
ソッキョンは中学3年生から一人暮らしをしており、当時から貧しい思いをしていました。1週間の食費を5000ウォン(約470円)に押さえねばならなかったソッキョンは、1000ウォンのハンバーガーを5つ買って、それを分けて食べていたのですが「ほかにもっとおいしいものがあるのに、それをうまいと思う自分が悔しい」と思い、料理人を目指したとイリョンに言いました。
フランス、パリで本格的に料理の勉強をして、いずれは自分の店を持つのが、ソッキョンの夢です。まっすぐに生きているソッキョンに触れて、イリョンはどんどん惹かれていきました。
帰宅したイリョンは、母・ウヒが自分の母の命日の供養をしているのを見ます。ウヒは「私が殺した、ここで」と言いました。
帰ってからも「無事着いた?」というメールをソッキョンからもらったイリョンは、心が浮き立つのを押さえられずにいました。姉・ソンに怪しまれます。

【転】- コインロッカーの女のあらすじ3

翌日、ソンと買い物に出かけたイリョンは、初めてワンピースを購入しました。ソンはイリョンが恋をしていると見抜きましたが、仲間意識から黙っています。
ところが…イリョンが幸福な気分を味わえたのもつかの間でした。ソッキョンの父パク・ギテが借金を返せなくなり、高飛びしたのです。
ソッキョンは父の借金をすぐに返済せねばならなくなり、できない場合には…自分の身体を臓器売買に売られます。父の借金は1億12万3000ウォン(約940万円)になっており、若者のソッキョンには無理でした。
夜に出かけようとするイリョンに、母はそれを告げ、イリョンに殺害依頼をします。弟・ホンジュも同行させました。
イリョンはアパートの下で時間稼ぎのために弟・ホンジュに「100まで数えたら来て」と頼み、その間にソッキョンを連れて逃げようとします。ところがソッキョンは父が自分を見捨てるわけがないと思い、信じてくれません。
ソッキョンと揉めている間に100数え終わったホンジュがのぼってきました。イリョンはホンジュを殴ってソッキョンと2人で逃げますが、捕まりました。
逃げたイリョンへの見せしめのため、母は闇社会の医者・アン先生に命じてイリョンに薬物を打たせ、もうろうとした意識の状態のイリョンの目の前で、ソッキョンに「お前がたぶらかしたのか?」と聞き、首を切ります。
ソッキョンは心臓5000万ウォン、角膜1000万ウォン、腎臓1500万ウォン(角膜と腎臓は2つあるので倍)で売られました。残骸はミキサーにかけて下水へ流し、骨は蒸して砕き、ごみ収集に出します。
そして母は包丁を持ち、イリョンに「力を抜けば痛くない」と言います(オープニングの映像)。
イリョンの初恋は実らないうちに、最悪の形で幕を閉じました。兄・チドが母に「家族なのに、ここまでする必要があるか?」と責めますが、母には実は考えがあったのです。
兄・チドを人質にとったイリョンは逃げ、チドの左目に怪我を負わせると、追いつめられて海に身を投げました。
その頃、母の元を巣立って現在はクラブを経営している若い男性・チドが、母への謀反をたくらみます。独立してからも毎月上納金を払わねばならず、母が生きている間は頭が上がらない状態に飽き飽きしたチドは、現在は浮浪者同然となっているタク元刑事に「母さんの子を1人殺せ、借金はチャラにして3000万やる」とメールします。
イリョンの逃亡後、ホンジュは怒りまくっていました。姉だと思って信頼していたホンジュは、その分殴られたことを根に持っており「殺す」と息巻いています。
姉・ソンはイリョンから電話をもらいますが、目の前でホンジュが怒っているので、わざと電話を切りました。
その後こっそり家を出たソンは、アン医師に「よく考えろ」と諭されますが、「母もヤキが回った」と言います。妹分として可愛がってきたイリョンがいなくなった空しさから、どっぷりと薬物にはまりました。

【結】- コインロッカーの女のあらすじ4

チドのクラブに顔を出した母はチドから脅されますが、クラブの手下はチドよりも母を選びます。チドは手下に刺され、母はクラブのNO.2を呼んで「これからはNO.1になれ」と指示しました。そしてアン医師に電話し、臓器売買の依頼(チドの死体)をします。
タク元刑事はイリョンの行方を探します。
イリョンは姉・ソンに会いに家に戻り、ホンジュと出くわしました。ホンジュはイリョンを殺そうと、バットで殴りかかります。イリョンはホンジュに「薬は飲んだ?」と聞き、兄・ウゴンが止めに入りました。
ホンジュは兄・ウゴンの首にペンを刺し、ウゴンはホンジュの首の骨を折ります。
イリョンはペンの刺さった兄・ウゴンに病院へ行こうと言いますが、ウゴンは「ペンを抜いたら楽になれる」と言いました。幼い日に母が犬を楽にさせるため、とどめをしたのを見たイリョンは、兄・ウゴンの首のペンを抜き、ウゴンが息絶えるまで抱きしめていました。兄弟の死を嘆くイリョンは、背後から殴られて気絶します。
気絶したイリョンは擬似家族ながら幸福だった頃の夢を見ながら、「なぜコインロッカーから出たんだろう。出るべきじゃなかった。出なければよかった」と思います。
殴ったのはタク元刑事でした。車のトランクに詰め込まれたことを知ったイリョンは、トランクが開いた瞬間を狙い、トランクにあった銃でタク元刑事の腹と胸を撃ちます。「とどめをさせよ」と言われますが、「そうすると楽になるでしょ」とわざと放置します。
母へ電話したイリョンは「そんなに私を殺したかった?」と言い、これから殺しに行くと宣言しました(イリョンは母がタク元刑事を寄越したと勘違いした。本当はタク元刑事はチドに命令されて殺しに来た)。
電話を切った母は「私はもう役立たずね」とひとりごちると、コインロッカーに封筒を入れます。
母が自宅でご飯を食べている時に、イリョンが包丁を持って現れました。母は「まずは食べて」と声をかけます。
イリョンは立ったまま「母さんと私のせいでみんな死んだ」と言い、母は人の殺し方を伝授します。イリョンに包丁を向けさせて「早くくたばるよう、手助けをしないと」「怖い時は笑え、笑えば楽になる」と母は声をかけ、「成長したわね」と言うとコインロッカーのキーを渡しました。
最後に「これからは死ぬ時が来るまで死なないで。死ぬ時は自分が決めろ」と言い、母は息絶えます。
イリョンはこの時ようやく、自分が母の後釜になったと知り、かつて母・ウヒがその母を殺した時の気持ちを理解しました。母を殺したイリョンは泣きながら笑います(「怖い時には笑え」と言われたから)。
後日、イリョンはクラブのNO.2の男(現在はNO.1だが)と組んで、母の仕事を継ぎました。アン先生は始末します。
母から託されたコインロッカーのキーは10番で、その中には「母マ・ウヒとの養子縁組届 マ・イリョン住民登録証」が入っていました。イリョンには戸籍ができ、母は法的にも母になります。
「まっさらな子」ではなくなったイリョンは、こうして母と同じ道を歩き始めました。母を弔う儀式を、母を殺した場所・自宅の食堂で行ないます…。

みんなの感想

ライターの感想

娘・イリョンの演技も圧巻だが、母・ウヒもまたすごい。
母が一見何を考えているのか判らない。無表情で冷酷無比。とにかく迫力ある、裏社会のボスって言われても納得。
イリョンはそれに較べるとやっぱりいまひとつ…なんだけど、その母を乗り越えて行く様子が上手に描かれているので、ラストには納得。
ただ、切ない。こう生きるしかできないのか、もっと明るい別な道はないのかと考えさせられてしまう。
とにかく、見て損はない映画。

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