「コンプライアンス服従の心理」のネタバレあらすじと結末の感想

コンプライアンス-服従の心理-の紹介:2012年製作のアメリカ映画。2004年にケンタッキーで、警察官を名乗る男からの電話をきっかけに、窃盗の濡れ衣を着せられたファーストフード店の女性従業員が裸にされる事件が発生。この事件を元に、善悪の判断を越えて権威に服従してしまう人間心理を描いたドラマ。

予告動画

コンプライアンス服従の心理の主な出演者

サンドラ・フロム(アン・ダウド)、ベッキー(ドリーマ・ウォーカー)、ダニエルズ(パット・ヒーリー)、エヴァン・バルサー〔ヴァン〕(ビル・キャンプ)、ケヴィン(フィリップ・エッティンガー)、ニールス(ジェームズ・マキャフリー)、マーティ(アシュリー・アトキンソン)

コンプライアンス服従の心理のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①金曜の夜、ファーストフード店の最も多忙な時間帯を狙って、警官を名乗る男性から店に電話が入る。警官と信じ込んだ女性店長・サンドラは、女性従業員・ベッキーが窃盗したということを疑わず、身体検査するためにベッキーの服を脱がせる。 ②電話はイタズラ、しかし信じ込んだサンドラは電話に翻弄され、ベッキーは裸にエプロンのまま長時間放置される。

【起】- コンプライアンス服従の心理のあらすじ1

〝この映画は実際の事件に基づいている〟

(「コンプライアンス」=「法令遵守。社会規範に反することなく公平に業務を遂行すること」)

アメリカ・オハイオ州サウスエンド、冬のある日。
その日は悪い条件が重なりすぎていました。
前日のスタッフの誰かが冷凍庫を閉め忘れたため、1430ドル(約16万円)分の材料がダメになり、急いで手配をしたものの、ベーコンとピクルスが品薄です。
場所はファーストフードを売りにするハンバーガー店、しかも金曜の夜は書き入れ時で、多忙を極めます。
さらにこの日は本部の人が、マニュアル通りに働いているか視察に来る日でした。覆面調査です。
店長を任されているサンドラは、上記の条件が重なって、あせっていました。それが今回の悲劇を招きます。

・ギルモア本部長…オハイオ州を仕切る一帯の本部長の男性。映画では終盤、電話で連絡が取れる程度で、姿は出ない。
・サンドラ…コゲ茶の髪の中年女性。サウスエンド店の店長。多忙ゆえに最初に電話で洗脳されてしまった人物。エヴァン(通称:ヴァン)という婚約者男性がいる。
・マーティ…黒髪の中年女性。サウスエンド店の副店長。どの部署も任せられるオールマイティな役目。
・ベッキー…金髪ロングヘアをまとめた若い女性。今回の被害者。
・ケヴィン…黒髪の前髪が短い男性。ベッキーとはいい友達(恋愛関係ではない)。
・フリオ…黒髪の若い男性。
・コニー…黒髪の黒人女性。
・ハロルド…初老男性。掃除係。彼らと交代で勤務が終わる。

サンドラとマーティは役職付きなので、白いブラウスに、スカーフをネクタイのようにつけています。
ベッキーとケヴィンはレジ係なので、つばのついた帽子をかぶっています。
フリオとコニーは調理係で、キャップ帽にエプロンをつけています。
仕事が終わった初老男性・ハロルドは「あとで新製品を試しに食べに店へ来る」とサンドラに告げて、去りました。

仕事が忙しくなり始めた頃、その電話がかかってきました。
サウスエンド店にかかってきた電話に応対したのは、店長のサンドラです。
電話の相手はダニエルズ刑事と名乗りました。そして、つい先ほどサウスエンド店で従業員による窃盗事件が発生したと言います。
「名前は分からないのだが、まだ若くてレジ担当の…」とダニエルズ刑事が言いかけた時、サンドラは「ベッキーですね」とつい言ってしまいました。多忙故に、早く電話を切り上げたいから焦っていたのです。
「ベッキーから金を盗まれたという女性がいる。張り込みの警官もそれを確認した」とダニエルズ刑事は言いました。なんでも、ベッキーは別の事件でも調査中で、張り込みがついていたというのです。
副店長のマーティをレジ係にさせ、ベッキーを呼び出しました。サンドラは電話のダニエルズ刑事に「彼女のバッグやポケットを探れ。携帯は取り上げろ」と指示します。
ベッキーは、いわれもない罪を咎められ、サンドラ店長に無実を訴えました。
ところがサンドラは「思い込んでしまった」のです。

【承】- コンプライアンス服従の心理のあらすじ2

よく考えてみれば、刑事と言っただけの相手です。所属部署や階級も言っていません(必ずしも電話で常に刑事が所属部署や階級を告げるとはかぎらないが)
電話の主が刑事だと信じてしまったサンドラは、早く事件を切り上げたいと思いました。
さらに「本部長にも話が通じている」と言われたことで、サンドラの信憑性を増す材料となっています。
ベッキーが否定しても、サンドラはそう思い込んでしまいました。

先に書いてしまうと、ダニエルズ刑事とは真っ赤なウソです。自称なだけで、本当は全くの一般人でした。いわばイタズラ電話です。

「金の問題は、こちらとしても迅速に解決したい」と言うダニエルズ刑事は、ベッキーの私物に不審な金がないと知ると、着ている洋服を脱がせて身体を調べろと言います。
さすがにそれは…と抵抗を示すサンドラに「到着するまでに金が見つかっていないと、ベッキーは連行されて今夜は拘留される」とダニエルズ刑事が言いました。
「連行」「捜査」「拘置所で一晩過ごす」などという単語が出たサンドラは「社則でも、2人の立ち会いが必要だ」と言います。
ダニエルズ刑事が、電話の向こう側で本部長に質問している気配がありました。あくまで「気配」です。しかしそれで、サンドラはギルモア本部長にすべて話が通じているものと思い込んでしまいます。
サンドラは同じ女性の副店長・マーティに立ち会ってもらうために、席を外しました。
通話はその間、ずっと繋がっています。
ベッキーに電話を交代したダニエルズ刑事は「君には前科がないか、調べたらすぐ分かるぞ」と脅し、「君の兄弟はどうだ」と言います。
ベッキーは、自分に兄がいると口を滑らせました。

戻ってきたサンドラに、ダニエルズ刑事は「実はいまベッキーの兄がマリファナ所持の容疑で、現在、ベッキーの家を家宅捜査している最中なのだ。だからいつそちらの店に行けるか分からないが、それまでに金を見つけておかないと」と言います。
…もうお分かりだと思いますが、相手のダニエルズ刑事は「相手から巧みに聞き出す戦法」で、勝手に話をでっちあげていたのでした。
サンドラとマーティの立ち会いのもと、サンドラは服を脱がされて、服や靴に金が忍び込んでいないかチェックされます。それでも金は見つかりません。ベッキーは下着姿になりました。
サンドラはダニエルズ刑事に「下着こそ、隠すのに絶好だ」と言います。サンドラもさすがに嫌がりながらも脱ぐよう指示し、代わりにエプロンをベッキーに渡しました。
下着を脱いだベッキーは、エプロンをかけて裸を隠します。

【転】- コンプライアンス服従の心理のあらすじ3

ベッキーの私物と衣服は、サンドラ店長の車に保管するよう指示されました。

最も忙しい時間帯にサンドラ店長とマーティ副店長、ベッキーの3人が抜け、店はてんてこまいになっています。
店長か副店長のどちらかは店頭にいなければならず、マーティの代わりに見張りとしてケヴィンが呼ばれました。
ケヴィンは事態を聞き、ベッキーも兄もそんなことをすることがないと言います。ケヴィンはベッキーの兄と面識があるようです。
ケヴィンは急いで自分の携帯で確認し、ベッキーの兄が町にいないことを確認しました。ダニエルズ刑事の言うことがおかしいと思います。
さらにダニエルズ刑事の言うことに、無理があると感じました。金が盗まれた時の状況を聞くと、ダニエルズ刑事は最初「客が財布を盗まれた」と答えます。衆人環視の、客の多い時間帯にそれは無理だとケヴィンが答えると「カウンターに置いた財布から、現金を盗まれたと言っている」と、言うことが変わります。
しかしダニエルズ刑事はケヴィンに「こっちは法の番人だぞ。敬語で話せ」と高圧的な態度を取りました。
さらにケヴィンは、全裸のベッキーの身体を調査しろと命令されます。よき友人のベッキーにそんなことはできないと、ケヴィンは部屋を飛び出しました。
電話はサンドラに代わります。
サンドラに婚約者がいると知ったダニエルズ刑事は、婚約者を呼び出して見張りを頼めないかと言いました。

サンドラの婚約者・ヴァンは、建築関係の仕事に就いています。
その日は金曜なので、仕事のあと、仲間と飲みに行っていました。サンドラに呼ばれて、車で店までやってきます。
ダニエルズ刑事は、今度はヴァンに「ベッキーの身体を調べろ」と言いました。
外部者のヴァンは「この電話はおかしい」とすぐに気づき、サンドラに告げます。
ところが思い込んでしまっているサンドラは、聞き入れませんでした。
ヴァンが酒を飲んでしまっていたことが、マイナスに働きます。ヴァンの言うことは、サンドラの中では「よっぱらいのたわごと」になってしまいました。
ベッキーの兄の件でベッキーの家に家宅捜索が入っていることを告げられたヴァンは、そうかと信じます。
電話を交代したベッキーは、電話の内容はすべて録音されているから、裁判の時に心証が悪くなると言われ、「拘置所か、今脱ぐか」と迫られました。
ダニエルズ刑事は、ヴァンの前でエプロンを取り、全裸になることをベッキーに要求します。
ヴァンに電話を代わったダニエルズ刑事は、タトゥーなどを確認したいので乳首の色を教えろと言います。

【結】- コンプライアンス服従の心理のあらすじ4

明らかに、言っていることがおかしいのですが、ヴァンも「警察の言うことだから」と信じてしまいます。
後ろを向かせてかがませろ、開口部(陰部)に隠していないか確かめろ、跳躍運動させろ(その場でジャンプさせるという意味)と次々に指示を出しました。

その時、ダニエルズ側でちょっとしたトラブルが起きます。
ダニエルズ刑事はプリペイドの携帯を使って電話をかけていました。その電話の残数が少なくなったことを示すアナウンスが、ダニエルズ側に示されます。
ダニエルズ刑事は「家宅捜索で問題が起きた」とごまかし、通話を続けました。そしてヴァンに、ベッキーの尻を叩けと要求します。叩いた音が聞こえるよう、通話口に尻を近づけろと言いました。
ヴァンはベッキーをあおむけにしてひざの上に乗せ、尻を叩きます。
(これ以降何があったかは不明。カメラには映されない。しかしセクハラまがいのことがあった可能性が大)

サンドラが控室に帰ってくると、ヴァンが疲れていました。ダニエルズ刑事は「ヴァンは待ち疲れているようなので帰してやれ」とサンドラに言います。
ヴァンは店を出て車に乗り込むと、友人宅へ電話をかけて「今からそっちへ行ってもいいか。実は俺、とても悪いことをしてしまったんだ」と話します。
ヴァンと入れちがいで、ちょうど店に老人・ハロルドがやってきました。新商品を試しに食べに来たハロルドに、サンドラが頼みに行きます。
控室で1人になったベッキーは、監視カメラを見ました。そこには店内のあちこちの監視カメラ以外に、控室にも監視カメラがあることが分かります。
ダニエルズ刑事と電話を代わったハロルドは、すぐにこの電話が奇妙なものだと気付きました。
横でマーティが本部長に電話をかけてみると、ギルモア本部長は何も知らされておらず、今朝からずっと体調不良で寝ていたと言います。
そこでやっと、サンドラはずっとイタズラ電話に振り回されていたと知りました。
電話の主のダニエルズ刑事は、イタズラ電話がばれたと気づいた瞬間に、もう電話を切っています。

…通報を受けた「本物の」警察がやってきて、事情聴取をします。
犯人は、ファーストフード店を狙い、店長らを上手に誘導して若い女性にイタズラばかり繰り返していました。このサウスエンド店だけではなく、ほかにもボストンやマサチューセッツ州でも行なわれていました。
プリペイド式携帯電話を購入した店の防犯カメラから、犯人が逮捕されます。
犯人は妻子がいる、ごく普通の30代の白人男性でした。ただし勤務先はコールセンターで、電話の応対をするところです。
(職業柄、誘導するのが上手だったのか)

ベッキーは弁護士に、サンドラやファーストフードの大企業を訴えるか質問されます。
サンドラは婚約者・ヴァンとは別れました。
聴取を受けるサンドラは「相手に洗脳されていた」と答えます。そして監視カメラの映像を見て、笑いました(最後に笑ったのは、あとで冷静になって考えてみると確かにおかしな要求が多かったと自嘲の意味)。

〝米国の30の州において、同様の事件が
70件以上報告された。〟

みんなの感想

ライターの感想

確かに最初から、電話の相手は上手に上手に話を聞いている。
女性従業員に関しても「10代後半から20歳ごろの女性」といえば、アルバイトを雇う大企業系列のチェーン店なら、誰か1人はヒットするだろう。
店長・サンドラにそうやって誘導して「ベッキーかしら」と言わせる。以後はずっとベッキーが犯罪をおかしたように話をする。
ベッキーも同じように誘導され、兄がいるとつい言ってしまったがために、どんどん事態は悪いほうに転がっていく。
本当はネタバレなしで見てもらいたい。そうすると最初はベッキーが本当に犯罪しているのかという気持ちになる。
ところが途中で犯人(自称・ダニエルズ刑事)の姿が映し出され、彼が何も捜査をしていないどころか、優雅に自宅でサンドイッチを作って食べているのにいたり「あれ?」とおかしく思うだろう。
電話口でうっかりプライバシーを明かしてしまうと、怖いことになるなあと思わされる作品。

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