映画:ゴールデンスランバー

「ゴールデンスランバー」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(5件)

サスペンス映画

ゴールデンスランバーの紹介:2010年公開の日本映画。人気作家・伊坂幸太郎の同名ベストセラーを、「フィッシュストーリー」の中村義洋監督が堺雅人を主演に迎えて映画化。首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公の逃避行を描く。

あらすじ動画

ゴールデンスランバーの主な出演者

青柳雅春(堺雅人)、樋口晴子(竹内結子)、森田森吾(吉岡秀隆)、小野一夫(劇団ひとり)、キルオ(濱田岳)、岩崎英二郎(渋川清彦)、保土ヶ谷康志(柄本明)、轟静夫(ベンガル)、樋口伸幸(大森南朋)、凛香(貫地谷しほり)、佐々木一太郎(香川照之)

ゴールデンスランバーのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①金田首相が暗殺され、何も知らない一介の宅配ドライバー・青柳雅春に濡れ衣が着せられた。青柳は2年前にアイドルを助けて地元では有名人となっている。逃亡した青柳は周囲の協力を得て逃げおおせた。 ②青柳の協力者は「森田、晴子、カズ、七美(トイレと言って晴子を草むらへ導いた)、キルオ、凛香&マネージャー、整形外科医、児島警官、保土ヶ谷、岩崎、矢島、轟親子」、応援者「両親(昭代&平一)、カズの恋人・亜美」、敵対者は「小梅、佐々木警視正、大串、近藤、鷲津、海老沢」

【起】– ゴールデンスランバーのあらすじ1

ゴールデンスランバーのシーン1

画像引用元:YouTube / ゴールデンスランバートレーラー映像

デパートのエレベーターの中に仲のよさそうな両親・樋口伸幸と晴子と、その娘・七美が乗り込みます。エレベーターには帽子を目深にかぶった男性が先に入っていました。

樋口一家は3階で降りますが、伸幸は晴子に「キルオはさっきのエレベーターの人のように、ごく身近なところにいるかもしれない」と言います。

キルオとは1~2年ほど前からここ宮城県・仙台市に出没する連続刺殺事件の犯人の通り名です。キルオは犯行時に「びっくりした?」と被害者に聞くそうだと、伸幸は晴子に話しました。

七美が少し遅れてやってきます。

伸幸は現在東京へ単身赴任しており、週末の休みを利用して仙台の妻子の元へ戻ってきていました。

東京へ戻る伸幸を見て、娘・七美は「パパ次いつ帰って来るの?」と質問します。晴子が「ピーマン食べられるようになったらね」と言うと、七美は「じゃあ帰って来なくていいよ」と答えました。晴子は「クールだねえ」と苦笑します…。

(注:実はこのエレベーターのシーンは時系列ではラストシーンでもある。伊坂作品ではよくあること。あえて冒頭に記載する。またラストで「遅れて来た七美が何をしていたか」に言及する)

総理大臣が野党から初めて選出となりました。総理大臣となった金田貞義首相は、仙台で凱旋パレードをする予定です。

青柳雅春は、ごく平凡な30歳の宅配便ドライバーの男性です。他のドライバーと違うところがあるとすれば、2年前の事件で有名になっていることくらいです。

故郷である仙台に帰省中の女性アイドル・凛香が自宅マンションで襲われた時に、配達に訪れた青柳がその暴漢を倒して救ったのです。

事件はマスコミに大きく報道され、青柳は一躍「時の人」になりました。青柳は大学時代の同級生・森田森吾に教わった唯一の柔道の技「大外刈り」を決めただけなのですが、マスコミは英雄だと騒ぎたてました。そのため、事件から2年が経過してもなお、青柳は芸能人ばりに仙台で顔を知られていました。

その日、青柳雅春は大学時代の同級生・森田に釣りに誘われ、釣りのフル装備をして待ち合わせ場所に行きます。

久しぶりの再会に喜ぶ青柳ですが、森田は沈んだ様子でした。

大学時代、青柳は青少年食文化研究会、通称:ファーストフード友の会に所属しており、サークル仲間の森田、小野一夫(カズ)、晴子といつも4人で仲良く行動していました。

森田の突然の誘いに驚きながらも喜ぶ青柳ですが、森田は自分の車に青柳を乗せると、後部座席に置いてあったペットボトルの水を勧めます。青柳は迷うことなく口にしました。

森田は青柳に「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」と言います。

助けたアイドル・凛香とやったのかと聞かれた青柳は、否定します。

大学時代のことを思い出しながら、青柳は襲ってくる眠気と戦いますが、しばらく眠ってしまいました。

うたたねから目覚めると、森田は横でiPodを使ってビートルズの『ゴールデン・スランバー』を聞いています。この曲はビートルズのアルバム『アビイ・ロード』に収録されたポール・マッカートニー作の曲で、「キャリー・ザット・ウェイト」→「ジ・エンド」、アンコール・ナンバーの「ハー・マジェスティー」と続くメドレーのエンディングを飾る曲です。

大学時代によく4人で聞いたことを青柳が指摘すると、森田は自分がペットボトルの水に睡眠薬を入れて青柳を眠らせたことを話しました。

「昔、故郷へと続く道があった(曲の歌詞の一節)。帰るべき故郷は、俺には大学時代のあの頃だ」と言った森田は、自分の近況を語り始めます。

森田は大学卒業後すぐに結婚し、息子も生まれて今ではもう小学生です。

その森田の妻がパチンコ中毒に陥り、借金を作って多重債務者になりました。金を返すのに疲労困憊した森田に、ある話が持ちかけられます。

それは「ある仕事に協力すれば、借金は帳消し」というものでした。そしてその「ある仕事」とは、「青柳雅春を自分の車に連れ込み、午後12時半まで車で寝かせておけ」というものでした。

そこまで一気にまくしたてた森田は、青柳に「つい最近、誰か接触してこなかったか。ビラまきさせられなかったか」と青柳に質問します。

ビラまきこそしませんが、青柳には心当たりがありました。ネットカフェで話しかけてきた若い女性・井ノ原小梅と親しくなり、一緒にラジコンヘリをして遊ぶ仲でした。

「お前、オズワルドにされるぞ」と森田は言います。

オズワルドとはジョン・F・ケネディアメリカ大統領を暗殺した男の名リー・ハーヴェイ・オズワルドのことです。ケネディ大統領を暗殺した実行犯とされていながら、その直後にオズワルド自身も暗殺されたため、本当にオズワルドがケネディを殺したのかは長年の謎です。

それでもまだ理解できていない青柳に、森田は必死で言い聞かせます。

青柳は2年前にアイドルを助けて、ちょっとした有名人物になっています。そして今日は金田首相パレードの日で、森田の車の少し後ろの車道でそのパレードが行なわれています。

「たぶん金田はパレードの最中に暗殺される。頼む、青柳、疑ってかかれよ! 俺が差し出した水なんか飲むなよ!」と森田は青柳に訴えます。

それを裏付けるかのように、背後で爆発音が聞こえました。

森田は「この車にも爆弾が仕掛けられている。さっき確認した。素人の俺ですら爆弾と分かるようなものが車の下に取り付けられている」と言うと、青柳に「逃げろ!」と叫びます。

爆発は背後で起こったのに、制服警官が2名、森田の車へ近付いてきており、しかも青柳を見ると威嚇発砲してきました。

警官2名が森田の車の横にさしかかった時に、森田の車が爆発炎上します。警官たちは爆発に巻き込まれました。青柳は「なんだよ、これ」と言いながら、わけも分からない状態で商店街の細い路地を必死に逃げ始めます…。

(森田が聞かされていたのは指示内容のみ。但しそこから森田は推理して上記の結論に至り、巻き込んでしまった青柳に聞かせて逃亡を幇助した。森田は死んだが任務を遂行したので、森田の妻子は借金から解放されると思われる)

あれだけ森田に疑ってかかれと言われましたが、青柳はまだ仲間を信じたい気持ちです。

商店街を抜けて逃げ出した青柳の携帯に、小梅から着信がありました。今から遊びにおいでよと誘われた青柳は、小梅の部屋を訪問します。

部屋に入ってテレビをつけると、首相暗殺のニュースが報道されていました。パレード開始15分後に爆発が起きたそうですが、その直前に首相の真上にラジコンヘリが飛んでいたのが、映像で確認できます。

それを見た青柳は、まさかという思いで小梅の部屋を振り返ります。部屋にはたくさんのラジコンヘリが置かれていました。もしここで自分が殺されたら最大級の容疑者で、しかも物証まで揃っているわけです。

小梅から再度電話がかかり、部屋に来たかと質問されました。肯定しながら、青柳は小梅のアパートの向かいのマンションの屋上から見ていました。

小梅の部屋に、警官隊が突入するのが見て取れます。

13時40分、金田首相の死亡が確認され、殺人容疑に切り替わりました。ただちに宮城県警本部長・大杉憲司と警察庁総合情報化の警視正・佐々木一太郎が、会見を開いて仙台の封鎖を決定します。

そもそも警察庁が出てくるのが早すぎます。ここも本当は不自然なのです。

ヨドバシカメラでそのニュースを見た青柳は、PSPとワンセグチューナーを購入しました。これで出先からでもテレビ放送を確認できます。

次に青柳があてにしたのは、大学時代からの友人・小野一夫(カズ)です。

大町西公園前の100円バスの停留所で電話をかけると、ノイズがひどく(注:盗聴されているから)しかも現在地を聞かれました。

バス停で横にいた女性が、友人らしき男性に声をかけられます。首相の事件でバスが動いていませんでした。青柳もそのカップルに車に乗せてもらいます。

立ち去る時、先ほどまでいたバス停に黒ずくめのスーツ姿の男たちが到着したのが見えました。

カズ宅へ直接乗り込んだ青柳は「やったんすか?」と言われて否定します。

カズが質問したのは「アイドルの凛香とやったのか」という意味でした。それを知った青柳はこんな時にと苦笑しながら「やった。お礼したいからとホテルのスイートルーム取ってくれて、一晩中、『死んじゃう死んじゃう』って」と答えます(注:真相は後に)。

容疑者として、テレビで自分の映像が公開されました。教科書倉庫の屋上で、ラジコンヘリを操縦している青柳の姿が公開されます。

カズに電話がかかり、通話後のカズは様子が変化します。これから彼女が来るから、近くのファミレスへ行っていてくれと青柳に頼みました。

指定されたファミレスで待っていると、黒い車に乗った黒ずくめの男たちが降り立ちます。青柳が裏手から逃げようとすると、そこには黒ずくめの背広姿の男・大串が1人で立っていました。大串はおもむろにヘッドホンのような耳栓をすると、笑いながらライフルで青柳を撃ってきました。今度は警告なしです。

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