映画:サードパーソン

「サードパーソン」のネタバレあらすじと結末

サード・パーソンの紹介:2013年のドラマ映画。監督・脚本は「ミリオンダラー・ベイビー」などで知られるポール・ハギス。主演はリーアム・ニーソン。ニューヨーク、パリ、ローマを舞台にした群像劇。日本公開は2014年。

あらすじ動画

サードパーソンの主な出演者

マイケル(リーアム・ニーソン)、アンナ(オリヴィア・ワイルド)、ジュリア(ミラ・クニス)、リック(ジェームズ・フランコ)、サム(ローン・シャバノル)、テレサ(マリア・ベロ)、スコット(エイドリアン・ブロディ)、モニカ(モラン・アティアス)、マルコ(リッカルド・スカマルチョ)、エレイン(キム・ベイシンガー)、ジェイク(デヴィッド・ヘアウッド)

サードパーソンのネタバレあらすじ

【起】- サードパーソンのあらすじ1

パリ。
ピュリッツァー賞受賞作家のマイケルは、妻のエレインと別居し、薄暗いホテルの部屋で新作を執筆していました。
すると、「Watch Me(見ていて)」という子どもの声が聞こえてきて振り返ります。しかし、誰もいませんでした。

ニューヨーク。
離婚弁護士のテレサは、自宅のプールに向かいます。しかし飛び込むことはできず、部屋に戻ってしまいます。

パリ。
作家志望のアンナは、愛人の作家に会うためにタクシーでホテルへと向かいます。
辿り着いた先では、マイケルが待っていました。マイケルは自身がスランプのため、新作を読んでほしいと迫るアンナを追い返してしまいます。
しかし、マイケルはアンナを抱きかかえて連れ戻し、ベッドの上で愛し合います。

ローマ。
アメリカ人のスコットは、ファッションブランドのデザイン画を盗む仕事をしています。
仕事を終えたスコットがバーで一人祝杯をあげていると、たくさんの荷物を抱えた魅力的なロマ族の女性モニカが来店します。
モニカは見つめてくるスコットを不審に思いますが、彼は携帯電話を取り出して、最愛の娘の写真を見せます。
モニカにも娘がおり、2年も会えていないと寂しそうに呟きます。しかし、明日会えるのだとうれしそうに微笑み、スコットは彼女と乾杯します。
その後、モニカは店にかかってきた電話に血相を変えて出ます。紙幣に何かをメモして、慌てて店を飛び出してしまうのでした。
スコットはモニカがバッグを置き去りにしていることに気づきます。店主のマルコは爆弾が入っていると騒ぎますが、スコットが中身を確認すると子どもの靴が入っているだけでした。

ニューヨーク。
元女優のジュリアは、息子のジェシーへの虐待容疑をかけられて、親権を巡る離婚調停中です。
ジュリアはテレサを雇いますが、失業中で弁護士費用はおろか生活に困窮していました。情緒不安定な彼女は職探しにも苦労しますが、あるとき高級ホテルの支配人に気に入られ、客室係の仕事に採用されます。
彼女は世間に顔が売れているため、表に出ることを避けていました。

ジュリアの元夫リックは抽象画家をしており、恋人のサムと同棲していました。
ある日リックは息子に自分の技法を伝授しますが、ジェシーは嫌がってイタズラばかりします。
ジェシーはサムによく懐いていますが、リックにはワガママな態度ばかり取るため、手を余していました。

パリ。
アンナの携帯には、ダニエルという男から頻繁に「会いたい」とメールが届いていました。
ダニエルからのメールを無視し続けるアンナは、マイケルの日記を勝手に読んで怒られます。
アンナは自分の原稿をいつ読んでくれるのか、新作をいつ読ませてくれるのかと尋ねますが、マイケルは言葉を濁していました。

ローマ。
翌日、スコットが再びバーへ向かうと、モニカがバッグの中にあった5000ユーロが消えていると言って、騒動を起こしていました。
店から追い出されたモニカを気遣うスコットでしたが、彼女は警察にも信じてもらえないと言って怒りをぶつけます。
スコットは5000ユーロが何のために必要だったのかを尋ねます。モニカは娘を密航船から降ろすために必要だったと告げて、それ以上は何も話そうとはしませんでした。
スコットは金を工面してもいいと申し出ます。モニカは身体で払う気はないと答えますが、スコットとホテルへ向かいます。ところが、ロマ族のモニカは宿泊を断られ、一人駅へ向かいました。

パリ。
週末アンナと一緒に過ごすつもりだったマイケルは、彼女が別のフロアに部屋を取っていることに憤ります。
マイケルが責めると、アンナは関係をウワサされることが嫌だと言って、去ってしまいます。

【承】- サードパーソンのあらすじ2

ニューヨーク。
ジュリアはテレサの助言に従って、裁判所からの心証をよくするための精神鑑定を受けることになっていました。
客室の清掃中に電話をとったジュリアは、テレサからカウンセラーとの面談場所の変更を告げられ、慌ててその場にあった紙に住所をメモします。
すると客が戻ってきてしまい、ジュリアはメモを客室に置き忘れてしまうのでした。

パリ。
翌日、マイケルはアンナの原稿の感想を述べますが、ファッション誌の記事程度だと酷評します。
そこへエレインから電話がかかってきて、マイケルは彼女の携帯電話の新しい番号をメモにとります。それはジュリアが置き忘れた紙でした。
嫉妬したアンナは、マイケルが目を離したスキにメモを盗んでしまいます。
マイケルは2週間前にエレインと別れたことを、アンナに伝えます。アンナはエレインのことを愛していると言っていた彼の矛盾を指摘し、激しく動揺しながらその場を去りました。
部屋に戻ったアンナは、メモを丸めて机の引き出しに入れます。

ローマ。
モニカはスコットから金を受け取ります。
スコットはモニカに同行すると言って聞かず、仕方なく彼女は車に乗せてやります。

ニューヨーク。
仕事を終えたジュリアは、面談場所の住所を書いた紙を客室に置き忘れたことに気づきます。
テレサに電話で住所を聞いて、慌ててタクシーに飛び乗ります。
先にカウンセラーに会ったリックは、サムと共にジュリアを待っていました。

パリ。
マイケルはカフェで編集者のジェイクに会って、新作の率直な感想を求めます。
ジェイクは、処女作は素晴らしかったものの、あとは自分の人生の言い訳を綴っているだけだと酷評します。
そして、出版を打ち切られてしまいます。

ニューヨーク。
待ちくたびれたサムは、トイレのため席を立ちます。
リックはようやく到着したジュリアに会いますが、一言も交わさず去って行きます。45分も遅刻したジュリアは、カウンセラーから面談を拒否されてしまいました。
テレサは恥をかかされたとジュリアを非難します。さらに、大切な約束も守れないようでは、息子に会わない方がいいと彼女を叱り、その場を後にしました。
最後の味方だったテレサからも見放されてしまったジュリアは、トイレで泣き崩れます。偶然出くわしたサムは、ジュリアを気遣って声をかけます。
2人はいくつか言葉を交わし、サムはその場を去りました。

ローマ。
とあるバーに着いたモニカは、待ち受けていた密航業者のカルロに5000ユーロを手渡します。
しかし、後から現れたスコットの身なりを見たカルロは、突然取引相手を変えて2万5000ユーロを要求します。
交渉が決裂し、モニカは話をこじらせたスコットを猛批判します。怒ったスコットはカルロと手を組んでからかっているのかと言い返しますが、モニカは盗んだ金を返すように迫ります。
スコットが持っていた金を奪ったモニカは、カルロの電話番号をメモした紙幣を見せて、スコットが金を盗んだ張本人であることを証明します。
モニカはスコットを置いて、車で走り去りました。

パリ。
マイケルは依然として素っ気ない態度をとるアンナを追いかけます。
アンナは既婚者ではなくなったマイケルとの関係を続けるつもりはなく、新しい愛人を探せばいいと告げて、その場を去りました。

【転】- サードパーソンのあらすじ3

ローマ。
モニカの娘は実在するのか、実は彼女はカルロとグルではないのかと、スコットは疑念に苛まれます。
それでもスコットは銀行で金を工面し、モニカに2万5000ユーロを立て替えると申し出ます。
2人は再びカルロの元へ向かい、金を渡します。スコットがモニカの娘を返すように迫ると、カルロは5万ユーロを用意するように告げます。
怒りを爆発させたモニカは、カルロに殴りかかりますが投げ倒されてしまいます。カルロは銃を手にして、10万ユーロ用意しなければ娘を売春宿に送ると脅します。
モニカは、娘はまだ8歳だと伝えますが聞き入れてもらえず、スコットとある場所へ向かいます。

パリ。
アンナはメールの主であるダニエルの元へ向かいます。
部屋で待っていたのは、高齢の男性でした。ダニエルはアンナを優しく抱きしめますが、彼女は何故か震えていました。
同時刻、街に出たマイケルは白いバラを買っていました。

ローマ。
モニカは自宅から銃を持ち出そうとしますが、スコットが慌ててそれを止めます。
モニカは金を盗んだことを改めて責めますが、スコットは会う理由がほしかっただけだと弁解します。そして、バッグを置いて行ったのはわざとではないかと、モニカを問いただします。
モニカは5000ユーロでは足りないと予測しており、偶然見かけたスコットの身なりから金持ちと思ったのだと答えました。スコットは着ているスーツが偽物で、自分が金持ちでも何でもないことを白状します。

その夜、スコットはモニカを連れて、ホテルに戻ります。
2人は逆さまの向きになってベッドに寝転び、他愛のない話をします。やがてキスをして、愛し合いました。
その後、スコットはアメリカにいる友人に電話をかけて、口座の残金を全額送金してもらいます。

パリ。
ダニエルと一夜を過ごしたアンナが泣きながら部屋に戻ると、一面に白いバラが置かれていました。
アンナはマイケルの部屋へ向かい、何故自分のような女を愛せるのかと叫び、マイケルの腕の中で涙を流します。マイケルはアンナが誰と会っていても構わないと答えました。
その後、アンナはダニエルに電話をかけて、「父さんとはもう会わない」と別れを告げました。
小説を執筆中のマイケルは、「白は信頼を表す色」と綴ります。

ローマ。
港に向かったスコットは、カルロがバイクで現れたことを確認します。
遅れてやってきたモニカにカルロの存在を伝えて、バーやホテルでも同じバイクを見かけたと指摘します。
スコットはモニカとカルロの関係を問いただします。モニカは口ごもりますが、娘のことは本当だと告げました。
スコットはモニカに金を渡して、このまま一緒に逃げないかと誘います。モニカは何も言わず、受け取った金を持ってカルロの元へ向かいます。

その後、スコットはホテルの部屋で、携帯電話に録音された娘のメッセージを聴きます。
しかし、保存期間が過ぎてメッセージが消されてしまうことを知ったスコットは、怒り狂って携帯電話を破壊します。

ニューヨーク。
客室清掃に入ったジュリアは、部屋一面に設置された白いバラを見て唖然とします。
床に自分が書いたメモが落ちていることに気づいたジュリアは、花瓶を床に落としてしまいます。嫌気が差したジュリアは、部屋中のバラの花瓶をなぎ倒していきます。
マイケルは小説の中で、「白は自身についた嘘の色」と綴ります。

ジュリアはジェシーの誕生日プレゼントを渡すために、リックの家に向かいます。
リックは、ジェシーは留守だと言って、ジュリアを招き入れます。ジュリアはジェシーには危害を加えていないと断言し、会わせてほしいと懇願します。
リックはジェシーに会わせる代わりに、自分の罪を認めるように強要します。ジュリアは嫌々認めますが、リックはちゃんと真実を話すように詰め寄りました。
ジュリアは当時ビニール袋で遊んでいたジェシーを注意したものの、いくら言っても聞かれなかったので、いけないことだと理解させるために手を上げたと話します。そして、リックに改めて謝罪します。

リックはジュリアの話に納得しますが、ジェシーには会わせないと告げました。
ジュリアは泣きながら許しを乞いますが、リックは取り乱す彼女の足を引きずって、無理矢理エレベーターに乗せようとします。
そこへ奥の部屋にいたサムとジェシーが現れます。ジェシーはジュリアに駆け寄って、エレベーターに乗り込みます。阻止しようとするリックを、サムが止めました。
2人はエレベーターの中で束の間抱き合います。リックが階段でロビーに向かうと、すでにジュリアは去った後でした。
リックはジェシーを抱きしめて、どこにも行くなと言います。

【結】- サードパーソンのあらすじ4

ローマ。
スコットは元妻のテレサに電話をかけます。
スコットは娘を事故死させてしまったことを彼女に謝罪します。しかし、テレサは仕事の電話にかまけて、娘がプールで溺れていることに気づかなかったスコットを決して許さないと伝えます。そして、電話を切りました。
テレサは娘の死を乗り越えるために、度々プールへ向かうものの、飛び込むことができないでいたのです。

パリ。
ジェイクに会ったマイケルは、原稿を3カ月で仕上げられると宣言します。
書き直された原稿を読んだジェイクは、内容をほめます。しかし、小説が世に出た後のスキャンダルに対処できるのかと問います。
マイケルは覚悟を伝えて、出版を望みました。

ニューヨーク。
リックはジュリアがエレベーターの中で、ジェシーに「お父さんをよろしく」と伝えていたことを知り、考えを巡らせます。

ローマ。
スコットはホテルにモニカを招き、カルロに金を渡したことを聞かされます。
モニカはそれでも自分と一緒に逃げたいかと問いますが、スコットは失うものは何もないと言って、モニカとの未来を約束します。

ニューヨーク。
スコットの苦しみを知ったテレサは、再びプールサイドに立ちます。
見事に飛び込んで、水の中へと消えていきます。

一方、リックはジュリアに電話をかけて、ジェシーに会わせるとメッセージを残します。
しかし、ジュリアはすでに部屋を引き払っており、静かに姿を消します。
そして、リックも消えます。

ローマ。
スコットは、モニカと彼女の娘を車に乗せて旅立ちます。
彼らは幸せそうに車を走らせて、やがて消えていきます。

ローマ。
カフェテラスで原稿を書いていたマイケルは、エレインからの電話を受けます。
目の前の古本屋には、本を物色するアンナがいました。
エレインはマイケルの小説を評価しますが、彼は読むのは辛かっただろうと妻を気遣います。
するとエレインは、この会話も小説に書くつもりだろうと指摘します。マイケルは電話をしながら、彼女の言葉を原稿に書き加えました。
エレインはアンナがその場にいるのかと尋ねます。アンナは一冊の本を手に取って、読んでいくうちに顔を強張らせていきます。
マイケルはそんなアンナを見つめながら、数カ月前に日記を読まれて捨てられてしまったと答えます。

さらにエレインは、アンナと父親の関係を小説に書いたことを、彼女に伝えたのかと尋ねます。マイケルはそれを否定しました。
エレインが泳いだせいで身体が冷えると呟くと、マイケルはプールに入れたことを驚きます。
マイケルが小説に息子の名前を出したことを謝罪すると、エレインは「あの子が死んだ責任はあなたにない」となぐさめます。息子はただ泳げる姿を見せて、マイケルを喜ばせたかっただけだと語ります。
するとマイケルは、あのときの電話の相手が仕事関係ではなかったことを明かします。すかさずエレインは誰からの電話だったのかを問いますが、マイケルは何も言いません。
事態を察したエレインは、アンナがそのことを知っているのかと尋ねます。
古本屋でマイケルの日記を読んでいたアンナは、ショックを受けてその場を立ち去ります。

マイケルは電話を切って、路地へ逃げるアンナを追いかけます。
やがてアンナの姿は、いつの間にかモニカの姿にすり替わっていました。次にジュリアに替わり、彼女の姿はついに消えてしまいます。
アンナとモニカ、ジュリアを追いかけたマイケルは、噴水の前に座る自分の息子を目にします。

薄暗いホテルの一室で、パソコンに向かうマイケルが「Watch Me(見ていて)」という息子の声を聞く場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

実在する人物は、マイケル、エレイン、アンナ、ジェイクの4人だけです。ジュリアやスコットなどの他の人間は、実は全てマイケルが執筆した小説の登場人物だったのです。最初と最後に登場する薄暗いホテルと、エレインとジェイクとのやりとりのみが現実で、あとはマイケルの創作世界だと気づいたとき、作品の見方が180度変わりました。各パートで違和感があった場面などにも合点がいき、一度観たくらいでは本作を到底理解しきれないなと、気分が高揚しました。
マイケルは主にスコットやジュリアに自己投影して、我が子を失った悲しみや後悔から立ち直ろうとしていたのだと思います。しかし、近親相姦に苦しむアンナを守ろうとしながら、彼女の実話を小説として発表してしまう悪質極まりない行為をしました。その点においてはマイケルに同情はできませんし、苦い後味が残りました。

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