「ジェイコブスラダー」のネタバレあらすじと結末の感想

ジェイコブス・ラダーの紹介:ベトナム戦争中に負傷した米軍兵士の現実と幻想や幻覚とも思える恐ろしい体験を描いた、1990年製作のアメリカのサイコ・スリラー映画。「危険な情事」「ナインハーフ」の監督エイドリアン・ラインによるリアルで恐ろしいビジョンは、後のホラー作品にも多大な影響を与えた。主演は「ザ・プレイヤー」や「デッドマン・ウォーキング」では監督としても知られるティム・ロビンス。脚本は「ゴースト/ニューヨークの幻」のブルース・ジョエル・ルービン、音楽は「アラビアのロレンス」「愛は霧のかなたに」などで知られるモーリス・ジャール。

予告動画

ジェイコブスラダーの主な出演者

ジェイコブ・シンガー(ティム・ロビンス)、ジェジー(エリザベス・ペーニャ)、ルイ(ダニー・アイエロ)、ゲイブ(マコーレー・カルキン)、サラ(パトリシア・カレンバー)、マイケル(マット・クレイヴン)、ギアリー(ジェイソン・アレクサンダー)、戦友/ポール(プルイット・テイラー・ヴィンス)、フランク(エリク・ラ・サル)、ジョージ(ヴィング・レイムス)、ダグ(ブライアン・タランティーナ)、ロッド(アンソニー・アレッサンドロ)、ジェリー(ブレント・ヒンクリー)など。

ジェイコブスラダーのネタバレあらすじ

【起】- ジェイコブスラダーのあらすじ1

1971年10月6日 ベトナム、メコン・デルタ。
アメリカ軍陣営では、皆傷だらけで疲れ果て、ヤクをやったり、下品なジョークで笑ったりして、つかの間の休息を取っていました。教授と呼ばれたジェイコブ・シンガーも下痢気味なのをからかわれ笑っています。
と、突然急襲があり皆一斉に立ち上がりますが、ヤクを吸ってた者たちは頭が痛いと蹲り、顔中腫れ上がって血を吐き痙攣し始め、ジェイコブは必死で衛生兵を呼びますが、敵は近く攻撃は激しく、同胞らは瞬く間に無惨な姿となり砲火の中をのた打ち回っています。彼は何とかジャングルに逃げますが、藪から飛び出した何者かの銃剣で腹を抉られます。
ジェイコブが目覚めたのはNYを走る薄汚れた地下鉄の車内でした。彼は隣の車両のアラブ人らしき女性にバーゲン街駅は通り過ぎたか聞きますが、見つめるだけで答えません。また、シートに寝そべっていた浮浪者が、肉色の尾を引っ込めるのを見て、ぎょっとしながら電車を降ります。
けれど構内は無人で出口は締っていて、やむなくホームに戻った彼は、反対側のホームに”バーゲン街”の看板を見つけ、線路に降りて渡り始めます。線路はデコボコで水浸し、ドブネズミがうろつき、滴り落ちる汚水に電灯がちりちりと音を立てています。
その瞬間列車が現れ、彼は間一髪で側溝に転がり難を逃れます。列車の中では大勢の人が窓に貼りつき、最後尾の車掌室にいた車掌の顔は異様なマスクのようでした。
彼はアパートの自室に戻り、愛犬チェスターに声を掛けます。間もなく恋人のジェジーが裸にガウンを羽織って現れ、代勤で遅くなったとこぼしシャワーを浴びようとする彼の下腹部を見て、ご立派ねと言い一緒にシャワーを浴びます。

翌朝も、彼はぬかるんだジャングルで腹の傷に苦悶し、助けが呼べない悪夢で目覚めます。
支度中の彼女は、彼に次男のイーライからだと言い包みを渡します。彼の長男はジャドと言い、2人とも聖書に因んで付けた名前でしたが、彼女は宗教的な名前はキライと言い憶えようとはしません。彼はお前もジュゼベルだと笑いますが、彼女はジェジーと言い直し、いい女のために悪魔に魂を売ったんでしょ?と笑います。
袋の中身は妻だったサラが捨てたのをイーライが拾ったという家族写真で、中にはサラと彼のツーショットの写真や赤ん坊だった彼の写真もあり、彼はその中の一枚を見て泣き出し、財布に仕舞います。それはベトナムに行く前に死んだ3男のゲイブの写真でした。彼女は写真を見て泣くなんてイヤ!と言い、その他の写真を焼却炉で燃やしてしまいます。
彼は郵便配達員で、ジェジーは同じ局の仕分け係です。ジェイコブは彼女にランチを届け、背中が痛むので治療に行くと言い早退します。
整体治療院では、矯正師のルイがサラが膝の治療に来たと言い、彼女は無口だから結婚も続かなかった、あんたはイヤな男で出会った事を後悔してると言ってたがあんたの話ばかりで未練がある、ヨリを戻せば?と言われます。彼は、僕が彼女に捨てられたんだ、学位があってもベトナム以来頭がカラだと言い、首をひねられた瞬間、再び意識はジャングルへと戻り、朝の夢の続きの発見されるシーンを見ます。
けれどそこは治療院の治療台の上で、ルイは脊椎の上部を調整したと微笑んでいました。彼は幻覚を見た、最近よく見るんだと話し、逆光の中微笑む彼の顔を見て、智天使(ケルビム)みたいだ、命の恩人だよと笑います。

病院へ行く途中、彼が高架下の一本道を歩いていると、突然暴走車が現れ追いかけられます。車の後ろではメガネの男が「危ない!逃げろ!」と大声で叫んでいて、彼は壁の扉に飛び込み難を逃れます。通り過ぎた車には魔物のような顔の男たちが乗っていました。
また病院では、受付の老看護師が、彼を長年担当しているはずのカールソンと言う医者はいない、そもそもあなたのカルテが無いと言い張り、精神医学の民生委員に相談しろと譲りません。イラついた彼が受付台を叩くと花瓶が落ち、彼女が屈んだ拍子にナース帽が落ちて後頭部の異様なデキモノが見えます。ハッとして逃げ出した彼に、看護師は恐ろしい形相で戻ってきなさい!と叫びます。
彼は警備員に追われて病院内を逃げ回り、精神科のグループワーク中の部屋に逃げ込みます。医者は彼を廊下に連れ出し、実はカールソン先生は一月前に自動車の”爆破”事故で亡くなったと言います。
夜。彼は地下鉄の出来事や車で追われた事をジェジーに打ち明け、みな悪魔のような顔をしていたと言いますが、彼女は、あなたはいつもサラの事を考えてる、それは2年も戦争に行ったストレスで、NYの人間は皆バケモノだし浮浪者か酔っ払いよと笑います。彼女は彼の背中を爪でなぞり「愛してる?」と聞き、彼はぼんやりと「ああ」と答えます。

【承】- ジェイコブスラダーのあらすじ2

またジェジーと参加したホームパーティーでは、冷蔵庫に入ったヤギの頭や鳥かごのカラスに驚き、手相見の女性に生命線が終わってる、あなたは死んでるわと言われます。また激しい曲とライトの中で踊り狂うジェジーが、巨大な尾を持つ怪物と交わるうち口まで貫かれるのを見て悲鳴を上げ、昏倒します。
---彼の意識は再びジャングルに飛び、同胞らが「腸がはみ出してる、押し込もう」と言うのを聞きますが、その1人は高架下で叫んでいたメガネの男でした。
ジェイコブが部屋のベッドで体温を測っている間、ジェジーは、あんなに恥をかいたのは初めてだ!変になる男とは縁切りよ!と怒っていましたが、体温計を見て熱が41度もあるといい、医者に連絡し、近所の住民にも助けを求め、寄ってたかって彼を氷風呂に浸けて押え込み、氷をぶちまけます。

早朝5時。彼は広いベッドルームで目覚め、寒さに身を震わせ窓を閉めます。
彼は物音で目覚めたサラに、窓は閉めとけと言い、郵便局のジェジーと同棲している最悪の夢を見たと言い、一連の出来事を話します。私を裏切った罪悪感ねと笑う彼女を抱きしめたところで、ゲイブが来て明かりを点け、寒いからパパが毛布を掛けてと言われます。
彼は子供部屋に行きゲイブを寝かせて”サニーボーイ”を小声で歌いますが、隣の2段ベッドで寝ていたジャドとイーライも目を覚ましたため、部屋を出ようとします。彼は「行かないで」と引き留めるゲイブにどこにも行かないよと答え、夫婦の寝室に戻ります。彼は彼女を抱きしめ「愛してるよ、サラ」と言いますが、困惑しひどく不安そうでした。

---彼は担架の上にいて、ジャングルの隙間に見える青空を見上げています。周囲では傷の程度を連絡する声が聞こえます。
次に彼が目覚めたのはバスルームで、彼は氷が解けきった浴槽に浸かったままで、医者はラッキーだったと言い、傍には犬のチェスターとジェジーがいて、優しく彼の額に手を当て微笑んでいました。彼は愕然として涙を流し、目を閉じます。
---彼の身体は担架ごと、ホバリングしているヘリに収容されます。
彼は狭く乱雑な部屋で目覚め、窓辺にいたジェジーが怖かったわ、生きててよかったと涙ぐみます。朦朧とした頭で「ここは家か?」と聞くと、彼女はそうよと言い、ウィルス感染で高熱だったけど脳は無事よ、熱に浮かされサラや死んだ子供に話しかけたり叫んだりしてたと話します。
彼が「僕は死んでるのか?」と言うと彼女は、こうして生きてるじゃないと涙ぐみ、キスをして部屋を出て行きます。彼は泣き出しますが、その涙が何に対する物かは解りません。
それから2週間、彼は家にこもり悪魔に関する書物を読み漁り、そろそろ外に出た方がいいわと促す彼女の言葉をうわの空で聞いていました。イラついた彼女は彼の前に顔を突き出し、誰かいますか?!と怒鳴ります。が、彼にはその顔が一瞬魔物に見えて突き飛ばし「君は誰だ?!」と怯え、彼女は怒って出て行ってしまいます。直後に戦友だったポールから電話があり、ともかく会いたいと言われ、二つ返事で応じます。

2人は薄暗いビリヤード・バーで5、6年ぶりの再会を果たしますが、ポールはひどく怯え、誰にも言えないが君なら聞いてくれると思った、追われてる、地獄行きだと訴え、奴らは俺を殺そうとしていて妹の家にも行けないし、家にすら帰れないと泣くのです。
ジェイコブは君の話はよくわかる、気の毒にと言い、僕も見た、自分だけかと思ってたと打ち明けます。ポールは解るだろ!?といっそう泣き、奴らには聖書もロザリオも効かない、なぜだ?なぜ軍は隠してる?と嗚咽します。その時バーにメガネの男が入って来ますが、2人とも気づきません。
ジェイコブは、ようやく落ち着いた彼を車まで送り分れようとしますが、彼が車に乗り込んだ時、足元のコインに気づきラッキーデーだと笑いかけます。彼も微笑み返しキーをひねった瞬間、拾おうとしたコインが車に吸い寄せられるように滑り、車が爆発炎上します。
その瞬間、彼の身体はヘリの機上にあり、操縦士が撃たれフロント窓に血飛沫が飛び散ります。後部座席ではメガネの男があと5分で着陸だ!と叫んでいました。
ジェイコブを助けたのはメガネの男でした。炎に包まれたポールが動かなくなった頃、2度目の爆発が起き、車は木っ端みじんに吹き飛びます。メガネの男は何も言わず走り去って行きました。

【転】- ジェイコブスラダーのあらすじ3

彼はジェジーと共にポールの葬儀に行き、戦友たちと再会します。
爆発が爆弾によるものか故障なのかは判らず、彼らはポールと最期に会ったジェイコブに話を聞きます。彼は自身の体験も含め、彼は悪魔に追われ、殺されると怯えていたと話し、ジョージは狼狽え、フランクが涙をこぼします。
彼らはビルの屋上に移動し、ジェイコブはカールソン先生も車の爆破事故で死んだ、何者かの陰謀に違いないしこの6人も狙われる、軍当局に聞いて弁護士を雇おうと主張します。唯一影響の無いロッドは自分は違う、悪魔なんかいるもんか!精神科に行けと言います。
結局彼らは揃って弁護士のギアリーを訪ね、陸軍によって頭に細工されたと訴えます。彼は軍の機密にはそう簡単に近寄れない、政府相手の難しい裁判になると渋ったものの2つ返事で引き受け、6人の宣誓供述書と小隊全員の名簿がいると言い、軍の工作が露呈すれば莫大な補償金が出る、悪くない話だと言います。6人は金が目的じゃないと口を揃えます。事務所から浮かれて出てきた彼らを政府の公用車に乗った男が忌々しそうに見つめていました。
しかしその話は、ジェイコブが家でシャワーを浴びている間にギアリーから断わりの電話があったと言うジェジーの一言で打ち砕かれます。彼女は弁護士は友人が断ったためだと言いすぐ電話を切ったと言い、出掛けて行きます。
彼はすぐにフランクに電話をしますが、彼は断わった事を認め、戦争中の事だから打つ手はない、他のみんなも興味が無いと問答無用で電話を切り、部屋にいたジョージとダグを見つめます。
ジェイコブは裁判所でギアリーを捕まえ問い詰めますが、彼は軍の圧力を否定し、調査したらそもそも君はベトナムに行っておらず、タイでの軍事演習中に情緒不安定となり除隊となってる、精神異常なら精神科に行け!と完全に拒絶されます。ジェイコブは彼を突き飛ばし裁判所を出ますが、2人の黒服に暴行され政府の公用車で連れ去られます。

男らは車内でも彼を殴りつけ、お前は軍の実験の事を言い触らし人心を惑わせた、軍にいた事は忘れろと脅しますが、彼は暴れて車から転げ落ち、道端でベルを振っていたサンタ姿のメガネの男に、身分証やゲイブの写真が入った財布を奪われ、病院に運ばれます。長い廊下をストレッチャーで運ばれる間、彼は背中をやられた、矯正師のルイを呼んでくれと何度も訴えますが無視され、激痛に気を失います。
医師たちは彼をX線室に運ぼうと言い、ストレッチャーを押して行きますが、そこはなぜか電気もろくに無い廃病院の中で、暗い廊下には事故で壊れたゲイブの自転車があったり、狂人や体の一部を失い人々が金網の上を這い回っていたり、臓物や千切れた手足が散らばり、下半身の無い黒マスクの男が頭を激しく振ったりしています。看護士たちはそれを平気で踏みつけ、彼を手術室のような部屋に運び込みます。
彼は白衣に血だらけのビニールエプロンをつけた男たちに囲まれ、額と顎を器具で固定されます。が、看護師の1人はなぜかジェジーで、彼が助けを求めても無視します。やがて1人の男が「君は死んだんだ」と言い、彼が「僕は生きてる、腰が痛いだけだ」と必死で訴えても聞き流され、目の無い男が彼の眉間に長い注射針を差します。
彼は一瞬ベトナムの空を見て、気付くと足や体が固定され、普通の病院のベッドに寝かされていました。
そこにサラと2人の息子が見舞いに現れます。彼は思わず「生きてる、死んでない」と涙をこぼし、サラも微笑みながら背中のケガだからじきに良くなる、愛してると泣き出します。彼は「夢だな」と言う声を聞き「やめてくれ!」と号泣し、彼女に「助けてくれ」と訴えますが無駄でした。

その後、激怒したルイがやってきて、これが現代医学だと?!中世の拷問か?!と激昂し、医師や看護師たちを怒鳴りつけ、彼を車椅子に乗せ連れ去ります。
彼は治療院でルイの施術を受けながら「僕は死ぬのか?」と聞きますが、ルイは椎間板ヘルニアで?ありえないと笑います。
ルイは地獄を見た、死にたくないと訴える彼にエックハルトは読むかね?と聞き、彼も地獄を見た、そこで燃えるのは思い出や愛着だ、でも人間は罰せられず魂は解放される、死に怯えながら生き長らえると悪魔に命を奪われる、でも冷静に死を受け止めれば、悪魔は天使となり人間を地上から解放する、要するに心の準備の問題だと語ります。
施術が終わりルイは満面の笑みで成功だと言い、君が立てるかどうか見たいと言います。彼は自分の足で歩き出し、ルイはハレルヤと微笑みます。

【結】- ジェイコブスラダーのあらすじ4

アパートに戻った彼は、軍のマークの箱を開け”名誉除隊証明書”や”ブルックリン大学文学修士号”、戦時中の同胞の写真やタグの他、ゲイブからの手紙を見て事故の事を思い出します。ゲイブは、彼が自転車の乗り方を教えて間もなく暴走車に轢かれ亡くなったのです。彼はチェストの鏡に映るゲイブの姿を見て開けようとしますが、恐ろしい幻覚が見え、できませんでした。
そこに買い物袋を抱えたジェジーが戻り、2日間連絡もせずどこに行ってたの?!と驚き、彼が病院だと答えるのとほぼ同時に電話が鳴ります。彼はジェジーに取らせ居留守を使いますが、”実験”と言う言葉を聞き慌てて電話に出ます。相手は早口で、1868年サイゴンの化学戦争班にいて秘密実験をしていたと言い、知りたいなら128丁目のウエストサイド高速道で会おうと言います。彼は、ベトナムで化学実験をしていた化学者に会いに行くと言い、涙ぐんで止めるジェジーを抱きしめ、許してくれと呟きます。
電話の相手は何度も見かけたあのメガネの男で、マイケル・ニューマンと名乗り、尾行してたから見た事あるだろと気さくに話しかけてきました。彼は君は生存者の1人だから尾行したと言い、彼を人目の無い、岸辺の廃倉庫に連れて行きます。

彼は、最初LSD製造で1968年に逮捕され収監されたが4人の陸軍大佐に呼び出され、2年間ベトナムの研究所で働けば無罪放免だと持ち掛けられ取り引きに応じたと言い、サイゴンで軍の秘密研究の”意識を変える薬”の開発に従事、人間の闘争本能を強化する薬”ラダー”を開発した、それはどんなすごいヤクも敵わない強力なものだと話します。
その薬は梯子を転がり落ちるように恐怖と怒りへまっしぐらと言う効果から”ラダー(梯子)”と命名した、サルでの動物実験は互いに残虐に殺し合い大成功し、気をよくした軍部は次に敵の捕虜で試させた、彼らはまだ子供で猿よりずっと酷かったといい言葉に詰まります。
そして、米軍が劣勢となり反戦気運が高まった頃、軍はラダーの使用を決定し、君らの大隊の食事に微量のラダーが混入されたんだと。
あの日、軍は殺傷率が高まることを大いに期待しその通りになったが混乱をきたした、あの2,3日後に確かに激戦はあったが君らは見てない、君らがあの晩闘ったのは敵じゃない、情け容赦のない同士討ちだったのだと打ち明けます。
彼は、警告したのに!と怒り、俺はモグリの薬屋で軍に利用されたが、開発したのは俺だ、君を探して詫びたかったと話します。

彼は雨の中でタクシーを捕まえ、サラと暮らしたブルックリンのマンションを目指し、途中、自分を刺したのは敵兵では無く、同じ米軍兵士だった事を思い出します。
玄関ではドアマンのサムが彼を出迎え挨拶を交わしますが、部屋は暗く食べかけのパイと宿題帳が置いてあるだけで家族はいませんでした。彼はサラやゲイブの写真を見て微笑み、暗い部屋のソファに腰かけ、ルイの言葉を思い出します。
・・・死に怯えながら生き長らえると悪魔に命を奪われる、でも冷静に死を受け止めれば悪魔は天使となり人間を地上から解放する・・・
彼は楽しかった家族との日々を思い、やがて夜が明けます。
明るく暖かい光の中、オルゴールの音がして振り向くと階段の下にゲイブがいます。彼は明るくハイ!パパ!と言い微笑んでいました。
ジェイコブはゲイブの足元に跪きその小さな胸に顔を埋めます。彼はその背中を優しく撫で、「大丈夫だよ、上に行こう」と彼の手を引き、階段を昇り始めます。ステンドグラスの踊り場は暖かい光に満ちていました。

---野戦病院の軍医たちは彼の顔を見て安らかな顔だ、力尽きたんだなと呟き、タグを外し、受付で彼の名前を言います。
ジェイコブ・シンガーは、確かにベトナムで、銃剣で腹を刺され亡くなったのです。

・・・幻覚剤BZがベトナム戦争で実験的に使用されたと言われたが、国防省は否定した・・・
その字幕と、幼いゲイブと一緒に歩くジェイコブの古い写真で作品は終わります。

みんなの感想

ライターの感想

彼の意識は戦場と言う現実と過去や悪夢や幻覚、サラと家族がいるマンションとジェジーと同棲しているアパートという2つの家を何度も行き来するのですが、その交錯部分が上手くお伝えできている事を祈りつつ。
ちなみに「ジェイコブズ・ラダー」=「ヤコブの梯子」とは、旧約聖書創世記28章12節にあるヤコブが夢で見た天界へ続く”階段”あるいは”梯子”で、それを天使たちが行き来している光景だったとか。
なににつけ”反戦”を語ろうとする場合、オカルトや怪物が出た時点で幾分か空疎になるとは思いますが、スタイリッシュなエンターティナーとして知られる監督が何を訴えたかったのか、ジェイコブが運び込まれる廃病院のシーンの頭を激しく振る足の無いマッチョ”シェイカーヘッド”や体が欠損した人間たちが金網上を這い回るシーン、目の無い男、サバトシーンなども見事に具現され、「危険な情事」のウサギ煮込みですら直視を回避した監督がここまでして表現したかったものがなんなのか、考えずにはおられません。
本作は「ホーム・アローン」と製作年が同じで、後年いろいろあったマコーレー・カルキンもまんま天使のようです。いよいよお迎えとなった時は「アメリカン・ホラー・ストーリー アサイラム」の”死の天使”(フランセス・コンロイ)でひとつよろしくと思ってましたが、この矯正師ロイ(ダニー・アイエロ)&ゲイブも悪くない。どちらにせよ”心の準備”ができるよう上手いこと導いていただきたいものです。

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