「ジャッジ(裁かれる判事)」のネタバレあらすじと結末の感想

サスペンス映画

ジャッジ 裁かれる判事の紹介:2015年公開のアメリカ映画。ロバート・ダウニーJr.が弁護士に扮し、激しい法廷バトルが繰り広げられるサスペンス。裁判官の父親にかけられた殺人容疑を晴らそうとするうちに、父親の隠された秘密を知ってしまう弁護士の姿をスリリングに描く。主人公の父親を名優ロバート・デュバル、法廷で対立する検事をビリー・ボブ・ソーントンが演じる。

ジャッジ(裁かれる判事)の主な出演者

ヘンリー・パーマー〔ハンク〕(ロバート・ダウニー・Jr.)、ジョセフ・パーマー(ロバート・デュヴァル)、サマンサ・パウエル〔サム〕(ヴェラ・ファーミガ)、ドワイト・ディッカム(ビリー・ボブ・ソーントン)、グレン・パーマー(ヴィンセント・ドノフリオ)、デール・パーマー(ジェレミー・ストロング)、C.P.ケネディー(ダックス・シェパード)、カーラ・パウエル(レイトン・ミースター)、ウォレン判事(ケン・ハワード)、ローレン・パーマー(エマ・トレンブレイ)

ジャッジ(裁かれる判事)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①やり手弁護士・ハンクと確執のある父・ジョセフが、轢き逃げ容疑で逮捕される。被害者がジョセフと因縁ある仲だったために殺人罪を求刑されたジョセフに対し、ハンクが異議申し立てをし、裁判にもつれこんだ。 ②最大の争点は「事故当時ジョセフに記憶がないこと」。ジョセフは末期ガンでモルヒネ使用で記憶障害が出ていたのだが、ジョセフは22年の判事歴のプライドから病のことを隠そうとする。それをおして父の病を公にしたハンクは7か月の服役で済ませる。 ③ジョセフとハンクは和解し、ジョセフはハンクに看取られつつ亡くなる。後日、ジョセフのように地元の判事になることを決意したハンクがいた。

【起】- ジャッジ(裁かれる判事)のあらすじ1

アメリカ、イリノイ州・シカゴ。
ハンクことヘンリー・パーマーは金さえ積めばどんな裁判でも有利に動かす、やり手弁護士です。その日もハンクは、イリノイ州が立証できないことを取り上げて、本当は有罪の人物を無罪放免にしようと動いていました。
法廷に立ち、被告人の弁護をしようとした矢先に、ハンクに兄・グレンから電話がかかってきます。それを聞いたハンクはカーター判事に、裁判の延期を申し出ました。「母が死んだから」と告げます。
疑う検察官側を横目に、ハンクは携帯電話をカーター判事に渡しました。ハンクの母・メアリーが亡くなったのは事実でした。
裁判は延期され、ハンクは故郷に行く準備をします。
ハンクはシカゴの都会暮らしですが、故郷はインディアナ州の片田舎でした。ハンクは都会へ出て敏腕弁護士として活躍していますが、田舎の家族と喧嘩して以来、疎遠にしていました。
ハンクには妻・リサと娘・ローレンがいますが、ハンクとリサは現在離婚調停中です。ハンクが仕事で多忙すぎ、孤独だったリサがフェイスブックで元カレを見つけ、浮気したのが原因でした。
妻・リサはシュラブナーという弁護士を雇っていましたが、ハンクはローレンの養育権を得たいと思っています。
離婚予定の妻・サラがそれでも葬儀に出ようかと話を持ちかけますが、ハンクは丁寧に断ります。
飛行機に乗ったハンクはカーリンヴィル(イリノイ州とインディアナ州の境にある)のクレセント湖の近くにある葬儀場に行き、母・メアリーの通夜に参列しました。
母・メアリーは庭のアジサイの手入れをしている最中に、急に心臓が止まって亡くなったそうです。母・メアリーと軋轢がなかったハンクは、母の死を悲しみました。
さて家族との軋轢は、今年72歳になる父・ジョセフとありました。
父・ジョセフはこの田舎の山の町で、42年間判事を務める人間です。地元では超有名人物でした。
ジョセフとメアリーの間には、3人の息子がいます。長男・グレン、次男・ハンク、三男・デールです。
長男・グレンは幼い頃から野球が得意で、スカウトが来ているほどでした。父・ジョセフも期待を寄せていました。
一方の次男・ハンクは幼い頃からヤンチャを繰り返す問題児で、罪にはならないものの不良まがいの品行で、父・ジョセフは頭を抱えていました。しかし頭脳はハンクが最も優秀です。
三男のデールは穏やかな男性ですが、知的障害があります。
父・ジョセフと次男・ハンクの仲が悪くなった決定的事件があります。
それは将来野球選手として有望であった長男・グレンが、高校の時に事故で手を痛めて再起不能になったことでした。その時グレンは、ハンクが運転する車に乗っていたのです。
もちろんハンクは兄・グレンにこの件で負い目を持っています。長男・グレンは野球の道を閉ざされ、現在は自動車修理工をしている一児の父で妻との仲も良好ですが、「野球選手になれたかもしれないのに」という思いは、パーマー家の全員を落胆させました。
これがきっかけでハンクは逃げるように法科大学に進み、現在は弁護士として都会・シカゴで働いています。
そういうわけでハンクにとって実家は、非常に居心地の悪い場所でした。

【承】- ジャッジ(裁かれる判事)のあらすじ2

葬儀の朝、起きたハンクは他のメンバーに置き去りにされています。父・ジョセフ、兄・グレン、弟・デールは行きつけの店〝飛ぶ鹿食堂〟で朝食を摂っていました。店主はハンクの元カノ・サマンサ(通称:サム)で、20年ぶりの再会でした。
葬儀はしめやかに執り行われました。父・ジョセフは妻の死に落胆し、いつまでも墓のところにいます。
やがて墓から戻ってきた父・ジョセフは、ハンクに葬儀へ参列したことへの礼を言いました。
その夜、三人兄弟・グレンとハンクとデールは〝ホタル酒場〟へ飲みに行きます。そこで飲酒運転で仮釈放中の相手にケチをつけられたハンクは、本職が弁護士ですから、相手をやりこめました。その後、若い女性店員・カーラと店の奥でディープ・キスします。
店からの帰り道、兄・グレンは不機嫌で、車の駐車に失敗しました。どうやらハンクがカーラに言い寄ったのが原因のようですが、事情が分かりません。ハンクとグレンは気まずくなりました。
父の車にも傷がついており、ライトも壊れています。父・ジョセフの車は父以外は絶対に運転してはなりませんでした。
翌朝、父・ジョセフが自分の車を壊したのは誰だと激高します。ハンクが父・ジョセフが深夜に運転してコンビニでも行ってぶつけたのじゃないかというと、ジョセフは怒りまくりました。
苛立った父・ジョセフはハンクが妻・サラと離婚予定であることを兄弟の前でばらし、ハンクは仏頂面で帰りの飛行機に乗りました。
その飛行機内で、またもやグレンから電話がかかってきます。喧嘩中なので切ろうとしたハンクは、とにかく話を聞けというグレンの真剣な声に耳を傾け、驚きました。
なんと父・ジョセフがホワイト保安官に連行されたというのです。容疑は「轢き逃げ」でした。慌ててハンクは故郷に引き返します。
父・ジョセフはアル中だったのですが、現在は断酒しています。
被害者マーク・ブラックウェルの遺体が30号線で発見され、死因が内臓損傷と判明しました。車に轢かれたと目されます。その30号線を事件当夜に走行するジョセフの車の目撃証言があり(目撃証言は「車」のみで、運転者が誰かは分かっていない)、しかも押収されたジョセフの車から血痕反応が出て、被害者のものと一致しました。
さらに若い被害者マーク・ブラックウェルとジョセフには因縁がありました。
マークはかつて、問題児の少年でした。マークが16歳の頃、交際半年の恋人の女性・ホープに暴力を振るい、逮捕されます。裁判の判事を務めたのは、ジョセフです。
ジョセフは「更生の余地あり」とみなしてマークを30日間の実刑(拘禁)に処しました。かなり軽い罪状です。しかしマークは釈放された後にホープを殺害し、殺人罪で20年の実刑判決を食らいます。
マークは自分に判決を下したジョセフを憎み、情をかけたジョセフにとってもマークは憎むべき相手でした。つまり、動機があるということです。
警察側は殺人罪として立件し、ハンクは異議申し立てをしました。裁判で争われることになり、ウォレンが裁判長(判事)になります。
しかしジョセフはハンクをはねつけ、ケネディという若手弁護士を雇いました。ケネディは明らかに場数を踏んでいない若手で、緊張のために裁判所前で胃液を吐くほどストレスを感じます。

【転】- ジャッジ(裁かれる判事)のあらすじ3

争点のひとつにもなるのが、当のジョセフに犯行当夜の記憶がないことでした。警察側は、ジョセフが酒に酔っていたのではないかと疑います。
相手は敏腕のディッカム検察官で、ケネディ弁護士は太刀打ちできる相手ではありません。後ろでハンクが何かと口出しするのですが「あなたも弁護人ですか?」と聞かれて父・ジョセフが否定したことから、あれよあれよという間に陪審員による裁判が開かれることが決定しました。ハンクは予備審査だけで終わらせたかったので、不本意です。
恐れをなしたケネディ弁護士は、弁護士を辞退しました。父・ジョセフはやむなくハンクに弁護人になってもらいます。
父・ジョセフがウソをつく人間ではないことは、ハンクが一番よく知っていました。42年間判事を務めた父は、それがいくら自分に不利に働こうが、事実は事実だと認める人間です。飲酒はジョセフが否定し、ハンクはそれを信じます。
ということは…病気か何かで投薬を受けているかと、ハンクは尋ねました。ジョセフは消化器系のガンで化学療法を受けています。しかしこのことは妻・メアリーしか知らないことでした。長男・グレンらにも内緒にしていたのです(嘘はつかない人間なので聞かれたら答えるが、自分から話してない)。
化学療法の副作用でジョセフには記憶障害が起きていました。
実は母・メアリーの葬儀に出席するためにハンクがインディアナに降り立った時、ひそかに父・ジョセフの裁判を傍聴したのですが、その時ジョセフは長年勤務する法吏・オースガスタスの名を言えない一幕がありました。ハンクはそれを思い出します。
記憶障害が起きていたのなら裁判に勝てると思ったハンクですが、父・ジョセフは病気のことは絶対に隠したいと主張しました。
判事歴42年のプライドが邪魔しているのです。要は、判事である自分の病気と記憶障害が露見すると、自分の出した判決までが揺らぐことを心配しているのでした。
被告人のジョセフの意思を尊重したハンクは、不利な弁護を受けます。
娘のローレンが遊びに来ました。小学校中学年ほどの娘・ローレンを運転席に一緒に乗せて、ハンクは田舎道を運転させたりします。
祖父・ジョセフとローレンとの対面は少しどきどきしますが、ジョセフは初めての孫娘(グレンの子はすべて男)に優しく接しました。
ハンクは再会したサムといいムードになりますが、後日、サムと〝ホタル酒場〟でディープ・キスした若い女性・カーラが母娘と知って驚きます。さらにカーラが法律の勉強をしている1990年2月生まれと聞き、サムと付き合っていた時期を逆算して「もしや自分の娘か」と動揺しました。
父・ジョセフの主治医に会ったハンクは、父が末期ガン(ステージ4)と知ってショックを受けました。痛み止めにモルヒネを使用しており、記憶障害は勿論あるだろうと主治医は言います。
父・ジョセフが主張していた「事件当夜に水車のところへ行った」という証言が、監視カメラ映像でおかしいとディッカム検察官に指摘されました。
嘘をついていたと言われ、ジョセフは不利な立場になります。水車の脇が洪水で引き返したのだとジョセフは言いますが、すでに嘘つきのレッテルを貼られました。
夜、ハンクは酒を開け、ジョセフと一緒に飲みます(アル中で断酒の父だが、末期ガンだから大好きな酒を飲ませてやろうという配慮がある)。

【結】- ジャッジ(裁かれる判事)のあらすじ4

被告人席でコンビニの監視カメラの証拠映像を見ていた父・ジョセフが、突然、気を失います。法廷に救急車を呼ぶ騒動になりました。
目覚めた父・ジョセフは、コンビニの時の記憶を思い出していました。ちょうどその時、ジョセフはマークとコンビニに会い、マークからひどい言葉を浴びせられていました。
マークは、ジョセフの妻・メアリーが埋葬された墓がマークの殺した娘・ホープの墓に近いことを告げ、「小便しに行ってやるよ」と言ったのです。怒りのために、パック入りの卵をジョセフは落とし、その映像が証拠VTRで流れていたのです。
嘘はつけないジョセフなので、思い出した以上、不利な質問にも誠実に答えます。ディッカム検察官からの「故意に殺したと思うか?」という問いにジョセフは「はい」と言いました。
陪審員に非常に心証の悪いイメージを与えたこの問いに、ハンクは絶対に勝とうとし、父・ジョセフに反対されていた病のことを持ち出します。
ジョセフは怒りながらも、嘘は言えない人間なので正直に答えます。さらに墓に小便のことも引き出したハンクは、ふと気づいて、ある問いを投げかけました。
被害者マークが恋人に下した刑・30日は、かなり軽いものです。なぜ最初に軽い刑を与えたのか、という問いに対し、ジョセフは「マークが自分の息子・ハンクの姿と重なった。だから助けてやりたくなった」と答えました。
静かに涙をこぼしながら、ハンクは最後に法吏を呼び、父・ジョセフに「この人の名を答えろ」と言います。22年も付き合っている相手の名を父・ジョセフは答えられず、記憶障害が立証されました。
陪審員は「殺人罪に対して無罪、故殺の罪については有罪(計画性のある殺人ではなく、衝動的な殺人という意味)」という判決を下し、ジョセフは実刑4年の判決を言い渡されました。
ジョセフは長男・グレンと抱き合い、三男・デールには励ましの言葉をかけますが、次男・ハンクは完全スルーします。ハンクは落ち込みました(触れるなという病のことに触れた弁護士に怒っているのと、照れくさいのとがあると思われる)。
ハンクは元カノ・サムに、カーラの父は自分なのかという質問をぶつけました。サムは、ハンクと付き合っていた時に浮気したことを告げます。
カーラの本当の父はハンクの兄・グレンでした。グレンの家族を壊したくないサムは沈黙を守ります(但し出産当時グレンが既に妻帯者かどうかは不明)。グレンは自分が父という自覚はあるようで、だからハンクがカーラとディープ・キスした時に怒りまくったわけでした。
裁判は終わり、ハンクはシカゴに戻ります。
…7か月後。ディッカム検察官から恩赦が与えられ、父・ジョセフは釈放されました。ハンクは迎えに行きます。
湖面にボートを浮かべ、2人は釣りをしながら会話します。ジョセフは「いちばん尊敬する弁護士はお前を選ぶ」とハンクに言い、ハンクは驚きと感激の混ざった表情を浮かべました。
それがジョセフの最期の言葉になりました。ボートの上でジョセフは亡くなり、ジョセフの死を看取ったのはハンクでした。
ジョセフの葬儀には多くの弔問客が押し掛けます。
後日、ジョセフが死んだ時にかぶっていた帽子を握りしめながら裁判所を見て回ったハンクは、シカゴから故郷へ戻り、判事になる決意を固めました。サムから夜のお誘いがあります(元カノとヨリを戻しそう)。

みんなの感想

ライターの感想

法廷サスペンスなのだが、すこーし風変わりなもの。
というのも、ここで描かれているのは「謎なのはなぜ記憶障害があるか」ではないのだ。
記憶障害は薬の副作用。しかしそれは、法廷では触れたくない。
じゃあ法廷で明らかにされるのはなんなのか…ひとつの大きな手がかりは「犯行当夜、失った記憶の片鱗」。
しかしもうひとつ。これはジョセフが言いたくなかったこと「被害者マイクにかつて温情を与えたのは、自分の息子と重ねて見てしまったから」という証言。
ずっとぎくしゃくした親子関係で、てっきり父に嫌われていると思っていたハンクは、このひとことで慰められ、絶対に父を裁判で勝たせたいと思うわけだが、なんとも切ない。
不器用な男同士の親子の愛情を描いた作品。

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