「トゥモローワールド」のネタバレあらすじと結末の感想

トゥモロー・ワールドの紹介:2006年公開のイギリス&アメリカ映画。P・D・ジェイムズの小説『人類の子供たち』を原作とし、子供が生まれなくなった近未来を描いたサスペンスタッチの映画。

予告動画

トゥモローワールドの主な出演者

セオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)、ジュリアン・テイラー(ジュリアン・ムーア)、ジャスパー・パルマー(マイケル・ケイン)、ルーク(キウェテル・イジョフォー)、キー(クレア=ホープ・アシティー)、ミリアム(パム・フェリス)、シド(ピーター・マラン)

トゥモローワールドのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①2008年にインフルエンザ大流行で子どもの大半が死に、以後出生率がゼロとなった近未来の2027年。世界は崩壊寸前。唯一国の機能を果たすイギリスには不法移民が押し寄せる。エネルギー省勤務のセオはある日、元妻で反政府組織のフィッシュのリーダー・ジュリアンから、通行証を手配してくれと頼まれる。 ②ジュリアンは妊婦のキーを『トゥモロー号』に運ぼうとしていた。銃弾に倒れたジュリアンに代わり、セオがキーを守ろうと決意。フィッシュや警察から追われながらも出産したキーを連れ、セオはトゥモロー号へ運んだ。セオは死亡。

【起】- トゥモローワールドのあらすじ1

2027年11月16日、イギリス・ロンドン。
この日、ディエゴ・リカルドが18歳4か月で亡くなったというニュースが、世界中を賑わせました。
リカルドはアルゼンチン・ブエノスアイレスの路上で、サインをねだったファンにツバを吐きかけて、そのファンの男に刺殺されたのです。
ファンの男は周囲にいた人たちに、袋叩きに遭ったそうです。
世界中の人々は、それを大いに嘆きました。なぜならば、リカルドは最も若い人間だったからです。

…2008年、インフルエンザが世界中に猛威を振るい、子どもの大半が亡くなりました。
その翌年の2009年からは、女性が妊娠しても流産してしまい、出生率が0%になっていました。
環境汚染、地球温暖化、さまざまなことが取りざたされましたが、結局のところ女性の不妊の原因は、分からずのままです。
原因が不明のまま女性の不妊が進み、最後に生まれたのが2009年生まれのリカルドでした。

出生率がゼロになったことで、世界から希望は途絶え、各地で紛争が起きます。
世界は事実上、崩壊してしまっており、今では国としての機能を果たしているのは、唯一イギリス(英国)のみでした。
そのために、誰もがイギリスへ避難したがります。
イギリスは「通行証」がない者の受け入れを拒否し、不法移民は収容所に送致しました。
それでもなお、イギリスも治安が悪化しており、爆破テロは日常茶飯事になりつつあります。
希望のない世の中なので、イギリス政府は「自殺剤」「抗鬱剤」を無料で配布していました。そうやって治安悪化を防ごうとしています。

イギリスのエネルギー省に勤務する中年男性セオ・ファロンは、コーヒーを買いに行った店が、直後に大爆発を起こしたことでショックを受けました。少し遅れていたら、自分も爆発に巻き込まれていたからです。
セオはリカルドの死にショックを受けている振りをして会社を早退し、長年の年上の友人ジャスパー・パルマーのところへ会いにいきました。
ジャスパーはかつてフォト・ジャーナリストをしており、老いて認知症になった妻・ジャニスをかばいながら、森の奥に隠れて住んでいます。隠れているのは、治安が悪いからです。
セオはジャスパーに、「うちに来て住め」と言われました。セオはその言葉をありがたく思いながらも、まだ当面は都会で暮らすと答えます。

翌日、いつもどおりに会社に行こうとしたセオは、出勤途中に謎の車に拉致されました。
車中で頭に黒い布袋をかぶせられ、見えないまま連行されます。
連れられた先は『フィッシュ(FISH)』という、反政府組織のアジトです。そこでセオは元妻の女性ジュリアン・テイラーと再会しました。
ジュリアンは、自分が拉致の実行犯だとセオに告げ、「20歳の不法滞在の娘を通すために、通行証が欲しい」と訴えます。代金として5000ポンド(約77万円)出すと言いました。

セオとジュリアンは、かつてアメリカ・ニューヨークで夫婦として生活していました。
その頃にディランという息子が2人の間にいましたが、2008年のインフルエンザ大流行で失って以来、ジュリアンは過激派組織に身を置き、セオと別れました。今では2人ともイギリスに移り住んでいます。
ジュリアンは、セオの従兄弟に文化大臣がいることを指摘し、その男から融通してくれと頼みました。
セオは、一旦は断ります。
再び頭に袋をつけて連行されたセオは、別れ際に、「気が変わったらカムデン駅の伝言板にこれを貼っておけ」とルークに言われます。

【承】- トゥモローワールドのあらすじ2

断ったものの、まだジュリアンに未練が残っているセオは、文化大臣の従兄弟・ナイジェルに会いに行き、通行証を作ってくれと頼みました。自分に不法入国者の恋人ができて、その弟がひどい病気なので通行証が必要なのだと言うと、ナイジェルは都合をつけてくれます。
セオは「自分も同行することを条件にして、通行証を渡す」とジュリアンに連絡しました。
ジュリアンは「あなたを見ると、あの子のあの目を思い出す」と悲しそうに言いますが、承諾します。
復縁を迫るセオには、言葉をはぐらかせました(セオはジュリアンに未練があり、できれば復縁したいと思っている。それもあって、通行証を手配した)。

セオが乗り込んだ車には、ジュリアンとルークのほかに、後部座席に2人の女性がいました。年配の女性・ミリアムと、若い女性・キーです。
どうやらキーを通すための、通行証のようでした。キーはぶかぶかのマントを羽織っています。

検問所に向かう道中、セオたちの車は暴徒の襲撃に遭遇し、銃撃を受けました。
行く手に燃える車で妨害され、ジュリアンが銃弾に倒れます。
首に致命傷を負って息絶えるジュリアンを見て、セオは動揺しました。
追ってくる警官隊に停車させられたルークは、警官2名を銃殺して去ります。
この事件のせいで、「警官隊とジュリアンが揉めて共倒れになった」というニュースが流れます(厳密にはジュリアンは暴徒の銃弾に倒れた)。
ジュリアンの遺体は、途中の森へ置いて立ち去りました。

フィッシュのアジトとして、トマシュという人物の農場に、セオたちは身を寄せます。
セオは「ジュリアンと復縁したい」ために、同行していました。ジュリアンが亡き今、もう反政府組織のフィッシュと行動を共にする意味はありません。
しかしキーがセオを納屋に呼び出すと、自分の身体を見せました。
最初、セオは色仕掛けかと誤解しかけましたが、そうではありませんでした。
キーのお腹は出ていました。妊娠しているのです。
セオはあまりの事態に、驚いて声も出ませんでした。

キーはジュリアンに「もし自分に何かあれば、すべてセオに任せろ」という言葉をかけられていました。そのため、妊娠をセオに明かしたのです。
反政府組織のフィッシュと別れようと思っていたセオは、以後はキーと赤ん坊を守るために、奔走することになります。

アジトでは「ヒューマン・プロジェクト」という名が出ていました。セオも名前だけは聞いたことがあります。
ヒューマン・プロジェクトとは、国境を持たない組織で、新社会を作るために動いている…という噂でした。噂ばかりが先行し、実態があるのかどうかすら、定かではありません。
ところがどうやら本当に存在し、ジュリアンがそのプロジェクトの船『トゥモロー号』にキーを乗せるつもりだったことを、セオは知ります。

アジトではリーダーのジュリアンを失ったフィッシュのメンバーたちが、揉めていました。
副リーダーのルークは、「このままアジトで出産しろ」と言います。政治目的に使う気です。
セオは幾度も「この事実を公表しろ」と言いました。しかし聞き入れられません。

【転】- トゥモローワールドのあらすじ3

もし不法移民の女性が妊娠したことが明らかになると、出産後に赤ん坊は政府に取り上げられ、しかるべき里親に渡るだろうと言うのです。キーは不法入国者なので、その可能性も充分にありました。
結論が出ないまま、話し合いは終わります。

夜。
ルークがケガ人を迎え入れるのを見たセオは、盗み聞きをしに1階へ降りました。
そこで、道中のジュリアン殺害の黒幕がルークで、ルークは「赤ん坊を武器にして政府に蜂起する」つもりだと知ります。
すでにアジトにキーを運んだ今、セオの価値はありませんでした。キーを逃がした後に殺すという話も出ます。
これを聞いたセオは、キーに逃げようと言いました。
キーはセオの判断を信じて、ついていく決断をします。付き添いの助産師・ミリアムもしぶしぶながらついてきました。
3人はアジトの車を奪い、逃亡します。フィッシュのメンバーは、車に大事な妊婦・キーがいるために、うかつに発砲できませんでした。セオたちは無事に逃げおおせます。

セオは旧知の友人・ジャスパーのところへ、2人を案内しました。ジャスパーの家は隠れ家なので、見つかるまで時間がかかるだろうと思われました。
ジャスパーはキーが妊婦と知ると、がぜん張り切り始めます。
『ヒューマン・プロジェクト』がアゾレス島に拠点を持つ組織だと言いながら、キーやミリアムに料理を振る舞いました。
寄港する港を、2人から聞いたジャスパーは、なにやら作戦を考えているようです。

キーは現在、妊娠8か月目だとセオに言いました。
2009年から出産が途絶え、すでに18年が経過しているために、「妊娠の知識」自体がありませんでした。キーは最初、我が身に起きた身体の変化に、戸惑いを覚えたそうです。
生まれてくる子には、「フローリー」という名をつけると、キーは言いました(名前については、その後二転三転する)。

セオたちは警官殺しの容疑をかけられ、警察に指名手配されます。
さらに反政府組織のフィッシュから逃げてきたので、警察とフィッシュの双方から追われる身となっていました。
『トゥモロー号』は航行ルートがあり、転々としながらブイ(浮標)に現れるそうです。

ジャスパーが大胆な計画を立てました。
知人の警官・シドに敢えて「逮捕」してもらい、収容所に入って合流地点となるブイ(浮標)を目指すという作戦です。
ジャスパーは知人警官・シドに話をつけていました。

その夜、ジャスパーの家の警報が鳴ります。何者かが敷地内に不法侵入したのです。
ジャスパーはセオ、キー、ミリアムを逃がすと、自分はおとりとして残りました。
認知症の妻・ジャニスとペットを先に安楽死させると、ジャスパーは死を覚悟して、フィッシュのメンバーと渡り合います。
セオたちは逃亡用の車に乗ったまま、小高い場所から見ていました。ジャスパーが射殺されるのを見て、セオはつらく感じます。
「ジャスパーが死んだのは君たちのせいだ」とミリアムに言いながらも、セオは必死でキーのために車を走らせました。

待ち合わせのライの廃校に行ったミリアムは、2008年のインフルエンザ大流行の当時は31歳で、多くの子が死んだと言います。
その中で奇跡的に生き残ったのが、キーでした。20歳のキーが妊娠した時に、自分が取り上げると決めたそうです。

【結】- トゥモローワールドのあらすじ4

シドと落ち合ったセオたちは、収容所行きのバスに乗り込みました。シドからは「中へ入れば、マリカが案内してくれる」と教わります。
車中でキーの陣痛が始まり、破水しました。
そのままバスは『ベクスヒル入国管理局』へ入ります。

ミリアムが途中の検閲でわざと目を引く行動を取り、セオとキーを行かせました(ミリアムは死んでない)。
マリカを見つけたセオは、ねぐらに連れて行ってもらいます。
部屋に案内してもらうと、マリカにチップを払って部屋から追い出しました。
キーの赤ん坊は、セオがとりあげます。
キーは無事に、女児を出産しました。
「思ったより簡単だった」と言うセオに対し、キーは「あなたはね(私は痛かった、苦労した)」と答えて2人は笑います。

翌朝。
収容所に反政府組織のフィッシュが乗り込み、爆発騒動が起きました。フィッシュを撃退するために、軍隊も出動します。
そんななか、シドがキーを怪しみました。フィッシュが乗り込んでくるタイミングや、セオたちが懸賞金をかけられていることを知り、何かあるのではないかと思います。
キーが赤ん坊を出産したと知ると、シドは赤ん坊を取り上げようとしました。それをマリカが阻止し、逃亡を手伝ってくれます。
マリカとは言語が通じないのですが、絵を描いて「ボートを調達してほしい」とセオは頼みました。
キーを抱きかかえるようにして、マリカとセオはこっそり逃げます。
途中、キーは「名前はバズーカにした」と言いました。

ルークたちフィッシュのメンバーに見つかり、キーが連れ去られます。
セオはその場で殺されそうになりましたが、銃撃戦が開始した隙に逃亡しました。
セオはマリカを安全な場所へ移動させると、単身でキー奪回に動きます。
軍隊とフィッシュが激しい銃撃を行なうなか、赤ん坊の泣き声を頼りに移動したセオは、キーと赤ん坊を見つけました。
赤ん坊の泣き声を聞くと、収容所の人たちも驚きながら集まります。
赤ん坊の声は、みんなの希望でした。

収容所の人たちが囲んだことで、キーとセオは安全が確保されます。
また、赤ん坊の泣き声を聞いた軍人も、発砲をやめて通してくれました。
誰もが赤ん坊に、希望を託します。十字を切る兵士もいます。
おごそかにキーと赤ん坊は通り過ぎ、マリカと外で合流しました。
マリカは小さなボートを手配してくれました。
手漕ぎボートに乗り、セオとキーは下水道から海に出ます。

海には濃い霧がかかっていました。
セオが漕ぐと、やがて目標となるブイ(浮標)の赤い光が見えます。
ボートの底に血がたまっているのを、キーが見つけました。セオは銃撃戦の時に、腹に被弾していたのです。
死を覚悟したセオは「何があっても赤ん坊は手放すな」と言うと、赤ん坊のゲップの出し方を教えました。
赤ん坊にゲップさせたキーは「子どもの名は、ディランにしようか」と言います(ディランとは、セオとジュリアンの息子の名前)。
それを聞きながら、セオは息を引き取りました。
途方に暮れかけたキーですが、音もなく静かに巨大な船『トォモロー号』が近づいてきます。
船員たちがキーを見つけ、回収する手配を始めました。

(セオはラストで死んだが、決して悔いはないと思う。
愛する女性・ジュリアンを亡くして未練はないし、希望の光であるキーたちを逃がす任務を果たしたので、安らかな気持ちで死んでいったであろう)

みんなの感想

ライターの感想

出生率がゼロになったからといって、こんなに世界が崩壊するかな…と思いつつ。
いっぽうでこの映画、なにがいちばんインパクトあるかって、「銃撃戦のリアリティ」。
戦場にいるかのような緊迫感、臨場感がある。セオがキーを探して銃弾のなかを走るシーンは、はっきりいって怖い。
つづいて印象的なのは、赤ん坊の泣き声にはっとした一団が、おそるおそる取り囲むシーン。
なんかもう、聖母マリアを見ているような感じ。発砲している兵士たちもやめて、赤ん坊を見つめるシーンは、よかった。
トゥモロー号に乗ったあとのキーの運命は、描かれていない。ここは問題にすべきではないのだろう。
「子ども」=「希望の光」という構図が明確に描写されていた。
未来に絶望すると自暴自棄に走り、その結果が世界崩壊…そう考えると、確かに世界崩壊も納得できるか。

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