「パラドクス」のネタバレあらすじと結末の感想

サスペンス映画

パラドクスの紹介:2014年製作のメキシコ映画。ある日突然、刑事と犯罪者の兄弟、家族4人が出口のない空間に閉じ込められ…。悪夢が繰り返すシチュエーション・ループ・スリラー。シッチェス映画祭他40部門正式出品、15部門受賞。『未体験ゾーンの映画たち2016』にて上映。

予告動画

パラドクスの主な出演者

マルコ刑事(ラウル・メンデス)、サンドラ(ナイレア・ノルビンド)、ロベルト(エルナン・メンドーサ)、カルロス(ウンベルト・ブスト)、オリバー(フェルナンド・アルバレス・レベイル)、カミーラ(ポーリナ・モンテメイヤー)

パラドクスのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①あるビルの非常階段に閉じ込められた兄弟と刑事。兄は死んでしまい、弟と刑事が残される。 ②別の場所では一家4人が一本道で閉じ込められ、義父と息子が残される(母もいるが痴呆)。 ③35年間無限ループは現実世界の自分の代わりに罪ほろぼしをしていた。無限ループを終えて別世界に行った者は、また新たな無限ループに閉じ込められる。

【起】- パラドクスのあらすじ1

エスカレーターに、ウェディングドレス姿の老婆が倒れて乗せられています。新郎新婦がエレベーターに乗ります…。
…2017年。
兄・カルロスと弟・オリバーの兄弟は、刑事に追われていました。ホテルに宿泊していた2人の元に刑事マルコ・A・モリーナがやってきます。
兄弟は冷蔵庫のドアを開けて鉄パイプでマルコ刑事を殴って逃げますが、マルコ刑事は銃で兄・カルロスの足を銃撃しました。エレベーターを待つのももどかしく、兄弟は非常階段に逃げ、マルコ刑事も追って非常階段に入ります。
上方からバンという爆発音がして、3人ともびくっとしました。その爆発を契機に異常が起きます。
非常階段は1階に降りてもまだ下があり、9階に繋がっていました。階段の手すりから見上げても先が見えず、下も同様です。客室へのドアも開かない仕様になっていました。
1階と2階の間には自動販売機があります。
下におりていったマルコ刑事が上からやってきたので、兄弟は驚きますが、驚くのはマルコ刑事も同じです。
マルコ刑事が試しに鍵を落としてみると、しばらくすると上から降ってきました。どうやら1階と9階がくっついているようで、3人は無限のループ地獄に陥りました。
4時間半が経過しましたが、現状に変化はありません。動脈を損傷したらしく兄・カルロスの出血は止まらず、自動販売機の水を買って傷口の消毒をしますが、カルロスは弱っていきました。
マルコ刑事は自分の財布を取り出します。そこには家族写真と、ハートのキングの小さなトランプが入っていました。
モルヒネを痛みどめにしろとマルコ刑事は弟・オリバーに渡し、オリバーは兄・カルロスに与えます。
家族写真を見ながら、マルコ刑事は今日が15回目の結婚記念日で、家族で食事の予定だったのにとぼやきました。マルコ刑事には妻・ファオビラと3人の娘がいます。
26時間後も同じでした。不思議なことに自動販売機の中身はなくならず、だから食料と飲料には困りません。さらに毎日、兄弟のバッグが増えていきました。
やがて兄・カルロスは失血死し、中年のマルコ刑事と若者のオリバーが2人残されます。オリバーは夢の中の出来事だと思い、マルコ刑事は薬物の禁断症状かと思いますが、現実でした…。

【承】- パラドクスのあらすじ2

…さて、もう1つ別の話を。
1980年。
再婚相手の中年男性・ロベルトと母・サンドラ、兄・ダニエルと妹・カミーラは車に乗り込もうとしていました。
ダニエルとカミーラは実父・トーマスのところへ旅行に行くのです。5歳くらいの娘・カミーラはお出かけにフレッドというぬいぐるみと、吸入器を持ちました。7歳くらいの兄・ダニエルはミニトランプとハムスターのガメンを連れていきます。
4人が車に乗り込んで田舎の一本道を走ります。ダニエルがトイレに行きたいと言い出し、ガソリンスタンドに寄りました。そこで義父・ロベルトは義娘・カミーラにグアバジュースを与えます。
母・サンドラが気づいた時には遅く、カミーラはアナフィラキシーショックを起こしかけていました。グアバジュースの成分の中にレモンが入っており、カミーラはそれにアレルギー反応を示したのです。
慌てたロベルトは吸入器を落として割ってしまい、予備の吸入器を持っている筈の兄・ダニエルは家に忘れてきていました。家に取りに帰ろうと車を走らせ始めたところ、爆発音が遠くで聞こえます。
しばらくすると、さっきのガソリンスタンドが横に現れました。〝ハコボの小屋〟という看板も幾度となく出てきます。一本道なので迷うわけがありません。無限ループに陥ったのです。
おかしいと母・サンドラが代わりにハンドルを握りますが、当然同じです。外は何時になっても明るいままでした。
やがて妹・カミーラは後部座席で意識不明になりました。脈もなくなり、母・サンドラは「これは現実じゃない」と絶叫しながら運転します。
看板のところで義父・ロベルトは両脇に広がる荒野に歩を進めますが、しばらくすると戻って来て「出られない」と言うと、水を欲しがりました。

【転】- パラドクスのあらすじ3

…35年後。
…2052年の非常階段の世界では、中年になったオリバーと、老人のマルコ刑事が変わらず生活していました。
食事は自動販売機から出てくるカップヌードルやパンを食べます。ヌードル用のお湯も自販機から出ます。
ペットボトルの飲料水もあるので、飲み物にも困りませんでした。排泄は空きペットボトルに入れます(大も小も。大は臭い消しのためか、小の中にする)。
ガイコツになった兄・カルロスを弟・オリバーは階段の壁に留め、毎日マルコ刑事と一緒に拝んでいました。
ペットボトルにチューブを繋いでシャワー代わりにし、爪切りでひげを整え、オリバーは階段をのぼりおりして体力づくりをしていました。一方のマルコ刑事はよぼよぼで、オリバーの力を借りねばなりません。
無限に増える物は、階段ごとに整理されていました。用を足した排泄物を置くエリア、食物の残りを捨てたエリア…というふうに分けられています。
同じ本で寝床を作り、壁に無限の落書きをしたオリバーは、発狂しないよう努力しました。
マルコ刑事に聞くと、外界世界の妻・ファビオラは今年74歳、娘たちも40代になっているだろうとのことです。
…2005年の一本道の世界では、やはり同じものが大量に増えていました。
母・サンドラは痴呆になり、義父・ロベルトも老人になっています。ロベルドはそれでもサンドラを抱きます。
中年になった息子・ダニエルはハムスター・ガメンに餌をやり、ミニトランプでカードゲームをした後、外へ出かけていきます。
老人のロベルトはサンドラと車で暮らしており、ダニエルは外の緑の中で生活していました。
この日久しぶりに母・サンドラと会った息子・ダニエルは、サンドラが自分のことを覚えていないことにショックを受けますが、ロベルトは「それが老人だ、ダニエル」と言います。

【結】- パラドクスのあらすじ4

「それが老人だ、ダニエル」…と、2052年世界の老人・マルコ刑事は口に出しました。そして、マルコ刑事は重大なことに気づいたのです。
マルコ刑事は慌てて中年のオリバーを呼びます。そして「これを話せば私は死ぬが」と前置きして、説明を始めました。それはとんでもない内容で、にわかには信じがたいことでした。
「私はダニエルなのだ」と言われても、オリバーには何のことだか分かりません(当然だ、観客に向けて言っているのだから)。
「マルコ刑事」=「ダニエル」なのです。分かりやすいように年代表記しましたが、実際にはこの年代は映画でちらっとしか触れられず、ともすれば見落とされます。
マルコ刑事の記憶…ファビオラという妻と3人の娘がいる…というのは全くのでたらめで、勝手にそう思わされた記憶でした。かつてマルコ刑事はダニエルで、幼少期に35年間一本道に閉じ込められた少年でした。
その証が「ミニトランプカード」です。
閉じ込められた世界では、必ず「若い者と中年」がコンビになります。そのまま35年が経過すると「中年と、老人」という組み合わせができます。
老人の方は2回目の経験なので、35年経過した時にふっと気づくわけですが、気づいた時には悲しいかな、もう死が間近に迫っているのです。
2005年のロベルトもある結論に達していました。自分は本当はロベルトではなく、ルーベンという名で、1949年に学校遠足に行った際に友達・フアンと水遊びしていて、閉鎖された空間に入ったこと、フアンは3日後に死んだこと、その後はずっと指導員と脱出方法を探していたこと…。しかしそれに気づくということは、死を意味していました。
なぜこんなパラレルワールドができるか…それは、もう1つの現実世界にいる本当の自分への代償でした(マルコ刑事とオリバーはカルロスを死なせた代償、ダニエルとロベルトはカミーラを死なせた代償)。
老人のマルコ刑事(ダニエル)は、オリバーにアドバイスします。ここから先に出られたら、必ず自分の名前を覚えておいてメモしておくようにと。ロベルトもダニエルにアドバイスしていました。
両者の世界で老人が死にます。老人が死ぬことで閉鎖された空間は解放されます。
ダニエルの世界では一本道にパトカーが登場しました。オリバーの世界ではエレベーターのボタンが押せます。
両者ともにアドバイスされたにも関わらず、自分の名前をメモすることを忘れました。
ダニエルがパトカーのドアを開くと中に制服とカバン一式があり、制服を着る頃にはダニエルはダニエルであることを忘れ、マルコ刑事になります。
オリバーが開いたエレベーターに入るとベルボーイの衣装があり、着終わる頃には「カール」という名のベルボーイになりきります。
カールは…新郎新婦を乗せてエレベーターを上昇しますが、降りたフロアで荷物を取り落とし、新郎のアナフィラキシー対策の注射を割ってしまいます。さらに胸に入ったケースから蜂を出します。
新郎は蜂に刺されて苦しみ、しかしアナフィラキシーの注射は割れて対応できません。
新婦とベルマン・カールはエスカレーターに急ぎます…(これが冒頭の、ウェディングドレス姿の老婆と繋がる)。
(エンド後)ケージから逃げ出したハムスター。

みんなの感想

ライターの感想

不条理スリラーなのだが、前半退屈、途中から「びっくり展開」。読めなかった、このオチは。
ほんとに最初はずっと退屈なのだ。しかも意味不明な映像とか出てくるし(冒頭の花嫁衣装の老婆など)。
それが…2ケース見せられて、3パターンめがくるのかと思いきや、まさかの「いきなり35年経過」したところからのスタート。
え、3年後じゃなく35年後!? これにも驚く。
しかも「私はダニエルだったのだ!」から一気に明かされる謎解き。真実を知らされると(多少不条理ながら)圧倒的に「えええっ!」と驚く。
あとで考えれば考えるほど、そら恐ろしくなるのだ。見終わった後、無性に怖い作品。

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