映画:ビブリア古書堂の事件手帖

「ビブリア古書堂の事件手帖」のネタバレあらすじと結末

ビブリア古書堂の事件手帖の紹介:2018年11月1日公開の日本映画。三上延によるベストセラー小説を黒木華主演で映画化したミステリー。鎌倉の片隅に佇む古書店「ビブリア古書堂」の店主・栞子と店を手伝うことになった青年・大輔が、大輔の祖母が遺した夏目漱石の本に記されたサインと、太宰治の希少本にまつわる秘密に迫っていく。栞子に思いを寄せる青年を野村周平が人間味豊かに演じる。

あらすじ動画

ビブリア古書堂の事件手帖の主な出演者

篠川栞子(黒木華)、五浦大輔(野村周平)、稲垣(成田凌)、五浦絹子(夏帆)、田中嘉雄(東出昌大)

ビブリア古書堂の事件手帖のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①祖母に叱られて本が読めなくなった大輔、祖母の死後に問題の本、漱石の『それから』について調べるうち、ビブリア古書堂の若い女性店主・栞子と出会う。栞子は本を見ただけで、大輔の祖母・絹子の秘められた恋を突き止めた。 ②大庭と名乗る人物が栞子の店にある太宰『晩年』を狙う。犯人は稲垣、大輔の祖母・絹子と恋仲だった嘉雄の孫。

【起】- ビブリア古書堂の事件手帖のあらすじ1

ビブリア古書堂の事件手帖のシーン1 つり橋を渡る葬列があります。
そこに参列している若い男性・五浦大輔は、祖母・絹子が亡くなったことを思い、祖母の作った梅干しが乗ったカツ丼が食べられないのだと感じていました。

…大輔には祖母・絹子にまつわる、苦い思い出があります。
幼少期の大輔が、祖母の本棚に興味を示したことがありました。
祖母の本棚には「絶対に触ってはならない」と言われていたのですが、祖母に可愛がられていた大輔は、綺麗に並んでいる夏目漱石全集に手を伸ばします。
子ども心にとっつきやすかったのは、タイトルがすべてひらがなの『それから』でした。
『それから』を本棚から抜いて読もうとした、4歳の幼い大輔は、すごい剣幕で祖母に叱られます。

大好きで優しいはずの祖母・絹子が、そのときだけ大輔に厳しく当たりました。
本を触ると厳しく叱られた…このことがトラウマとなり、大輔は以後、活字が並んだ本を読むことができなくなりました。
大人になってからも、活字本が読めないというトラウマは続いています。
そのせいというわけでもありませんが、大輔はまだ就職できていませんでした…。


祖母・絹子の葬儀のときに過去を思い出した大輔は、きっかけとなった祖母の本、夏目漱石の『それから』を本棚から抜いて手に取ってみます。
そこには「夏目漱石 田中嘉雄様」というサインのようなものと、若かりし頃の祖母の写真、ビブリア古書堂の値札が入っていました。
「夏目漱石の直筆サインだ」と思った大輔は、なにか事情が掴めるかと考えて、ビブリア古書堂に本を持ち込みます…。


鎌倉、江の島。
2017年。

ビブリア古書堂を訪ねた大輔は、若い女性・篠川栞子と会います。
栞子は夏目漱石全集を見ると、祖母・絹子のプライバシーに関わることであるからと、口を閉ざします。
ただ大輔の当初の疑問「夏目漱石の直筆サイン」というのは、言下に否定しました。
漱石は大正時代に亡くなっていますが、漱石全集は漱石の没後40年以上が経過している、昭和31年発行のものだからです。
(死後、著書にサインはできない)

栞子が言うには、もともとは田中嘉雄の名前が書かれていたところへ、あとで夏目漱石の名を足して、サインに見せかけるというのが、書き足した者の目的だろうと、栞子は言いました。
さらに栞子は、ビブリア古書堂の独特の値札が使われていたのは、古書堂が開業した最初の年…1964年だけだと言います。
その年は、東京オリンピックがあった年でもありました。
栞子は、「本を隠したかったのだろう」と言います。

大輔の祖母・絹子が所持していたのは、もとは『それから』だけで、田中嘉雄に贈られたものだと目されました。
本を隠したいために、絹子が漱石全集の残りの本を買い求め、『それから』を紛れ込ませたのだろうと思われます。
そうなると、絹子と嘉雄はただの友人などという間柄ではなく、相当親密なものだったと想像されました。
帰宅した大輔が母に聞くと、祖母・絹子の結婚は1960年でした。
東京オリンピックと田中嘉雄からの本のプレゼントが1964年で、母は1965年に生まれています。
もしこれらのことが事実であるとすれば、祖母は不倫をしていた…大輔は驚きました。

母は『それから』を読んでいませんでしたが、松田優作が主演の映画を見て、ストーリーを知っていました。
「主人公の男の人が、よその奥さんをとっちゃうのよ」
母のことばに、大輔は驚きます。祖母と嘉雄の関係を暗示しているように思えてなりません。
さらに聞いてみると、『それから』の主人公は代助(だいすけ)と言います。
大輔の名前は、祖母が好きな小説の主人公から名付けたそうで、母は不満げでした。
カツ丼に梅干しをのせる祖母のことを思い出す大輔は、不思議な気持ちになります…。
(注:カツ丼に梅干しも伏線あり)


栞子に詳細を聞こうと再び店を訪れた大輔は、栞子の妹・文香に、書店で勤務しないかと誘われました。
実は栞子は松葉杖をついており、今は足の骨を折っていて、店の経営に不自由しています。
男手が足りないと知った大輔は、『それから』の本を朗読してもらうことを条件に、雇ってもらうことにしました。

【承】- ビブリア古書堂の事件手帖のあらすじ2

ビブリア古書堂の事件手帖のシーン2 大輔は栞子に、店内のことを教わります。
なかには古い本棚なので、つっかいをしており、それを外すと倒れてしまうものもありました。
(注:これが伏線)


〔1964年〕

田中嘉雄は、作家志望の青年です。家は金持ちで、嘉雄は見合いをしろと催促されていました。
東京オリンピックがあったこの年、嘉雄はふらりと入った食堂で、絹子と会います。
カツ丼を頼んだ嘉雄は、トッピングのグリーンピースが苦手でした。
それを話すと絹子はその場で、グリーンピースを取り除きます。

会計を済ませて食堂を出ていく際に、ぼうっとしていた嘉雄は店の鴨居で頭を打って転倒し、気絶しました。
絹子に介抱されて、どぎまぎします。
原稿用紙を持っていたことから、嘉雄は絹子に、作家なのかと聞かれました。
これがきっかけで以後、嘉雄は絹子に、読ませたい本を持っていくようになります。
(注:この時点では、絹子に夫がいることが分からない。絹子はごうら食堂の、ただの店員に見えないこともない)


〔現在(2017年10月)〕

大庭葉蔵という名の差出人が、栞子にメールをよこしています。
それを見ると栞子の表情が陰ります。

店で働くことになった大輔は、古書堂で最も高い古書はなにかと聞きました。
妹の文香が「ばん」と言いかけますが、栞子は遮ります。


古書の会合に出かけた栞子と大輔は、同業者の稲垣と会います。
稲垣の店では、主にコミックを扱っていると言いました。
先日、コミックの買取を受けた際に、田川紀久雄の『人造人間』(およそ35万円相当)を、査定の人間に盗まれたと、稲垣は栞子にぼやきます。

途中まで書かれた住所と、持ち込まれた本を見て、栞子は煙突のある家を特定しました。
そこへ行くと、本当に稲垣のところを訪問した男がいます。
栞子は、男の動機も解明しました。
男が失明する日が近いという見立ては合っており、それを聞いた稲垣は、男性に「もうしばらく本を貸しておく」と言います。

その後、栞子、大輔、稲垣は食事を共にしました。
食事の場で本好きの稲垣と栞子の会話は弾みますが、大輔は本を読めないので、話に加われません。


〔1964年〕

嘉雄は絹子に、本を差し入れるようになりました。
絹子も嘉雄に借りた本を読み、物語の世界に惹かれていきます。
本がきっかけで嘉雄と絹子の距離は一気に縮まりますが、あるとき、嘉雄は衝撃を受けます。
絹子には、政光という夫がいました。食堂の店主をしています。
既婚者と知らず恋をした嘉雄は、しかし気持ちをなかったことにはできません。


〔現代〕

大輔は栞子に、海が見える綺麗な場所を案内します。
本、活字ばかり見ておらず、たまには別の美しいものも見ればという配慮でした。
大輔の気持ちに感謝した栞子は、自分の秘密を明かします。

栞子は足の骨折を、妹の文香には「転げて骨折した」と嘘をついていました。
本当は2か月前の雨の夜、何者かに急な石段から突き落とされたのでした。
それは、太宰治の『晩年』という本に関係しています。

…太宰治『晩年』砂子屋(まなごや)書房版は、昭和11年に刊行された貴重な本です。
アンカットという、本のページを切り開きながら読み進める、袋とじのような形の本です。
太宰治のサインもあります。売るとしたら300万円以上の値がつくことでしょう。

【転】- ビブリア古書堂の事件手帖のあらすじ3

ビブリア古書堂の事件手帖のシーン3 栞子の祖父は、この本を持っていました。
最近、太宰マニアの大庭葉蔵というネットで本を買いあさる人物が、栞子のところへ何度もメールで売れと言ってきていました。
栞子は売るつもりがないのですが、葉蔵という人物からのメールは執拗に続き、ついには脅迫めいた内容に迫っています。
無視していると、雨の夜、栞子の前にたちはだかった男性が「僕の『晩年』はどこ?」と言い、栞子を石段から突き落としました。
そして、他言すれば店に火をつけると警告し、立ち去っていました…。

協力を乞われた大輔は引き受けますが、『晩年』について説明をしてくれと頼みます。

大輔は祖母の写真を見て、ふと気づきました。
若かりし頃の祖母・絹子の写真にも、片隅に『晩年』が写り込んでいるのです。
大輔は栞子に写真を見せ、指摘しました。
栞子は「写真の本には帯がない」と言い、この本は田中嘉雄が所持していたもので、祖父の本とは別物だと言います(栞子の祖父の本には帯がある)。
(注:しかし嘉雄も『晩年』を持っていたということは、大きな伏線)


〔1964年〕

絹子への想いを断ちがたく感じた嘉雄は、決意しました。
本気で小説を執筆し、作家としてデビューして、絹子に告白をしようと思った嘉雄は、執筆活動のために西伊豆に籠ると絹子へ言います。
絹子も応援しました。

ある資料を持ってきてほしいと嘉雄は絹子に頼み、絹子もそれを持って西伊豆に出かけます。
嘉雄へ気持ちがあり、夫にうしろめたい絹子は、嘘をついて家を出ていました。
西伊豆で嘉雄と絹子は、関係を持ちます。

人妻との関係に苦しむ嘉雄は、太宰がサインの横に書いた「自信モテ生キヨ 生キトシ生ケルモノ スベテコレ罪ノ子ナレバ」ということばを暗唱します。
自分の小説が出版された暁には、またここへ一緒に来てくれるか…実質上のプロポーズに近いものでした。

叔母が嘉雄のもとを訪れて見合いを勧めます。
嘉雄は、見合いが既に組まれていることを知りました。
それでも憑かれたように小説を書きます…。


〔現代〕

大庭を店へおびきよせる方法を考えた栞子と大輔は、『晩年』を売りに出す宣伝を出し、ネットにのせます。
書店のガラスケースに展示しますが、本物は金庫の中だと、栞子は言いました。

店の近くまでやってきた稲垣が、『晩年』をなぜ売ることになったのかと質問します。
いつものように稲垣、栞子、大輔の3人で食事をとり、帰宅すると、何者かにビブリア古書堂の看板が燃やされようとしているところでした。
稲垣は上着で看板を消し、大輔は犯人を追いかけていきます。

犯人は展示品が偽物と知り、看板を焼く所業に出ていました。
店が荒らされたことを知り、妹の文香が姉を心配して怒ります。
大輔は栞子に、騒動がおさまるまで本物を預かると言い、金庫の中の本を持ち帰りました。
しかし自宅に着いたところで、スタンガンで襲われ、本を奪われます。


盗まれたことに強い負い目を感じながら栞子のところへ行った大輔は、渡された金庫の本が偽物だと知り、ショックを受けました。
一緒に捕まえると約束したのに、最初から信用されていなかった…と思った大輔は、悲しみます。
「大切な本を手元に置いておきたい気持ちが、分からないでしょう」と栞子が言うので、大輔はつい「稲垣に頼め」と言って、店を辞めると宣言しました。

【結】- ビブリア古書堂の事件手帖のあらすじ4

ビブリア古書堂の事件手帖のシーン2 〔1964年〕

原稿を書き上げて出版社に送りますが、嘉雄の作品は駄目だしされました。
「既視感がある」「才能を感じられず」と辛辣な評をされます。
落胆した嘉雄は、絹子をあきらめようと見合いをしました。

それでも絹子があきらめきれず、嘉雄は絹子に駆け落ちを提案します。
このときに、夏目漱石『それから』を手渡しました。
次の週の日曜朝7時に、切通坂で落ち合うのが約束でした。

絹子は妊娠していることに気づきます。嘉雄の子どもです。
絹子は駆け落ちの場所へ行こうとしますが、察した政光が声をかけ、「その子は俺の子だ」と言います。
絹子は待ち合わせの場所へ行けずじまいでした。
嘉雄は悲しみつつ、絹子との恋愛を小説にしようとします。


〔現代〕

大輔は喫茶店で、いつかの失明寸前の男性が劇団員で、目の見えない芝居をしていたことを知ります。
男性は舞台のポスターを貼ってもらいに喫茶店へ来ており、大輔に聞かれて、ビブリア古書堂の看板に火をつけたことも認めました。(小さな火ぶくれが腕にできていた)
すべて、稲垣に雇われておこなった芝居だと答えます。
稲垣が大庭だと知った大輔は、栞子の危険を感じ、店へ急ぎます。

同じ頃。
栞子は稲垣に、『晩年』を渡せと迫られていました。
帰宅して気づいた妹・文香が本棚のくさびを抜き、稲垣に向けて本棚を倒します。
そこへ大輔が現れました。
妹・文香と大輔、栞子は逃げます。

バイクで追ってくる稲垣に対し、大輔は栞子を車に乗せて逃亡しました。
しかし小さな町なので、すぐに追いつかれます。

大輔と栞子は、海辺に追い詰められました。
稲垣は大輔につかみかかり、首を絞めます。
それを見た栞子は、「すべて終わりにします。本だけがすべてじゃない」と言うと、海へ投げました。
真の本好きが本を傷めることをするとは思えなかったので、稲垣は茫然自失に陥ります。
(本当のマニアは、台無しにされるとショックを受ける)
大輔は海に潜り、本を探しますが、見つかりませんでした…。


…稲垣の祖父は、田中嘉雄でした。
嘉雄はその後、見合いで結婚をし、子どもを授かります。
稲垣は嘉雄の孫でした。本名は田中敏雄と言います。

嘉雄は絹子との恋愛を私小説『切通坂』としてしたためました。この作品も、本になることはありませんでした。
『切通坂』を書き上げたとき、一度だけ嘉雄は絹子の食堂を訪問します。
グリーンピースが苦手な嘉雄のために、絹子は代わりに梅干しをのっけました。
嘉雄は黙ってそれを咀嚼します。
(注:カツ丼に梅干しという組み合わせは、グリーンピースが苦手な嘉雄のために編み出されたもの)

孫の稲垣は、作家志望でありながら作家になれず、絹子との恋も成就しなかった祖父を、それでも慕っていました。
祖父・嘉雄は太宰の『晩年』を所持しており(絹子の写真に写り込んでいた、帯なしバージョン)、自分の人生は太宰に似ていると重ねていました。
ある時、祖父・嘉雄の家が火事になり、嘉雄と共に『晩年』も燃えてしまいます。

稲垣が『晩年』に固執したのは、慕っていた祖父との思い出の品だったからでした。


ところで大輔も、嘉雄の孫です。
駆け落ちしなかった絹子は、政光のところで子どもを産みました。それが大輔の母です。
本当の祖父のことを知りたいと思う大輔に、栞子は「ご自分で読んでみればいかがですか」と、生原稿を差し出します。(栞子が稲垣から借りたもの)
大輔は初めて自力で、活字だけの文章を読み切りました。(好奇心が勝り、過去のトラウマを克服した)

読み終わった大輔は栞子に、「僕の存在には、貴方が必要です」と言います。
(このセリフは漱石『それから』にある)

(シリーズ化可能)

みんなの感想

ライターの感想

予備知識なしで見たら面白かった。原作では「栞子、まだ入院中」「大輔は病院で栞子と会う」とかだが、大きな流れとしてはそう変わっていない。
シリーズの1巻めで描かれているものが映画化。つまり、好評であればシリーズ化も可能。
主人公の大輔…活字本が読めないトラウマ…どんだけ心に深い傷を負ったのだろう(病院かかれよ、と突っ込み入れそうになった)。
学校教育たいへんだったろうに…。過去パートの東出&夏帆がお似合いのカップルで、ストーリーが陳腐でも許せた(笑)。
もういっこ偽物の本ありましたっていうオチだったら、それはそれで面白かったろうに。
成田凌は序盤からあやしいので、犯人と判ってもあまりどんでん返しされた感じじゃないかな。
『スマホを落としただけなのに』効果かも。

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