「マジック(1979)」のネタバレあらすじと結末の感想

サスペンス映画

マジック(1979)の紹介:売れないマジシャンコーキーが腹話術の人形ファッツとのコンビで大成功を収めるが突然失踪、彼の芸にはある重大な秘密があったという1979年製作のアメリカのサイコ・サスペンス。監督は俳優としても知られる「遠い夜明け」のリチャード・アッテンボロー、原作/脚本は「明日に向って撃て!」のウィリアム・ゴールドマン。主演は「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス、ヒロインは「トミー」「愛の狩人」のアン=マーグレット。

予告動画

マジック(1979)の主な出演者

コーキー/ファッツ(アンソニー・ホプキンス)、ペギー・アン・スノウ(ペグ/アン=マーグレット)、ベン・グリーン(バージェス・メレディス)、ペグの夫デューク(エド・ローター)、老師匠マーリン(E・J・アンドレ)、タクシー運転手(ジェリー・ハウザー)、トッドソン(デヴィッド・オグデン・スタイアーズ)など。

マジック(1979)のネタバレあらすじ

【起】- マジック(1979)のあらすじ1

安酒場”スターダスト”のショーから戻ったコーキーは、手品道具だらけの暗い部屋で寝込んでいたマジックの老師匠マーリンに薬を飲ませ、ショーは大成功、十八番のエースのマジックは大ウケだったと話しますが嘘だと見抜かれ、彼を無視する客にブチ切れ怒鳴ってしまったと打ち明けます。彼はマジシャンで一番になりたいなら客の心を引きつけろと言いますが、方法は自分で考えろと目を閉じます。

1年後。”スターダスト”には大行列ができていて、やり手マネージャーのベン・グリーンは、様子を見に来たNBCテレビの大物プロデューサートッドソンを余裕の笑みで迎え、1年前からここでやってる秘蔵っ子のマジシャンだと話します。トッドソンはマジックなんか今時子供番組にも出せんと笑いますが、ベンは、お前の親父は俺が世話してやったんだ、マジックがテレビでウケないのはバカなカメラが囮を撮らないからだとニヤついたところでショーが始まります。
司会に呼ばれたコーキーは変わらず、不器用にカードをシャッフルし客に狙ったカードを引かせて笑いを取ってから十八番のエースのマジックに入ります。が、その時、客席から「インチキが始まるぞ!あんなインチキ手品誰でもできる!」とヤジが飛びます。
コーキーは抗議しますが、ステージまで連れてってくれればな!と返され客席に行き、腹話術の人形を持って現れた途端、客から拍手と歓声が湧き起こります。
客たちは、鷹揚で生意気で辛辣な腹話術の人形ファッツと、気弱で真面目なマジシャンコーキーの下ネタまじりの軽妙なやり取りに大ウケ、その間にも彼は見事にカードを変え、ファッツをぎゃふんと言わせて笑いを取ります。
ベンは大ウケしているトッドソンに「あんなに息の合ったコンビは50年間見た事がない、売れるね」と呟きます。
ベンは、彼は1年前には人形を使わず失敗したが、イギリス水兵の息子でグロッシンガー出身だと話し、楽屋にトッドソンを案内します。ファッツは楽屋でも軽妙に話し「俺が囮になればゾウを運んだってわからない」とうそぶきます。ベンは「だからテレビでだってやれる。カメラは2人の顔を映すからコーキーの指先は自由だ」と説明してトッドソンを見送ります。
彼はコーキーに「ここで焦っちゃいかん、まずはベガスの小屋で修業を積み、ローカルのトークショーに出演、再びここに戻ってNBCからの吉報を待つ。半年の我慢だ」と言い、「貧乏ともおさらばだ、俺の秘蔵っ子さ」と囁き出て行きます。ファッツは夢心地のコーキーに「俺たちは、スター♪」と歌いかけます。

彼らは間もなくニューヨークに進出、少々垢抜けたコーキーはロールスロイスで現れたベンと高級ホテルのレストランで会います。
ベンは「期待を裏切るなよ、お前さん」と前置きし、NBCがおまえのスペシャルを作ると言ってる、試しに1本撮り、それが当たれば契約成立、俺は吉報を届ける郵便屋さと笑い、ただ契約までには今一歩で、宣伝費やゲストのギャラは何とかするが、君には健康診断を受けてもらうと話します。
それまで笑顔だったコーキーは、健康診断は信条があって気が進まないと顔を曇らせます。
”スターダスト”で初めて会った時も組んでもいいが契約書はイヤだと言ったのを憶えてる?ウマが合えば口約束で十分、あれも信条だといい、俺は調子いいのになぜ医者に診てもらう?病人に仕立てる気か?と言い、どうしても必要なら話が流れても構わないと言い張ります。
ベンは青くなって豪華な事務所に戻り、3人の優秀な弁護士を呼び、コーキーに電話を掛けます。
彼は、健康診断は局の決断だ、優秀な弁護士3人で交渉したが、50万ドルも掛けたのに当日ダウンじゃ困るみたいだと猫なで声で言い、「とりあえず受けてみたらどうだ?あまりのいい話に怖気づいてるだけだ、今から行くから話し合おう」と説得しますが、激怒したコーキーはホテルから逃げ出し、故郷のグロッシンガーに向かいます。

【承】- マジック(1979)のあらすじ2

彼はタクシーで生家に向かいますが、完全な廃屋になっていて、夕食の準備をする母、父とキャッチボールをする兄を木彫りをしながら見つめていた自分を思い出しますが、家族はもういないと呟きます。そして家族が眠る墓地を回り、メロディ湖に到着します。途中で気づいた運転手は「あんた、カーソン・ショー(NBCの有名トーク番組)に出てたろ?有名人の里帰りかい?」と笑います。
湖には古い宿屋があり、水辺の小屋を借りたいと声を掛けると廃業したと言われますが一晩50ドルで話しがつき、タクシー運転手に200ドル渡し口止めして帰します。
小屋は清潔でよく片付いていて、宿主の若い女は彼にざっと説明すると、窓から見える母屋に帰って行きます。
コーキーがその後姿を見つめていると「助けて!」と声がして、彼は慌ててファッツを出して組み立てます。ファッツは早速「へぇ、ここがグロッシンガー?いいケツしてるぜ、あの女」と言い叱られます。コーキーは「彼女は忘れてたが、俺は片時も忘れなかった」と呟きます。母屋に帰った彼女も、高校のアルバムを見て「忘れたのね」と呟いていました。
けれど間も無くコーキーがファッツを連れて石鹸とタオルを借りに行き、ファッツだわ!と感激する彼女に「ペグは本当に覚えてないのかな?」とファッツで話しかけ、2人は互いに覚えていた事を知り、ファッツのギャグで大笑いします。
母屋からの帰り道、ファッツは「彼女いいオッパイだった、ディナーにも誘われたけど、長居したらあのオッパイはあんたのモノになる、そしたら俺、ヘソ曲げちゃうよ?」と話していました。

夕食後、2人は母屋の暖炉の前で互いの思いを語ります。コーキーは年寄りだがやり手のマネージャーがビックチャンスをくれたが、意見の食い違いで逃げ出した、怖かったのかもと正直に打ち明け、彼女は、あなたは昔から妙に臆病なところがあったと笑います。
また、高校時代いつも君を見てたと言い、転校前に木彫りのハートを渡そうと思ったが無くしてしまったと話します。それは彼女にはすでにジェームズ・ディーン似のデュークと言う、後に夫となる彼氏がいたからでした。
けれど彼女は、あなたの前ではいい子のフリをしてた、家族にここを任されたが廃業寸前で売りに出すつもりだ、今はいい妻じゃない、デュークは今は出張中で単に法律上の配偶者、愛が無くても何とか続くものよと泣き出します。
小屋に帰ったコーキーは、モノにしたかい?と言うファッツに泣かせただけで十分だと言い、いつ帰るのかと聞かれすぐだと言い、愛してるのかい?と聞かれドアを乱暴に締めます。

翌日2人は岸辺を散歩し、ペグは彼が小石を消してははしゃいで裏話を聞きたがり、師匠のマーリンが本当の”読心術”をやった話に興味を持ちます。それは彼の助手だった妻が病に倒れた際に見せたもので、舞台ではイカサマの読心術なのに、妻の心は本当に読んでた、それが愛の証だという話で、彼女は無邪気にやってみせてとねだります。
彼らは小屋に戻って”読心術”を始めます。それは2束のカードから各々1枚ずつ取り、客が引いたカードと同じカードをマジシャンが別の束から引き当てるものですが、”愛の証の読心術”には仕掛けが無く、彼女の心を読んでコーキーが当てるのです。
彼女は単純なカード遊びのつもりではしゃぎますが、コーキーは「本気でやれ!カードに集中しろ!」とヒステリックに怒鳴り、1回目は失敗して彼女のせいにし、額に汗を浮かべ必死の形相で再挑戦します。彼女は怯えながらも必死に念じ2度目は成功します。
彼女は「できた…失敗しなかった…」と安堵するコーキーの手を握ってキスを交わし、2人は結ばれます。ファッツはその間、居間のソファで無表情に座っていました。
2人は朝まで愛し合い、ペグは15年ぶりに感じたと言い、自分は不感症だと思ってた、今じゃイクふりをしながら買い物リストを作ってると笑います。
コーキーは彼女を母屋に送り、2人でここを出よう、デュークとは別れろよと言います。ペグは15年ぶりに現れて駆け落ちを申し込むの?デュークとファッツを捨てて行くつもり?と言いますが、15年前に口説いて欲しかった、ちゃんとバス・トイレ付のアパートを探してねと笑い帰って行きます。

コーキーは小躍りで小屋に帰るなり、街に帰りたいと騒ぐファッツとケンカになり、下品な罵り合いになっているところにベンが現れます。彼は、ファッツとの弾丸トークで必死で取り繕うコーキーを黙って見つめ「いつからこんな風に?」と聞きます。
コーキーは演技だと言い張り小話を始めますが、ベンはそれを遮り健康診断を嫌がってた理由はこれか、まず医者に診てもらえと言い、さんざこき使ったくせに!バラす気か!と騒ぐファッツ(コーキー)を「君は狂ってる!」と恫喝します。
コーキーは愕然とし、静かな声でベンに座るよう促し、確かに街では少しおかしかったが、高校時代片思いだと諦めてたペグのおかげで落ち着いた、彼女は俺についてくると言ってると言いますが、ベンは納得せず、ならば5分間だけファッツを黙らせてみるテストをしよう、合格したらすべて水に流す、出来なかったら医者にかかれと言い出します。
コーキーはやむなく従いますが、結局5分も待たぬうち恨み言になり、まもなくファッツを操り凄まじい勢いで喋り始めます。
ため息をつき立ち上がったベンは、留めようとする彼に「俺はこの世界で飯を食ってる男だ。脅しは効かん、チャンスにはまだ間に合う、医者にかかるのが先決だ」と言い去ろうとします。
コーキーはファッツを手離し彼を止めようとしますが触るな!と恫喝され、チャンスを奪う気なの?と鼻声で聞きます。ベンは「俺を信じるんだ」と言い去って行きます。

ファッツはコーキーに「あんたは奴の言うとおり異常だ」と言い、お前は奴を殺そうとして失敗した、このままじゃマズい事になる、病院に入れられ彼女ともお終いだ、俺を使って奴を殺せとそそのかします。コーキーは岸辺を歩くベンに襲いかかり、ファッツで頭を何度も殴打します。
ベンが動かなくなった時、母屋からペグが出てきて、アスパラガスとインゲンどっちがいい?と聞かれます。彼は狼狽えながらもなんとか答え、考え事をしてたと言い訳しますが、私の事?気が変わった?と言われそんなはずないと答え、ようやく彼女は納得し笑いながら戻って行きます。
その時、ベンには微かに息がありましたが、ファッツが「ひどいよ!頭が割れた」と騒ぎ、彼は何の衒いも無くファッツを抱き上げ、今すぐ手当してやるからなと小屋に持ち帰り修理します。
コーキーは自首すると言いますが、そうなりゃ病院ではなくムショ送りだ、奴の身分証を奪って時間稼ぎをし、死体は湖の真ん中に沈めろと言います。彼は何とか湖を泳いで死体を運びますが、途中でベンが息を吹き返して格闘となり2人の姿が見えなくなります。
ファッツはそれを小屋の窓辺からじっと見ていました。

【転】- マジック(1979)のあらすじ3

翌朝、コーヒーが入ったと呼ぶペグに応えたのは、明るい顔のコーキーでした。
彼女は、デュークが昨夜遅くに戻り今も監視してると言いますが、声は母屋までは届きません。コーキーは、君とまた寝たい、君の胸はルーヴル美術館に納められるべきだ、だからあの男と別れてくれ!と微笑みます。彼女は少し照れ、嬉しそうに帰って行きます。
ディーン似だったデュークは額が禿げあがった田舎のオッサンになっていて、不動産屋から小物商に転職しそこそこ忙しそうでした。彼はファッツを抱えて現れたコーキーを訝しみますが、ファッツの軽妙な下ネタにウケて気づかぬまま仕事に行き、残った2人はそっと手を握り合います。
また、森でベンのキー付きのロールスロイスがデュークに見つかった時も、コーキーは、仕事で揉めて隠れてたが、車の持ち主であるマネージャーが探しに来たらしい、電話をかけてみると言い、デュークに車を動かすよう頼みます。
そして電話口で、気まぐれはいつもの流儀で、ベンは車が故障したためヒッチハイクで帰ったというていでベンと話す芝居をし、デュークが帰って来ると聞き、あれがペグだ、今は既婚者だが旦那と別れて俺と結婚すると言ってる、俺の支えだと話し、ペグを納得させます。
けれど彼女と二人きりになったデュークは、どう見てもあの男は様子が変だ、車が故障したと言ってたがちゃんと動いたと言い、年寄りだから置いてったんじゃない?ととぼけるペグに、年寄りだといつ聞いたんだ!ベンが来た時2人で散歩中だったそうだが寝てたんじゃないのか?!この売女!と怒り、彼女を突き飛ばします。彼女は寝てない!と言い張って彼を拒絶し、手を離した瞬間「寝たかったけどね」と言い捨てます。

また、デュークはコーキーをボートに呼び出し湖に漕ぎ出します。彼は湖面を気にするコーキーに、彼女はあんたと寝たと言ってた、いや正しくは”寝たかった”と言ってた、あんたはどうなんだと聞きごまかすうち、実は不動産屋も辞めたんじゃない倒産した、彼女と結婚して以来ついてないとこぼし、それでも別れたくないと打ち明けます。
その時ちょうどデュークの釣竿がしなり大物だと騒ぎ始めますが、コーキーは急に漕ぎ出して邪魔をし、デュークに襲いかかろうとオールを構えます。けれど掛かったのは木の枝で、デュークは間もなく岸辺に倒れているベンに気づきます。
2人は彼に駆け寄り、デュークは、ロールスロイスの男か?と聞き、コーキーがとぼけて身分証を探させるうち、生きてるかもしれないと言い出し、彼に救急車を呼びに行かせます。デュークは人工呼吸を試みますがベンは生き返らず、なかなか戻らないコーキーの小屋に合いカギで忍び込み、血だらけのファッツのかつらとベンの身分証を見つけます。
ファッツはそんな彼をずっと見続けていましたが、ようやく気づいた彼が抱き上げた途端、ナイフで刺され、首を掻き切られ息絶えます。
人形の後ろに隠れていたコーキーは「何てことするんだ!」と叫んで飛び出しますが、ファッツは落ち着いた声で俺を起こせと言い、まず顔の血を拭いて吐き気を止めてから、2人の遺体をシーツでくるみ石の重りをつけて湖に沈めちまえ、それが出来たら「一石二鳥だ!やったぜコーキー!」と言ってやると言います。

全てを終えた彼はシャワーを浴び、ボートに乗っていたペグに「大変だったね」と声を掛け、デュークは俺が君と寝たことを認めないから怒鳴り散らして狩りに出かけたと言い、改めて「俺と一緒に行くかい?」と聞きます。
彼女は浮かない顔であなたに決めたと言いますが、結婚の失敗は2人の責任で彼が帰ったらちゃんと話してから行くと言い、互いに荷作りしながら彼の帰りを待つことに。
コーキーはお揃いのセーターを着たファッツを箱にしまいながら、新婚旅行は水入らずで行きたいんだと打ち明けます。ファッツは箱の中で呆れ、やがて「全てバラすよ」と言い出します。「メロディ湖には死体が2つもありますよ!」と夜中に唐突に叫び出してやると言うのです。
コーキーはファッツを箱から出してぶら下げ「言えるはずない、俺は正常なんだ」と呟きます。

2人は別々の家でデュークを待ちますが、戻るはずもありません。
夜になり、ペグは酒を持って彼の小屋に来て「怖くなっちゃった」とこぼし、夜の森で彷徨う夫を案じます。コーキーはそんな男は放っといてともかく出ようと説得しますが、彼女は直に話してからでないとダメだと言い張りケンカになります。けれどコーキーがファッツを使って和ませようとするうち、彼女は手品を見せてと言い出します。
ファッツは、例の”読心術”をやろうか、でも俺はトリックしかできないと言い、眉を顰める彼女にあっさりネタばらしをし、「こいつはいつもこの手で女を口説くんだ、心を覗くだなんてウソに決まってる、女なんて単純だからイチコロさ」と嗤います。
彼女は泣きながら飛び出し、必死で止めるコーキーを振り払い「人でなし!笑ってたのね!」と叫んで母屋に駆け戻ってしまいます。

【結】- マジック(1979)のあらすじ4

コーキーが小屋に戻るなり、ファッツは「なんであんなこと言ったのか解るか?俺は自分で喋れる、俺を黙らすなんて無理だよ」と怒り「コンビのお前をずっと立ててやってた、でもつれなくしたからコンビは解消だ!お前は俺のおかげで成功したんだ!お前に一人舞台は無理さ!俺とお前は一心同体なんだ!」とまくし立てます。
コーキーはファッツに四つん這いになんなと言われ犬のように床を這いずり、お礼を言わされ、言われるまま狂ったように動きますが、「ナイフを取れ!」と言われてようやく止まり聞き返します。
彼は子供のような返事をして喜んでナイフを取ってきますが、ファッツはそれでペグを刺せと言い、「殺したくってうずうずしてるくせに。相変わらず優柔不断だな」と嗤い、必死で拒絶するコーキーに「オツムの調子はどうだい?頭痛がするだろ?」と囁きます。
彼は鏡に額を押し付けて呻き、ファッツに助けを乞い、自分で額を離して助かったと呻きます。ファッツは逆らえばまたやるぞと脅し、「ペグにそのナイフを突き立てて、別れのキスをして来い」と囁きます。

間もなく寝室で横になっていたペグの元に”ファッツ”がやってきてドア越しに話しかけます。
彼女は「やめて、コーキー」とため息をつきますが、彼はファッツだと言い張り、俺が仲を取り持ってやるよと言い、コーキーの手作りで別れの印だという木彫りのハートを置いてくよと言い、足音が遠のきます。
彼女は少し考え、ドア越しにいるんでしょ?と声を掛けますが、彼は「会いたくなったら呼んで。ペギー・アン・スノウ、いつまでも君を忘れないよ」と優しく囁き気配が消えます。ドアの外には可愛らしい木彫りのハートが置いてありましたが、コーキーはナイフを構え、柱の陰に隠れています。彼女は微笑んでそれを拾い、胸に抱きます。

コーキーは血だらけのナイフを床に投げ、ソファに座り込み「喜んでたよ、もう何も思い残すことは無い、俺がマジックじゃなく喜ばせたんだ」と笑います。ファッツは向かいのソファに座り、「なぜだかひどく腹が痛い」と言いますが、それはコーキーが自ら刺した傷の話で「俺はもうすぐ死ぬからさ」と呻きます。ファッツは「置いてかないでよ」と言い、コーキーは呻きながら隣に座り「なぜペグと行くのをやめたの?」と言うファッツに、きっとフラれたさ、俺にはいつもお前がいた、1人じゃ話もできないからと言います。
ファッツは「君は独りだ。いつもそうだったさ」と言い、先に死ぬなんてイヤだなと呟きます。彼は「2人一緒だよ…多分」と言い、ファッツにもたれ息絶えます。

間もなく、暗い湖にぽつんと浮かぶ小屋の玄関灯に向かって彼女の呼ぶ声がします。
「コーキー!あなたと一緒に行く!今度こそ決まりだわ、ねぇ!また心変わりするかもよ?意地悪する気?」…彼女はトレンチコートを着て、木彫りのハートを弄びながらファッツの口真似をして笑っていました。
「こんなチャンスは滅多にないぜ!おい!」

みんなの感想

ライターの感想

ファッツ人形が恐ろしく一見人形ホラーに見えるのですが、ホプキンスの差し迫った演技が素晴らしく、追い詰められるほど凄みを増していきます。個人的にはベン役バージェス・メレディスが追いすがるコーキー役ホプキンスを「俺に触るな!」と恫喝するシーンが一番怖かった。それが本気の嫌悪なのか、嫉妬なのか、単に芝居なのか、今となっては確認しようがありませんが。
ペグ役アン=マーグレットの無邪気な可愛らしさはマジでヤバい。旦那役エド・ローターもただの田舎もんでそんなに悪い奴ではないのに可哀想。当時はカレン・ブラックが呪いのインディアン人形と格闘する「恐怖と戦慄の美女」があったり、「エイリアン」が大ヒットしてたりであまり目立たなかった佳作です。若き日のホプキンスなら前年の「オードリー・ローズ」より絶対こちらがおススメです。

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