映画:マッドボンバー

「マッドボンバー」のネタバレあらすじと結末

マッドボンバーの紹介:70年代LAで発生した連続爆破事件と犯人の目撃者である連続レイプ魔を追う刑事の攻防を描いた、1972年制作のクライムサスペンス。原作はマルク・ベーム、特撮映画などで知られるバート・I・ゴードンが製作/監督/脚本/撮影を務めた。犯人役を「デビルス・ゾーン」のチャック・コナーズ、「悪魔の沼」のネヴィル・ブランド、刑事役をドラマ「ベン・ケーシー」のヴィンセント・エドワーズが演じた事で話題になった。

あらすじ動画

マッドボンバーの主な出演者

ジェロニモ/ミネリ警部補(ヴィンセント・エドワーズ)、爆弾魔ウィリアム・ドーン(チャック・コナーズ)、レイプ魔ジョージ・フロマリー(ネヴィル・ブランド)、ドーンの娘アン(ナンシー・ホノルド)、ドーンの元妻(シンシア・マカダムズ)、フロマリーの妻(イロナ・ウィルソン)、フォースター主任(テッド・ゲーリング)ほか。

マッドボンバーのネタバレあらすじ

【起】- マッドボンバーのあらすじ1

70年代のロサンゼルス。2mの長身に長いアゴ、分厚く小さな縁なしメガネのウィリアム・ドーンは、義憤に燃える男です。今日も路上でゴミを捨てた男を問い質し「私は街を汚す豚です」と言わせてゴミを拾わせます。 
また高校では、妊娠した友人の噂をする女子高生を見て、死んだ愛娘アンに想いを馳せ、紙袋を持って校内に入りすぐに出てきます。その直後、大爆発が起こり数人の生徒が無惨な姿で死亡します。
彼は、自宅で目覚まし時計をタイマーにした爆弾を作り、それを2重の紙袋に入れて持ち歩き、不埒な輩に制裁を加える爆弾魔なのです。

一方、彼が爆弾を仕掛けに入ったノースリッジ州立病院では、聾唖の患者マーサが備品室に人形を取りに行き、レイプ魔に襲われていました。爆発はその凶行の最中、備品室の地下で起こりますが、マーサは無事でレイプ魔は逃亡します。
捜査にあたったミネリ警部補は、犯人はレイプ魔と爆弾魔の2人と断定、備品室に隠れていたレイプ魔が、爆弾を仕掛けに入った爆弾魔を目撃したと推理し、爆弾魔の目撃者としてレイプ魔を追う事に。

ドーンが信号無視の車に絡んでいた頃、ミネリは、同様の手口でレイプされたストリッパーに聞き込みをしますが、彼女は「男は皆こんな仕事の女なら犯していいと思ってんのよ」とぼやき、顔はよく分らなかったと言われます。ミネリは「職業は関係ない、俺も奴を殺してやりたい」と呟きます。
ミネリの上司のフォースター主任は「爆弾魔を最優先で捕まえろ!」と檄を飛ばしますが、唯一の共通点は爆弾だけで、犯人像も掴めておらず動機も不明です。
ミネリは「動機も手口も明らかな目撃者のレイプ魔を捕まえ、爆弾魔の顔を吐かせるのが一番だ」と主張しますが、彼らが揉めている最中、ダイナマイトで武装した犯人による強盗・立てこもり事件が発生、ミネリは現場に急行して犯人を射殺、直後に大学の女子寮で爆弾が見つかりますがフェイクでした。

その間もドーンはせっせと爆弾を作って街をうろつき、絡んできた若いチンピラを叩きのめし、立ち寄ったスーパーでは「広告通り値引きしろ!」とゴネますが、誰もが紙袋を抱えた気難しい大男=口うるさく面倒くさい彼に眉を顰め、なんとかやり過ごそうとするだけで、彼の行動に不信感を抱く者はいませんでした。
一方、レイプ魔ジョージ・フロマリーは、住宅街を物色して目をつけた青いドレスの女を出掛けに襲い、彼女の車で森まで運転させてレイプし、殺害します。

ほどなくしてドーンは、新聞社に「私に不正を働く連中を罰せねばならない。私が裁く大義のため爆破を続ける」といった内容の声明文を送り付け、一方で、ホテルで開かれていた女性の人権やフリーセックスを訴える集会に爆弾を仕掛け、爆破します。
もちろん、途中立ち寄ったレストランでも、彼の目を見ず応対したウェイトレスを叱りつける事は忘れませんでした。
ミネリは、その声明文をコンピューターにかけて精神分析を行い、「犯人は偏執狂で被害・迫害妄想、前科は無く金銭目的でもない。自身を仕置き人と思い込んだ復讐。行動パターンを解明せよ」との回答を得ます。
また、女性警官によるおとり捜査では、数十人のレイプ犯を検挙、ミネリは犯人を撲殺しそうな勢いで捜査に当たり、ついにフロマリーが網に掛かります。

【承】- マッドボンバーのあらすじ2

ミネリは自身のオフィスにフロマリーを連れて来させ、前科8犯の事実を突きつけ尋問しますが、彼はふてぶてしく名前を言うだけで、爆弾魔の証言も「弁護士に相談してから」ととぼけるため、入院中のマーサに面通しをする事に。けれどその直前、マーサは病院の屋上から飛び降り、亡くなっていました。
フロマリーは若い妻との間に3人の幼い子供がおり、自宅の大きなプール脇の小部屋にカギをかけ、自室としていました。
ミネリは、「夫とのセックスはノーマル」「その部屋には誰も入れない」「病院が爆破された日は自宅にいた」と抵抗する妻の話を聞き流し、カギをこじ開け中に入ります。
部屋は全裸の妻の写真だらけで、映写機に掛かっていたフィルムも妻のポルノでした。
ミネリは一旦フロマリーを釈放しますが、離婚した妻からは再婚の知らせが届き、妻に引き取られた一人息子の行く末を案じます。

警察は、「君の声を社会に伝えたければ自首したまえ。我々は君を正当に扱うつもりだ」という旨の、爆弾魔宛ての声明文を新聞告知しますが、それを読んだドーンは憤慨し「社会は私の声を聞きのがした。もう手遅れだ。裁きと罰を受けるがよい。警察は私を捕まえようと必死なようだが、そんなことよりやるべき事があるはずだ。これは警告だ。警察も処罰する」と封書で回答します。
それを投函する際も、パトカーの若い警官と目が合い言いがかりをつけますが、警官の反応も皆と同じ冷ややかなものでした。

追い詰められたミネリはフロマリーを別件逮捕し、射撃場でピストルを突きつけて脅し、爆弾魔のモンタージュ作成に協力させ、そっくりな似顔絵を作ります。
彼はそれを病院の看護師に見せ「ヘロイン中毒で9カ月入院し、爆破事件前日に亡くなった娘の父親、ウィリアム・ドーンだ」という証言を得ます。

ミネリは早速警官隊と共に、ドーンの自宅アパートに踏み込みますがドーンは留守で、作りかけの爆弾や「なぜ罰せられるのか、世間は知る必要がある」という書きかけの声明文、彼が日頃聞いている娘からのプレゼントのカセットテープなどを見つけます。
その家族写真は、皆朗らかに微笑み、ドーンも気難しく神経質そうな今の顔とは別人のように明るく笑っています。
その捜査中、外出から戻ったドーンは、騒ぎを見て物陰に隠れ、逃亡します。

ドーンの妻は、それでなくとも打ちひしがれた様子で「娘の葬儀の後は彼と会ってない」「夫はここに来るはずない。彼は娘を可愛がってた…麻薬の事を知るまでは」と打ち明け「娘なんか産まなきゃよかった」と泣いていました。
一方、司法取引で無罪釈放となったフロマリーはマスコミに対して、強姦容疑に関しては全てノーコメント、爆弾魔に関しては「ブチ込むべきだね」と答えます。
自宅に戻ったフロマリーは、早々に自室にこもり、妻のポルノをオカズに自慰に耽ります。
方や行き場を失ったドーンは、公園で人目もはばからずイチャつくカップルを見て娘を想い、フロマリーの自宅に向かいます。
ドーンがフロマリーの自室の窓から爆弾を置いた直後、フロマリーは絶頂に至ると同時に爆死します。

【転】- マッドボンバーのあらすじ3

ドーンの家宅捜査でミネリは、これまでの爆破事件に関連する日の新聞が、日記代わりに保存してある事に気づきます。
それには初めに爆破された高校で、生徒だったドーンの娘が麻薬所持容疑で逮捕された記事、第3の標的だったホテルでホテルマンを暴行したとしてドーンが連行された記事などがあり、一番古い1年半前の新聞には、ハーベスター工業野球部のバス事故の記事があり「3人が死亡、5人が入院して危篤状態」とありました。
ミネリはそれを次の標的の手掛かりと見て、聞き込みに行きます。

彼の読み通り、ハーベスター工業は以前ドーンが勤務していた会社で、野球部員だった彼は、バス事故で背中を痛めたとして会社に巨額の賠償金を要求、会社側は「診断書が無かったため物別れに終わった」「嘘つきなのかイカレてるのか分らない、保険金すら下りなかった」「それから何通か脅迫状が届いたが、1年ほど前に止まった」と話し、最後の脅迫状をミネリに見せます。
ミネリは工場にライフルを装備した刑事らを配置、ドーンを待ち伏せする事に。
その最中、彼はイラついて同僚刑事に当たり「俺が私怨でやってると思ってんだろ?!刑事じゃなく歯医者になればよかった」とぼやき、「刑事じゃなきゃ犯罪者でしょ」と呆れられます。
ほどなくしてドーンが、盗んだサイドカーで現れますが銃撃され、ダイナマイトを積んだバイクをドラム缶に突っ込ませて爆発させ、その隙に逃亡します。

ドーンからはすぐに警察宛ての声明文が届きます。
「警察のせいで最後の仕事がダメになった。おかげで罰は社会全体に与えばならない。私は今、1区画を破壊できるダイナマイトを積んだ、赤いバンで街を走ってる。
起爆スイッチは私のすぐ近くにある。君たちに止める術は無い。もはや絶望的な状況だ。ただ指をくわえて見てるがいい。もしスイッチが作動しなくても、結果は変わらない。
私は人通りの多い道を選んでる。人口密集地のどこかで、大勢を道連れにし死ぬ。これで全てが良くなるのだ」
ミネリたちはフォースター主任のオフィスでそれを聞き、主任はすぐに「赤いバンを発見して監視しろ!しかし爆発物を積んでるから刺激するな」と緊急命令を出し、間もなくバンが発見されます。
ミネリは、すぐに狙撃するよう激怒しますが却下され、「何百人もが死ぬのを黙って見てろというのか!」と怒鳴って出ていきます。

【結】- マッドボンバーのあらすじ4

ドーンの車は、オレンジのシボレー・シェビーバンで、ウィルシャーを走行中発見され、ビル街からダウンタウンを通りサンディエゴ高速を南下、後部の広い荷台には、木箱入りのダイナマイトが山と積まれています。
ミネリは、彼の車にぴったりと張りつき、ピコ方面に向かう途中の停止信号で右隣に付け、ピストルを手にしますが、信号が変わりチャンスを逃します。
けれど間もなくドーンは高速を降りて北へ向かい、ミネリは追跡を断念せざるを得なくなります。しかし捜査本部にいる主任には「ヤツは決まったルートをもう5周も廻ってる」と言われます。
娘が通っていた高校、オリンピック通りを南下し、暴行騒ぎを起こしたホテルの前を通過、サンタモニカ、コロラド通りを経て、娘が死んだ病院の前を通過、ビジネス街を通ってダウンタウンへ…。そのコースが、ドーンの私怨に基づいている事は明らかでした。

その頃バンは、ブロードウェイの大交差点の信号で停止、ドーンは起爆装置に手を伸ばしますが、信号が変わって再び走り始めます。
しかし、ビルを廻った直後、大型トラック行く手を遮られ、背後も大型トラックに塞がれます。つまり、警察は先回りして被害が最小限になるよう、バンをビルの狭間に封じ込めたのです。
気づいた彼は、思わず起爆スイッチのレバーを降ろしかけますが、そこに元妻が現れ、悲しそうに彼の顔を見つめ、歩道を歩き始めます。

ドーンにとってそれは、優しく微笑む娘の姿でした。
彼はバンを何度も振り返り歩き続ける娘に、寄り添うようにゆっくりと走り、彼女がトラックが止まっている角を曲がった時、数本のダイナマイトを抱えて車を降り、その姿を眼で追います。
しかし、トラックの裏にはミネリがいて、慌てて逃げ出した彼を背後から撃ちます。
ドーンは路上に倒れ、ダイナマイトを拾おうとした瞬間大爆発し、彼の頭部は木っ端微塵に吹き飛びます。
青空の下、ミネリはその無惨な遺体を無言で見下ろし、去っていきます。

みんなの感想

ライターの感想

70年代によく洋画劇場でかかった作品なのですが、特に評判だったのはエロスと暴力。
個人的には”マッドボンバー”チャック・コナーズの異様な風貌と、クソ真面目で口うるさいのに、どこか小心で間がヌケてる、いいようの無いうら寂しさがたまらなかったという怪作です。作中、彼が娘を想うたび、娘からもらったフォークソングが流れるんですが、それがまた染みるんですよ。
対するレイプ魔フロマリーは「悪魔の沼」の大鎌殺人鬼を演じた怪優ネヴィル・ブランド。この2大怪人を追う、これもまたヒリヒリとした義憤を抱える刑事が、日本での最高視聴率50%超だった人気ドラマ「ベン・ケーシー」のヴィンセント・エドワーズっていうのもたまらない魅力でした。
TV放映ではズタズタにカットされてたそうですが、なにせ遠い記憶だし、再リリースされたレンタル版DVDでも特に違和感なく視聴できました。(ちなみに吹き替え版ではミネリ警部補が(多分そのキャラクターから)”ジェロニモ”と呼ばれていたようなんですが、本作中にはそれに触れるエピソードが無かったので、ミネリ警部補とさせていただきました)。
国内初となるBlu-ray版では様々な特典があるそうなので、興味のある方はぜひ。
ちなみにレンタル版でもボカシなどは無く、特殊メイクもある意味生々しいんですが、強姦殺人なのに捜査すらされない、被害者が自殺しても問題にされないなど、イマドキの女性にとってはかなり差別的な内容なのでご注意を。

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