映画:マルタイの女

「マルタイの女」のネタバレあらすじと結末

マルタイの女の紹介:1997年公開の日本映画。殺人事件の現場を目撃してしまった女優が、身辺保護の刑事に守られながら困難を乗り越え、裁判で証言台に立つまでの姿を描いた社会派コメディ。監督・脚本は「スーパーの女」の伊丹十三で、これが監督としての第10作目だったが、映画が公開された後の97年12月20日に突然の飛び降り自殺をしてこの世を去ったため、同時に遺作ともなった。

あらすじ動画

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マルタイの女の主な出演者

磯野ビワコ(宮本信子)、立花刑事(西村まさ彦)、近松刑事(村田雄浩)、大木珠男(高橋和也)、真行寺編成局長(津川雅彦)、二本松弁護士(江守徹)、波多野管理官(名古屋章)、ナカムラ(山本太郎)、エイジ(木下ほうか)、教団幹部(隆大介)、小清水マネージャー(近藤芳正)、お手伝い・三輪(あき竹城)、劇場プロデューサー(三谷昇)、検事(益岡徹)、警視総監(宝田明)、稲村刑事(六平直政)、トロと呼ばれる刑事(伊集院光)、先輩刑事(不破万作)、ミドリ(早乙女朋子)、出前持ち(ラッキィ池田)、大山弁護士(仲谷昇)、劇団プロデューサー(加藤善博)、夫役の俳優(小日向文世)、医者役の俳優(河東燈士)、看護婦役の俳優(小島聖)、留置場の係官(矢野宣)、係長(松井範雄)、劇場所轄の刑事(宮坂ひろし)、ニシ(津久井啓太)、取材記者(津村鷹志)、取材記者(堀勉)、ミッチャン(楠木涼香)、映画監督(小林克也)、キタムラ班長(高橋長英)、ナカムラの妻(朝岡実嶺)、大木の共犯者(佐藤亮太)、襲撃する信者(ジーコ内山)、映画の中の刑事(渡辺哲)、映画の中の犯人(有薗芳記)、映画の中の犯人の妹(大田沙也加)、報道陣(諏訪太朗)、救急隊員(阿南健治)、救急隊員(遠山俊也)、 大山弁護士夫人(稲川実代子)、チョコレートの若者(高良与一)、小唄のお師匠さん(千葉千恵)、日本舞踊のお師匠さん(猿若清三郎)、ジャズダンスの先生(宮崎渥巳)

マルタイの女のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①女優のビワコは、カルト教団「真理の羊」が起こした事件の目撃者となる。証言台に立つとマスコミの前で言ったことで狙われるビワコはマルタイになり、2人の警護者がつく。 ②ビワコは教団側の脅しに屈せず、立花と近松がビワコを守りとおした。

【起】- マルタイの女のあらすじ1

マルタイの女のシーン1 (「マルタイ」=「護衛対象者」。対象の「対」に、「丸」文字。警察用語。)


〔女優ビワコ〕

平成7年10月22日。

磯野ビワコは、大女優です。
名の知れた女優ですが、44歳という年齢もあり、落ち目でした。
気が強いビワコは、撮影現場でもわがままで、付き人の若い子を泣かせて追い出します。
マネージャーの小清水に、あとで「私そんなに嫌な女かしら」とビワコはしれっと言いました。


〔事件〕

駆け出しのころに所属していた事務所の跡地で、ビワコはよく台本を読んで稽古をします。
ビワコはこの日も、草ぼうぼうの跡地でひとり、脚本を持って立ち稽古をしていました。

ビワコがいる場所の近所に、大山弁護士夫妻の家があります。
宅配便を名乗って扉を開けた犯人・大木珠男は、大山の妻・ミチコを銃で射殺しました。
気づいた大山が猟銃で応戦しますが、大山も銃弾に倒れます。

銃声で目撃したビワコは、それを見て思わず悲鳴を上げ、大木に気づかれました。
弾がなくなったので、大木はビワコを殴りつけると、ナイフで刺そうとします。
そこへ車が通りかかり、ヘッドライトの明るい光が差し込みました。
大木は逃亡し、ビワコは大山弁護士のために救急車を呼びます。

救急車の中で、大山弁護士は亡くなりました。
ビワコはそれを見てパニックに陥ります。


〔病院〕

目撃者のビワコは、警察から詳しく聞きたいと言われました。
病院の外には、マスコミがすでに詰めかけています。

ビワコを知る救急隊員が、裏口から逃がしてくれようとしましたが、警察がビワコを取り囲みます。
管理官の波多野が名乗り、ビワコに同行を願います。


〔現場検証〕

そのまま先の現場に戻ったビワコは、波多野管理官、稲村刑事たちの前で現場の再現をします。
「さすが本職!」と言われ、ビワコの演技に熱が入ります。


〔記者会見〕

ビワコが関わっていたと知り、マスコミが群がりました。
警察はビワコに、余計なことを口外するなと口止めします。
秘密の暴露についてビワコに説明したのですが、ビワコはマイクを向けられると、べらべら話してしまいました。


〔真理の羊〕

カメラの前で威勢のいい話をしていたビワコですが、少し冷静になると、口止めされていたことを思い出し、しゃべるのをやめます。
マスコミにおだてられたビワコは、カメラの前にいるであろう犯人に「あんた自首しなさい」と説得を始めました。

それをテレビで見ていた犯人・大木はあきれますが、上層部が「くにに帰って潜んでいろ」と命じます。

ビワコは今回の事件が単なる強盗ではなく、宗教団体が関係していると知りました。
新興宗教の「真理の羊」というカルト教団が、大山弁護士に恨みを持っていたのです。
犯人の大木は、真理の羊の信者でした。
大山弁護士は、真理の羊の被害者の弁護をしており、大木が邪魔者と思って始末したのです。

それを聞いたビワコはカメラの前で、証人になって証言台に立つと宣言しました。


〔翌日〕

警視庁は有名人のビワコに、身辺保護のSPをつける決断を下しました。
ビワコをよく知る、ミーハーな刑事・近松と、職務に厳しい立花刑事です。

落ち目とはいえ名の知れたビワコが関係している事件なので、翌日のスポーツ新聞の第一面には、ビワコがでかでかと載っています。
しかも新聞各紙で、ビワコは英雄扱いでした。
殴られたビワコのもとに、関係各社から胡蝶蘭のお見舞いが届きます。

ビワコはテレビ局の編成局長・真行寺に気をつけろと、心配されました。
ビワコと真行寺は古くからの付き合いで、既婚者の真行寺とビワコは不倫をしています。

【承】- マルタイの女のあらすじ2

マルタイの女のシーン2 〔モンタージュ写真〕

逃亡犯のモンタージュ写真を作るということで、ビワコが呼ばれます。
パソコンの画面を見て、目や鼻や口の特徴を言うビワコは、早くもうんざりしていました。
証人になるとマスコミの前で言ったものの、女優の仕事の合間にこうして次々に呼びつけられて、辟易します。

証人になっても一文の得にもならないけれど、尊敬されると近松から聞いて、それだけがビワコの心のよりどころでした。


〔身辺保護〕

近松と立花がビワコにくっついて、一緒に移動する日々が始まります。
ビワコは、自分が「マルタイのB」と呼ばれていると知り、理由を聞きました。
マルタイは保護対象者のことで、BはビワコのBだと教わります。


〔身辺保護の日々〕

大の大人2人を従えて歩くのは、痛快でした。しかしそれも少しの間です。
2人がずっと自分の身辺にくっついて回るので、ビワコは鬱陶しく思います。
トイレすらままならない状態に、ビワコは憤りを覚えました。

それは、近松と立花も同様でした。
ビワコのファンの近松は、ビワコが唄、日本舞踊、ダンスの稽古に連日、真剣に取り組んでいるのを見て、目を丸くしました。
芸能界にうとい立花ですが、やはりビワコが連日勉強しているので、感嘆します。
水泳のトレーニングでは、35分泳ぎ続けていると知り、おどろきました。


パーティーに出席したビワコは、中華料理を食べますが、護衛の2人は店の外で待機しています。
申し訳なく思ったビワコは、店の人に頼み、2人にも料理を差し入れしました。
立花と近松は喜びます。

映画の試写会に2人を同行したビワコは、映画のストーリーを真に受けて立花が席を立つのを見て、面白がります。
立花の父親も警察官で、その影響で立花も刑事になったと聞き、ビワコは「私は学芸会の女王がそのまま女優になった」と答えます。

最初はビワコに反感を持っていた立花ですが、一緒にいて会話をするうちに、次第に打ちとけていきます。


ホテルの部屋をとったビワコは、「ここでセリフを覚えるから、明日迎えに来て」と言い、立花と近松を帰します。
立花と近松は、そのままホテルのサウナでビールを飲み、過ごしました。

ビワコはその部屋で、真行寺とあいびきをします。
既婚者の真行寺は、こっそりと部屋を出ていきますが。そのことを、真理の羊が突き止めました。


〔逮捕〕

いなかの警察署に勤務するグルメが好きなトロ刑事は、インテリでサリンジャーの本を読んでいます。
「犯人が喜びそうな遊びを覚えろ」と言われ、カラオケに行ったトロは、そこで潜伏していた大木を見つけます。
指名手配のファックスを見ていたので、トロは大木を追いかけて田んぼで格闘し、そのまま逮捕しました。

【転】- マルタイの女のあらすじ3

マルタイの女のシーン3 〔面通し〕

容疑者逮捕の知らせで、すぐにビワコが呼ばれます。
マジックミラー越しに確認したビワコは、大木が犯人だと証言しました。


〔自供〕

波多野管理官は、「真理の羊」について勉強していました。
教団内部のことを書籍で知った波多野管理官は、大木の幼少期の話を聞き、グルという教祖がいかに大木を「救済」したかについて質問します。

大木は最初、波多野管理官を警戒し、ろくに話をしません。
大木の家族が面会に来た際に、波多野管理官は「腰縄を外してやれ」と言います。
繋がれた父親を子どもに見せたくない、大木は逃亡するつもりはない…それを聞いた大木は、波多野管理官に感動しました。
大木は自供します。


〔弁護士〕

大木が自供したと聞き、弁護士の二本松は怒ります。
しゃべったのは仕方がないが、法廷ではひっくりかえせ(否認しろ)と、二本松は大木に指示します。


〔警告〕

二本松ら「真理の羊」側は、証人のビワコを脅そうと考えます。

「真理の羊」側は関東電力の工事業者を拉致し、ビワコの家に入り込んで愛犬を殺害し、遺骸を冷蔵庫に突っ込んでいました。


〔その夜〕

犯人が自供したお祝いをしようと、立花と近松を引き連れて帰宅したビワコは、愛犬の遺骸を見つけて半狂乱になります。
マスコミの前に立って、「真理の羊」側を挑発するようなことをするなと言われたビワコは、マスコミにも声明文で答えました。
カメラの前に立たないようにします。


〔仕事〕

それでも仕事をしないわけにはいかないので、ビワコは撮影に出かけます。
「真理の羊」がビワコを狙っていると知り、付き人の小清水は、「真理の羊」にビワコと真行寺の不倫が露見していないか、心配しました。
警察側から漏れることがないかとも、心配します。


〔部隊〕

ビワコがクレオパトラの役で舞台に立ちますが、護衛の立花もエキストラとして出演することになりました。
メイクをほどこされた立花は、慣れない場所に立つことに緊張します。

エキストラでセリフもない役の立花は、「ずっと立ってて、最後に死ぬ役」と、ざっくりと説明を受けました。
舞台で立花はどう振舞えばよいか分からなくなり、奮闘します。

芝居は成功しました。
カーテンコールのときに、観客席から走ってくる男がいました。
立花がかばい、ビワコは楽屋に逃げ込みます。
楽屋には二本松がおり、真行寺との不倫をマスコミに漏らすと脅しました。
現金300万円をちらつかせ、口止め料だと言います。

【結】- マルタイの女のあらすじ4

マルタイの女のシーン2 プライドが傷つけられたビワコは、むっとして人を呼びました。二本松を遠ざけます。

二本松の脅しをはねつけたビワコは、スキャンダルが想像つきました。
すぐさま真行寺に電話をかけて呼び出すと、ふたりの関係が知られたことを告げます。
真行寺は、自分の側のことは「なんとかする」と言い、ビワコを責めませんでした。

しかし関係が露見するということは、別れを意味します。
「もう会えないのね」と嘆き、真行寺とビワコは別れます。


〔翌日〕

真行寺とビワコの不倫が、マスコミに書き立てられます。
舞台の客は奥様連中であったので、ビワコの好感度が落ちたことで客は半減し、ビワコは舞台を降板になります。


〔検察庁〕

裁判の証人になるビワコは、検事に意地悪な質問をされます。
スキャンダルが暴かれ、真行寺と別れたばかりのビワコは、つらいことばで責められて悲しみますが、裁判の席ではそのくらいきつい言葉をかけられることも予測しておけと、検事は言います。

証人になると言ったことで、愛犬は殺され、不倫が露呈し、検事にひどいことを言われたと嘆くビワコに、立花は、それでも協力してくれと声をかけました。


〔失踪〕

つらいことが重なったビワコは、立花の目を盗んで雲隠れをしました。
立花は、ビワコの思い出の地である稽古場の跡地へ行きます。

想像どおり、ビワコはそこに車を止め、潜んでいました。
しかし「真理の羊」の信者が車を囲み、おおぜいで車を持ち上げて崖から落とそうとしていました。
立花が駆け付けて撃退しますが、銃で撃たれて倒れます。

撃たれた立花に駆け寄ったビワコは、立花が死んだと嘆きました。
立花は防弾チョッキを着ており、死んでいません。
「やるべきことをやったまでです」と答えた立花に勇気づけられ、ビワコも、証言台に立つことを決めます。


〔証言の日〕

…真行寺のもとへ「真理の羊」が押しかけますが、真行寺が銃を取り出し、「真理の羊」たちを撃ったあと拳銃自殺する…という夢を見たビワコは、真行寺ならやりかねないと思いました。

ビワコは立花、近松に守られて護送車で裁判所へ向かいますが、その車にずっとバイク2台がついてきます。
「ファンかしら」というビワコの声で気づいた立花たちは、サイレンを鳴らしてバイクを振り切ろうとしますが、バイクは執拗に追ってきました。

白バイを振り切ったバイクは、金属バットで護送車のガラスを割り、衆人環視のなか、火炎瓶を投げ込みます。
「真理の羊」の若者2人は、ひとりが立花に撃たれて亡くなり、もう1人も逮捕されました。
立花は炎に巻かれますが、ビワコを守りました。
みんなで火を消し、立花を助けます。


マスコミに囲まれたビワコは、向けられたマイクに美しい言葉をならべました。
かっこいいことを言いますが、それらはみんな、舞台や立花たちの言葉の引用です。
マスコミにいいところを見せつけたビワコは、そのまま笑顔で裁判所へ消えていきました…。

(エンドロール)
映画を見終わった警視総監が席を立つと、「身辺保護中の警護対象者が、襲われたことなどはない」と断言します。
その警視総監にはSPが2人ついており、「マルタイのS(警視総監という意味)が映画館を出た」と無線で知らせます。
(この映画を見た警視総監も、マルタイである)

〝この映画はフィクションです。
実在するいかなる人物、団体とも
関係ありません。〟の文字

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みんなの感想

ライターの感想

伊丹十三さんの最後の作品。感慨深い。
伊丹作品の真骨頂。マルサのときのように「知らない世界の豆知識を教えてくれつつ、巧みにリード」「くすっと笑えて、大事なメッセージも込められている」作品。
きまじめな立花と、わがままなビワコが次第に互いを理解していく様子も、ていねいに描かれている。
不倫ではあるけれども真行寺とビワコの純愛(?)が、スキャンダルで別れないとならない。
女優でわがまま放題なのだけれど、裏では地道に努力を続けている。そういったことを見せられ、好感度アップ。
平成、そして令和になると古臭い作品なのかな。それでも興味のある人には、見てもらいたい作品。

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