「ロストアイズ」のネタバレあらすじと結末の感想

ロスト・アイズの紹介:失明し自殺した双子の姉の死の真相を探るうち、自らも視力を失っていき追い詰められていく妹がたどり着く真実とは。じりじりと視界が狭まって行く中、殺人鬼と対峙する恐怖を描いた、2011年公開のスペインのサスペンス・ホラー映画。製作は「パンズ・ラビリンス」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ。監督/脚本は「消えた来客」の新鋭ギリェム・モラレス、共同脚本は「ロスト・ボディ」のオリオル・パウロ。音楽は「クリムゾン・ピーク」のフェルナンド・ベラスケス。ヒロインフリアを「永遠のこどもたち」「海を飛ぶ夢」のベレン・ルエダが演じている。

予告動画

ロストアイズの主な出演者

フリア/サラ(2役/ベレン・ルエダ)、その夫イサク(ルイス・オマール)、看護人イバン(パブロ・デルキ)、ディマス警部(フランセスク・オレーリャ)、ロマン医師(ダニエル・グレオ)、ソレダド夫人(フリア・グティエレス・カバ)、クレスプロ(ジョアン・ダルマウ)、ブラスコ(ボリス・ルイス)など。

ロストアイズのネタバレあらすじ

【起】- ロストアイズのあらすじ1

嵐の夜。ステレオからは優しいラブソングが流れています。全盲のサラは、部屋の隅に向かって、あなたの勝ちだわ、その曲は嫌いだから止めてと言いますが、誰もいません。彼女は手探りで地下室に行き、丸椅子に乗り首吊りロープに首を通しますが、突然振り向き「そこね?騙せると思った?あなたの存在を感じる、動きも臭いもわかる、この悪魔!私が首を吊るのをそこで見てるのね!」…彼女が言い終らぬうちに何者かが椅子を蹴り、苦しむ彼女をカメラで撮影し、住宅街は停電となります。
その頃、ハッブル望遠鏡のセンターにいた妹のフリアは、突然首を押さえ、姉に何かあったわと呟きます。
翌日、彼女は夫のイサクと共にサラの家に行きますが返事はなくドアのガラス戸を割って侵入します。家の中では電気が点かず、イサクが地下で縊死している彼女に気づき、フリアを止めます。
すぐに警察の捜査が始まりますが、イサクは担当のディマス警部に、サラは進行性の視力低下で1年前に失明し、妻も同じ病気だと言い、フリアはそれでも悲観せずドナーを待っていたと話します。
警察が帰った後停電が直り、サラが嫌いな曲が鳴り始めたのを聞いたフリアは、自殺直前に嫌いな曲を聞くはずがない、他に誰かいたのかもと言いますが、イサクは、自殺には彼女なりの理由があったはずだと言い、フリアの病状を懸念します。
サラの葬儀は寂しい物で、サラの隣人のブラスコが娘のリアが親しかったと言い花を手向けに来ます。リアは車から降りては来ませんでした。サラの孤独を知ったフリアは、肩に置かれた手を握り、サラとあなたを許すと言いますが、別の場所で話す夫に気づき振り向きますが誰もおらず愕然とします。

サラの家で、フリアはディマス警部に別な人間がいたはずと迫り、失明した際世話になった近所のソレダド夫人に聞いてみろと言われます。イサクは止めますが、彼女は路地に張られたロープを伝い訪ねます。家に残った警部はフリアが知る前に話せと言いますが彼は時期を見てと答えます。
ソレダドは数匹の猫と暮らす全盲の老女で、サラとはかつて付き合いがあったが、彼女が盲人福祉のバウマンセンターの若者と付き合うようになり疎遠になったと言われます。
彼女はセンターに行き、更衣室でフリアに気づかぬまま噂話を続ける、サラを知る女性たちの輪に入ります。全盲が理由で自殺した気持ちはわかると1人が言うと、別の1人が2カ月くらい前に恋人がいると本人が言ってた、1週間もベリャビスタに行ってたのにと笑います。
が、1人がフリアに気づいて騒ぎ出したため慌てて名乗りますが、皆は男がいると騒ぎ出し、彼女は何者かが逃げるのを見て後を追います。彼女は暗く長い廊下を走り枝道に追いつめますが逃げられ、彼女は明るさに目がかすみ見失います。

戻ったフリアは領収書でホテルを確認し、彼女が謎を追って男に尾けられたと知り怒るイサクを説得し、帰る前にホテルロメオに行きたいと頼み向かいます。そこは景色が自慢の古いホテルでしたが、彼女の視界は狭まり景色がほとんど見えません。
早速フロントで聞くと、スタッフはサラと恋人を憶えていましたが記録が消され、恋人は印象が薄く名も判らず、近所のレストランで聞いてみたらと言われます。レストランでは、フリアをサラだと勘違いしたウェイターと話しますが、彼もまたサラは目に包帯を巻いていたから憶えてるが、恋人はよく覚えていないと言います。彼女はサラが目の手術をした事を知り愕然とします。
彼女は、戻ったイサクに事情を話し、手術をし視力を取り戻すサラが自殺するわけ無いと訴えますが、彼は「ロマン医師から手術は失敗したと聞いた。彼女はそれを苦に自殺したんだ」と打ち明け、泣きながら出て行ったフリアを追いかけて抱きしめ、恋人が葬式に来なかったのは、視力が戻らない彼女を捨てたのだと話します。取り乱したフリアは車に気付かず、イサクにほとんど見えてない事を知られます。
ホテルでフリアは「もしも私が見えなくなったら(捨てるの?)…」と聞き、イサクは絶対にないと断言します。
彼女は狭まった視界で月を見て「昔、”君の瞳の中に宇宙が見える”と言ったわよね。もし、暗闇に覆われたら?」と聞きます。彼は今でも見える、目を閉じてと言います。そして僕が見える?と。彼女は、声を聞き、匂いを嗅ぎ、あなたに触れてキスをすると言い、2人は口づけを交わします。
その夜、ベッドの中で、フリアは「その日が来たら、またあの砂漠に行きたい。最後にあなたと一緒に空を見たいから」、イサクは「幽霊探しはやめて、明日ロマン先生の診察を受ける事」と約束します。

翌朝、2人は出発準備のため分れますが、ホテルの掃除夫のクレスプロ老人が彼女に声を掛け、地下室の彼の住み込み部屋でサラの忘れ物だという鈴の付いたカギを受け取ります。
彼女が恋人の事を聞くと、視界にいても誰からも気づかれず、3回声を掛けても誰も答えない、いないも同然の”透明人間”だった、自分も同類だからわかる、近くの24時間監視カメラがある駐車場にバンを停めたから映像があるだろうと話します。また、その男の瞳には激しい怒りがあったから危険だと忠告しますが、突然話を切り上げ隠れます。同時に何者かが逃げ出し、彼女は追いかけますが、視界が悪く見失い、待っていたイサクに出くわします。
事情を聞いたイサクは激怒し、駐車場には行ったものの彼女に絶対車から出るな!と叱り付け、1人でビデオを取りに行きますが、なかなか戻りません。彼女が警備員室に聞きに行くと、確かに彼はビデオのコピーを持って行ったがその先はわからないと言われます。が、気づくと全てのカメラが止まっていて、間もなく駐車場全体の電気が消え、彼女のすぐ脇にあったビデオのコピー機が盗まれます。
その頃、ホテルの自室で風呂に入っていたクレスプロが、忍び込んだ何者かに風呂場の電気を落とされ殺害されます。
彼女は駐車場で警察に通報して事情を話し、警察官と共にクレスプロの部屋に向かいますが、その時、現場から逃げる途中だった何者かは、誰とも視線が合わず、フリアと警官たちですら彼を無視して通り過ぎます。
警官は老人を事故死と断定し、彼女は病状が悪化して倒れ、担当のロマン医師に病状は最悪で失明は1か月以内、早急にドナーを探し手術するよう、目を酷使したりストレスを抱えないようにと言われます。
彼女が病院を出る時、患者が「イバン」の名札を付けた男性看護人を何度も呼ぶのを目撃します。

【承】- ロストアイズのあらすじ2

ソレダド夫人は、恋人の話は聞いてないと言い、夫は私を捨てないというフリアに、自分は夫に捨てられ初めて認めた、息子のアンヘルも10年間私の面倒を見たが突然去って行ったと愚痴ります。その様子を窓から少女が覗いていましたが、フリアの携帯が鳴って驚き去って行きます。
かけてきたのはディマス警部で、モーテルでイサクのカードが使われ、結婚指輪が残されていたと言うのです。現場に行った彼女は警部から、イサクは医者も話してないサラの手術の事を知っていた、秘密があったと言いますが、そこにサラの家に明かりが点いていると知らせが入り、2人はサラの家に向かいます。
サラの家では、警部は蝋燭が点いていた2階に行って書き置きを見つけ、フリアは地下室の灯りを見て地下に向かいます。彼女はほとんど見えておらず蝋燭を頼りに奥に行きますが、誰かに触り怯えて警部を呼びます。彼女が触れたのは、首を吊ったイサクの遺体でした。フリアは事態に気づかぬまま早く灯りを点けて!真っ暗で何も見えない!と叫んでいました。

フリアは完全に失明し入院します。病室に警部が来て、書き置きはイサクの遺書で、サラと付き合っていた事を詫びていた、通話記録からも2人は連絡を取り合っていたと話します。また、彼は自分が映っているためビデオを取りに行き、モーテルで後追いを決意した、それですべて筋が通ると話し、去って行きます。フリアは無言で一筋の涙を流します。
ほどなくして彼女は手術を受け、ロマン医師からは、2週間は絶対包帯を外してはならない、外せば失明する、入院を続けろと言われますが、彼女が病院はイヤだ、サラの家に行きたいと言い張ったため、通いの看護人を付ける約束で許可されます。また彼女はイサクの遺体は視力が戻るまで病院に安置して欲しいと頼みます。
スタッフに付き添われサラの家に戻ったフリアは、クレスプロから受け取ったカギがどこのカギか探させますが、どこにも合いませんでした。1人きりになった彼女は、鳴った電話を取り落し、床に落ちていたイサクのメガネを握ってケガをし、怯えて泣き出します。
やがて看護人のイバンと名乗る男がやってきますが、彼は拒み続ける彼女に穏やかに接し、9時には彼直通のペンダント式の通信機と睡眠薬を渡し意地を張る彼女をベッドに案内し帰って行きます。

その夜、彼女はイサクとサラに笑いながら包帯をはぎ取られそうになる悪夢を見てうなされ、翌朝、何者かの気配がして、通信機でイバンを呼びます。彼は詳細に指示して彼女を逃がしますが、侵入者は鈴付きのカギを持ち去ります。駆けつけた警察は侵入の形跡はなかったと言い帰って行きます。
その後イバンが来て、部屋を暗くし彼女の包帯を替えようとしますが、彼女は包帯を外されることに怯えます。彼は、自分も20歳の時事故で2か月間失明し、あなたと同じく看護を拒み、失明を怖れる気持ちもわかる、だから看護人になったんだ、怖れを消すには闘うしかないと優しく語り包帯を替えます。フリアは根気強く穏やかに接する彼に次第に心を開いて行きます。
そして包帯を取る4日前、彼をフリアが引き止めて食事をし、庭のベンチで語り合います。4日後には視力が戻る、失敗しても悔いは無いと話すフリアに、イバンは今まで見た中で一番美しかったものは?と聞きます。彼女はサハラ砂漠から見上げる夜空に勝るものはないと言い、イサクとの思い出を語り始めます。
彼と同じ観測隊で一晩中星を観測した夜、彼はその夜空を今まで見た中で一番美しいと言い、自分を見つめているのに気づいて「なぜ宇宙を見ないの?」と聞くと、「空を見上げる必要はない、君の瞳の中に宇宙が見える」と言われたのだと。けれど、サラとの仲を知った時、なぜ彼があの時そんな眼差しで私を見つめたのかわからなくなったと話します。
その時、彼女は隣にイサクを見ていました。イサクは何もかも良くなると言い、2人は口づけを交わします。
が、彼はやはりイバンで、そんなことはいけないと離れ、担当を外してもらうと言い帰ろうとします。彼女はそれがあなたの気持ち?と聞きますが、同じ事を聞かれた彼女は答えに窮します。彼は僕は明日も来るつもりだが、嫌なら連絡をくれと言い帰ってしまいます。

【転】- ロストアイズのあらすじ3

その晩はひどい嵐で、うなされる彼女を何者かが撮影し、注射の準備をしていますが、彼女は全く気づきません。と、突然彼女が跳ね起き、腕が不審者に当たり逃げ出します。彼女は裏口から外に飛び出して助けを呼び、現れた隣人のブラスコに連れられ隣家へと逃げ込みます。
彼女は警察に知らせて!と訴えますが、彼は電話をしようとはせず、電話機を手に取っても通じないと言います。また階段で様子を窺っていた娘のリアを叱り、携帯電話を取ってくると奥に行きますが、壁に掛かっていた鈴付きのカギにぶつかり音が鳴ります。フリアはカギを取戻し、電話も平常だと知ります。戻ったブラスコは、彼女の身体をいやらしく触り、彼女は隙をみて逃げ出します。
彼女はブラスコを振り切り通信機でイバンを呼びますが、家には帰りたくないと言い彼の家に向かうことに。

彼の家で、イバンは警部に連絡をし、彼女に自分のベッドで寝るように言い、地下に自分用の折りたたみのベッドを取りに行きます。
すると突然ブラスコの娘のリアと名乗る女性が現れ、父さんは事件とは無関係で、監視してたのは自分だ、姿が見えない悪魔がサラを失明させた、悪魔はあなたの看護人よと訴えます。また、イサクはあなたを愛してた、2人は心配かけまいとして手術を秘密にした、遺書は無理やり書かされたのだと言うのです。
リアはその証拠に壁中にあなたの写真を貼った部屋があると言い、混乱し否定するフリアをその扉の前に連れて行き、カギを開けてと言います。が、ポケットにしまったはずの鈴付きのカギがありません。そこにイバンが戻ったため、リアは彼が隠したと言い隠れます。
フリアがブラスコを追及する証拠のカギが無いと聞くと、彼は小さく笑ってカギを鳴らしますが、彼女には渡さずお茶を入れにキッチンに行きます。その隙にリアが出てきて、やはりカギは彼が隠してた、お茶には薬を盛ったはずだと言い彼女を逃がそうとしますが失敗し、何とかバスルームに来てと言い隠れます。
フリアはトイレに行きたいと言いバスルームにこもりますが、リアは現れず、大きな音がして、イバンがノックをして具合を聞きます。彼女は音の理由を聞いても逆に君が倒れたかと思ってと言われ、彼女は焦るあまり包帯を取ってしまいます。
すると視力はすでに戻っていて、廊下に出た彼女はあのカギの部屋が開いてるのに気づき、中に入ります。そこはリアが言った通り、壁一面にフリアとサラの写真が張られた部屋でカメラもありました。彼女はリアを探しますが、リアはキッチンの壁に、包丁で口を貫かれ立ったままの姿で殺害されていました。彼女はその死体の前で座り込み、目を手で覆って泣き出します。
戻ったイバンは血だらけで、泣いている彼女に平然と理由を聞きます。彼女はリアが来てあなたを中傷したため怖くなった、だから包帯を取ったと話します。彼は目の前で死体から包丁を抜き、何が見えた?と聞きますが、フリアは咄嗟に何も見えなかった、手術は失敗した、ロマン先生の所に連れてってと訴えます。彼は彼女を覗き込み、包丁を彼女の両眼の間際に突きつけ、彼女の視力を確かめますが「残念だ」と呟き薄く笑います。彼は、病院で見た看護人のイバンとは別人でした。

彼は失明したふりを続ける彼女の前で、ロマン医師に電話をかけるふりをして、彼は海外出張中で、他の病院に行っても無駄だと言い、彼女はやむなく従うことに。
彼はリアの死体を写真の部屋に隠してカギをかけ、フリアに薬の入ったお茶を出します。その一部始終を見ていた彼女は、なにが望みで親身に世話をしてくれるの?と聞き、彼はキスはやましい気持ちではなく君のそばにいたかっただけだと話し、しきりにお茶を勧めます。彼女は彼が席を立った隙にカップを取り換えますが、彼は飲まず、突然床起き式の冷凍庫の前に彼女を連れて行き、ふたを開けてと言い出します。
中に入っていたのは病院にいたイバンの死体で、目の前のイバンは思わず後ずさりした彼女に「見えてるな。怖いか?」と呟きます。彼は彼女を捕まえ、「おまえは”恐怖”を少しも解ってない!無視されたり拒絶される恐怖だよ!」と怒鳴ります。
俺は闇に追いやられ別の世界に身を潜め、声も目も無いも同然、同じ服で自分の足音だけを聞く影のような存在だったがやがて気づいた、「盲人だけは俺に気づいてる」と。彼らは俺が呼吸し生きている事を知っている、俺は彼らの眼となり手を貸してやれる、盲人と俺、完璧な組み合わせだと。

フリアは眼に包帯をされ次に気づいたのは、サラの家の近所のアパートに停められた彼の車の中でした。視界は薄暗く、イバンは彼女の病状が悪化したと言いほくそ笑みます。
彼女はイバンが車を降りた隙に締め出し、車を奪って逃げますが路地の壁に追突して止まってしまったため、走って逃げ出し、ロープを伝ってソレダド夫人の家に逃げ込み、助けを求めます。
夫人は殺人鬼が来る!と訴える彼女に戸惑いつつも、警察に電話をかけようとしますが、イバンは難なく家に入って来ていて、来ないで!人殺し!こいつは”見えない男”で、サラを失明させ、イサクにも首を吊らせた奴よ!と怒鳴るフリアの後ろで、電話機を握る夫人に声を掛けます。
「やめて。母さん」…。

【結】- ロストアイズのあらすじ4

彼は、ソレダド夫人の失踪した息子アンヘルでした。彼はフリアがイカレてると言い、僕はサラを愛していたが、彼女は失明を苦に自殺したと嘯きます。フリアはあんたが失明させたくせに!と叫びますが、夫人は電話機で彼女を殴り倒します。
彼は一瞬愕然とし、置いてあった蝋燭とメガネに気づきます。夫人はしっかりと彼を見つめ、「おまえが幸せになれるのはここだけよ。私無しではおまえには何の価値も無い、いないも同然」と話します。
彼は唖然としたまま「見えるの?」と聞きますが、夫人は無視して、それでも私の息子だから守ってあげると言いフリアにとどめを刺そうとします。彼は愕然として泣きながら「ずっと見えてたの?」と言い夫人の首に手を掛け、視神経を破壊する薬剤を夫人の眼球に注射します。

やがてフリアは、サラの家の地下室で目覚め、そばで注射器の手入れをしていたアンヘルに怯えますが、彼は、君は視神経が傷んでるからすぐに失明する、そうなっても僕がそばにいる、一緒に遠くへ行こうと話します。彼女は怒ってその手を振り払い、人殺し!あんたなんか愛せない!死んだ方がましよ!と罵ります。彼は首吊りロープの下に椅子を置き、口づけを迫りますが、彼女はそれを拒んでロープを握ります。アンヘルは「ならば死ね!」と離れて様子を見ていましたが、彼女は実行できず引き下ろされます。
彼は「君は僕を愛してる」「僕無しの君は無に等しく、君無しの僕はただの影だ」と言い口づけしますが、彼女は彼が隠し持っていた包丁でその太腿を刺し逃げ出します。

彼女は地下室の扉にカギをかけて彼を閉じ込め、ディマス警部に電話をして助けを求めますが、電話線が切られてしまいます。彼女は灯りの周りしか見えていませんでしたが、地下室のドアが破壊される寸前にブレーカーを落とし、当たりは完全な暗闇となります。
彼は、カメラの自動フラッシュをたいて彼女を探し襲いかかりますが、彼女はケガを負いながらも反撃し、コートハンガーで殴り気絶させます。が、彼はすぐに起き上がり、フラッシュを止めようとする彼女に馬乗りになり首を絞めます。
フラッシュが壊れる音と共に再び暗闇となった瞬間、ディマス警部たちが乱入し、懐中電灯で室内を照らします。そこで突然、フリアが暗闇から飛び出し、警部の懐中電灯を取り上げ「静かにして!」と叫びます。
彼女はすでに失明していて、懐中電灯をヘッドライトのように額に当て、音のする方向を次々と照らしていきます。光は室内をおどおどと逃げ回るアンヘルを正確に照らし出し、やがて彼は、警察の懐中電灯の光の中で動きを止めます。
警部たちが銃を向け、投降を迫る中、彼は「僕を見ないでくれ、見るなーっ!」と叫び、自らの首を包丁で掻き切り、絶命します。

ロマン医師の診察を受けていたフリアは、「失明するのね。あとどのくらい?」と聞きます。
再び夜明けは見られないと知った彼女は、死体安置所のイサクに会いに行き、その頬を優しく撫で2人にしてと頼みます。彼女は彼の角膜が失われているのに気づき、彼が望む人に提供されたと言われます。
彼女は物言わぬイサクに口づけし、なぜそばにいてくれないの?約束したじゃないと嗚咽しますが、思い立ったように鏡を探し、自分の眼を見つめ、まぶたを閉じます。
「あなたは、”君の瞳の中に宇宙が見える”と言ったわよね」
「今でも見えるよ」…
彼女はゆっくりと目を開け、イサクの眼で、自分の瞳の中の宇宙を見ていました。

みんなの感想

ライターの感想

次第に見えなくなって行くのが真に迫って恐ろしく、犯人の存在が明らかになる後半、さらに相手の顔を徹底して見せない演出で緊張感はマックスに。ハッブル宇宙センターのスタッフで、プライドも高く美しいフリアですが、視力を失い始めてからは誰かに頼らざるを得ない状況が続き、イサクを失って以降は、翻弄されるかのごとく方々に運ばれ深みにはまって行きます。
病院で登場するイバンと言う名の看護人をカメラは追わないし彼女も思い出さない。その後、名前が出た途端、ほらあの!病院にいた!とやきもきしながら見ている観客も、顔が明らかになった瞬間愕然とさせられる。脚本は巧みで、ロマンチックな場面もちりばめられ、全く飽きさせません。
生臭く下世話な全盲のご婦人たち、溺愛する息子を”生かし”て”占有”するため全盲のふりをしていたソレダド夫人、”透明人間”の成れの果ての病んだクレスプロ老人、ひきこもりの娘と暮らす淫猥で卑屈な隣人ブラスコと、脇キャラも素晴らしく充実しています。
ヒロインのフリアは「永遠のこどもたち」でも追い詰められる母親を演じたベレン・ルエダ、夫のイサクは「バッド・エデュケーション」「抱擁のかけら」のルイス・オマールで「君の瞳の中に宇宙が見える」と言うキザな台詞が良く似合う知性派のロマンス・グレー。イバン(アンヘル)役「愛その他の悪霊について」のパブロ・デルキも気弱なマザコン青年と悪魔の裏表が恐ろしく今後が楽しみな俳優さんだと思います。

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