「不能犯」のネタバレあらすじ動画と結末

不能犯の紹介:2018年2月1日公開の日本映画。グランドジャンプ連載の人気コミックを松坂桃李主演で映画化したサイコスリラー。赤く光る目で見つめるだけで人の心を操る男、宇相吹と、その力が唯一効かない刑事の多田との対決の行方が描かれる。

あらすじ動画

不能犯の主な出演者

宇相吹正(松坂桃李)、多田友子(沢尻エリカ)、百々瀬麻雄(新田真剣佑)、川端タケル(間宮祥太朗)、赤井芳樹(テット・ワダ)、若松亮平(菅谷哲也)、前川夏海(岡崎紗絵)、木村優(真野恵里菜)、羽根田健(忍成修吾)、木島功(水上剣星)、羽根田桃香(水上京香)、櫻井俊雄(今野浩喜)、西冴子(堀田茜)、夢原理沙(芦名星)、夜目美冬(矢田亜希子)、河津村宏(安田顕)、鳥森広志(小林稔侍)、加島夏美(永尾まりや)、矢崎太一(鈴之助)、風間雅之(森岡豊)、荒川晋平(松本享恭)、上野琢巳(松澤匠)、箕輪修(タイチ)、看護師(松元絵里花)

不能犯のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①実現不可能な殺人事件が相次ぎ、現場では黒い背広の若い男・宇相吹の姿が目撃される。宇相吹のマインドコントロールにより人が死んでいるのだが、警察サイドは立証ができないため逮捕できない。 ②多田が目をかけていたすし屋の店員・タケルが連続爆破事件の犯人。タケルは多田の相棒・百々瀬を爆弾で殺そうとするが、タケルにも宇相吹に殺害依頼が入っており死亡。多田は宇相吹と対決する決意を抱き続ける。

【起】- 不能犯のあらすじ1

〝犯罪を意図した行為でも
その実現が不可能であれば、
罪に問われない。

これを【不能犯】という〟


2017年10月。

東京では、ある都市伝説が噂になっていました。「電話ボックスの男」というものです。
どこかの公園の電話ボックス(公衆電話)のところに、殺したい相手の名前と理由、自分の連絡先を残しておくと、願いが聞き届けられるのだそうです。
しかし殺意の動機が純粋でない場合には、自分の身にも返ってきてしまうのでした…。


多田友子は、杉並北警察署の女性刑事です。新人刑事の百々瀬麻雄・巡査長と相棒を組んで、捜査をしています。
百々瀬は名前を呼んでもらいたがりますが、多田は「新人」と呼んでいました。

多田と百々瀬は、先日から起きている「借金を回収するために、保険金を担保に押さえて自殺においやり、保険金で借金を回収」している業者・木島ファイナンスの事件を捜査していました。
高円寺の自宅で若い女性・加島夏美の自殺死体が見つかり、木島に金を借りていたことが判明します。
(この「若い女性の自殺」に関しては、前日譚として描かれたdTVドラマ『不能犯』シリーズに、詳細が描かれている)


同じ頃。
木島ファイナンスの社長・木島功のいる飲食店に、宇相吹正(うそぶき ただし)という若い男が現れます。
宇相吹は木島に水をかけると、「あなたは、人生が終わる時のことを想像したことがありますか」と問いかけると、目線を合わせました。すると、宇相吹の目が赤く光ります。
宇相吹は「スズメバチの猛毒は、ご存知ですよね。その匂い、スズメバチが好むんです」と、木島にかけた液体のことを話します。
宇相吹が懐から出したビンには、大量のスズメバチが入っていました。
宇相吹がビンの蓋を開けると、スズメバチが木島に襲いかかり、死亡します…。

(先にネタバレ。宇相吹が赤い目で見つめると、相手はマインドコントロールにかかり、他者には見えないものが見えるようになる。そのため、思い込みによって死にいたる。
宇相吹は赤い目で相手に術をかけ、犯行を重ねていく)


木島の捜査をしていた多田と百々瀬は、ほかならぬ木島が遺体となって発見されたと聞いて、現場へ急行しました。
飲食店には監視カメラがあり、死ぬ時の一部始終がおさめられていました。
黒い背広の若い男が木島に近寄り、コップの水をかけられます。
しばらくすると、木島は苦しみ始めました。カメラには何も映っていません。
若い男が、監視カメラを振り返って不敵に微笑むのが、多田と百々瀬には強く印象に残ります。

木島の死因は、心筋梗塞でした。しかし木島の顔には、ハチに刺されたような痕が無数に残っていました。
心筋梗塞という言葉を聞いた百々瀬は、3か月前にも似たような事件があったことを思い出します。
それは港区の住宅街で起きたもので、女性・宮前香苗が「男に刺された」と言って死んだ事件でした。
(これもdTV版に詳細がある)
女性の死因は心筋梗塞で、その現場にも黒い背広の男性が目撃されています。
女性は複数の結婚詐欺の容疑者として、あちこちに恨みを持たれていました。

新人の百々瀬は多田に、「プラシーボ効果」について話します。
要は「思い込み」によるもので、一種の洗脳、マインドコントロールでした。
プラシーボ効果で黒い背広の若い男は、木島にハチを連想させ、殺させたのではないかと、多田と百々瀬は想像します。
ただし、この場合だと実現が不可能だとみなされ、「不能犯」でした。
立証ができないかぎり、罪に問えないだろうと、先輩刑事の赤井芳樹が指摘します。


…羽根田健と妻・桃香の新婚夫妻は、町内会の会長、鳥森の行動に悩んでいました。
最初は他愛もないことです。
抱き合う桃香が夫・健に、鳥森が窓から覗いていたと言いました。しかし健はにわかには信じられません。
ところが翌日、鳥森が羽根田宅のゴミをチェックしている現場を見て、妻の言うことが正しいように感じ始めました。鳥森に対する疑念が芽生えます。

さらにその日帰宅すると、桃香が痣を作ってソファでぐったりしていました。
部屋には泥の足跡が残っています。
桃香が言うには、鳥森が部屋に侵入し、乱暴をして去ったそうでした。
それを聞いて怒った健は、鳥森に苦情を言いに行きます。

健が鳥森に「警察に通報しますよ」と注意すると、鳥森は「そんなことをしたら、私は奥さんのことを全部話さなければならない、それでもいいんですか?」と聞き返しました。
鳥森の発言を「乱暴した内容を触れまわる」という意味に受け取った健は、桃香の気持ちを考えると通報もできず、鳥森への憎しみだけを募らせます。

その矢先、都市伝説BBS(電子掲示板)で「電話ボックスの男」という存在を知った健は、噂の公衆電話に行き、メモを張ります。
すると健のところに宇相吹が接触し、「必要なのはあなたの純粋な殺意です」と言いました。
健は宇相吹に、鳥森殺害を依頼します。

鳥森が公園のベンチに座ってたばこを吸っていると、宇相吹が「おいしいですか、そのタバコ」と聞きました。
「たった一吸いでぶっとべる。一緒ですからね」と聞いた鳥森は、思わず宇相吹の目を見つめました。宇相吹の目が赤く光ります。
(宇相吹の発言の意味は、後に判明する)
タバコに薬物を混ぜられたのかと心配になった鳥森は、ペットボトルの水を思わず一気飲みしました。
「まさかお前、奴らの…」と言いかけた鳥森に、宇相吹は「大丈夫ですか、そんな水飲んで」と畳みかけます。
手元を見ると、鳥森が持っているペットボトルには、タバコのニコチンが大量に混ざった水に変わっていました。
鳥森は苦しんで、ベンチに倒れます。

出張で外泊予定の健に報告した宇相吹は、「今日は出張を取りやめて、帰宅した方がいいですよ」と言いました。
宇相吹に渡された封筒を見た健は、驚いて帰宅します。
家には男性1人、女性2人と妻・桃香が下着姿でいました。薬物を吸引し、もうろうとしています。

【承】- 不能犯のあらすじ2

…実は桃香はクラブで知り合ったよくない仲間に誘われて、夫の健に隠れてクスリ漬けになっていたのです。
鳥森は桃香の異常に気付き、注射器などの証拠品を集めていただけでした。
桃香へ暴行を働いた事実もなく、むしろ鳥森は、桃香に薬物をやめろと説得をしている側でした。
健に問い詰めて鳥森が言った発言は、「薬物のことを警察に言わなければならないが、それでもいいのか」という意味だったのです…。

現実を知らされた健は、灰皿で桃香の仲間3人を殴りました。
桃香が包丁で健を刺し、健も桃香を灰皿で殴ります。


健と桃香宅の事件現場に、宇相吹が現れました。
監視カメラで顔に見覚えがあるため、多田は宇相吹に任意同行を求めます。
宇相吹は「ええ、かまいませんよ」と答えました。

取調室で聴取に当たったのは、先輩刑事の女性・夜目美冬です。多田と百々瀬も同席しました。
男は「宇相吹正」と名乗りますが、照会するとそんな名前の人物は存在しません。
宇相吹は「僕がやりました。そう言えばいいですか。それとも首でもくくればいいですか? 僕は、やってません」と夜目に言い、目を見つめました。宇相吹の目が赤く光ります。
宇相吹は、「ところで、虫が1匹ついていますよ」と夜目に言いました。
夜目の手首に、線虫のようなものが入り込みます。
「噛まれましたね、消毒しないと」と宇相吹が言い、夜目の手首をべろっと舐めました。多田たちは取り押さえます。

夜目の右手首は、腫れあがりました。
宇相吹が暴行を働いた証拠もなく、任意同行なので解放するしかなく、夜目の手首からは唾液しか検出されませんでした。
毒物のようなものはないのですが、手首が腫れたことは事実です。

百々瀬が多田に、宇相吹の言葉になぜ夜目が動揺したのか、質問しました。多田は答えます。
比較的最近の話ですが、夜目が電車で痴漢した男子高校生を逮捕しました。
ところがその男子高校生は「僕はやってません」と主張し、留置所内で首吊り自殺をしたのです。
死んだ男子高校生は、鑑識の河津村宏の息子でした。
夜目は河津村に謝罪しますが、河津村は不問に付したそうです。

その夜。夜目の携帯電話に、非通知で宇相吹から着信があります。
「あなたは脆い人間です。罪悪感に苛まれている。『私は悪くない』と思い込もうとした」
そう告げた宇相吹は、「あなたは今夜死ぬ」と宣言しました。
夜目は部屋に宇相吹がいるように感じ、不安になります。
入浴中、腕の傷に男子高校生の顔が見えた夜目は、カミソリを手に取って手首を切りました。


夜目が浴槽で手首を切って自殺しているのが、発見されます。
多田は自殺ではないと思うのですが、状況からして、それを立証するのは難しいものでした。

夜目の死を喜んだのは、鑑識の河津村です。
河津村は息子が自殺した件で夜目を恨みに思い、夜目の殺害を宇相吹に依頼していました。
河津村は宇相吹に会い、「おみごとでした」とべらべらと宇相吹に殺害依頼したことを話しますが、実際には宇相吹はおらず、捜査一課の刑事たちの前で、河津村は自白したことになっていました。
河津村は逃げて階段から転落死します。


木村優という若い女性は、風俗の仕事をして生活していました。優が宇相吹に殺害依頼をし、宇相吹から連絡が入ります。
宇相吹と会った優は、殺害する相手とその動機を話します。

…優には夢原理沙という実の姉がいました。
優が10歳の時に両親が離婚し、優は父親に、理沙は母親の方に引き取られます。
優はその後、父が借金を抱えて苦労して育ちました。現在もなお、借金を抱えています。
母の方に引き取られた理沙は何不自由なく育ち、人気ジュエリーデザイナーになり、来月には医者の男性と結婚予定でした。
雑誌を見て姉の理沙の近況を知った優は、恥を忍んで理沙に手紙を書いたのですが、なしのつぶてでした。思い詰めた優が理沙の店へ行きますが、露骨に無視されます。
姉だけが幸福になり、自分が不幸なままなのが、優は許せないのでした。逆恨みです…。

依頼を受けた宇相吹は、理沙のところへ行って汚れた手で握手を求め、「身近な人があなたの死を望んでいます」と告げました。
驚いた理沙は車に乗って逃走しますが、手がオイルで汚れているように見え、ハンドル操作を誤ります。
乳母車の女性を避けてブレーキを踏んだ理沙は、ブレーキが利かずにトラックに突っ込みました。負傷して、病院に担ぎ込まれます。
(この話、まだ続く)


多田は自分がかつて少年院に何度も放りこみ、世話を焼いた川端タケルの働くすし屋に行きました。
タケルは多田の熱心な説得により更生し、2年前に仮釈放になってからは、まっとうに働いています。
すし屋でも有能で、先輩の櫻井俊雄をさしおいて、店主から調理を任されるようになっていました。

多田はタケルに、相棒を組むようになった新人の話をします。
今度その新人をすし屋に連れて来たいのだけれども、ラーメン屋『京の華』が好きな百々瀬には、味が分からないかもしれないと談笑していました。
背後のテレビニュースでは、江東区の公園で手製の爆弾が爆破する事件が報じられています。
昨年の12月にも三鷹で同様の事件が起きており、多田は気にかかりました。

【転】- 不能犯のあらすじ3

タクシーを降りた多田は、飲み過ぎてふらふらでした。
そこへ宇相吹が近寄り、おもちゃの飛び出しナイフで刺します。
しかし多田はおもちゃだと見破りました。
宇相吹は「稀にいるんですよ。あなたのように、僕がコントロールできない未知の領域を持った、支配されない人間が」と言うと、自分を殺してくれと多田に頼みます。

多田は、宇相吹がなぜマインドコントロールを使って殺害を繰り返しているのか質問しますが、得た答えは「知りたいんです。人間の脆さと強さを。どっちが本当の人間らしい人間なのか」というものでした。
宇相吹は多田に、もし自分を殺す覚悟ができたら来てくれと、連絡先を書いたカードを渡して去ります。


婚約者の病院に担ぎ込まれた姉・理沙は、多田の事情聴取に応じ、事故の直前に宇相吹が接触してきたと告げます。
多田は、なぜ宇相吹が今回にかぎり、理沙を殺さなかったのだろうと考えました。

多田は百々瀬に宇相吹から接触があったことを告げ、なぜ自分には催眠が効かなかったのか考えます。
百々瀬は「思考の類似が考えられます。似ている相手の場合には、隙を突くのが難しい」と言いました。

看護師の女性・西冴子が食事を運んできた時に、理沙は婚約者の榊克明が冴子と親しげなのをいぶかしみます。
食事に毒が入っているように見えた理沙は、ナースコールを押して「毒が入っていた」と訴えました。
宇相吹の姿が、理沙にも刑事の多田にも見えます。
理沙は冴子と克明を疑い、メスで克明を刺しました。
多田に宇相吹が「(僕の行動を)止めないのはあなたですよ」と囁きます。

妹の優のところへ、宇相吹の任務完了の報告が入りました。
「理沙の車のダッシュボードに入っていた届け物を、部屋に届けた」と聞いて、優は上機嫌で帰宅します。
部屋の前にあったのは、封筒でした。
中身を開けると、結婚式の招待状とともに、姉・理沙の直筆の手紙も入っています。

…姉・理沙は優からの手紙を受け取って、妹の優が苦労して育ったことに心を痛めました。
結婚式に招待し、さらに風俗の仕事を辞めさせて、自分の店の店員にしようと考えていました。
しかし結婚相手の克明に止められて、どうしようか悩んでいました。
そんな折に妹の優が店に来たので、理沙はとっさに隠れたのでした。
無視したことを悔いた理沙は、謝罪の言葉と、やっぱり店員になってほしい、連絡する…と書いていました…。

手紙を読んだ優は自分のしたことを悔いて、自殺します。
それを窓の外から、宇相吹が確認しました。


多田の相棒刑事・百々瀬は、行きつけのラーメン店『京の華』のカウンターで食事をしていました。
背後のテーブル席に座るカップルが口論を始め、男性が女性に暴力を振るうのを見た百々瀬は、止めに入ります。
その店先へ、紙袋に入った爆弾が置かれたのですが、誰も気づきませんでした。
直後に大爆発が起きて、百々瀬も爆発に巻き込まれます。

百々瀬は爆発の負傷により、意識不明の重態でした。多田は百々瀬の病床を訪れ、落胆します。
婚約者の克明を殺害した罪で逮捕された理沙に、多田は預かっていた携帯電話を聞かせました。
その携帯電話には妹の優から伝言メッセージが入っており、「姉・理沙が婚約者を殺害するように、宇相吹に依頼していた」ことが判明します。
(姉の理沙が交通事故で死ななかったのは、優が理沙の殺害依頼をしたわけではないから。
優が依頼したのは上記のとおり、姉の理沙が婚約者を殺すよう仕向けること)

それを聞いた理沙は、優がそんな依頼をせずとも、時間の問題だったかもしれないと呟きます。
婚約してから判明したのですが、克明はあちこちの女性に手を出す浮気症でした。しかも理沙が妹の優を式に招待したいと言った時に反対し、理沙は「心の狭い男だ」と失望していたのです。

多田は理沙を精神鑑定へ回すために移送しようとしますが、理沙は一瞬の隙を突いて花瓶の破片を若松亮平刑事の首に刺し、若松を盾にして「宇相吹のところへ連れていけ」と要求しました。
(相棒の百々瀬が入院しているため、多田は若松と行動。若松は首を切られて出血しており、早く処置しないと危ない状態)
多田は宇相吹からもらったカードを見せて、これからそこへ向かうと車を出しつつ、車内にある緊急事態ボタンを押して、署内に知らせます。
緊急ボタンに気付いた先輩の赤井刑事が、出動しました。

宇相吹のカードに書かれた住所に行くと、廃墟同然の建物でした。宇相吹は建物内にいました。
理沙は多田に、宇相吹を殺せと要求し、宇相吹も自分を刺し殺せと煽ってきます。
しかし多田には、宇相吹を刺せませんでした。宇相吹は「最悪だ。失望です」と多田に発します。

理沙が若松刑事を解放し、宇相吹の前に立ちはだかりました。
宇相吹は「残念ですが、あなたには(僕を刺すことは)無理なんですよ」と言いますが、理沙の思惑は別にありました。
理沙は自分の首を切り、凶器の包丁を宇相吹に握らせたのです。
「この男が私を殺した、そう言って。優と私の気持ちを、あなたが繋いで」
そう言うと、理沙は息絶えました。
宇相吹は理沙の作戦に感心します。

怒りに燃えた多田は宇相吹に殺意を向けそうになりますが、瀕死の若松刑事が「やっちゃダメだ」と多田に声をかけて息絶えました。
赤井刑事と応援部隊が突入し、宇相吹は逮捕されます。

【結】- 不能犯のあらすじ4

逮捕された宇相吹は、聴取に対して答えず、ただ「多田刑事がすべてを知っています」とだけ繰り返しているそうです。
多田は宇相吹と会いました。
宇相吹は、多田が理沙の手錠を外していたことを指摘し(理沙が精神的ダメージを受けており、反逆、逃亡するおそれがなかったから)、「あなたの優しさが彼女を殺した」と責めます。
それでも多田は、宇相吹に罪を着せるのを躊躇しました。
多田は正直に、理沙が自殺を図り、包丁を宇相吹に握らせて罪を着せようとしたことを告白し、宇相吹は釈放されます。


本当にあれでよかったのかと、多田は百々瀬の病室で、意識の戻らない百々瀬に語りかけていました。
多田は病院の廊下で、更生してすし屋に勤務する男性・タケルと会います。
タケルは多田を心配し、食事と飲み物の差し入れをしました。
多田はタケルが差し出すまま飲み物を飲み、眠ります。
多田を眠らせたタケルは、病室に爆弾の紙袋を置きました。

目覚めた多田は、自分が病院の、使っていない工事中のエリアにいると気付きます。
タケルは多田の弁当とお茶に強めの睡眠薬を混入したことを告げ、「そこから動いたらたくさん人が死ぬよ」と脅しました。
昨年から起きている、連続爆破事件の犯人がタケルだと、多田は知ります。
タケルは更生した振りを装っていたのでした。多田が本当に絶望する顔が見たくて、策を練っていたのです。
2つの携帯電話(起爆装置)を、タケルは多田に示します。青い携帯電話は、階下の病院にある百々瀬の部屋のもので、赤い携帯電話にリダイヤルすると、近所のひばり幼稚園に置いた紙袋が爆破します。
多田に事実であることを証明するため、タケルはビルの間に仕掛けた爆弾を爆破させました。タケルの言った場所で爆発が起こり、タケルは多田の反応を窺います。

多田は「信じて裏切られて、信じて裏切られて、その繰り返しを私は死ぬまで続ける(裏切られたからといって絶望しない)」とタケルに言いました。
タケルは二択を突きつけ、幼稚園と百々瀬の部屋のどちらを爆破するか決めろと要求します。

そこへふらりと宇相吹が姿を現しました。
タケルは宇相吹と顔見知りでした。多田は驚きます。
宇相吹は、悪徳消費者金融会社の木島の殺害依頼をしたのが、タケルなのだと告げました。
タケルは爆弾を作るために出費を重ね、木島のところで借金をしていたのです。
取り立てが厳しい木島を鬱陶しく思い、タケルは宇相吹に殺害頼を頼んでいました。

タケルは宇相吹に包丁を向けますが、宇相吹はタケルに「五寸釘、打たれたことありますか」と言うと、タケルを見つめます。宇相吹の目が赤く光ります。
次の瞬間、宇相吹の指には数本の五寸釘が握られていました。タケルは柱に釘づけになりますが、多田の目にはただタケルが苦しんでいるだけに見えます。

宇相吹は、タケルにも殺害依頼が舞い込んだことを報告しました。
依頼したのはすし屋の先輩・櫻井俊雄で「俺より先に調理場を任されて、ムカつく」という理由でした。


多田は宇相吹の腹部を刺し(小型ナイフなので命に別条はない)、起爆装置の携帯電話を破壊します。
タケルを手錠でパイプに繋いで拘束しますが、タケルは「携帯を壊した場合でも、10分後には爆発するよ」と言います(ハッタリ)。
多田は署に連絡するために席を外し、タケルもパイプを破壊して後ろ手に手錠をされたまま、階下に降りていきました。
残った宇相吹は、高笑いします。

多田の報告を受け、病院と幼稚園では避難が始まっていました。
多田は百々瀬の部屋の爆発物を見つけ、爆発してもダメージの少ない屋上へ移動させます。
タケルは病院のロビーまで降りると、公衆電話を使って起爆装置を実行させようとしました。受話器を外し、唇や鼻でプッシュホンを押します(後ろ手に手錠で拘束されており、手が使えないから)。

そこへ宇相吹が現れると、「あなたの爆弾ですが、ほら、足元にありますよ」と言いました。
タケルは「見える」と、宇相吹の能力に感心します。
「あなたは、人生が終わる時のことを想像したことがありますか」と宇相吹が質問し、タケルは「あるよ。終わらせてくれるの?」と聞き返します。
「おめでとう。地獄が待っています」
宇相吹が言った次の瞬間、宇相吹のそばの爆弾が爆発しました…。


実際に爆発したのは、多田が移動させた病院屋上の爆弾だけでした。
タケルのそばに、爆弾などありません。
しかしタケルは病院のロビーで、顔にヤケドを負った状態で死んでいるのが発見されました。
タケルの死亡事件も、変死扱いで終わります。


百々瀬の意識が回復しました。それを喜んだ多田は、初めて百々瀬の名を呼びます。
(それまで「新人君」扱いだった)


後日。
多田の前に宇相吹が姿を現します。
宇相吹は多田に刺されましたが、多田は急所を外していました。そのため、命に関わる傷ではありませんでした。
宇相吹は「いつ殺してくれるんですか」と多田に聞きますが、多田は「私はこれからも、希望をあきらめない。私は希望であんたを殺す!」と宣言して立ち去ります。

宇相吹が去るのを多田は見送りますが、多田の言葉を聞いた宇相吹は、「希望で? おろかだねえ、人間は」と呟いて、不敵な笑みを浮かべました。


「電話ボックスの男」の都市伝説は、今もなお東京の若者たちのあいだで、囁かれていました。
殺したい相手と動機、自分の連絡先を書いたメモを、公衆電話の下に貼っておくと、依頼が成立するというのです。
しかし殺意が純粋でないと、依頼した者にも不幸が戻ってくる代償も伴うものです。
「電話ボックスの男は、天使か悪魔か」と発言する者に、他の者が「悪魔も元は、天使なんだよ」と声をかけます…。

(劇中で百々瀬が指摘したとおり、宇相吹と多田は対照的でありながら、実は似た者同士。
もともとは似た者同士であるがために、多田は宇相吹のマインドコントロールが効かない存在。
人間の闇を膨らませたい宇相吹に対し、多田は希望をもって立ち向かうと宣言した。
続編の可能性、大)

みんなの感想

ライターの感想

文句なしに面白かった~。
松坂桃李の赤い目と、にやーっという笑みが、すごく印象に残る。この演技はすごい。
映画観終わって一番印象に残ったのが松坂。というか、松坂以外がかすんでしまった。そのくらい怪演している。
(特に百々瀬役の新田真剣佑が、途中から意識不明になるので仕方ないんだけど、ほとんーど記憶に残らない…すまぬ)
できればこれ、続編も作ってもらいたい~。
映画に先んじて放送されたdTVも、非常に凝った内容でグッド。もしこの映画が気に入ったなら、そっちも視聴をすすめる。
今作品につながる符牒がすでに打たれていて、よい。

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