映画:人魚の眠る家

「人魚の眠る家」のネタバレあらすじと結末

人魚の眠る家の紹介:2018年11月16日公開の日本映画。娘がプールで溺れ、意識不明になるという突然の悲劇に襲われた夫婦の姿を描く、東野圭吾のベストセラー小説が原作のミステリー。意識不明という状態からの娘の回復を願いつつも、決断を迫られる夫婦を篠原涼子と西島秀俊が演じる。監督はコメディから人間ドラマまで幅広いジャンルを手がける堤幸彦。

あらすじ動画

人魚の眠る家の主な出演者

播磨薫子(篠原涼子)、播磨和昌(西島秀俊)、星野祐也(坂口健太郎)、川嶋真緒(川栄李奈)、美晴(山口紗弥加)、進藤(田中哲司)、(斉木しげる)、(大倉孝二)、(駿河太郎)、(ミスターちん)、(遠藤雄弥)、(利重剛)、播磨瑞穂(稲垣来泉)、播磨生人(斎藤汰鷹)、若葉(荒川梨杏)、宗吾(荒木飛羽)、播磨多津朗(田中泯)、千鶴子(松坂慶子)

人魚の眠る家のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①幼い娘・瑞穂が溺れて脳死した。母・薫子はわが子の死が認められず、介護することを決意。障害者をサポートする科学者・星野を巻き込み、瑞穂を生かそうと努力。香は徐々に暴走を始める。 ②脳死が人の死か分からない薫子は、瑞穂に包丁を突きつけ、瑞穂を殺害すれば自分が殺人犯になるのかと警官に問う。薫子は周囲に説得された。瑞穂の身体機能が低下、薫子は臓器提供を受け入れた。

【起】- 人魚の眠る家のあらすじ1

人魚の眠る家のシーン1 少年たちがはしゃぎながら、住宅街の道を歩いていきます。
投げ合っていた野球のボールが、ある一軒の古い屋敷の中に入ってしまいました。
屋敷の門の柵には、人魚のシルエットがかたどられています。

少年のひとり、宗吾が敷地内に入っていき、ボールを拾いました。
庭はバラが美しく、興味を持った宗吾は奥へ進みます。
奥のポーチのところには、車いすに座った少女が眠っていました。
白いタイツを履き、足をそろえて寝ている姿は、人魚にも見えます…。
(注:このシーンはラストに関係してくる)


…2016年、夏。
播磨薫子は、6歳の娘・瑞穂と5歳の息子・生人の母親です。
夫・和昌はIT機器メーカーの社長をしていますが、和昌が浮気をしたことで、不仲になっていました。
長女の瑞穂を私立小学校に入れたいと考えており、面接が終わってから離婚するという暗黙の了解になっています。


・薫子…一戸建てに娘・瑞穂と息子・生人と暮らしている。妹・美晴、その娘(姪)・若葉との仲は良好。夫の和昌は現在、別居しており、家に帰ってこない。
・瑞穂…スタート時6歳。
・生人…スタート時5歳。
・和昌…IT企業の経営者。薫子に浮気が露見してから、別居している。

・美晴…薫子の妹。娘・若葉が瑞穂と同い年ということもあり、なかよくさせている。
・若葉…瑞穂と同級生の少女。美晴の娘で、薫子の姪にあたる。
・千鶴子…薫子と美晴の母。瑞穂の祖母にあたる。事故が起きた時、千鶴子も同席していたことも手伝って、罪の意識がある。

・進藤医師…脳外科医。瑞穂の担当。臓器移植のための脳死判定を勧める。
・星野祐也…ロボットアームの研究をしている若者。和昌に見込まれる。
・河嶋真緒…動物病院の看護師。祐也の恋人。


その日、薫子は妹の美晴や母・千鶴子に2人の子どもを託しました。
美晴、千鶴子は子どもたちを連れて、プールへ遊びに行きます。

薫子は瑞穂の小学校受験のため、面談の練習をしていました。別居している和昌と現地で会います。
その最中に、和昌の携帯電話に事故の一報が入ります。

病院へ駆けつけた薫子と和昌は、瑞穂が脳死状態だと進藤医師に聞かされました。
瑞穂はプールで遊んでいるときに、排水口の溝のところに指を挟み、溺れてしまったのです。
蘇生には成功しましたが、心肺停止の状態が続き、その間に脳への血液の供給が断たれていたため、脳死状態でした。
このままだと通常、数日で心肺停止に陥るだろう、これまで回復した例はないと聞かされます。

進藤医師から臓器提供の打診をされた薫子は、戸惑います。
脳死状態と言われても、ベッドに横たわっている瑞穂は、ただ眠っているだけに見えました。

脳死状態の瑞穂は、臓器移植の対象になります。
ところがもし臓器移植をしないのであれば、「心臓停止をもって死とみなす」のだそうです。
脳死判定とは、臓器移植をするために受けるものでした。

薫子は、瑞穂に脳死判定を受けさせることにします。
和昌の父・多津朗も呼び、親族が見守るなかで判定をしようとしますが、そのとき、瑞穂の指がかすかに動きました。
それを見た薫子は、「この子は生きてます。瑞穂は死んでなんかない!」と言い、判定を中止させました。
薫子は脳死判定をやめ、眠ったままの瑞穂を生かす決断をします。


…ひと月が経過しました。薫子は瑞穂の世話を、かいがいしくおこなっています。
意識不明の瑞穂を、薫子は在宅介護する決断をしました。
和昌は進藤医師から、脳死判定の際に瑞穂の指が動いたのは、「ラザロ徴候」…脳死の患者が手足を動かす現象だと教わります。
脳死した状態から蘇った症例は今までにないと聞かされても、それでも薫子は瑞穂の世話をし続けます。

【承】- 人魚の眠る家のあらすじ2

人魚の眠る家のシーン2 薫子は和昌に、離婚を白紙に戻してくれと言いました。
在宅介護だと金銭的な負担がかかるうえに、面倒をみる薫子が外へ働きに出ることが無理だからです。
もともと、離婚を切り出したのは薫子のほうだったので、和昌は聞き入れます。

自発呼吸ができない瑞穂は、在宅介護の場合、喉を切開して気管から管を挿入する必要が生じました。
それは、傍目にも、痛々しく思えます。
会社で障害者のサポートテクノロジーの研究をしている星野祐也に目を止めた和昌は、星野に横隔膜ペースメーカーについて教わりました。
手術を施すと、瑞穂の呼吸器が外れます。


2016年12月。

在宅介護になってから初めての冬。
瑞穂は意識不明なので、車いすに乗せたまま放置しておくと、身体が冷えてしまいます。
風邪を引いてしまうと命取りになるので、薫子はいつもぴりぴりしていました。
母・千鶴子に冷たい言葉をかけてしまい、あとで詫びます。

和昌に横隔膜ペースメーカーのお礼を言った薫子は、詳しい説明をします。
ただ管を入れるのではなく、ペースメーカーを埋め込んだことで、機械の力を借りたとはいえ、瑞穂の身体を動かすことになったので、健康増進につながっていました。
それを手放しで喜ぶ薫子を見て、和昌はもっとなにかしてやりたいと考えます。

星野のところへ行って、自分の娘の詳しい病状を話した和昌は、星野に家へ来てくれと頼みました。
星野は薫子の家を訪問し、パソコンと機械を見せます。
身体を動かす脳からの信号を似せた電気信号を、瑞穂の脊髄に送れば、筋肉を動かすことが可能だとし、星野は薫子の前で、瑞穂の身体が動くところを見せました。
薫子は感激します。


2017年1月。

薫子が喜んでからは、星野がときどき家にきて、装置を動かすようにしていました。
器具をつけて動かすと、まるで瑞穂が動いているように見えて、和昌も祖母・千鶴子も感激します。


2017年2月。

1か月かそこらしか経過していなくても、筋肉に張りが出てきたと、担当医に言われたそうです。
和昌は星野にそれを告げて、礼を言いました。



これまでにない取り組みに、星野もやりがいを感じます。
恋人・真緒との時間よりも、瑞穂のほうに星野の興味が移りました。

最初は星野が装置を動かすだけでしたが、薫子が星野の目を盗んで装置を動かしていたことがはっかくします。
それを知った星野は薫子に、2日に1日訪問すると答えました。
星野も瑞穂の世話をすることに、夢中になります。


2017年3月。

瑞穂は脳死状態でありながら、特別支援学校の入学が決まりました。
若葉がそれを聞いて、瑞穂にぬいぐるみをプレゼントします。


星野と恋人・真緒の関係が、ぎくしゃくしはじめました。
星野がよそよそしい態度を取るようになったことで、真緒は星野の浮気を疑います。
星野の後を尾行した真緒が着いたのは、薫子の家でした。
翌日、気になって真緒が再度家を訪問して、薫子と鉢合わせをします。

【転】- 人魚の眠る家のあらすじ3

人魚の眠る家のシーン3 薫子が真緒を家にあげて、瑞穂を見せながら説明をしたために、浮気の誤解はとけました。
しかし薫子が「星野さんは、第二の父親なんです」と意味深長な発言をしたために、真緒はショックを受けます。
真緒はつい張り合って、星野と結婚する予定だと言いました。
薫子が茶を淹れに中座したあいだに、瑞穂の手が動いたのを見て、真緒はおびえて立ち去ります。
(このシーンはちょっとホラーっぽい…)


後日。
真緒は薫子の夫・和昌に会いに行き、星野を返してくれと要求します。
和昌はまだ事態の深刻さを知らず、真緒の言い分を聞き流すだけでした。


2018年3月。

星野が瑞穂の専属になっていることが、和昌の会社で問題視されます。
幹部たちから「会社の私物化」を指摘されながらも、和昌はまだ星野を手放すつもりはありませんでした。
しかし父・多津朗から「お前は人間が関わっていい領域を超えている」と言われ、和昌は悩みます。


久しぶりに瑞穂や薫子の家に行った和昌は、嬉しそうな薫子が、瑞穂の表情筋を操作して、瑞穂を笑顔にさせているのを見て、驚きました。
薫子のしていることは、人形師が人形を扱っているのと同じことでした。
父親の言うとおりだと感じた和昌は、星野を会社に呼び、瑞穂の係から解くと言います。
熱中している星野は、「嫉妬しているのでは」と邪推し、「彼女たちに必要なのは私です」と張り合います。


2018年4月。

長男の生人が小学校に入学します。
この頃から薫子は、おかしな行動に走り始めました。
生人の入学式に、車いすに乗せた瑞穂を同行します。

薫子は毎日のように瑞穂を車いすに乗せ、連れ歩くようになりました。
(注:この理由は終盤に判明)

同じ頃、和昌は臓器提供を待っている患者・雪乃を知ります。
雪乃の家族はアメリカに渡って移植をするために、渡航費用の寄付を募っていました。
うしろめたい気持ちから、和昌はその家族に100万円の寄付をします。


2018年5月。

入学式に瑞穂を連れて行ったことがきっかけで、生人がいじめられていることが分かります。
同級生の保護者が、瑞穂の脳死を知ったようで「死んでいる」と表現されていました。
同級生から「気持ち悪い」と言われており、生人は苦しみます。

和昌は薫子に、ほどほどにしておけと言いますが、薫子は和昌にも食って掛かります。
寄付金のことを挙げた薫子は、浮気が露見したときに和昌が一言も言い訳しようとしなかったことを、責めます。
和昌に、雪乃が亡くなったという電話が入りました。


生人の誕生会が開かれますが、生人は同級生を招待していませんでした。
薫子に詰問された生人は、「瑞穂は死んだ」と同級生に嘘をついており、「そういわないといじめられそうだったから」と答えます。

【結】- 人魚の眠る家のあらすじ4

人魚の眠る家のシーン2 医学的にはもう死んでいるのだと和昌も声をかけますが、そう思いたくない薫子は、台所で包丁を手にしました。そのまま警察に通報します。
やってきた警察官を前に、薫子は包丁を瑞穂に向けて「この子を刺して心臓を止めたら、殺人罪になりますか。娘を殺したのは私でしょうか」と質問します。

脳死という状態が本当に死なのかと、薫子は疑っていました。
かくなるうえは国に決めてもらう…と言い、包丁を振りかぶった薫子に和昌が体当たりし、止めます。
「俺が君に、偽りの希望を与えた」と、和昌は薫子に詫びました。

さらに瑞穂の従姉妹・若葉が「瑞穂ちゃんが溺れたの、私の代わりだから」と告白します。

…プールの日。
若葉がつけていたおもちゃの指輪が、プールの中で外れてしまいました。指輪は排水口の近くに吸われて移動しています。
それを取ろうとした若葉を手伝い、瑞穂は指を挟んだのでした。
若葉が先に顔を出し、咳込んでいるあいだに、瑞穂は溺れていました…。

ひそかに思い悩んでいた若葉は、自分が成長したら薫子の手伝いをしようと思い詰めていました。
それを聞いた生人も反省し、「僕、学校で言うよ。お姉ちゃんは生きてるって」と言います。
周囲の人間が自分の味方をしてくれて、薫子も包丁を離しました。気持ちが楽になります…。


星野は真緒のところへ行き、謝罪します。真緒はそれを受け入れて、復縁しました。

季節が変わり、夏になります。
和昌が薫子に、瑞穂を連れて散歩へ行こうと言いました。
行った先は、薫子が訪問したことのないアスレチックコースです。

車いすを押した薫子は、ずっと探していた場所が、そこだと気づきました。
…薫子が車いすに瑞穂を乗せて、あちこち回っていたのには、理由がありました。
瑞穂が事故に遭う当日の朝、瑞穂はスケッチブックに絵を描いて、お気に入りの場所ができたのだと話していました。
母・薫子に今度案内する…と言ったきり、瑞穂は意識不明になったのです。
薫子はその場所がどこにあるのか分からず、瑞穂のスケッチブックを片手に、ずっとその場所を探し続けていたのでした…。

スケッチブックには、ハートマークと緑の場所が描かれています。
それは、切り株の洞がハートの形になっており、向こう側が見える場所でした。
薫子、和昌、生人は洞を覗き込みます…。


瑞穂が目覚めたという夢を、薫子は見ます。
「お母さん、ありがとう。今までありがとう」と瑞穂が声をかけてくる…そんな夢から目覚めた薫子は、瑞穂の命が残り少ないと気づきます。
アラーム音が鳴り始め、薫子は覚悟を持って、病院へ搬送してもらいます。

進藤医師に身体が衰弱していると聞かされた薫子は、今度は躊躇わずに臓器提供の意思と、脳死判定を頼みます。
「瑞穂なら、それを望むと思います」と言う薫子のことばに、迷いはありませんでした。
瑞穂はその後、臓器提供をおこないます…。


瑞穂の葬儀がいとなまれました。
葬儀会場に現れた進藤医師は、瑞穂の命日が「平成30年8月30日」と書かれていることを指摘します。
それは、本当の意味での命日(脳死判定の日)ではなく、「薫子が瑞穂の別れを夢に見た日」でした。
和昌は、薫子がそう思っているのだと言います。

そして和昌自身も薫子と同じ考えだと言いました。
「脳死が人の死なのかは、正直分からない」と口にした和昌に対し、進藤医師は、ではまだ瑞穂は死んでいないと告げます。
「この世界のどこかで、また彼女の心臓は動いていますから(臓器移植によって)」と聞いた和昌は、涙ぐみます。


…心臓移植の手術を受け、退院した小学6年生の宗吾は、なにかに誘われるように、瑞穂の家へ行きました。
(宗吾は、映画のオープニングで出てくる少年)
ある確信をもってその屋敷へ向かった宗吾ですが、播磨家は更地になっており、あの屋敷はもうありませんでした。
更地が上空から映し出されます…。

みんなの感想

ライターの感想

脳死について扱った内容。考えさせられる内容。
脳死判定がなされると臓器移植はできる。臓器移植をしない選択をした場合には、心臓停止を待たねばならない。
日本の矛盾だらけの問題、初めて知った。
クライマックスのシーンでは、わが娘の命を奪ってでも、娘が生きていることを証明したいというパラドックス。
思わずうなってしまった。
子を持つ親にとっては、たぶんつらくて目をそむけたい内容だろう。無理強いはしないが、興味深い作品。

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