映画:冷たい熱帯魚

「冷たい熱帯魚」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(4件)

冷たい熱帯魚の紹介:園子温監督作品。1993年の埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした物語で、各部門で映画賞を多数受賞して高い評価を得た。2010年公開。

あらすじ動画

冷たい熱帯魚の主な出演者

社本信行(吹越満)、村田幸雄(でんでん)、村田愛子(黒沢あすか)、社本妙子(神楽坂恵)、社本美津子(梶原ひかり)、筒井高康(渡辺哲)、吉田アキオ(諏訪太朗)

冷たい熱帯魚のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①小さな熱帯魚店を経営する信行は、死別した前妻の娘・美津子と後妻・妙子の不仲に困惑しつつ対処できずにいる気弱な男性。美津子の万引きをとりなしたのは同業者の村田。村田は信行と対照的な陽気な男で、美津子を預かると言い出した。 ②店の寮に美津子を引き取った村田は、妻の妙子を手込めにする。信行の目の前でビジネスパートナーの吉田を殺害、信行に死体の後始末を手伝わせた。 ③理不尽な所業に耐えかねた信行は村田とその妻・愛子を殺害。警察を解体現場の廃墟に呼ぶ。妙子をも手にかけ信行は自殺、しかし父の思いは娘の美津子に伝わらなかった。

【起】– 冷たい熱帯魚のあらすじ1

冷たい熱帯魚のシーン1

画像引用元:YouTube / 冷たい熱帯魚トレーラー映像

〝THIS IS A TRUE STORY〟

静岡県富士見市。

早足でAコープに入ってきた中年女性・社本妙子は、冷凍食品のつくねハンバーグとからあげ、即席のカップみそ汁と、パックに入った白飯を無造作に買い物かごに入れて購入しました。

帰宅すると、それらを片っ端から電子レンジで温め、カップみそ汁には湯を注ぎます。これで夕食のできあがりです。

かろうじて食器に盛り付けはしますが、それだけです。

栄養の偏った食事を、中年男性の夫・社本信行、妻・妙子、10代後半の娘・美津子は黙ったまま口に運びました。

食事中に携帯に電話がかかってきて、美津子は電話を取ります。

彼氏が外へ迎えに来ていると聞いた美津子は、両親に何の断りもなく席を立つと、そのまま出かけていきました。彼氏の赤いスポーツカーに乗って夜遊びに出かけます。

これには少々の事情がありました。ひとことで言うと「妙子は後妻で、美津子と血の繋がりがない」のです。

美津子の実母は3年前に病死しました。美津子は母の死に悲しみを覚えますが、その哀しみも癒えぬうちに、父・信行が今の妻・妙子と再婚したのです。

妙子は煙草を吸う女性でした。美津子は後妻の妙子に難癖をつけたくて、母親だったら煙草を吸うな…など、暴言を吐きました。表向き、妙子は禁煙した振りを装っています。

しかし美津子は妙子とうまく付き合う気などなく、妙子も義理の娘と仲良くすることをあきらめました。そのあきらめが、「食事の支度をしない」という行動に如実に表れています。

娘にも妻にもいい顔をする信行は、いがみあう2人の間に立たされて、ストレスが溜まっていました。気の弱い信行はどちらの味方にもなれず、食べた食事をすぐトイレで吐きます(神経性のストレス)。

(食事のシーンだけで、すでに社本家の家庭が崩壊しているさまが、手に取るように分かる演出)

社本宅は、個人経営の小さな『社本熱帯魚店』を経営しています。魚の世話は妙子がしていました。

食後、妙子は自動食器洗い機で、洗い物を手早く片付けます。

テレビを並んで見ていた信行は妙子に手を伸ばしますが、「いつあの子が帰るか分からないから」という理由で拒否されました。

信行はトイレにこもって吐き、妙子は熱帯魚店の軒先で煙草を吸います。

外はひどい雨の夜でした。

家の電話が鳴りますが、妙子は煙草を吸っていて聞こえないので、トイレにいた信行が電話を取ります。

電話は、娘の美津子が万引きしたという内容でした。信行は電話を切ると、妙子を探します。

妙子が煙草を吸っていることに気付いた信行は、気付いていない振りをして妙子を呼びました。妙子も吸っていた煙草を捨て(雨の日なので放るとすぐ消える)、信行の方を向き直ります。

〔2009年1月19日月曜日 午後9時11分〕

営業を終了したAコープに駆け付けた信行、妙子は、店長のますだに呼ばれて奥の事務所へ通されました。

ますだは「2度3度じゃないよね。手つきがプロなんだよ」と言うと、警察に通報しようとします。信行はそれを必死で制止しました。

とりなしてくれたのは、初老というにはまだ精力的な男性・村田幸雄です。

村田はますだと仲がよく、社本が熱帯魚店を経営していることも知っていました。同業者兼ライバルということで、市内の店は把握しているそうです。

万引きを発見したのも、村田でした。

ますだを抑えた村田は、信行らにも愛想よく接します。美津子も「よく分からないけど明るくて気さくなおしゃべり好きのおじさん」くらいに思い、好印象を抱きました。

〔午後10時〕

Aコープを出た村田は、これから自分の店に魚を見に来いと、半ば強引に誘います。

押しの強さに押し切られて、社本家は行くことになりました。

村田が乗っているのは赤いフェラーリです。村田の車のあとをついて、信行らはセダンで移動しました。

村田の店は派手な看板を掲げた、大きな店でした。『アマゾンゴールド』といいます。

〔午後10時22分〕

店を案内しながら、村田は「商売はエンターテイメントだ」と言いました。

村田の陽気さに、妙子、美津子の女性陣は絡め取られますが、信行だけは戸惑いを隠せずにいました。村田の名刺までもが、派手でした。

信行が熱帯魚を見ていると、奥から村田の妻・愛子が出てきます。

愛子と村田は年齢が離れており、愛子はまだ35歳でした。

村田は信行に、事情がありそうだから美津子を自分が預かると言い出します。

年頃の女性が「家でくすぶっているのはよくない、責任持って預かりましょう」と村田は言います。

〔午後10時55分〕

村田が社本の店を見たいと言い出し、村田夫妻が社本家に行くことになりました。

この機会にフェラーリに乗ってみろと村田が助手席を美津子に勧め、その代わり村田の妻・愛子が信行の車の後部座席に乗ります。

〔午後11時22分〕

店を見て回った村田は、感心しきりでした。おさえるべき魚はきちんと入荷しており、魚がいきいきしていると指摘します。

信行は「世話は妻の妙子がしている」と言いました。

店の中に飾られた星空を見て、星を見るのが信行の趣味と分かります。富士見町のプラネタリウムには、再婚前に信行と妙子が行っていました。

雨がやむと共に、村田と愛子は帰っていきます。

その夜、布団に入って天井の蛍光灯を見つめた信行は、プラネタリウムの空を思い出しました。

「地球は今からおよそ46億年前に始まり、今からおよそ46億年後に終わる」という、プラネタリウムのアナウンスも耳に蘇ります。

信行の夢は、家族が平和に暮らすというただそれだけの、ささやかなものでした…。

〔1月20日火曜日 午前9時45分〕

美津子が世話になるので、社本一家は村田の店へ行きます。

店には袖無しTシャツに短パン姿の女性ばかりが、スタッフとして働いていました。そこへ美津子も加わることになります。

村田がスタッフのひとりを呼びました。さわだゆうこというショートボブの少女が、美津子の世話役をするそうです。

スタッフが暮らす寮に美津子も加わり、住み込みで働くことになりました。

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