映画:冷たい熱帯魚

「冷たい熱帯魚」のネタバレあらすじと結末

冷たい熱帯魚の紹介:園子温監督作品。1993年の埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした物語で、各部門で映画賞を多数受賞して高い評価を得た。2010年公開。

あらすじ動画

冷たい熱帯魚の主な出演者

社本信行(吹越満)、村田幸雄(でんでん)、村田愛子(黒沢あすか)、社本妙子(神楽坂恵)、社本美津子(梶原ひかり)、筒井高康(渡辺哲)、吉田アキオ(諏訪太朗)

冷たい熱帯魚のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①小さな熱帯魚店を経営する信行は、死別した前妻の娘・美津子と後妻・妙子の不仲に困惑しつつ対処できずにいる気弱な男性。美津子の万引きをとりなしたのは同業者の村田。村田は信行と対照的な陽気な男で、美津子を預かると言い出した。 ②店の寮に美津子を引き取った村田は、妻の妙子を手込めにする。信行の目の前でビジネスパートナーの吉田を殺害、信行に死体の後始末を手伝わせた。 ③理不尽な所業に耐えかねた信行は村田とその妻・愛子を殺害。警察を解体現場の廃墟に呼ぶ。妙子をも手にかけ信行は自殺、しかし父の思いは娘の美津子に伝わらなかった。

【起】- 冷たい熱帯魚のあらすじ1

冷たい熱帯魚のシーン1 〝THIS IS A TRUE STORY〟

静岡県富士見市。
早足でAコープに入ってきた中年女性・社本妙子は、冷凍食品のつくねハンバーグとからあげ、即席のカップみそ汁と、パックに入った白飯を無造作に買い物かごに入れて購入しました。
帰宅すると、それらを片っ端から電子レンジで温め、カップみそ汁には湯を注ぎます。これで夕食のできあがりです。
かろうじて食器に盛り付けはしますが、それだけです。
栄養の偏った食事を、中年男性の夫・社本信行、妻・妙子、10代後半の娘・美津子は黙ったまま口に運びました。
食事中に携帯に電話がかかってきて、美津子は電話を取ります。
彼氏が外へ迎えに来ていると聞いた美津子は、両親に何の断りもなく席を立つと、そのまま出かけていきました。彼氏の赤いスポーツカーに乗って夜遊びに出かけます。

これには少々の事情がありました。ひとことで言うと「妙子は後妻で、美津子と血の繋がりがない」のです。
美津子の実母は3年前に病死しました。美津子は母の死に悲しみを覚えますが、その哀しみも癒えぬうちに、父・信行が今の妻・妙子と再婚したのです。
妙子は煙草を吸う女性でした。美津子は後妻の妙子に難癖をつけたくて、母親だったら煙草を吸うな…など、暴言を吐きました。表向き、妙子は禁煙した振りを装っています。
しかし美津子は妙子とうまく付き合う気などなく、妙子も義理の娘と仲良くすることをあきらめました。そのあきらめが、「食事の支度をしない」という行動に如実に表れています。
娘にも妻にもいい顔をする信行は、いがみあう2人の間に立たされて、ストレスが溜まっていました。気の弱い信行はどちらの味方にもなれず、食べた食事をすぐトイレで吐きます(神経性のストレス)。
(食事のシーンだけで、すでに社本家の家庭が崩壊しているさまが、手に取るように分かる演出)

社本宅は、個人経営の小さな『社本熱帯魚店』を経営しています。魚の世話は妙子がしていました。
食後、妙子は自動食器洗い機で、洗い物を手早く片付けます。
テレビを並んで見ていた信行は妙子に手を伸ばしますが、「いつあの子が帰るか分からないから」という理由で拒否されました。
信行はトイレにこもって吐き、妙子は熱帯魚店の軒先で煙草を吸います。
外はひどい雨の夜でした。

家の電話が鳴りますが、妙子は煙草を吸っていて聞こえないので、トイレにいた信行が電話を取ります。
電話は、娘の美津子が万引きしたという内容でした。信行は電話を切ると、妙子を探します。
妙子が煙草を吸っていることに気付いた信行は、気付いていない振りをして妙子を呼びました。妙子も吸っていた煙草を捨て(雨の日なので放るとすぐ消える)、信行の方を向き直ります。

〔2009年1月19日月曜日 午後9時11分〕
営業を終了したAコープに駆け付けた信行、妙子は、店長のますだに呼ばれて奥の事務所へ通されました。
ますだは「2度3度じゃないよね。手つきがプロなんだよ」と言うと、警察に通報しようとします。信行はそれを必死で制止しました。
とりなしてくれたのは、初老というにはまだ精力的な男性・村田幸雄です。
村田はますだと仲がよく、社本が熱帯魚店を経営していることも知っていました。同業者兼ライバルということで、市内の店は把握しているそうです。
万引きを発見したのも、村田でした。
ますだを抑えた村田は、信行らにも愛想よく接します。美津子も「よく分からないけど明るくて気さくなおしゃべり好きのおじさん」くらいに思い、好印象を抱きました。

〔午後10時〕
Aコープを出た村田は、これから自分の店に魚を見に来いと、半ば強引に誘います。
押しの強さに押し切られて、社本家は行くことになりました。
村田が乗っているのは赤いフェラーリです。村田の車のあとをついて、信行らはセダンで移動しました。
村田の店は派手な看板を掲げた、大きな店でした。『アマゾンゴールド』といいます。

〔午後10時22分〕
店を案内しながら、村田は「商売はエンターテイメントだ」と言いました。
村田の陽気さに、妙子、美津子の女性陣は絡め取られますが、信行だけは戸惑いを隠せずにいました。村田の名刺までもが、派手でした。
信行が熱帯魚を見ていると、奥から村田の妻・愛子が出てきます。
愛子と村田は年齢が離れており、愛子はまだ35歳でした。
村田は信行に、事情がありそうだから美津子を自分が預かると言い出します。
年頃の女性が「家でくすぶっているのはよくない、責任持って預かりましょう」と村田は言います。

〔午後10時55分〕
村田が社本の店を見たいと言い出し、村田夫妻が社本家に行くことになりました。
この機会にフェラーリに乗ってみろと村田が助手席を美津子に勧め、その代わり村田の妻・愛子が信行の車の後部座席に乗ります。

〔午後11時22分〕
店を見て回った村田は、感心しきりでした。おさえるべき魚はきちんと入荷しており、魚がいきいきしていると指摘します。
信行は「世話は妻の妙子がしている」と言いました。
店の中に飾られた星空を見て、星を見るのが信行の趣味と分かります。富士見町のプラネタリウムには、再婚前に信行と妙子が行っていました。

雨がやむと共に、村田と愛子は帰っていきます。
その夜、布団に入って天井の蛍光灯を見つめた信行は、プラネタリウムの空を思い出しました。
「地球は今からおよそ46億年前に始まり、今からおよそ46億年後に終わる」という、プラネタリウムのアナウンスも耳に蘇ります。
信行の夢は、家族が平和に暮らすというただそれだけの、ささやかなものでした…。

〔1月20日火曜日 午前9時45分〕
美津子が世話になるので、社本一家は村田の店へ行きます。
店には袖無しTシャツに短パン姿の女性ばかりが、スタッフとして働いていました。そこへ美津子も加わることになります。
村田がスタッフのひとりを呼びました。さわだゆうこというショートボブの少女が、美津子の世話役をするそうです。
スタッフが暮らす寮に美津子も加わり、住み込みで働くことになりました。

【承】- 冷たい熱帯魚のあらすじ2

冷たい熱帯魚のシーン2 仕事があるだろうからと信行を帰すと、妙子と「今後の話し合いがある」と愛子が引き留めます。
村田と愛子は2人がかりで、妙子に話しかけました。連れ子の扱いに困っただろう、自分のせいだと責めて、ふさぎこんだんだろうと声をかけます。
旦那である信行がよくないと言って、村田は妙子に服を脱げと言い出しました。
軽く平手打ちしながら、妙子に服を脱ぐよう命令します。
妙子は途中から「もっと殴ってください」と言いました。
(洗脳の手段。この段階で妙子は村田夫妻に頭が上がらなくなった)

帰宅した妙子は、村田がビジネスパートナーとして話があるらしいと、信行に伝えます。
アマゾンで仕入れた魚を養殖し、増やして売るというものでした。
成功すれば何千万ものビッグチャンスだと妙子が発破をかけます。信行は困った顔をしました。

〔1月21日水曜日 午後2時50分〕
信行が村田の店へ行きます。娘の美津子は忙しそうにしており、声をかけられません。
応接室に通されると、そこには先客の男性・吉田アキオと筒井高康がいました。
吉田アキオはビジネスパートナーとして声をかけられている男性で、筒井は村田の顧問弁護士です。
村田は吉田に、「1000万する熱帯魚のオスとメスを繁殖させる」と口説いていました。村田は、すでに信行が参加するような口ぶりで話します。
吉田は半信半疑でした。しかし弁護士の筒井が「初期投資は必要」と横で話します。
それでもまだ吉田は疑問視し、「高級魚でも100万くらいと聞いている」と意見しました。
すると村田は突然怒り始め、ならば信行と2人でやっていくと宣言します。
村田の激昂した顔を見て、吉田は焦りました。

信行が村田を呼び出しますが、村田は「吉田の前では何もしゃべらなくていい」と答えます。
出資はできないと信行が言うと、「金は用意しなくていい。手入れだけフォローしてほしいのだ」と村田が告げました。なんとなく信行は納得させられます。
ピラニアが小さな魚を食べるのを見て、にやりと笑う娘・美津子を見た信行は、美津子に呼びかけますが無視されます。
部屋に再び戻ると、吉田が弁護士の筒井に指示されて、何かの契約書にハンコをついていました。
契約が終わった頃に妻の愛子が栄養ドリンクを持ってきます。
それを飲んだ吉田は、直後に苦しみ始め、水を求めました。水を渡しても苦しみはおさまらず、信行の見ている前で吉田が死にました(というか、村田が殺した)。
信行は大いに動転しますが、村田も愛子も、筒井も当たり前のように受け止めます。
村田は「これで58人目だ」と言うと、信行に命令し始めました。
圧倒された信行は逆らえず、言われるまま愛子と共に吉田の遺体を毛布にくるみます。

〔午後4時22分〕
軍手をはめた村田、愛子、信行は、吉田の遺体を車のトランクに入れました。

〔午後8時〕
言われるまま、信行は車の運転をさせられます。

〔午後9時〕
村田の案内で、車は山中に到着しました。そこには廃墟となった教会のような建物があります。
和風家屋なのですが、入り口には磔刑のキリスト像が飾られていました。
愛子は家に入ると、ライターと殺虫剤で手早くろうそくに火をつけ、遺体は風呂場へ運びます。
村田と愛子がすべて作業を行ないました。信行は娘の美津子を盾に、逃げるなと命令されます。
村田も愛子も慣れているようで、風呂場で談笑しながら遺体の解体をしていました。
遺体をパーツごとに分け、骨と肉は完全に分断しました。肉をからあげサイズにまで刻みます。

「おい、入って来い。終わったぞ」
村田に言われて風呂場に近づいた信行は、おびただしい血であふれた凄惨な風呂場を見て、血のにおいにむせかえります。
村田は吉田がつけていた高級時計を「お前にやる」と投げてよこすと、コーヒーを淹れてくれと言いました。
信行は汚れた台所の流しで吐きますが、村田と愛子は鼻歌をうたいながら風呂場の掃除をします。

その館は村田が言うには、小さい頃に閉じ込められていた場所だそうです。現在は誰も使用していないようで、ただの廃墟となっていました。
ドラム缶に火を起こすと、村田は骨を焼きます。火にくべた後、油を注いで高温で焼きました。
夜を徹して作業をおこない、最後に灰を集めます。
(信行が従わざるをえなかったのは、「娘の美津子を人質に取られている」こともあるが、それだけではない。
自分の想像を絶する光景が目の前で突然起きると、ひとはパニック状態に陥る。
判断ができない状況下に追い込まれた信行に、村田は次々に指示を与えた。こうすることで、信行は「考えることなく」盲目的に村田の言う通りに動くことになる。
これも一種の洗脳の方法)

〔1月22日木曜日 午前6時20分〕
車で山をおりる途中、橋のところで村田は「止めろ」と言いました。
誰も見ていないのを確認すると、ビニール袋に入れた肉片を川に捨てます。魚の餌にするのです。「次は骨だ」と言い、灰を崖から撒きました。
(骨は高温で焼くと灰になる)
これで吉田の遺体が見つかることはなく、遺体がない以上、事件として立件が難しくなります。村田はこれを「ボディを透明にする」と表現しました。
村田は信行に、「うちへ戻って平静を装え。飲んでたんだと言え」と指示します。
信行の小心ぶりを見た村田は、「自分の小さい頃にそっくりだ」と吐き捨てるように言いました。

〔1月22日木曜日 午前7時53分〕
帰宅した信行は妻の妙子に抱きつくと、詫びと礼を言います。「愛してる」とも告げました。
望まない形ではあるものの、犯罪に加担してしまった信行は、戦々恐々と過ごします。

小心者の信行は、夜も満足に眠れませんでした。水を飲んで落ち着こうとします。

【転】- 冷たい熱帯魚のあらすじ3

冷たい熱帯魚のシーン3 〔1月29日木曜日 午後2時15分〕
信行は村田のところへ行き、美津子を帰してほしいと頼みます。
村田、愛子、弁護士の筒井が事務所にいました。筒井の部下の茶髪男性・オオクボヒロシも黙って座っています。
その時に、吉田の弟分を名乗る男が、村田の店に電話をかけてきます。吉田がもう1週間も戻ってきていないと言った男は「明日、そっち行くからな」と電話を切りました。
信行は動転しますが、村田たちは平然としています。
信行は娘の美津子のところへ行き、「帰ろう」と言いますが、美津子は拒否しました。

再び事務所に連れられた信行は、口裏合わせの練習をさせられます。
当事者の村田たちの証言だけでなく、第三者である信行の証言があったほうが、ことが有利に運ぶからです。
「吉田は金を持って誰にも告げず、女性と逃避行をしたのではないか」という筋書きを描き、自分たちは一切吉田の失踪に関わっていない振りをします。
村田は何度も「死体がなけりゃ、ばれっこないんだ」と、信行の不安をかき消すように言いました。
「先週の木曜の夕方、ここの金庫から取り出したワゴムで束ねたキャンセル料の450万円を支払った。キャンセル料は、魚の餌代などの必要経費を差し引いた分だ。吉田さんは一枚一枚丁寧に数えていた。そのあとは会っていない」
この内容の証言を、何度も何度も信行は復唱させられます。

信行はこの日、バスに乗って店までやってきていました。出がけに妻の妙子が車を使っていたからです。
弁護士の筒井が信行を送ると言いました。村田の妻・愛子も車に乗り込みます。
筒井は車中で信行に「自分の味方をしろ」と言い始めました。
もともと『アマゾンゴールド』の店は愛子に所有権があり、村田はもう終わりだと言った筒井は、村田を倒す時には手伝いをしてくれと、信行に言います。
愛子も筒井の前では、筒井の味方をします。

信行を家まで送り届けた筒井、愛子、オオクボは、信行の店へ顔を出しますが、すぐ帰りました。
信行は妻の妙子を、半ば強引にプラネタリウムに連れていきます。
戸惑っていた妙子ですが、プラネタリウムを見終わると、「最初のデートの時のことを思い出した」と言いました。

〔1月30日金曜日 午後2時08分〕
吉田の舎弟が6人、村田の事務所を訪問します。
村田は詰め寄る舎弟たちに対し、むしろ自分が被害者のように装いました。弁護士の筒井は、舎弟たちを恫喝します。
信行は指示されるまま、前日に練習していた言葉を並べました。
確たる証拠が一切ないので、舎弟たちも引き下がります。

その後、愛子は弁護士の筒井と出かけました。運転手はオオクボです。
筒井宅に行った愛子は、筒井と関係を持ちました。途中でオオクボを呼び、行為を見ておいてくれと言います。

信行は事務所を出て車に乗り込もうとした時に、静岡県警捜査一課の川尻進警部補に声をかけられました。名刺を渡されます。
川尻は、村田の周囲で行方不明になった者が30人以上にものぼることを告げ、さらに村田の助手のようなことをしていた男も、妻子ごと消えてしまったと言いました。「村田の助手」という存在を自分に重ね合わせ、信行は恐ろしくなります。
「もう奴の共犯者じゃないでしょうね。くれぐれもご注意を」と川尻に言われました。

川尻が去った後、村田に呼び止められた信行は、反射的にもらった名刺を車のダッシュボードに入れます。
妻の妙子に短い電話をかけ、「何かあったら車のダッシュボードを見ろ」と言いました。
村田は信行の車に乗り込みます。
信行の車を、川尻たちの車が尾行していました。それを知る村田は道順を指示し、強引に尾行をまきます。

〔午後5時23分〕
筒井宅に到着した信行は、倒れた筒井を目撃しました。そばに栄養ドリンクが転がっています。
救急車を呼ぶと電話しようとしたオオクボを、村田が絞殺しました。オオクボの茶髪はカツラだったことが、殺した際に露見します。
信行は恐ろしくて、部屋の隅に縮こまっていました。
村田が信行に「飲め」と栄養ドリンクを放りますが、それを飲んだ吉田が倒れたのを知っているので、信行はひるみます。
見透かしたように、村田は栄養ドリンクをあおると「毒なんか入ってないよ。死体の始末、手伝え」と言いました。

愛子と村田は手際よく2つの遺体(筒井、オオクボ)を毛布で包むとガムテープで固定し、運び出します。
愛子が先に家を出て様子を確認し、誰もいないのを見てから車に入れました。
1つはトランク、1つは後部座席に詰めます。
前回と同じ山中の廃屋に運び込むと、風呂場で村田と愛子は解体を始めました。
村田は信行に「向こうで休んでいろ」と言われます。信行はラジオを聞いてやりすごしました。
相変わらず村田と愛子は、死体を解体しながら談笑していました。

作業の途中で村田が信行を呼び、「死体を透明にする方法」を覚えておくと便利だと言います。
骨と肉を分け、肉片はからあげ大にまで切るのだと説明する村田の言葉を、信行は呆然とした顔で聞いていました。その後も前回と同じように、インスタントコーヒーを淹れさせられます。
火を起こし、前回と同様、衣服とオオクボのカツラ、骨を焼き、油を注ぎました。
筒井は欲をかいて金の増額を要求し、村田の怒りを買っていました。

〔1月31日土曜日 午前6時50分〕
今日は信行が捨てろと、命令されます。
ひるむ信行に対し、村田は妻の妙子の「背中のほくろが可愛いな」と挑発しました。信行の眼鏡を捨てられます。
妙子と村田が関係を持ったと知った信行は、怒りが湧きました。さらに村田はあおり、「殴ってこい」と言います。

【結】- 冷たい熱帯魚のあらすじ4

冷たい熱帯魚のシーン2 信行は村田を殴りましたが、その力は弱いものでした。しかも信行は殴った後、泣き崩れます。
村田は信行を殴ると「共犯者だろ」と言い、今すぐ目の前で愛子を抱けと強要します。
(不甲斐ない信行を村田は嫌い、強くしようとしている。幼少期の自分が弱かったと発言していることから、自分と重ねて見ている可能性もあり)
車のトランクに腰かけた愛子に覆いかぶせられた信行を、背後から村田が尻を押します。

行為の最中、トランクに鉛筆を見つけた信行は、愛子の首に突き立てました。さらに振り返り、村田の首も刺します。
愛子の傷は、致命傷になっていません。
後部座席に逃げ込んだ村田を追いかけ、信行は何度も鉛筆で村田を刺しました。

虫の息の村田を後部座席に乗せたまま、信行は再び山中の廃墟に戻ります。
愛子に「村田を降ろせ」と命令し、包丁を突きつけて「楽にしてやれ」と言いました。愛子は信行に言われるまま、テレビで殴って村田を殺します。
風呂場まで運ぶよう愛子に命令した信行は、強引に愛子にキスをすると「今日からお前は俺の女だ」と宣言しました。
愛子は盲目的に、信行を信頼するようになります。
(先述のとおり、愛子は「強い男」に従う女性で、自分が上に立とうと思わない。今まで最強だった村田を殺して信行がトップに君臨したので、信行の言うことは従う)
信行は愛子に村田の解体を任せ、自分は車中の血痕を拭きました。
その後ふもとへ降り、村田の店にいる美津子を殴りつけて「言うことをきけ」と言い、強引に家へ連れ帰ります。

(信行が豹変したのを、どう読み取るかは観客に委ねている。「やけくそになった」「隠されていた信行の本性があらわになった」「自分を犠牲にしてでも、すべてをなしにしたいと思った」いずれも正解に思えるし、いずれも間違っているように感じられるのが、本作の不思議なところ。
自分の幼い頃に似ていると、しきりに村田が言っていたとおり、村田と信行は似ているのかもしれない)

〔2009年1月31日土曜日 午前11時35分〕
美津子を連れ帰った信行は、先に美津子へ家に入れと言います。
車中に残った信行は、頭をハンドルに何度もぶつけました(まだ正気の証)。

〔2009年1月31日土曜日 午前11時55分〕
家で向かい合っている妻・妙子と美津子のところへ入ってきた信行は、妙子に「食事の用意をしろ」、美津子に「お前は着替えてこい」と命令しました。
いつもと違う居丈高な態度に、妙子と美津子は従います。
3人で食卓を囲む(オープニングと同じで、やっぱり冷凍食品だった)最中に、美津子の携帯に電話が鳴りました。
相手は美津子の彼氏ですが、信行は「食事中に席を立つな」と言います。
表に出た美津子を平手打ちして気絶させ、信行は金髪頭の彼氏も殴りつけ、車にぶつけました。

気絶した娘の美津子を部屋まで運んだ信行は、妻の妙子に「村田と寝ただろう」と言うと、自分との結婚は大間違いだったと思っているんだろうと、大声で詰問します。
信行の言葉は、妙子の本音でした。認める妙子を、信行は犯します。
行為の途中で美津子が目覚め、「おめーら、何やってんだよ」と言いますが、信行が殴って気絶させました。
どうやらこの風景が、信行がたどりついた「親子3人の平和な家族だんらん」のようです。
(だから美津子を横に置いている。行為を見せたいわけではない)

〔1月31日土曜日 午後12時05分〕
信行は服を着替えます。

〔1月31日土曜日 午後2時32分〕
妻・妙子と娘・美津子を車に乗せた信行は、山のふもとまで移動します。
川尻警部補に電話した信行は、「カタをつけてくる」と告げました。
川尻警部補はいぶかしみ、信行の携帯のGPSで場所を確認し、出動します。

〔1月31日土曜日 午後3時34分〕
妻と娘を車中に残したまま、信行は廃墟に入りました。
愛子が作業の手を止め、「半分終わった」と嬉しそうに報告します。
その愛子の頭部を、信行は鈍器で殴りました。愛子も反撃し、揉み合いになります。
愛子が持った包丁を奪い、信行が腹を刺しました。愛子は死亡します。
廃墟の外に、川尻警部補らが駆け付けました。

〔1月31日土曜日 午後4時24分〕
廃墟の外にある椅子に血まみれで座っていた信行は、川尻警部補らに「中です」と告げます。
川尻らは風呂場に行って凄惨な現場を見て、思わず声をあげました。
妻・妙子は示されないながらも、夫の信行が自分たちを守るために奮闘していたのだと気付き、涙を流しながら車から出て、信行に抱きつきます。
(自分たちのために奮闘したと知り、信行にほれなおした)
抱きつく妙子を、手に持った包丁で信行は刺していました。
(信行は、自分を裏切って村田に抱かれた妙子に復讐した)
くずおれた妙子を見て、娘の美津子もあっけにとられ、車から出ました。
美津子の方を向いた信行は、「お前はひとりで生きていけるか? 生きていきたいんだよな」と言います。
今まで美津子が親である信行に反発してきたのは、自立したいからだという意味です。
信行は美津子の腕を刺しました。美津子が痛がるのを見て「人生ってのはな、痛いんだよ」と言います。
信行はその後、包丁で自分の首を掻き切って、死にました。

信行は自殺することで、人生は生半可な覚悟では通用しないということを、娘の美津子に示しました。
父親が亡くなって悲嘆にくれるかと思いきや、娘の美津子は高らかに笑います。
「やっと死にやがったな、クソジジイ。起きてみろよ、クソジジイ」と言いながら、何度も信行の遺体を蹴りつけます。
(おそらくこれは美津子の本音。信行が命を賭して伝えたかったことも、娘の美津子にとっては「うざい説教」でしかなかった。親の気持ちが娘に通用しなかった)
プラネタリウムで説明される時に表示される、地球が映し出されます。
(こんな事件が起きていても、地球は回っているという示唆)

みんなの感想

ライターの感想

…やっぱり園子温はある意味、すごいよなあ。2時間半近くあるのだが、それだけの時間飽きさせることなく見せる。
もちろん今作品、目をそむけたくなるグロテスクなシーンがてんこもり。
しかしそれを圧倒するキャラクターの濃さ。村田役のでんでん、すごい。まさしく「怪演」ということばがふさわしい。
村田のキャラが濃ければ濃いほど、主人公である信行の気の弱さが際立ち、ラストで信行が豹変して以降の話が生きる。
ストーリーについていけないという人がいると思う。こんなこと現実的ではない、という人もあろう。
しかし実話をベースとした作品であることをお忘れなく(もちろんデフォルメ満載だけど)。
妻・妙子が「もっと殴って下さい」というのはさすがに無理はあるけども、吉田殺害時の信行のように「予想を超えた展開を見せられ、頭が麻痺する」というのは、じゅうぶんありうる。
ほんとに、洗脳ってこんな感じだろうな…と思いながら拝見した。
  • pao12さんの感想

    園子温監督の作品は好きでだいたい観ているが、これは代表作といってもいいと思う。エログロ要素満載なのはいつもどおりだけど、でんでんの怪演と最後の吹越満と娘のシーンがぐっとくる。「生きるって痛い」この言葉に監督が伝えたかったすべてがつまっている気がする。女優人も体当たりの演技で、観た後しばらく忘れられない気持ち悪さがある作品。

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