映画:半落ち

「半落ち」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

サスペンス映画

半落ちの紹介:2004年公開の日本映画。横山秀夫の同名の小説を原作とする。「半落ち」とは警察用語で「一部自供した」という意味。警察官である殺人犯が、殺害から出頭するまでの「空白の2日間」の謎をめぐって、話が展開していく。

あらすじ動画

半落ちの主な出演者

梶聡一郎(寺尾聰)、梶啓子(原田美枝子)、藤林圭吾(吉岡秀隆)、藤林澄子(奥貫薫)、藤林圭一(井川比佐志)、辻内裁判長(本田博太郎)、中尾洋子(鶴田真由)、片桐時彦(田辺誠一)、佐瀬銛男(伊原剛志)、植村学(國村隼)、植村亜紀子(高島礼子)、高木ひさ江(奈良岡朋子)、島村康子(樹木希林)、笹岡警務部長(斉藤洋介)、鈴木孝夫(田山涼成)、岩村肇(石橋蓮司)、加賀美康博(嶋田久作)、古賀誠司(笹野高史)、小国鼎(西田敏行)、志木和正(柴田恭兵)

半落ちのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①現職刑事の梶がアルツハイマー病の妻・啓子を殺害したと自首、全面自供するものの取り調べた志木は空白の2日間に関して梶が沈黙を保つのに違和感を覚える。検察の佐瀬、記者の中尾、弁護士の植村も同じ疑問を抱く。 ②梶夫妻は7年前に息子・俊哉を白血病で亡くし、骨髄バンクに登録していた。梶は啓子の遺志を汲み、自分が骨髄提供した池上青年に会いに行ったが、池上の名誉のために黙していた。自殺しないのは骨髄バンク登録抹消まで待つつもり。

【起】– 半落ちのあらすじ1

半落ちのシーン1

画像引用元:YouTube / 半落ちトレーラー映像

半落ちとは…警察用語で「一部自供した」という意味。対照的に「全部自供した」という意味の言葉は「完落ち」という。

群馬県。

群馬県警本部、捜査一課強行犯係指導官の志木和正警視は、連続少女暴行事件の被疑者の確保の電話を待っていました。

すでに犯人と目された男の家には、強行犯係の刑事が囲んでいます。

志木に交通課から電話が入り、拍子抜けしました。川城中央警察署に、現職の梶聡一郎警部が自首したという内容です。妻を扼殺したというもので、対応に当たった交通課が対処に困り、志木の判断を仰いだのでした。志木は刑事課の任意取調室に連れていき、遺体の確認が取れ次第、緊逮(緊急逮捕)の手続きを取れと指示します。

待っていた連続少女暴行事件は、被疑者の家へ踏み込んだ時には被疑者が農薬を飲んでおり、生命の危険がありました。連絡を受けた志木も、急ぎ病院へ向かいます。

(余談だが農薬の種類によっては、体内に入ると血液循環で内臓を次々に破壊していくため、すぐに胃洗浄や血液透析を施しても、体内に吸収された量が多ければ助からないことが多々ある。現にこの映画でも、被疑者はしばらくの後、死亡した。原作では記述なし)

病院へ向かう志木のパトカーに部長から連絡が入り、志木が梶警部の取り調べを頼まれます。

10月7日午前8時43分、志木が川城中央署に向かい、梶警部の取り調べを開始しました。取り調べには警務課の栗田も同室します。

この件で問題なのは、現職警察官である梶聡一郎が罪を犯したということです。当然、罪を犯したことが発覚した時点で懲戒解雇になっていますが、マスコミが飛び付くことは必至でした。

梶聡一郎は10月4日の夜に、アルツハイマー病の妻・啓子を殺害していました。啓子は半年前にアルツハイマー病と診断され、夏ごろには悪化していました。

啓子と梶の間には、俊哉という長男がいましたが、急性骨髄性白血病で7年前に他界しています。

10月4日は梶の息子の命日でした。梶は自供を開始します。

昼間のうちに妻・啓子と2人で墓参りをしていました。ところが夜になって、啓子が墓参りに行っていないと言い出し、半狂乱になったそうです。

このままではアルツハイマー病で息子の俊哉のことを忘れてしまう、その前に母として、息子の俊哉を覚えているうちに死にたい、殺してくれと泣き叫んだそうです。そのため、梶は啓子を絞め殺しました。

嘱託殺人…志木はそう思い、警務課の栗田もその一報を聞いて部屋を飛び出します。栗田はマスコミの記者会見をする警務部長らに知らせに行ったのです。

ただの殺害ではなく、本人に頼まれての嘱託殺人であれば、現職警察官の犯行とはいえ多少かわせます。

ところがマスコミが注目しているのは、「犯行は4日の夜(実質的には5日になった頃か)、自首は7日の早朝、つまり5日と6日の2日間に梶は何をしていたのか」という「空白の2日間」です。

志木は取り調べをしましたが、犯行を素直に認めた梶ですが、空白の2日間については口をつぐんだまま、いわば黙秘権を行使していました。これには志木も頭を抱えます。

朝の会見は(夕刊向け)分かっていることだけですませ、夜の会見までに答えを用意せねばなりません。

妻の遺体に付き添っていたにしても、2日間は長すぎます。さらに梶のコートのポケットから歌舞伎町のポケットティッシュが発見され、空白の2日間に歌舞伎町へ足を運んだ可能性も出てきました。もし女性絡みであれば、嘱託殺人は通用しません。

昼休みのうちに志木も家宅捜索に参加しました。家の鴨居を調べると、かすかな傷跡が見つかります。

午後の取り調べで、梶は自殺しようとしたことを認めました。しかし歌舞伎町への外出については、また口をつぐみます。

夜の会見では「梶は自殺しようとしていた」という事実を前面に押し出しました。

しかし志木は不思議に思うのです。息子も他界し、妻も亡くした梶はなぜ死を選ばなかったのだろうと。生きていることの方が、この先つらいことは、刑事である梶ならば容易に想像がつくだろうと思ったのです。

志木は梶を「半落ち」、一部しか自供していないと捉えました。

翌朝の朝刊に、スクープが出ます。新幹線のホームで梶を目撃したという証言が出たのです。

志木の上官らは「梶は死ぬことを考え、死に場所を求めて県内をさまよっていた」と言わせたいと考えました。志木はお仕着せの文句を梶に言わせることを嫌いますが、時間がありません。

次のページで起承転結の「承」を見る

次のページへ
1 2 3 4 5

「半落ち」と同じカテゴリの映画

関連記事はこちら

×