映画:去年の冬きみと別れ

「去年の冬きみと別れ」のネタバレあらすじと結末

去年の冬、きみと別れの紹介:2018年3月10日公開の日本映画。『悪と仮面のルール』など数々の映像化作品で知られる芥川賞作家・中村文則の同名小説を岩田剛典主演で映画化したミステリー。謎多き天才カメラマンへの取材を始めた野心あふれる記者が、婚約者を取り戻すため、彼の罠にはまっていく様がつづられる。

あらすじ動画

去年の冬きみと別れの主な出演者

耶雲恭介(岩田剛典)、松田百合子(山本美月)、木原坂雄大(斎藤工)、木原坂朱里(浅見れいな)、吉岡亜希子(土村芳)、小林良樹(北村一輝)

去年の冬きみと別れのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①写真家・雄大の家で火事発生、盲目のモデル女性・亜希子が死亡する事件が起きた。現場にいた雄大は執行猶予。火事は事故ではなく故意ではないかと探る新人ルポライター・耶雲が現れ、編集者・小林のサポートのもと、取材を続ける。耶雲の婚約者・百合子が雄大のモデルになり、再び火事が起きる。 ②1年前に起きた事件は雄大、姉・朱里、小林が関与。亜希子の恋人だった耶雲が復讐するために罠を張っていた。

【起】- 去年の冬きみと別れのあらすじ1

点字を打ち込む女性が、手紙を三つ折りにして封筒に入れます…。

2016年、9月。
雷雨の夜、惨劇は起こりました。
写真家の木原坂雄大の家で、モデルになった盲目の女性・吉岡亜希子が焼死したのです。
雄大は現場に居合わせた罪で、当初は殺人罪として逮捕されました。

投資家をする雄大の姉・朱里(あかり)が雄大に面会にくると、「すべて弁護士と私に任せなさい」と言いました。
朱里は雄大のために、有能な弁護士・武田先生を雇います。

裁判の結果、亜希子と雄大は合意のもとでモデルをしていたことや、セットのろうそくが倒れたことによる火災で、雄大に責任はないとされました。
殺人罪も問われていた雄大は、保護責任者遺棄致死罪かどうか問われ、結局、執行猶予の判決が下ります…。


【第二章】←二から始まる、その訳はあとで判明

2017年、夏。
ある出版社の第一編集部の編集者・小林良樹のところへ、ルポルタージュの原稿記事が持ち込まれます。
原稿を持ち込んだのは、まだ若いルポライター・耶雲恭介という男性で、本として出版することを考えていました。
編集長が「見込みがありそうだ」と小林に囁き、小林は耶雲のサポートをすることになります。

耶雲が持ち込んだ原稿は、昨年の9月に起きた、写真家・木原坂雄大の撮影所で起きた火災事件についてでした。
当時、事件は世間をにぎわせたものの、雄大は執行猶予という判決が下っていました。
小林は「すでに解決した事件は、ものにならない」と言いますが、耶雲は食い下がります。
焼死する亜希子を雄大が敢えて放置していた可能性を指摘した耶雲は、「火事の現場にいた雄大が、燃える亜希子を撮影した写真が存在するらしい」という噂を聞きかじっており、その真偽を確かめたいそうです。

耶雲は10月に結婚が決まっていることも小林に告げ、「ダメモトで取材に当たることにした」と言いました。サポート役を編集長に命ぜられた小林は、耶雲の捜査状況を確認しながら様子を見守ることにします。

耶雲は雄大のところへ取材に行きます。
事件の影響で、雄大のところへ仕事のオファーが殺到するようになったそうです。
それまで雄大が手がけためぼしい作品は、イームル賞を受賞した蝶の写真くらいでした。
イームル賞受賞で注目を浴びたものの、その後たいした作品が出ないことで、雄大は活躍の場がない状態でした。事件は雄大にとって、有利に働いたようなものです。
耶雲が取材をしたいと告げると、雄大は耶雲に強い興味を示しました。
スタジオの鍵を渡すと、雄大はいつでも出入りしてもいいと耶雲に告げます。

耶雲の結婚相手は松田百合子という若い女性で、結婚式は10月18日の予定でした。
百合子と耶雲は、結婚式の打ち合わせをします。


〔証言者:尾崎栄作(49)
長野県軽井沢町在住
蝶の収集家〕

耶雲は蝶の収集家である、尾崎のところへ取材に行きました。尾崎の部屋は、蝶の標本で埋め尽くされています。
尾崎と雄大は、5年前に知人の出版パーティーで知り合いました。
雄大は尾崎の家を訪ねると、何時間も熱心に蝶の標本を撮影していたそうです。

雄大は尾崎に、撮影する蝶を飼育してほしいと頼みました。
そして飼育した蝶の中で、何時間も、それこそ気絶するまで蝶を撮り続けたそうです。
その写真がイームル賞を受賞したわけですが、尾崎は雄大がひとつのことに固執する、執着心の強い男だと分かってから、怖くなって付き合いをやめたと言いました。

尾崎はもう1つ、有益な情報を耶雲にもたらします。
雄大の父は1995年に、自宅で強盗に遭って殺害されました。雄大が10歳の頃です。
父が死んだ事件の際、10歳だった雄大も、11歳だった姉の朱里も腹部を刺され、重傷を負いました。
その時の犯人は、現在もなお捕まっていないそうです…。


〔証言者:加谷保(32)
東京都港区在住
デイトレーダー
木原坂の同級生〕

「絶対、(亜希子を)監禁してますよ」
開口一番、加谷は雄大のことをそう言います。
雄大は高校時代にも、似たようなことをしていたそうです。
高校当時、加谷の彼女に固執した雄大は、3日間監禁し、彼女を帰さなかったとのことでした。
それ以来、加谷は雄大と口をきかないようにし、関わりも避けたと言います。
「あいつは人のものを欲しがる癖がある。被害者にも、彼氏がいたんじゃないかな」
加谷はそう言いました。

耶雲が雄大の家庭について聞くと、加谷は死んだ父のことを知っていました。雄大の父は、非常勤の講師をしていたそうです。
もともと姉弟仲は良かった方ですが、父を亡くしてから、姉の朱里と弟の雄大は、よりべったりになったと加谷は言いました。

事件の5日後に加谷が病院へ見舞いに行くと、姉弟は同じベッドでいちゃついていたそうです。
その様子は近親相姦のような親密な印象を受けたと加谷は言い、父が生きていた頃から姉弟そろって、父から虐待を受けていたという噂があったと言いました。
弟の雄大は暴力を、姉の朱里は性的虐待を受けていたらしいと、加谷は触れます。

【承】- 去年の冬きみと別れのあらすじ2

日本へ帰国した姉・朱里に、雄大は取材を受けることを話しました。朱里は雄大に、しゃべりすぎるなと警告します。

耶雲が雄大のところへ取材に来ました。雄大は耶雲に問われるまま、話をします。
雄大の母は、雄大が物心つかないうちに亡くなっており、父の死後、姉弟は施設で育ちました。
父がまとまった財産を残したこともあり、金銭的な苦労はしなかったものの、施設は窮屈だったと雄大は話します。
中学の時にカメラを手にし、自由を感じた雄大は、姉のことを「庇護者」と呼びました。母のように自分を育ててくれた、特別な人とも表現します。
父の虐待については、雄大は否定しました。

耶雲が雄大に取材をしている時に、婚約者の百合子から電話が入ります。耶雲は雄大に、10月に挙式を控えていると告げました。
雄大は耶雲の婚約者・百合子に興味を持ちます。

取材の後、耶雲は百合子に会い、式を延期したいと言いました。よりよい本を出版するために、しばらく仕事に専念したいと耶雲は訴えて、百合子と小さく揉めます。
それを車から、雄大が観察していました…。


〔証言者:沢田幸吉(66)
神奈川県川崎市在住
元警視庁捜査一課刑事
木原坂の父親が殺された事件を捜査〕

もともと木原坂の家は、資産家でした。ところが強盗殺傷の事件の後、金が引き出された形跡はなかったそうです。
周辺の目撃証言もゼロで、手がかりは「姉弟」の証言に頼るしかありませんでした。
「40~60歳代、頭髪は薄めで眼鏡をかけた小太りの男」
そんな人物は、ざらにいると沢田は話します。

着目すべきは、姉弟の証言には一切の綻びがないという点でした。
警視庁でも「姉弟が父親を殺害したのではないか」と疑わないでもなかったのですが、それはすぐに否定されます。
というのも、姉弟の腹の傷は、身長170cm以上の人間に刺されたものだったからです。


…以上の取材内容を提出した耶雲は、父親殺害の事件について「姉弟が関わりを持つほかに、もう1人の大人の協力者がいたのではないか」と指摘しました。
小林は「先走るな、思い込みは危険だ」と諭します。


家へ自由に出入りを許された耶雲は、雄大の部屋で『地獄変』の本を見ていました。
雄大が「そんな本に興味があるんだ」と話しかけます。
『地獄変』とは平安時代の話で、絵師の主人公が「地獄変」の屏風絵を描けと言われ、「実際に見たものしか描けない」と、愛娘の焼け死ぬところを見ながら描いたというものです。
(注:芥川龍之介・作 詳細はお調べください)
先日、耶雲がぶつけた質問「焼ける亜希子を撮影した写真があるのではないか」について、「あるんだよ、本当は」と答えた雄大は、「冗談だよ」とすぐ否定します。


耶雲は小林に「やはり燃えている写真はあると思う」と言い、次は関係者である姉の朱里に取材したいと告げます。

…小林は、朱里と肉体関係にありました。
関係の後、小林は朱里に耶雲のことを告げ、「密着取材をやめさせるよう注意する」と告げます。
ところが朱里は興味を持ち、取材を受けると言い始めました。翌日、朱里は仕事でロンドンへ発つ予定でした。
今からでも耶雲に会いに行くと告げた朱里は、「弟に振りかかる火の粉は私が払う」と小林に言います。
朱里は耶雲の連絡先を聞いて、出かけていきました。

翌日。
雄大に取材予定だった耶雲は「急な仕事が入った。キャンセルだ」と言われ、お詫びにと招待状をもらいます。
そのチケットを持って薪能(たきぎのう)へ出かけた2人は、そこで雄大と会いました。
耶雲は婚約者の百合子を、雄大に紹介します。

後日、飲食店で働く百合子のところへ、雄大が客として現れると、モデルになってほしいと言いました。
耶雲との挙式が延期になり、ぎくしゃくしている百合子は戸惑います…。


…小林のところへ、耶雲から連絡が入りました。
婚約者の百合子が一昨日から家に帰っておらず、仕事にも出勤せず、SNSには「モデルになっている」ということが書かれているそうです。
雄大の家へ走った耶雲は、家に入ろうとしますが、渡された家の鍵は受付不能になっていました(電子キー)。
雄大が姿を現わすと、柵越しに耶雲へ「彼女は自ら望んでここにいる。僕なら彼女の魅力を引き出せる」と言います。

【転】- 去年の冬きみと別れのあらすじ3

警察に相談した耶雲ですが、監禁ではないと百合子が否定したらしく、警察側もそれ以上は関与できません(民事不介入)。
モデルを請け負った百合子は、「君の中にある別の顔が見たい」と雄大に言われ、椅子に手錠で拘束されました。


【第三章】

編集部でその頃、小林の部下が「耶雲というライターは存在しない」という情報を得ていました。小林は、新進気鋭の鳴り物入りで現れた、耶雲という男の存在を疑問視します。
そうこうしているうちに、百合子が監禁されて1週間が経過しました。耶雲がそれを訴えるので、小林の注目は耶雲ではなく、雄大の方へそれます。
姉の朱里も「雄大の悪い病気がまた始まった」と言い出したので、小林は雄大の家へ向かいました。

家は遠目にも、煙がたちのぼっているのが分かります。
雄大の家には、耶雲も駆け付けていました。雄大の家は火災を起こしていました。
燃えているのは奥のスタジオです。
スタジオにはろうそくが沢山置かれており、それが倒れて燃えていました。
雄大は、椅子に拘束された女性の姿を、夢中で撮影しています。

椅子に拘束された女性は、ひと目で死んでいると分かりました。全身が炎に包まれて、微動だにしません。
耶雲と小林は雄大を制止し、現場をあとにしました。
現場には手帳が残されており、百合子の字で「8月22日、取り乱したら駄目。8月23日、私がバカだった。もう殴られたくない。8月24日、こんなところで死にたくない」と日記が書かれていました。


百合子が焼死した事件は、また大きく取り上げられます。
再び起きた事件で、今度はライターの耶雲と編集者の小林という目撃者がいることで、どうにも言い逃れができませんでした。
雄大は逮捕され、有罪判決を待つ身です。

事件はマスコミをにぎわせ、同時にライターの耶雲が取材中だった、雄大のルポルタージュにも期待が寄せられました。
編集長は4週にわたって雑誌に連載し、その後は本として出版すると決断します。

編集者の小林は、疑問に感じていました。
事件の直前から、関係を持つ雄大の姉・朱里との連絡が途絶えています。
さらに部下が調べてきた、「耶雲というライターは存在しない」という言葉も、今頃になって気になりました。
部下が追跡調査をし、耶雲について調べます。
耶雲は1年前まで金沢の小さな出版社で書籍の編集者をしていた、中園恭介という男でした。ライターとしての実績は、皆無に近いものでした…。

金沢の小さな出版社『北陸書院』に行った小林は、中園恭介という男について調べます。
中園は英語が堪能で、主に翻訳書を手がけていました。
『虹の始まりと終わり』という本などを出しているのですが、売れ行きはいま一つです。
中園が変わり始めたのは、去年の6月からだそうです。その頃、付き合っていた彼女が交通事故に遭い、大したケガではなかったものの、中園は動揺したそうです。
その後、中園は彼女に振られました。
中園(耶雲)が付き合っていた女性とは、百合子ではなく、亜希子(冒頭の、雄大のスタジオで亡くなった盲目の女性)でした…。


獄中にいる雄大のところへ、差し入れがあります。
それはゲラ刷りした本でした。
雄大がページをめくると、最初のページに『ふたりのYKへ そしてAYに捧ぐ』とあります。
耶雲の正体を知った小林は、東京へ戻った後に耶雲の住所を訪問しました。
そこは廃墟となった解体作業中のビルで、壁一面には雄大と姉・朱里の写真とともに、編集者である小林の写真もありました。
そこで小林は、ゲラ刷りの本を見つけます…。
(小林がたどりつくことを見越して、耶雲が置いていたものと思われる)


(耶雲の本名が中園恭介だと判明したが、ややこしいので耶雲表記のままで記載する)

【序章】

耶雲が吉岡亜希子に出会ったのは、一昨年の夏でした。
盲目の亜希子が図書館で手に取ったのは、点字図書『虹の始まりと終わり』でした。翻訳者である耶雲は、気になって思わず反応を見ます。
亜希子は本に夢中になり、閉館間際まで使って読み続けました。
読み終わった後、耶雲は「僕、その本の編集者なんです(厳密には翻訳者)」と亜希子に声をかけます。

耶雲と亜希子は交際を始めました。交際は順調でした。
昨年6月、亜希子が交通事故に遭遇します。
亜希子は転んだ時、手を捻挫しただけでした。
ところがこの時、耶雲は心配でたまらなくなります。亜希子を失う可能性を思い至り、恐ろしく感じたのでした。

その日から耶雲は仕事を休み、目の見えない亜希子を見守り始めます。
亜希子も気づいていました。耶雲がつけまわしていることに関し、「私、子どもじゃないのよ」と怒ります。
「なんにも見えてないのはあなたよ」と言い、亜希子は耶雲に別れを切り出しました。
(映画冒頭で亜希子が三つ折にした手紙は、耶雲への別れの手紙だった)

【結】- 去年の冬きみと別れのあらすじ4

別れを告げた亜希子は、耶雲の元から去ります。
その後、耶雲は亜希子の連絡先を知りませんでした。
そして昨年9月に、事件は起こります…。


【第一章】

亜希子を失った耶雲は、雄大のことを徹底的に調べ上げました。裁判よりもはるか以前に、すでに耶雲は取材を開始していたのです。
小林に提出した証言者の証言は、この時点(昨年秋)で取材されたものでした。
(蝶の収集家、高校時代の同級生、父親の事件の担当刑事)
それだけではありません。耶雲は当時、実に50人近い関係者に聞き込みをしており、去年の冬には真相に近づいていたのでした…。

姉の朱里に接触した耶雲は、「私を抱いたら、すべてを話してあげる」と言われ、そのとおりにします。
そして真相に辿り着きました。


…1995年の、朱里と雄大の父親殺害事件については、朱里と雄大に加え、当時大学生だった小林が絡んでいました。
朱里たちの父は大学の非常勤講師で、小林は教え子でした。届け物をしに朱里たちの家に行った小林は、偶然ではあるものの、父が朱里に手をつけている現場を目撃します。
95年の事件の日、小林は朱里に呼び出されました。
小林が行くと、すでに父親は息絶えており、朱里は小林に自分と雄大を刺すよう命じます。
(小林が刺したので、姉弟は身長170cm以上の人間に刺された傷を負った)
以後、小林はずっと、自分よりもはるかに年下の朱里の言いなりになっていました。

姉の朱里は、弟の雄大を溺愛していました。
(ここに肉体関係があったかは謎のまま)
弟の雄大がイームル賞を受賞した後、ろくな写真が撮れなくて悩んでいた頃、被写体として亜希子を見つけます。
亜希子は耶雲と別れた後、東京へ上京していました。
雄大は亜希子にモデルになってくれと頼みますが、断られます。

それを見かねた朱里が、小林を使って亜希子を誘拐しました。監禁し、モデルとして利用しようとします。
拉致された亜希子は使いものにならないと判断した朱里は、亜希子に火をつけました。
(去年9月の事件の実行犯は、朱里)
火をつけた亜希子を雄大に撮らせようと試みたのですが、雄大は興奮しすぎて、撮影したものの、写真はすべて手ブレを起こしていました…。


真相を聞かせた朱里は、耶雲に「あなたは恋人を殺した女を抱いたのよ」とショックを与えます。
耶雲は裁判にゆだねず、自分の手で復讐を果たしたいと考えました。
そして綿密な計画を立て始めます。

婚約者を演じてもらった百合子は、当時男性にだまされて借金を背負い、自暴自棄になっていました。
耶雲は百合子に交渉し、多額の報酬と新しい身分を用意する条件と引き換えに、計画に協力することを取りつけます。
(つまり百合子は婚約者ではなく、協力者)

姉の朱里に取材をしたいと耶雲がほのめかした夜、朱里は小林から聞いた連絡先を頼りに、廃ビルへやってきました。
それを拉致した耶雲は、ずっと睡眠薬を注射して眠らせていました。


【最終章(であり、第三章のもうひとつの部分)】

協力者である百合子は、耶雲の指示どおり雄大の誘いに乗って、モデルとして雄大の元へ行きます。
そして火事の当日。
雄大が留守にしているあいだに、耶雲は眠らせた朱里を運びこみ、椅子に座らせて手錠に拘束しました。
さるぐつわをかませ、口をきけない状態にし、油を撒きます。
雄大が戻ってきたタイミングで、火をつけました。つまり、燃えていたのは百合子ではなく、朱里だったのです。

ゲラ刷りの本の最初に書かれている『ふたりのYKへ そしてAYに捧ぐ』というのは「小林良樹」「木原坂雄大」「吉岡亜希子」のことでした…。

(亜希子の殺害に関与したのは、朱里、雄大、小林。
朱里は殺害することで、雄大は有罪にすることで、小林には「とりこだった朱里を目の前で失わせることで」耶雲は復讐を果たした)


ちなみに、出版する本は、小林と雄大に渡したのとは別の本です。そちらには真相が描かれず、雄大の異常性を押し出した内容のものです。
ゲラ刷りは、雄大と小林のためだけに作った本でした。

廃ビルへ戻ってきた耶雲に、小林は「お前は化け物か」と思わず声を洩らします。
同じ頃、雄大も獄中で真相を知り、愕然としていました。


百合子は耶雲に、新しい身分証と金を渡されます。
耶雲に「途中からは本気だったんだよ」と百合子は告げますが、耶雲は聞かない振りをして去りました。

百合子と別れ、ひとりで歩きながら耶雲は思います。
亜希子から別れの手紙をもらっても、耶雲はまだ亜希子と別れた気になっていませんでした。
しかし真相を聞かされた時、耶雲は復讐の鬼、化け物になろうと決意します。
そのためには、清らかな亜希子の彼氏でいてはいけない、そう思いました。
耶雲は化け物になるために、亜希子との別れを決意しました。それが、去年の冬だったのです…。
(実際に亜希子と別れたのは去年の6月以降なのだが、耶雲が決意したのが冬、という意味)

みんなの感想

ライターの感想

いやあ、うまい! うまいよ、この構成。感嘆する。
触れこみや予告から、「どんでん返しがあるんだろうな」と思いながら見てしまうわけだけど、それでも感心した。
しかもこのタイトルの意味が判った瞬間、泡肌が立ちました。すごい…。
予告がいただけない。煽り文句なく、予備知識がない状態で見られたら、もっと満足感も高かったんだろう。
脚本もよく練られていて、よかった~。
(ある程度のどんでんまでは、読めるんです。でもそれ以上の意味を持っていたタイトル…すばらしい)

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