映画:怪物

「怪物」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

サスペンス映画

怪物の紹介:2023年6月2日公開の日本映画。『万引き家族』の是枝裕和と『花束みたいな恋をした』の坂元裕二がタッグを組んで贈る、郊外の街を舞台に、無邪気な子どもたち、息子を愛するシングルマザー、生徒想いの学校教師が織り成す圧巻のヒューマンドラマ。音楽には『ラストエンペラー』の坂本龍一を迎え、出演には『ある男』の安藤サクラ、『友罪』の永山瑛太を筆頭に、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子らが名を連ねる。

怪物の主な出演者

早織(さおり) – 安藤サクラ 保利(ほり) – 永山瑛太 湊(みなと) – 黒川想矢 依里(より) – 柊木陽太 広奈 – 高畑充希 正田 – 角田晃広 清高 – 中村獅童 伏見 – 田中裕子

怪物のネタバレあらすじ

【起】– 怪物のあらすじ1

怪物のシーン1

画像引用元:YouTube / 怪物トレーラー映像

長野県諏訪市。2023年。

草地を踏みしめるかすかな足音と、子どもの足が映ります。消防車のサイレンの音が、かすかに聞こえ始めました。

諏訪湖畔の夜景が見えます。

消防車がサイレンを鳴らしながら向かった先には、上部から激しい炎を吹き出す雑居ビルの姿がありました。

(映画タイトル)

【早織の視点から】

消防のサイレンを聞きつけた母・麦野早織は、すぐ近くが火事の現場だと気づいて息子の湊の名を呼びます。湊はパピコを咥えながら現れると、もう一個のパピコを母に渡しました。

2人で並んで火事を見物していると、湊が「豚の脳を移植した人間は、人間? 豚?」と質問しました。早織は答えに困ります。

誰がそんなことを話題にしたのか聞き返すと、湊は少し遅れて担任の保利の名を挙げました。火事の現場にはしご車が近づいて放水を開始したので、早織は「がんばれ!」と応援しました。

翌日。早織は息子の湊にお茶の入った水筒を持たせると、組体操は下の位置にいる子が肝腎だと激励して学校へ送り出します。

その後、早織も仕事場に出勤しました。早織がモモセクリーニング店で働いていると、ママ友の女性がやってきて受付カウンターで早織に話しかけます。

昨夜の火事の出荷元は雑居ビルの3階にあるガールズバーで、保利が通っていた噂を早織は女性から聞きました。早織と女性はひそひそ噂します。

帰宅した湊に夕食を作ろうとした早織は、湊が洗面台で髪を切ったことに気づきました。シャワーを浴びる湊に理由を聞くと「校則違反と言われたから」という答えが返ってきました。

それ以後も湊におかしなことが起こります。別の日にはスニーカーが片方しかなく、左の靴がありませんでした。

早織の夫、つまり湊の父は事故で他界しています。早織と湊は父親の誕生日にケーキを仏壇に供えました。近況報告しろと早織が言うと、湊は父がもう生まれ変わっただろうかと話題にします。なんの動物がいいかと話題になり、早織は「馬がいいかな」と答えました。

近況報告を仏壇の遺影にしろと言うと、湊は「しゃべったらお母さんに聞こえるよね」と返しました。それで早織は別の部屋に移動し、湊の話を聞かないようにします。

別の日、湊は体調が悪いのかベッドから起き出しませんでした。早織は無理強いせず湊を休ませると、前日洗わなかった湊の水筒を回収して洗おうとしました。お茶の残りを捨てようとすると、水筒のなかから泥土が出てきました。湊が起き出してきて、理科の実験だと言い訳します。

さらに別の日、湊が帰宅しませんでした。早織は湊が自転車に乗っていた目撃情報を知人から電話で聞くと、そこへ車で向かいました。そこには廃線になったあと、放置された車両が置かれているトンネルがあります。入口には小さな手作りの看板が掲げられており、早織が奥に進むと「怪物だーれだ」と言いながらスマホライトを掲げている湊がいました。早織は湊に駆け寄ると、抱きしめます。

帰りの車中、湊は「ごめん」と言いました。湊の父親はラガーマンで複雑骨折など日常茶飯事だった話を早織がしていると、湊が走行中の車から突然飛び降りました。早織は驚いてすぐ湊のもとへ駆けつけます。

病院で手当てを受けた湊は、念のためCTスキャンを撮りました。帰宅後に湊はレントゲンやCTを見たかと聞いたので、早織は「異常なかったよ」と答えました。湊が塞ぎこんでいるので心配した早織は、学校でなにかが起きているのではないかと聞きました。スニーカーが片方しかないことや、鼻にケガをしていたことなどを指摘すると、湊は自分の脳が「豚の脳」だと言いました。誰に言われたのかと聞くと、湊は保利の名を挙げました。

早織は小学校へ行き、校長の伏見に会います。5年2組の生徒の母だと告げ、保利から息子が暴力を受けたりひどいことを言われたりしたことを話しました。伏見は早織の話を聞いていますが、覇気がなく終始上の空の状態です。途中で湊が2年のときの担任・神崎が通りかかったので、早織は軽く挨拶します。神崎は今年度新1年生の担任をしているのだそうです。

途中から校長の伏見に代わり、教頭の正田が応対しました。対応してくれない不満を早織が洩らすと、正田は「校長は孫を事故で亡くしたばかりで」と教えます。

翌日、学校に行った早織の前に、校長と教頭、学年主任とともに保利も顔を出しました。保利は神妙な顔で「私の指導の結果、誤解を与えて残念なことと思っております」と言い頭を下げました。早織が変だと思って制止しようとすると、校長や教頭、学年主任らもいっせいに頭を深々と下げました。早織は座ってくれとその場の5人に言います。

保利の謝罪の文句は「指導が適切に伝わらなかったこと」「誤解を招くべき点があった」と言うだけで、ひどいことをした件に対しての謝罪ではありませんでした。早織が追及すると「ご意見は真摯に受け止め」と校長も無難なことばを言ってお茶を濁そうとします。

早織が「殴ったんですか」と問い詰めると「手と鼻の接触があった」と報告書を見ながら伏見が答えました。その言い分のひどさに早織は呆れます。

謝罪の場で保利が断りもなしに飴を口に入れて食べ始め、「母子家庭にはありがちな」と言い始めました。それを聞くと教頭らが慌てて制止して、頭を下げてごまかします。

早織は口惜しさと無力感で、涙を浮かべました。

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