映画:惡の華

「惡の華」のネタバレあらすじと結末

惡の華の紹介:2019年9月27日公開の日本映画。押見修造による同名コミックを、「覚悟はいいかそこの女子。」の井口昇の監督と伊藤健太郎の主演により実写化。中学2年生の春日高男は、衝動に駆られ佐伯奈々子の体操着を持ち去ったところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃され、彼女に隷属することになる。脚本は「心が叫びたがってるんだ。」の岡田麿里。息苦しい日々をやり過ごす春日を伊藤健太郎が、春日を服従させる仲村佐和を「Diner ダイナー」の玉城ティナが演じるほか、オーディションで選ばれた秋田汐梨、「暗黒女子」の飯豊まりえらが出演。

あらすじ動画

惡の華の主な出演者

春日高男(伊藤健太郎)、仲村佐和(玉城ティナ)、佐伯奈々子(秋田汐梨)、常磐文(飯豊まりえ)、木下亜衣(北川美穂)、小島健(田中偉登)

惡の華のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①女子生徒・佐伯に恋する春日はある日、佐伯の体操着をつい盗んでしまった。クラスの女子・仲村にそれを知られた春日は、仲村に脅される。佐伯と付き合いつつ仲村にも惹かれた春日は、仲村と心中を試み、失敗。 ②3年後、新たな土地で暮らす春日は、常盤という女子生徒と惹かれあい、過去と対峙する決意を抱く。仲村と再会して春日は解放された。

【起】- 惡の華のあらすじ1

惡の華のシーン1 〝この映画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、
かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げます。〟


仲村佐和はライターを擦りながら、春日高男に「春日君、バイバイ」と声をかけます。
僕はあの時、死んだ…そう、春日は思います…。
(このシーンは映画の中盤にある)


〔3年前〕

周囲がすべて山に囲まれている閉鎖的な地方都市。
中学2年の男子生徒・春日高男(かすが たかお)は、「この町には逃げ場がない」と感じながら、生きていました。

春日は両親と一軒家に住む、ごく平凡な男子生徒です。両親は常識人です。
春日は、ボードレールの『惡の華』を愛読書にし、傾倒していました。
そんな春日は、同じクラスの優等生の女子生徒・佐伯奈々子が好きでした。

佐伯は成績が優秀なので、クラスでも目立ちます。
別の意味で目立つ女子生徒が、もうひとりクラスにいました。
春日の後ろの席に座っている、仲村佐和です。
仲村は教師にも「うっせー、クソムシが」と罵倒をし、注意されてもにらみ返して、教師がたじろぐぐらいの、迫力のある生徒でした。


ある日、春日はいつも一緒にいる男子生徒、山田と小島にからかわれます。
山田と小島は、春日が佐伯のことを好きだと気づいていました。
からかわれて恥ずかしくなった春日は、ボードレールの本を教室に忘れたので、帰り道に引き返します。

佐伯の体操袋が、教室の後ろに落ちていました。
それを見た瞬間、春日は思わず袋を取り上げて中を開き、ブルマの匂いをかぎます。
その時に教室にかすかな物音がしたので、あせった佐伯は逃げて、夢中で帰宅しました。
体操袋を持ったまま帰宅したので、結果的に持ち帰ったことになります。


翌朝。
体操着を返そうと思って登校した春日は、クラスで「佐伯の体操服が盗まれた」という話になっており、言い出せなくなります。
困った春日が帰宅していると、仲村が声をかけてきました。
仲村は前日、春日が佐伯の体操服を持っていたことを知っており、一部始終を見ていたと言います。
仲村はそのことを脅しの材料にし、春日に契約を結ぼうと言います。

以後、春日は口止めの引き換えに、仲村の言うことをきかねばならなくなりました。
まずは「変態としての気持ちを、作文にしろ」と言われます。

原稿用紙に向かったものの書けなかった春日は、「自首しよう(自分が佐伯の体操服を持ち帰ったことを告白しよう)」と考えて、登校しました。
すると教室で、たまたま給食費が見つからなかった女子がおり、「盗まれた」と騒ぎます。

クラスの生徒たちは、給食費を盗んだのが仲村だと決めつけ、クラス中で責めかけました。
それを聞いていた春日は、とっさに「なんの証拠もないのに、そんなこと言うなよ」と仲村をかばいます。
直後に、女子生徒の給食費が見つかりました。
冤罪だったと分かり、仲村をかばった春日に、佐伯は好印象を抱きます。

放課後、春日は正直に話すと仲村に言います。
すると仲村は佐伯の体操着を春日に着せて、「ド変態が!」と毒づきました。
仲村は春日に着せると「私のモヤモヤの中で、もうずっと前からムズムズしてるの。私もきっと変態なの」と告白します。

【承】- 惡の華のあらすじ2

惡の華のシーン2 体操着を着せられた春日は、自分が変態なのかもしれないと思いました。否定できない気持ちが、春日の中にあるのです。
好きな佐伯とは対照的でありますが、春日は、強烈なキャラクターを持つ仲村にも惹かれます。


仲村をかばったことがきっかけで、春日は佐伯とお近づきになり、休みの日にデートにこぎつけました。
春日が佐伯とデートしているのを見つけた仲村が、「デートが終わるまでに佐伯とキスしろ」と無理難題を言います。
春日はキスできず、でも佐伯に告白をして、付き合うことになりました。

春日と佐伯は付き合いますが、仲村が春日と親し気なのを見て、佐伯は面白くない気分です。
彼女である自分よりも、仲村が春日に近い距離にあることに嫉妬をして、佐伯は春日に詰め寄りました。
体操着のことを言えない春日は、つい中途半端な態度をとります。


体操着を盗んだことをみんなに告白したいと、春日は仲村に言いました。
仲村は深夜の学校の教室へ春日を連れていくと、教室に書けと言います。
春日が言われたとおりにして、黒板に自分の悪業を書くと、仲村も墨汁をぶちまけて、教室に落書きを始めます。
春日も愉快になり、ふたりは教室を好き放題よごしました。
「やっぱり春日君は、本物の変態だよ」と仲村は言います。


翌朝。
朝早くに一度着替えに帰宅した春日は、いよいよみんなに悪行が知れ渡ると、覚悟して登校しました。
ところが春日が書いた告白の最後の名前のところは、仲村によって消されており、クラスメイトたちは誰の仕業か分かっていません。

しかしすぐに露見しました。
春日が着替えた服が汚れていたため、両親の知るところとなったのです。
両親に問い詰められた春日は、仲村と自転車で逃亡します。


児童遊園地で雨宿りをしていると、春日と仲村のところへ佐伯が来て、「私と付き合ってるのに、どうして仲村さんのとろへ行くの」と質問します。
「春日が変態だからだ」と仲村が言いますが、佐伯は気にしませんでした。
「私を思ってしてくれたことなら、どんなことでも、変態だなんて思わない」と告げて、佐伯は去ります。

自分がボードレールを好きなのは「読んでいる自分に酔っているだけだ」と、春日は自覚していました。
変態ですらないと喪失感に陥る春日を、佐伯は冷たく見放します。
そして仲村も、「これ以上私の魂を、グズグズにしないで」と言うと、去っていきました。
残された春日は泣きます…。


(注:このあと決定的な事件が起きるのだが、映画はいったんここで3年後に)


〔3年後〕

春日は埼玉県立みぎわ高等学校の生徒になっています。
そこでの春日は、クラスでも目立たないようにひっそり生きていました。
ある日、同じクラスの女子・常盤文が本屋でボードレールの『惡の華』を読んでいるのを見た春日は、思わず話しかけてしまい、あわててその場を去ります。

春日が帰宅すると、父が元気なさそうな様子で家にいます。
3年前、春日は一軒家に暮らしていましたが、今は団地のアパートの一室に暮らしており、両親の顔は暗いものでした。
(何かがあったと予見させる)

【転】- 惡の華のあらすじ3

惡の華のシーン3 翌日、春日が同じクラスの生徒だと知った常盤が、本を紹介してくれと話しかけてきました。
ボードレールの件で、春日が読書家だと知ったようです。
春日が、転校したときに本を捨ててきたというと、常盤は自分が本を紹介すると言い、部屋に案内しました。
常盤の部屋には、本がたくさん並んでいます。

本棚の一角にプロットノートを見つけた春日は、常盤が小説を書こうとしているのを知りました。
『幽霊殺人事件』というプロットに、閉鎖的な都市で暮らす主人公が書かれており、それを読んだ春日は「これ、ボクだ」と言います。
しきりに感心する春日に喜んだ常盤は、それがきっかけで親しくなります。

常盤と並んで話しながら歩く春日は、佐伯と道ですれちがいました。
佐伯が春日に話しかけてくると、「あの子も不幸にするの?」と春日に言います…。


(以後、ところどころ3年前の回想が入る)


〔3年前〕

夏が来ました。
佐伯とも仲村とも気まずい感じで別れた春日は、学校でもその後、2人と話せずにいます。
春日は特に、別れ際の仲村の泣き顔が、忘れられずにいました。
気になって、仲村の家を訪問します。

仲村は父と祖母と暮らしていました。仲村が5歳のときに離婚して、母は家にいないそうです。
仲村の部屋に通してもらった春日は、そこで仲村が記したノートを見ました。
そこには仲村の心の声が書かれています。

仲村はずっと、自分が変態で孤独だと書いています。
しかしある日、春日という変態仲間を見つけたと書いており、ノートは喜びのことばにあふれていました。
「向こう側へ行けなかった」と、ノートの最後に書かれています。

閉鎖的な町の「向こう側」は、仲村があこがれていた場所でした。
それを見た春日は、「一緒にこの町の中で、向こう側を見つけよう」と仲村に手を差し伸べます。
グズグズ文句を言う仲村に対し、春日は「今度は僕と契約しよう」と持ち掛けました…。


教室に落書きを書いた一件以来、父親は春日を気遣っています。
春日にランボオ全集を買ってきた父は渡そうとしますが、春日はやんわりと拒否しました。
(本を読んで酔う自分からは逸脱した)

春日は仲村を、川べりの隠れ家に招待します。
そこには教室の女子生徒の下着を盗み、飾っていました。
佐伯の下着だけは、春日は盗まずにおいていました。
目の前でボードレールの『惡の華』の本を焼き捨てた春日を見て、仲村も、再びいっしょに行動します。

その後も春日と仲村は、ふたりで小さな悪事を重ねていました。
春日は仲村のために、町に「向こう側」を作ろうとします。
学校の胸像に下着をかぶせて笑う2人を見て、不愉快に思っていたのは佐伯でした。
佐伯はある日、隠れ家にひとりでいる春日に近づき、積極的に春日を押し倒しました。
春日は、仲村が好きだと言います。

隠れ家が燃えました。
火の手が上がるので春日、仲村、佐伯は見に集まります。ほかにも町の人たちが、おおぜい来ていました。
火の手が強く、近寄れません。

【結】- 惡の華のあらすじ4

惡の華のシーン2 佐伯は春日と関係を持ったことを告げますが、仲村は怒らずに春日を抱き寄せます。
敗北感を抱いた佐伯は「どうして私は仲村さんじゃないの」とつぶやきました。
夏まつりまで、あと1週間のときでした…。


〔3年後〕

春日に佐伯がラインをよこし、会って話したいと書いてよこします。
喫茶店で会った春日は、佐伯が宇都宮へ転校したことを聞きました。

佐伯は、春日と仲村があの事件以降、一切連絡を取っていないと知ります。
春日から「逃げてる」と指摘された佐伯は、3年前の出来事から目をそらしていると気づきました。
3年前に起きたことを、自分で文章にしようとします…。


〔3年前〕

教室に落書きをした件で、春日の家は引っ越しが決まっていました。
引っ越しまで外出禁止を言い渡された春日は、反発します。

夏祭りの前日、春日の家へ仲村が迎えにきました。
仲村は春日を連れ出すと、「どこにも向こう側はない」と言い、「明日捨てよっか、これからの人生」と夕陽を見ながら言います。


春日と仲村は、心中を決意しました。


同じころ、佐伯は情緒不安定になり、精神科の診察を受けていました。
待合室でテレビを見ていた佐伯は、夏祭りの舞台にくぎ付けになります。

ひかり市の夏祭りの会場へ行った春日と仲村は、包丁を突き付けて人払いをし、屋台にのぼります。
油を持ち込み互いにかけた春日と仲村は、心中をしようとしました。
しかし仲村は春日を台から突き飛ばすと、ひとりで死のうとします。

ライターを擦りながら別れを告げた仲村を見て、春日は、人生が終わったと思いました。
(ここが映画冒頭のシーン)
仲村は大人たちに取り押さえられて死にませんでしたが、この日を境に春日は仲村と会っておらず、その瞬間から、春日の時間は止まったままです…。


〔3年後〕

佐伯がメールで、仲村の住所を教えてくれました。
それを頼りに春日は、仲村のところへ会いに行こうとします。
常盤も行きたいと言い出しました。
春日は常盤を連れて、千葉県の銚子市にある、食堂へ行きます。

仲村は離婚した母親のところへ引き取られ、店の手伝いをして暮らしていました。
髪を伸ばした仲村は、穏やかになっています。

「この町は海の中に日が沈むの」と言った仲村に、春日は、「仲村さんが消えないでいてくれて、ボクはうれしい」と言います。
仲村には、かつてのような激しさがなく、春日は拍子抜けしました。
しかし仲村にはその名残があり、常盤も交えて3人は、波打ち際で濡れながらはしゃぎます。

3人は、夜通し浜辺で過ごします。
別れ際、仲村は「春日君、二度と来んなよ、普通人間」と声をかけました。
それは、自分から春日を解放するという意味です。


翌朝。
夜が明けた列車に乗り込みながら、春日は常盤に交際を申し込みます。
春日が見上げた空には、かつて仲村と見た「惡の華(眼球が生えた草)」が見えましたが、消えていきます。
春日は常盤とともに、銚子市を去ります…。


(エンド後)
波打ち際には、仲村がいます。
その向こう側に佐伯がおり、惡の華を見上げていました。
(佐伯は惡の華にとらわれており、抜け出せていない。仲村は不明。
春日は常盤と一緒に道を歩んでいくと決意し、仲村との別れを決意。
春日と常盤はハッピーエンド)

みんなの感想

ライターの感想

すごくゆがんだ青春映画。とにかく、いろいろと強烈。
基礎知識がない状態で見たほうが、むしろ楽しめるかも。
濃いキャラクターの仲村を、美少女の玉城ティナが演じていて好感。
「変態」っぷりがとびぬけていて、これを「アリ」とみなすか「むり」とみなすかによって、映画の評価が割れるだろう。
青春の一時代では、こういったどす黒い感情、あるのだろうな。
先に書いたとおり、可か不可か評価が分かれる。

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