映画:時間回廊の殺人

「時間回廊の殺人」のネタバレあらすじと結末

時間回廊の殺人の紹介:夫と息子殺害の罪で投獄された女が、25年後、現場となったその家に戻り、さらわれた息子を探し、真実を知るという2017年公開の韓国のミステリー。監督は「ホラー・ストーリーズ」のイム・デウン、脚本は「プリースト 悪魔を葬る者」のチャン・ジェヒョン。「シュリ」「セブンデイズ」で知られる主演のキム・ユンジンが25年の年齢差を演じ話題となった。

あらすじ動画

時間回廊の殺人の主な出演者

カン・ミヒ(キム・ユンジン)、チェ神父(オク・テギョン)、ミヒの夫チョルジュン(チョ・ジェユン)、長男ヒョジェ(子役パク・サンフン/老人ウ・サンジョン)、次男ジウォン(コ・ウリム)、ヒョジェの友だちジュノ(子役ファン・ジュヌ)、ヨニ(子役カク・チヘ/成人ユ・イニョン)など

時間回廊の殺人のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①1992年ウィルン洞34番地において妻ミヒが夫と長男ヒョジェ殺害の罪で投獄されるが、ヒョジェの遺体は不明のまま。25年後、ミヒは癌を患い仮釈放で帰宅。事件に疑問を持つチェ神父が来訪し「家に潜む何者かにさらわれた息子を探しに来た」と聞き調査を開始、その家では1967年にも失踪事件あった事が判明。②その家の地下室には謎の扉があり普段は内側が壁だが、暗黒空間になると怪音や見知らぬ人間が屋内をうろつくなど怪異が起きる。25年前、次男ジウォンが事故死した直後の事件当夜、ミヒの目の前で長男ヒョジェはその空間に引き込まれたのだ。③怪異を鎮めるため地相鑑定士や巫女が呼ばれるが収まらず、ヒョジェの行方も分からぬままミヒの余命が迫る。一方75年前の1942年日本の植民地時代、陰陽師の助言で日本人将軍夫妻初めてそこに家を建てて居住し殺害されたと知ったチェ神父は、事情を知る記者から失踪事件の真相を聞く。④2017年11月11日11時11分。ついに地下室の扉が開いて暗黒空間が出現、怪異が起き、25年前の事件が再現される中、ミヒは懸命にヒョジェを救おうとするが…。

【起】- 時間回廊の殺人のあらすじ1

時間回廊の殺人のシーン1 1992年深夜。町外れにあるウィルン洞34番地の大きな家の中が荒らされ、居間で倒れていたその家の主婦カン・ミヒが気づきます。見ると壁掛け鏡が割れ、頭にケガをしています。
するとどこからか言い争う音が聞こえ、彼女は落ちていたナイフを拾い、息子のヒョジェを探しますが、地下室への階段の壁に付いた血の手形に気づき、恐る恐る降りていきます。
そこにはナイフで腹を刺された夫チョルジュンが倒れていて、声を掛けた途端掴み掛かったため悲鳴を上げますが、夫は絶命します。
ヒョジェは隅にある扉の前にいて、暗い顔で彼女を見つめていました。
彼女はヒョジェに手を差し伸べ、彼も踏み出そうとしますが、その瞬間、扉の中の暗闇にいた何者かに引きずり込まれ、勢いよく扉が閉まります。
彼女は息子の名を叫び駆け寄りますが、扉の向こうはコンクリートの壁になっていました。
彼女は夫チョルジュンと長男ヒョジェ殺害の罪で逮捕され連行されます。また夫の遺体は地下室で見つかりますが、ヒョジェの遺体は見つからず、血痕から殺害と断定されたものの、遺体は見つかりませんでした。

25年後の2017年11月、ミヒは白髪の老女となり、末期の喉頭ガンのため声が枯れ、仮釈放の状態でようやく自宅に戻されます。
彼女を自宅に送り届けたクムサン警察署のカン刑事とイム刑事は、憐れむように「この家を取り壊せと言う話もある。噂はいつまでも消えないし、土地の値段も上がらない」「刑期は終わってないので出掛ける時には警察に連絡を。見張りは義務警察が担当します」と話しますが、彼女は無言のまま家に入って行きます。

屋内は荒れ果てていましたが、彼女はがらりと表情を変え、錆びついた包丁を構えて北側の廊下奥の地下室への階段へと向かいますが、途中で壁や扉が叩かれ、走り回る音がして、背後を人影が走り抜けるなどして、結局「出て来なさいよ!」と叫んだだけで終わります。
彼女は割れた鏡を見て、次第に事件当時の事を思い出しますが、宗教福祉管理局のチェ神父が訪ねてきて、書類を理由に強引に上がり込みます。
彼は、彼女が以前真面目なクリスチャンだったのにと残念がり「刑務所にいる人も神の子供ですから」と微笑みますが、ミヒは暗い眼で「神はいない。信者でも無い者に何の用だ」と言い捨てます。
彼は「25年前の事件に疑問を持っている」と打ち明けますが、ミヒは冷たく追い返します。
・・・

25年前。その家は、元気な2人の息子小学生の長男ヒョジェと幼い次男のジウォンの笑い声で満ちていました。
彼女は良妻賢母のクリスチャンで2人を同等に愛していましたが、警察官で夫のチョルジュンは気性が荒く暴力的で、実子のジウォンだけを可愛がり、妻の連れ子であるヒョジェには冷たく当たっています。
けれども兄弟は大の仲良しで、お揃いの自転車で近所の駄菓子屋に行き、ヒョジェは相棒のジュノとコンボ握手をキメて、店頭のゲーム機に細工をして遊び、店主のノ婆ちゃんに叱られ逃げ出します。
別れ際、ヒョジェはジュノの可愛い妹ヨニにビー玉をやってジウォンにからかわれ「好きなんだ」と白状します。ヨニはそのビー玉を嬉しそうに握りしめていました。

2人が帰宅すると駄菓子屋のノ婆ちゃんが来ていて、ミヒにこっぴどく叱られます。けれどノ婆ちゃんは2人の悪戯より家が気になる様子で口ごもり、結局言わずに帰って行きます。
ヒョジェはジウォンを庇って倍の罰を受けますが、ミヒはその傷に優しく薬を塗り、持病の心臓病を心配するヒョジェを「医学が進んでるから必ず治る!どんなことをしてでも治してみせるわ」と励ましていました。

その夜、チョルジュンは酔って帰宅しミヒに迫りますが、彼女は夫のシャツに付いた口紅に呆れて拒み、怒鳴られます。
どうやらそれは日常的で、チョルジュンは怒鳴り散らして殴るそぶりを見せますが、毅然と立ち向かうミヒを殴れずふて腐れ、影から見送るヒョジェに舌打ちをし、出掛けて行きます。
その騒動の間、ジウォンはベッドでゲームをしてやり過ごし、ミヒは自室にカギとチェーンを掛けてこもり、ヒョジェは実父とミヒとの家族写真を見つめていました。

深夜、ミヒの部屋のドアが乱暴に叩かれますが、声を掛けても返事が無く、そのうちなぜかカギが開けられます。
彼女はチェーンを掛けたまま廊下をうかがいますが誰もおらず、ドアを閉めようとした瞬間、隙間から突き出された腕に捕まって悲鳴を上げ、裁ちバサミで応戦しようとしますが逃げられます。
その人影はしばらく家の中をうろつき、ドアに両手を突かれて脅されたジウォンは押入れに隠れ、誰かに見つかり悲鳴を上げます。
その悲鳴を聞いたミヒは、まず閉まっていたヒョジェの部屋のドアをカギで開け、無事を確かめますが悲鳴は僕じゃないと言われ、1階の自室にいたジウォンには「お兄ちゃんが脅かしたから(叫んだ)」と言われます。

翌日、夫妻は警官らに調べてもらいますが、ミヒの指紋しか出なかったため、チョルジュンは激怒して彼女を疑い、ヒョジェを怒鳴りつけます。
ヒョジェは怯えて部屋に行き、事情を聞きに行ったミヒに「出て行け 子供が死ぬ」と書かれたノートの切れ端を見せますが、それを誰からもらったのかは言いませんでした。
一家がその家に入居したのは1984年。チョルジュンが署長に紹介された格安物件でしたが、現在はミヒの名義になっています。

ミヒは教会に行き神父に相談しようとして思いとどまり、その帰り、駄菓子屋のノ婆ちゃんに呼び止められ「気を悪くしないで聞いて、あの家は良くないわ。いくつもの魂が彷徨ってる!不気味な事があったんじゃない?いい地相鑑定士を紹介するわ」と言われます。
やってきた鑑定士は誠実そうな紳士で、家の内外観を見て「北の方位が衰えていて流れが死んでる」「千年に一度出会えるかどうかの場所だ」と話しますが、方位磁石が激しく廻り出し、北側の地下室に通じる廊下に気づき、回り続ける方位磁石を目当てに降りて行きます。
しかし、階段半ばで方位磁石はピタリと止まり、代わりにダウンジングのペンデュラム(振り子)で室内を調べたところ、ペンデュラムが激しく回転し、凄まじい力で件の奥の扉の前に引っ張られ、怯えながらドアを開けます。
扉の向こうは、コンクリートの壁でしたが、中からは子供の話し声や笑い声がして、ついには「誰かいる!」と別な太い声で怒鳴られ、慌てて逃げ出します。
彼はそそくさと帰り支度をして「あの声が聞こえなかったのか?私には無理だ!」「この家の問題は、風水や水脈とは関係ない。ともかく引っ越した方がいい」「巫女(ムーダン)に頼め」と言い残し去って行きます。
・・・

そして現代。
ミヒは笑顔で再訪したチェ牧師を追い返そうとしますが、コーピーを飲ませてと言われ、しぶしぶ家に上げイヤミを言います。彼はにこやかに受け流し「事件を調べてみましたが、不可解な点が多くて…告解するなら神父として協力します」と切り出します。
彼が本気だと感じたミヒは、「”神様の子供”か…そのせいで苦しんできたわ」と言い、腕の無惨なケロイドを見せ、「なぜ耐えて来たと思う?…この家に戻って、息子を見つけ出すためよ。これが真実」と話し、彼を地下室に案内します。
チェ神父はカンテラを下げて地下に入り「僕は人に何を言われようとも、あなたの言葉を信じます。犯人は誰ですか?」と聞きます。
ミヒは「”あいつら”よ。家の中に何者かがいたの。あいつらがヒョジェを連れて行った」と言い、件の扉を示し、柱の影に隠れます。
チェ神父はゆっくりとドアを開きますが、そこはやはりコンクリートの壁でした。

チェ牧師は役所に行き、ミヒの家=ウィルン洞34番地の事をしつこく聞きますが、そこが”幽霊屋敷”と呼ばれている事と、書類には1984年のミヒ一家の入居と、先住者の老夫婦の事までしか記載されていないという事実を知ります。
しかし中年の職員から「俺が小学生の頃=60年代にも一家失踪事件があった」と聞いてクムサン警察署に行き、「過去の事件の被害者に祈りを捧げる」という名目で資料室に潜入、1967年11月11日、若い母親と小学生の2人娘の失踪事件があった事を知ります。

午後6時。見張りの警官たちは退屈し、居間で激しい発作に襲われたミヒは、薬を飲んで何とか抑えます。しかし姿見には、知らぬ間に赤い6本の爪跡のようなモノが付き、廊下を駆け抜ける少女の姿が映ります。
ミヒは意を決して地下室に行き、ツルハシで扉の中の壁を破壊しようとしますが、激しく咳き込みうまく行きません。
するとどこからか少女らしき囁き声がして、部屋の隅にいる2人の少女を見つけます。しかしミヒが声を掛けると怖ろしい顔で振り向き、逃げた階段の先=北側の廊下には和服の女がいて包丁で刺されそうになり、恐ろしい顔をした女に「私の家よ!」と脅かされます。
ほうほうの体で居間に戻った彼女は「お願いだから、私の息子をヒョジェを返して…一体誰が何のためにこんなことを…」と泣き出します。

【承】- 時間回廊の殺人のあらすじ2

時間回廊の殺人のシーン2 25年前。
ミヒは、十字架のネックレスを隠して、怪しい市場にある巫女(ムーダン)の元を訪ねます。
弟子の若い女性は軽妙に「師匠は7年前に事故に遭い霊感を得た」と語り、耳元でミヒの来訪と相談事を告げますが、その盲目で太ったムーダンは途端に顔色を変え「どうしてその家に住むことになった?!」と弟子に伝え、彼女の家に向かう事に。
その頃、砂利置場の池のほとりで一人遊んでいたジウォンは、不気味な風で吹き上げられた土埃が目に入り、ふらついていました。

辺りが暗くなった頃、弟子と共に家に入ったムーダンは、いきなり北側の地下室への廊下を杖で指して気を吐き、弟子に命じて居間に塩で文様を描かせ、中央にミヒを座らせて祈祷を始めます。
間もなくムーダンは北側の廊下を見て「あの人たちは誰?!」と叫んで霊が乗り移り、「早く出ていけ!」と日本語で叫び、「あの人たちはまだこの家にいる!どうしてここにいるの?!あー!」と狂乱します。
弟子はミヒに渡してあった紙を受け取り、千切ってムーダンの周りに撒き「ここからが重要ですよ!目を閉じて、絶対に開けないでください」と指示します。

ミヒは言われるまま目を閉じ、その暗闇(画面は黒一色)に駆け回る足音が響きます。
弟子が絶対目を開けるなと繰り返すうち、「お前が俺の息子を殺した!」という男の恫喝や「僕を殺さないで!パパ!」という子供の声になり、「お前も共犯のくせに!」「パパ、ごめんなさい!許してください!」と言い争う声や叫び声が続き、突然「黙れッ!」と恫喝されたミヒは思わず目を開けますが、すぐ目の前に白髭の老人がいて彼女を見つめ、ムーダンと弟子の後ろには白い顔をした2人の少女と母親の姿が浮かんでいます。また引き戸の影には和服の女、背後には和装の髭の男がいてやはりミヒを睨みつけていました。
錯乱した彼女は、塩の文様をかき乱し「今止めたら大変なことになる!」と必死で止める弟子を払いのけます。
彼女が「お願いだからもうやめて!」と叫んだ瞬間、不気味な人影は全て消え去りますが、ミヒは「帰ってください!今すぐ出ていって!」と叫びます。
ムーダンは、開いていた地下室の件の扉が閉まり、その扉に6本の爪跡がついているビジョンを見て息をのみます。

その夜、9時にようやくヒョジェが「ジュノの家で遊んでた」と言って戻り、ジウォンがいない事を知ったミヒは、ヒョジュと共に砂利置場に探しに行き、ジウォンの自転車を見つけます。彼女は警察に通報し捜索が始まりますが、ジウォンは池の中から変わり果てた姿で発見されます。
チョルジュンはジウォンの遺体に取りすがって狂乱し、いきなりヒョジェに殴り掛かって「兄のくせになにをしてた!お前が死ねばよかったんだ!」と叫んで皆に止められ、ミヒは「もう止めてー!」と絶叫していました。
葬儀の際、ジュノは自分を責めるヒョジェに「いい子は死んだら天使になるって、神父様に聞いたよ」「ジウォンはマリア様に抱かれて、ずっと胸の中にいるんだ」と話し、励まします。
・・・

そして現代。
チェ神父は、土地拡張前の資料を調べ、1942年の新聞から「日本最高の陰陽師あべのますきは、渡部国男将軍のために朝鮮に渡り、その場に家を建てよと申し立てたが、その家で11月11日に将軍家族が殺害された」というパク・ウルセン記者の記事を見つけます。
高齢で衰弱し入院中ではあるものの存命していたウルセンは、突然のチェ神父の訪問に動じることなく、その問いかけに応じます。
1967年、1992年に失踪事件が起きた事を聞いたウルセンは「日本の植民地時代だった1942年、『日本軍による激しい収奪に農民たちが怒り、先鋒の渡部将軍を襲撃し殺害した』と噂されたが、農民らは実際には1人も殺してない。侍女に隠し部屋(地下室)に案内させるとそこには奇妙な壁があり、渡部夫妻は消えていた」と話します。彼はその場にいて、農民らと共に地下室に行き、その写真を撮ったのです。
彼は最後に「死を間近に控えた老いぼれの話を聞きに来てくれた神父様に、嘘をつくと思うかい?」と話していました。

チェ神父は神に祈り、意を決してミヒの家に行き全てを打ち明けます。
「1942年の渡部夫妻、1967年の母親と2人娘、そして1992年のヒョジェの失踪事件は、全て25年ごとの11月11日に起きている、そしてまさに今日がそのXデーだ」と言い、急いで逃げるよう説得します。
その時、見張りの警察官とイム刑事がやってきて、面接時間外に来られちゃ困るとチェ神父を追い出そうとします。
神父は警官らに両腕を抱えられながらも彼女を説得し続けますが、ミヒは「もしもその日が今日であるなら、なおさら私はここにいないと」「母親にとって子供は信仰と同じ、あなたの神と同じなの。私は25年前も今も母親だから」と言い、家の中に残る事に。
・・・

25年前。
ジウォンを失った一家は哀しみに暮れ、チョルジュンは酒に溺れ、ミヒは誰もいない部屋で慟哭した後、「ジウォンに会いたい、あの時一緒に帰ればよかった」と自分を責め続けるヒョジェに「負けちゃダメ。泣きたい時は泣きなさい。ジウォンはマリア様が守って下さる」と言い、自分の十字架のペンダントを渡します。

【転】- 時間回廊の殺人のあらすじ3

時間回廊の殺人のシーン3 そして2017年11月11日、午後11時11分。ついにその瞬間が訪れ、時間が狂い始めます。
ミヒはカンテラと包丁を持って、地下室の扉へと近づいて行きますが、ガタガタと音を立てて扉が開いた瞬間、怯えて包丁を落します。
彼女は扉の向こうに口を開ける漆黒の闇に手を差し入れ、ついに中へと侵入し、小声でヒョジェの名を呼び探します。けれどその瞬間、家が揺れ、恐ろしい気配が漂い、怯えた彼女は慌てて居間に戻ります。
(※この先は、25年前のジウォンの事故死の前と後が同時に混在しているため、一家は同時に2組[ジウォンだけが生前の1人のみ]存在し、そこに2017年の老女ミヒが介入していきます)

そこは25年前の家で、彼女の自室には(ジウォン死亡前の)若いミヒがいて、腕を差し入れ開けようとしたものの、裁ちばさみで刺されそうになり慌てて腕を引っ込めます。
その時、(ジウォン死亡後の)チョルジュンはヒョジェの部屋にいて、ノートに挟んであった実父とミヒとの家族写真を見つけて、くしゃくしゃにしていました。
(ジウォン死亡後の)ヒョジェは、酔っぱらって出て行った(ジウォン死亡前の)チョルジュンを影から見送った後、ジウォンの部屋から聞こえるゲーム機の音に気づいて耳をそばだて、中にいたジウォンに「お兄ちゃん?」と言われ、思わずドアに両手を突き、ジウォンは怯えて押入れに隠れます。
一方老ミヒは、自室で居眠りしていた(ジウォン死亡前の)ヒョジェを見つけ、ためらいながらも声を掛けてしまいます。
ヒョジェは怯えますが、愛おしそうに泣きながら頬を撫でる彼女を老いた母と知り、固く抱き合います。

しかし1階のジウォンの部屋では、押入れにいたジウォンが(ジウォン死亡後の)ヒョジュに見つかり悲鳴を上げ、その声を聞いた若いミヒがヒョジェと老ミヒがいる部屋を開けようとします。
若いミヒがカギを探すうち、老ミヒはノートの端に「出て行け 子供が死ぬ」と書いて千切り、ヒョジェに「これをママだけに見せなさい。私と会った事は言わないで」と言い、立ち去ります。

方や1階のジウォンの部屋では、(ジウォン死亡後の)ヒョジェが、ジウォンに「守れなかった」と泣いて謝り、抱きしめていました。ジウォンは「僕がお兄ちゃんを守ってあげる」と無邪気に微笑んでいました。
ヒョジュはジウォンに「ママに会わせてあげる」といい部屋から連れ出そうとしますが、階段から見下ろしている(ジウォン死亡後の)チョルジュンを見て、「パパ!部屋にジウォンが…」と振り返りますが、ジウォンは消えていました。

そのチョルジュンの手には包丁が握られていて「お前がここにいる事が間違いだ…パパなんて言うな!…お前が俺の息子を殺したんだ!」と怒鳴り、部屋に逃げ込んだヒョジェに包丁を振りかざします。
ヒョジェは、チョルジュンを突き飛ばして手に傷を負い、居間へと逃げますが、騒ぎに気づいた若いミヒが止めに入ります。
チョルジュンは「お前も共犯のくせに!…俺の息子を殺して逃げる気だったんだろ!」と怒鳴ってミヒを突き飛ばし、彼女は壁掛け鏡に頭をぶつけて失神します。
ヒョジェは愕然として地下室に逃げ込み、チョルジュンが後を追います。

一方、居間に戻った老ミヒの周りには、渡部将軍夫妻や母娘が現れて「出ていけ!」と脅し、怯えた彼女は地下室のあの扉へと逃げ込みます。
しかし、扉の中まで追ってきた白髭の老人は「待ってよ、お母さん…あなたの息子のヒョジェです」と言い、「この日が来るのを祈っていました」とかつて彼女が渡した十字架のペンダントを見せます。
老ヒョジュは「あなたに会うため75年も待ちました」「ここにいる人たちは皆、互いの存在を知らぬまま、時間に閉じ込められています」「25年ごとの11月、時間が徐々に歪み始めて11日になると完全に時間の扉が開いて、互いの時間が混ざり合う…ここはそういう場所なんです」と話します。
そして「今日、この家はお母さんを1992年のあの時に連れて行くはず…その時あなたは僕を助けてくれました。おかげでこうして生きているんです。でも次は助けないで」と言うのです。「あの時僕は死ぬ運命でした。お母さんの人生は、僕のせいで壊れたんです。助けなくていいと伝えたくて捜してきました」「人生をやり直したいと思いませんか?」と。
ミヒは「やり直したい…人生を取り戻したい…地獄のようだった…」と泣き出します。

その時、1階では若いミヒが気づき、地下室では怒り狂ったチョルジュンがヒョジュを隅に追いつめていました。
「ママ!助けて!」…ヒョジェのその声に、若いミヒと老ミヒが同時に気づきます。
老ミヒは、「助けてはダメだ!」と狼狽える老ヒョジェの手を握り「ヒョジェ…これがママの運命なの…あなたを愛してるわ…来てくれてありがとう…」と言い、地下室に行き、背後から木箱でチョルジュンを殴り倒し、落ちていた包丁を拾い説得しようとします。
しかし立ち上がったチョルジュンは、ふらつきながら彼女に向かって歩き出し、包丁の切っ先がその腹に刺さります。
チョルジュンは「貴様、誰だ?」と言いますが「ごめんなさい…子供は殺させない」と言う老ミヒの言葉を聞いて事態を理解し「どうして…」と呟き倒れます。
2人はあの扉の前で抱き合いますが、間もなく若いミヒが降りて来たため、老ミヒはヒョジェ別れを告げ、何度も振り返りながら扉の向こうの暗闇へと歩いて行きます。

若いミヒは一瞬起き上がった夫に驚いて悲鳴を上げ、扉の前に立っていたヒョジェを見つけて声を掛けます。
その瞬間老ミヒは、以前ヒョジェと交わした「どんなことをしても病気を治してみせる」と言う約束を思い出し、若いミヒに向かって踏み出したヒョジェを抱えて扉の闇に引きずり込みます。
若いミヒは狂ったように扉にすがりますが、時間の扉は塞がりコンクリートの壁になっていました。
そうして1992年11月12日、若いミヒは皆が見つめる前で逮捕され、連行されて行きますが、民衆の中にはヒョジェの相棒ジュノとヨニの姿もありました。

【結】- 時間回廊の殺人のあらすじ4

時間回廊の殺人のシーン2 翌日、チェ神父に全てを打ち明けた老ミヒは「信じられないでしょ?」と言い、彼を2階の子供部屋にいる1992年のままのヒョジェに引き合わせます。
チェ神父は静かにそばに座り握手を求めますが、その握手は幼い頃ヒョジェとジュノのお約束だったコンボ握手になり、互いに「ジュノ?」「ああ」と微笑み抱き合います。
チェ神父が事件の真相に疑問を抱いたのは誰のためでもない、彼自身が当時から優しい母親だったミヒを信じ、失踪した親友ヒョジェを捜したかったのです。
老ミヒはヒョジェに「ママはもう少ししたら遠くに行くの」と打ち明け、一緒に行くと泣き出したヒョジェに「ものすごく遠いから後で来ればいいわ」と微笑み、「あなたはママの一番大切な人よ。昔も今も、これからも」と言い十字架のペンダントを掛けてやり、強く抱きしめます。

ヒョジェはチェ神父と共に家を出ますが、見張りの義務警察官に「その子は誰?」と呼び止められます。
チェ神父は正直に「25年前に失踪したミヒさんの息子さんですよ。長い旅の果てに過去からやって来たんです」と言いますが、2人の警察官は「神父さんでも冗談を言うんですね」と苦笑し見逃します。
ヒョジェは名残惜しげに振り返りますが、老ミヒは25年前と同じく、微笑んで手を振り2人を見送っていました。

彼女はチェ神父への告悔として夫殺害の事実を打ち明け、ヒョジェの遺伝性の心臓病だけは治療してやって欲しいと頼んでいました。
2人はゆっくり町中を歩き、辿り着いた教会には、あのビー玉をデザインしたネックレスをした、美しく成長したヨニがいて微笑んでいました。
1人家に残った老ミヒは「美しい世界を見られるように、どうか助けて下さい」と祈っていました。

みんなの感想

ライターの感想

数々の賞を受賞したベネズエラのアレハンドロ・イダルゴ監督の「マザーハウス 恐怖の使者」(2013年)のリメイク作品で、ミステリーでなければジャンルもSFとしたいほど、よく練られたタイムトラベルものだと思います。
文中にも書きましたが、クライマックスにはジウォンの死亡前と死亡後の2組の家族が出現します。そこだけ踏まえていれば印象的な場面が多いのでかなり解りやすいと思います。
ミヒ役キム・ユンジンの老けメイクが絶妙で、美人と瞳年齢は隠しきれないですが、老人の仕草や漏れ音、手足の震え、姿勢等々実に見事でした。で、ずっと”将軍”?と思わされていた白髭の老人がまさかの伏兵で「助けないで」のシーンは号泣必須です。
ジウォンは本当にいたいけな少年で憐れでしたが、父親チョルジュン(チョ・ジェユン)は不器用なだけで根っからの悪人では無く、死に方も事故のような感じでちょっとホッとしました。
ちなみに”日本最高の陰陽師あべのますき”とは、(=安倍益材)一説によれば安倍清明の父親だそうで。時間を歪める(”操る”じゃないとこがミソですが)秘術って凄すぎですね。将軍夫妻を演じたのは韓国の役者さんですが、和装の立ち居振る舞いもキマっていて時折日本語を発するのでギョッとさせられます。

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