「極楽島殺人事件」のネタバレあらすじと結末の感想

極楽島殺人事件の紹介:韓国ののどかな離島”極楽島”で発生した全島民17名失踪事件。木浦に流れ着いた生首、たった一人の生存者に託された記録ノートからある恐ろしい事実が明らかになるという2007年制作の韓国のミステリー映画。監督/脚本は「神弓-KAMIYUMI-」のキム・ハンミンで本作が長編デビュー作。主演は「殺人の追憶」「グエムル~漢江の怪物」のパク・ヘイル。ヒロインは「冬のソナタ」のパク・ソルミ。

予告動画

極楽島殺人事件の主な出演者

保健所長ウソン(パク・ヘイル)、教師ギナム(パク・ソルミ)、用務員チュンベ(ソン・ジル)、里長(チェ・ジュボン)、その長男サング(パク・ウォンサン)、その次男ジョング(ク・ボンジン)、キム老人(キム・インムン)、テギの母(ユ・ヘジョン)、ボンスンの父パンス(パク・キルス)、ヨンボン居士(キム・ビョンチュン)、送電技師/チョ(チョン・マンシク)、イ(アン・ネサン)他、少年テギ(イ・デビッド)、少女ボンスン(チョン・イェリン)、ドクス(クォン・ミョンファン)、キム刑事(イ・デヨン)など。

極楽島殺人事件のネタバレあらすじ

【起】- 極楽島殺人事件のあらすじ1

1986年韓国木浦(モッポ)。埠頭で腐乱した生首が上がり、解剖の結果17人の島民全員が行方不明となった”極楽島”の住民の頭部と判明、キム刑事とイ刑事は極秘任務の命を受け小船で島に渡ります。船長は去り際「悪霊が棲む島だ」と呟きます。
2人は、急な斜面を登り診療所にたどり着きますが、室内は荒らされ、床には血痕があり”いけないモノ”と書かれた汚い紙切れを見つけたところでサイレンが鳴り響きます。

「G-13120」
島の最長老キム老人の傘寿祝いの日。島民たちは里長の長男サングの指示のもと、小学校で毒ガスの防災訓練を行っていました。島には11人の島民の他、医師のチェ・ウソン保健所長、若い女性教師チャン・ギナム、送電技師4人が滞在しています。
訓練後、里長は満面の笑みで保健所長と先生のおかげで”離島の優秀村”に選ばれたと報告し、国からの褒美の砂糖を受け取る前に採血をするよう促します。ウソンは医者としても頼りにされる穏やかな青年で、島民たちは素直に採血に応じ、ギナムと結婚したら?と勧めます。
その夜の誕生会は大盛況でしたが、酔って「極楽神社の菩薩の絵の目が動くのを見た」と言う用務員チュンベの話を聞いたウソンは、彼の瞳孔を見てよく眠れないと聞き眉を顰めますが、熱は無いと知って何でもないと笑います。
やがて陽気なヨンボン居士も加わり、少女ボンスンが歌い、サングはギナムの気を引こうと躍起になります。
その時キム老人が突然苦しみだしますが、ウソンが喉に詰まった羊羹を取り出し事無きを得ます。
イ技師が爺さんの家族は?と聞くと、島民たちは口を揃えて、2人の息子は漁で死に、嫁は島から出て行こうとしたが、爺さんが閉じ込めて飢え死にさせて以来呪われてると言い、ヨンボン居士はキム一家は烈女(貞淑な妻の鑑)の家として国から讃えられこの島の主になったからなと話します。

宴会終了後、パク技師とキム技師は、酔いつぶれたイ技師とチョ技師を置き去りにし、ドクスを花札に誘います。彼は鈍重ですが下働きの真面目な働き者です。
遅くに使いに出された少年テギは、合宿所に入って行く3人を見ますが、恐ろしい気配に怯え診療所に駆け込みます。けれどウソンはおらず、間もなく「キム老人の様態を診てきた」と言い戻ります。テギは彼に母親からの羊羹を渡し、花札は死んだ父ちゃんを思い出す、賭け事の金があるならうちにくれ!と叫びます。
一方、里長の家の離れでは、ギナムとボンスンが英語の勉強中で、家の外をうろついていたサングは弟のジョングに促され何とかおすそ分けの芋を渡しますが、ボンスンに追い出されます。
合宿所は静かでしたが、キム老人は気配に気づき鎌を研ぐ手を止め、間もなく首を切られたキム技師がどこかの物置に駆け込んで息絶え、その遺体を誰かが引きずって行きます。

「G-13144」
翌朝、花札をしていた2人の技師は合宿所で無惨な遺体となって見つかり村は騒然となり、テギの証言で2人と一緒にいたのがドクスだと判明、探して事情を聞かねばとなりますが、パンスが今朝方、奴が突然寝床に現れたと言い出します。
ドクスは彼に「ボンスンと本土に行く。くれると約束しただろ?」と言って、血が付いた大量の札をカバンからばらまき、彼女を連れ去ろうとしたのだと。けれど咄嗟に身長が木の印に届いていないと引き留めたため、ドクスは霧の立ち込める暗い森に消えたと言うのです。
ウソンは人々にドクスを探し警察に連絡するよう急き立て、現場で遺体が握っていた紙切れと窓ガラスに着いた血の手形に気づきます。
村中探してもドクスは見つからず、ウソンと共に烈女が死んだという洞窟の岩牢に探しに行ったチュンベは、奴はパンスにこき使われ、揚句にボンスンのために貯めた金を技師たちに奪われ怒ったんだと話しますが、途中でぼんやりして「先生の薬が効いてよく眠れる」と言いますが呪われると逃げ出したため、ウソンも岩牢の奥を覗いただけで引き上げます。
磯ではイ技師とチョ技師がドクスの靴と血塗れの包丁を見つけます。

【承】- 極楽島殺人事件のあらすじ2

学校に戻った皆に里長は、ドクスは技師2人を殺害後自殺したと思われるが、無線機が故障していて警察には知らせてない、パンスに明日本土に行って知らせてくれと言いますが、もうすぐ天候不順となる”イカれ日”だし、明後日の巡視船を待とうと言われます。
その時、絵探しゲームをしていたチュンベが「ペンギンがいない!」と騒ぎ出し、里長は解散しようと言いますが、ギナムが憤然としてこのままでは新たな殺人が起きるかも!警察が来るまで安心できない!と立ち上がります。
彼女は、殺人犯が凶器の包丁と靴を並べて自殺するのはあり得ない、ドクスは包丁を持ってなかったという証言から、彼も被害者だったのかもと言うのです。また遺体は海では浮くし、燃やせば煙が出るから島内に埋めたのでは?と力説します。皆は納得しますが、テギの母親が「ならば犯人は島民の誰かなのか」と言い出し騒然となります。
けれどウソンは、ドクスが犯人なら島外に逃げたろうし死んでるなら自殺だ、合宿所の鍵は技師だけが持っているため、共犯がいたのも考えにくいと話します。
その後、合宿所に忍び込んだボンスンはテギに、ドクスは蟻も殺せない男だから人を殺せるはずがないと言いますが、サングとギナムが来たため逃げ出します。
サングは技師たちの死体は写真を撮って魚保管用の大型冷凍庫に入れたと言い、彼女は現場を調べます。そして階段で足跡と血痕を見つけ、足跡はテギとボンスンのものと見抜きますが、血痕は警察に任せる事に。
彼女は一人診療所のウソンの元に行き、ドクスはやはり殺されてる、なぜ嘘を言ったの?と問い詰めると、彼は、判ってたが住民が疑心暗鬼になるのを避けたかった、そして犯人探しよりドクスの遺体を探すのが先だ、僕に任せてと言います。サングはそれを物陰で聞いていました。

「G-13168」
翌日、ウソンはヨンボン居士と烈女の洞窟に行き、ドクスの頭部の無いバラバラ死体を発見します。
ヨンボン居士は犯人は大胆で賢い、警察が来るまで障らず引き渡したらと言いますが、そこにサングが現れて難癖をつけ、学校に皆を集めウソンを尋問して犯人と決め付け、里長の家の物置に閉じ込めます。
皆は猛然と抗議しますが、里長は彼が監禁されてる間に次の殺人が起これば嫌疑が晴れるだろうと取り合いません。
その夜、住民たちが不安な時を過ごす中、絵探しゲームに夢中のチュンベは”前回の絵にはペンギンがいなかった”という訂正文を見て教室にお絵かき帳を取りに行き、ギナムに挨拶をして戻ります。彼はペンギンのいない絵探しゲームをお絵かき帳に貼り付けますが、「里長はいけないモノを島に入れた」と書いた紙切れが挟まってるのに気づき、興味を持ちます。
が、その直後物置で、死霊のような女が食べ物を食い漁っているのを目撃、パンスの家に駆け込んで倒れ、錯乱状態のまま物置のウソンの元に運ばれます。ウソンはパンスに診療カバンを取りに行かせ事無きを得ますが、彼は事件の翌朝ドクスを見たのは夢かもしれない、奴の金がどこを探しても無いんだと打ち明け帰って行きます。
やがて目覚めたチュンベは紙切れをウソンに見せ、里長が村に入れた”よからぬモノ”とは殺人事件に関係しているのでは?と言いますが根拠は無く「最近頭がクラクラして変な感じがする」と訴えます。ウソンはにわかに目を輝かせ「イライラする?幻覚は?」と聞きますが、それは無いと言われます。

一方、里長はヨンボン居士を招いてご馳走し、ウソンを野放しにすれば犯人探しに躍起になるだろうし、監禁しておけば犯人も安心して次の殺人も起きない、後は警察を待つだけだと笑いますが、ヨンボン居士に怪しまれ、指2本を失ってるわしに何ができる?疑わしいのはお互い様だと笑います。が、その一方で、殺人が起きたのでは庇いようがないというウソンに、村の栄誉のために来年までなんとか助けてくれと懇願します。
また、ウソンの物置にはギナムも来て「私は邪魔かしら?」と聞きます。彼女はあなたに呼ばれてこの島に来たのにと言い「私を島に呼んだ本当の理由が知りたい」と言い去って行きます。
深夜、熟睡する里長の部屋に黒覆面の男が侵入し家探しをします。彼は棚に隠してあった大量の札束が入ったカバンを奪おうとしますが、里長が飛び起きて「ヨンボンだろ?!金を横取りした殺人犯はわしだというのか?花札の第一人者はお前だろう?!お前のせいでわしは指を失ったんだぞ!」と騒ぎ、殺人犯だ!誰か来い!と叫び、息子兄弟が駆けつけ乱闘になりますが、覆面男がナイフを振り回した拍子にジョングの首を切り裂き、現場は阿鼻叫喚に包まれます。
男は逃げ出しますが、外でライフルを構えたヨンボン居士と睨み合いになり、居士が屋根にいる烈女に驚いた隙に逃げ、追いすがった彼を殺害します。ギナムはその一部始終を目撃、ウソンも物置の扉の隙間から見ていました。
一方、騒動を知らないテギとボンスンがウソンの物置に向かう途中、テギが路地から出て来た血塗れの父親に足首を掴まれ気絶します。

「G-13192」
テギは診療所に運び込まれ、ウソンの診察を受けますが、母親とボンスンは死んだ父ちゃんに会ったって言うのと大泣きしていました。
一方、合宿所にいたチョ技師とイ技師は、煮込みを持って来たチュンベに紙切れを見せられ、この謎を知ろうとしたヨンボンも殺された、事件に関係があると思うと相談されます。彼は2人に、実は里長もあの夜花札に加わってた気がする、彼は何かを島に持ち込んだ見返りに大金を受け取り、花札に賭けたところでいざこざになったのでは?と言うのです。
里長は花札が得意で、チョ技師は里長の家に押し入るかと言いますが、イ技師はまず所長と先生に相談すべきだと引き留めます。チュンベは、2人に知らせて大事になるのはまずかろうと言葉を濁します。
また同時刻、ウソンは大型冷凍庫の技師たちの遺体を見た後、外で待っていたギナムに、自分は覆面男騒動の現場にいてこの目で見た、チュンベが犯人だ、彼は騒動にかこつけて何かに気づいたヨンボンをも殺害したのだと言われます。ウソンは、チュンベの紙切れの件を打ち明け、その時も里長を疑ってた、その紙切れを誰が書いたのかつきとめれば証拠になると話します。
そこにテギの母親が「テギがいなくなった!」と駆け込んできて村人総出の捜索となりますが、テギは、断崖でぼんやり立っていたところを発見されます。
皆は半狂乱の母親を取り押さえ、ウソンがゆっくりと近づきますが、彼は「この島は怖い。本土に行くよ」と怯え飛び込もうとします。
けれどそれがウソンだと分かると「所長はたくさん食べて早く結婚しないと」と微笑みますが、その直後、彼が父親の姿に見え「もう父ちゃんに殴られたくない」と言い転落します。彼の遺体は上がらず、見つかったのは片方の草履だけでした。

【転】- 極楽島殺人事件のあらすじ3

「G-13216」
翌日、テギの母親とパンス、技師らとチュンベの5人は里長の家に押し掛け家探しをしますが、金の入ったカバンはチュンベが離れのギナムの部屋から発見し里長に詰め寄ります。が、サングがライフルを持ち出し、俺たち一家は事件に関係ない!と叫びます。
イ技師は次々と里長に質問をしますが、里長は金の事はわしにもわからん、”いけないモノ”を持ち込んだと言われても貰った物はすべて分け与えた、砂糖もみんな喜んだじゃないか!と叫びます。
7人は睨み合いとなりますが、そこにウソンとギナムが止めに入って間もなく、ライフルを突き付けられていたパンスが銃身を掴んだはずみでサングがうっかり発砲、パンスは腹を撃ち抜かれ息絶えます。
皆はサングからライフルを取り上げますが、それを拾ったチュンベがはずみで発砲、サングの額を撃ち抜きます。皆は逃げ出しますが、チュンベはライフルを持って森に逃走、それをウソンが追います。

皆は極楽神社に逃げ込み、号泣する里長に本当の事を言えと迫ります。里長は、わしは村の繁栄を一心に願ってきた、悪いモノなど持ち込むわけがないと泣き、無くした指を見せこの指で殺人できると思うか?!と叫びます。けれど花札の現場にいたろう?!チュンベも怒ってる!と言われると「あれは花札とは関係ない金だ!他で…」と言いかけて黙り「正直に言うと、ある提案を受け入れたのは確かだが…」と言いかけたところで流れ弾に当たり死亡します。
神社の庭ではチュンベとウソンがライフルを奪い合っていました。チュンベは鳥居や屋根に現れては消える烈女の幽霊に向かって「あいつが殺したんだ!みんなを操ってる!あれが見えないのか?!」と叫んで発砲、ウソンに幽霊が取り憑いてると銃を向け、「あなたが犯人よ!」と飛び出したギナムに銃を向けたところで取り押さえられ、縄で縛られ里長の家の物置に閉じ込められます。

「G-13228」
金の入ったカバンは騒動の最中再び無くなり、技師たちはギナムを疑いますが、彼女はそもそもカバンが彼女の部屋にあった事すら知りませんでした。
一方、その後も1人家で泣き続けていたテギの母親は、冷たくなった餃子をすくおうとした瞬間延びてきた手を反射的に叩いて、はっと振り向きます。そこには顔色の悪いテギがいて、いつものように餃子をつまみ食いして去って行きます。
彼女は泣きながら後を追い、断崖に立つ彼が「母さん…ここは恐ろしい島だよ…僕と行こう…怖いよ…」と差し伸べるその手を取り、抱きしめながら落ちて行きます。

「G-13232」
一方、診療所には高熱にうかされたボンスンが運ばれてきます。ギナムはボンスンを心配し事件やカバンの事を話しますが、ウソンは何も言わず治療を続け、食い下がる彼女を怒鳴って追い出します。彼女はその後、死体だらけの冷凍庫に座りじっと何かに堪えている様子のウソンを目撃します。
方や、金を探してイラつく技師たちに、チュンベがカバンのありかを知ってると囁き解放されます。2人は、彼の案内で極楽神社の床下から血の着いた金の入ったカバンを発見しますが、チュンベに壊れた仏像の頭で殴られ死亡します。
けれど直後にチュンベは烈女の亡霊を見て絶叫、叫び声を聞いたキム老人は、神社にガソリンを撒き「里長はいけないモノを持ってきた…全部燃やさないとみんなが死ぬ」と呟いて火を着け、小船で島から脱出しようとします。
チュンベは必死に追いすがり、あの紙切れは爺さんが書いたのか?!何で俺に渡したんだ?!と詰め寄りますが、小船の中にカバンがあるのに気づき奪い合いになり、チュンベが「爺さんも先生の仲間か!あの紙切れにどれだけ振り回された事か!」と叫んでキム老人を櫂で撲殺、カバンを奪ったところで岸辺からライフルで狙われます。

撃ったのはウソンで、チュンベはカバンを抱えて森を逃げ回り、漁船に逃げ込んだところで追いつかれます。
ウソンがライフルを突き付け殺人理由を問うと、チュンベは全てギナムが企てた事で、あの女が自分や人々を操り殺人を犯させた、こうして殺し合う事すら思うツボなんだと叫びますが、突然倒れて苦しみ始めます。が、近づいたウソンの隙をつき「あの女に惚れたか?!なぜ気づかない!」と掴みかかり乱闘になります。
2人の力は互角でしたが、チュンベがウソンの首をロープで絞め上げ「考えれば考えるほどあの女は知能犯だ!あんな紙切れ一枚!ペンギンと同じく訂正記事を書いてわしに詫びるべきだ!」と叫んで碇を振り上げたところで「止めて!」という叫びと銃声が響きます。
ギナムはそのままチュンベに発砲、彼が海に落ちると同時にロープで繋がっていたウソンも引きずられ落ちて行きます。
彼女は必死でウソンを呼びますが、先に上がってきたのはチュンベで、彼女を鈎棒で脅しながら紙切れを突きつけ「おまえが書いてお絵かき帳に挟んだんだろ?なぜだ?どうしても気になって仕方がない」と言い、カバンを彼女の膝に置き「なぜこの金のためにわしが人殺しまでする事が予測できたんだ?この金はくれてやるから言え!」と迫ります。
ギナムは「ふざけないで!これ以上罪を重ねる気?!」と突き飛ばしますが、チュンベは彼女にしがみつき、「生き残ったのはわしら2人きりだ!言えば生かしてやる!何もかもお前のせいで起こった事なんだ!」と迫ります。彼女は落ちていた発煙筒をチュンベの腹に打ち込み、彼は海に転落、彼女はカバンと紙切れを持って診療所のボンスンの元に戻ります。

【結】- 極楽島殺人事件のあらすじ4

けれど、ボンスンはすでにこと切れていて、彼女は何も言わずボンスンの目を閉じシーツを顔に掛け、カバンを窓に叩きつけます。吹き込んだ風で、散乱していた医学雑誌がめくれ、里長とウソンが微笑む写真と”奇跡の新薬トクシアリン”の記事が現れます。
「君も研究をやめて島に来ないか?空気もきれいだよ」…ウソンの言葉を思い出しながら、彼女はページをめくります。
そこには”里長との約束 砂糖””赤い瞳孔 幻覚 興奮 高熱の副作用”の赤いメモ書きがあり、彼女はボンスンの目が赤くなっている事を確認します。そこにずぶ濡れでケガを負ったウソンが戻り、彼女を無視して腕の傷の手当てをします。
「研究を諦めて島に来たのでは?紙切れはあなたが書いたんでしょ?副作用を恐れてカン会長の元から逃げたのでは?」その彼女の質問に彼は「副作用はまだ不明だ。殺人事件の原因は花札だ」と答えます。
彼女は「カン会長と同じね、あの薬が人々を死に追いやったのよ!」と責めますが、彼は「テギが死んで懸命に事態を収拾しようとした、あの薬の市販を止めたのも俺だ!」と抗います。
そして「あなたのためにこの島に来たのに、私を呼んだ理由が判らない、共犯者にして口止めするつもり?!」と叫ぶ彼女に、「君を守りたかった…君は彼の実験の犠牲者になるはずだった…でももう安全だ。里長だって砂糖を身内には食わせなかった」と答え抱きしめます。
彼女は「あの薬に成功は無いと言ったのはあなたよ!」と責めて突き飛ばし「あなたは死ぬべきよ!」とガラス片で襲い掛かります。
彼はやむなく彼女を殴り、漁船に載せて海に流します。
どしゃ降りの雨の中、気づいた彼女は、実験記録のノートが託されている事を知り、岸辺に立ち尽くす彼をじっと見つめていました。

「テギとボンスンの記憶力の向上、ドクスにも効果が見られ、キム老人は意味不明だが(”里長はいけないモノを持ちこんだ”)言葉を取り戻し、多量に服用していたチュンベは著しく認知力が向上した(絵探しゲーム)。成功したのだろうか?キム老人の80歳の誕生日。皆活気にあふれている。1年半にわたる実験の成果だ。この世が美しく見える」…ウソンはキム老人の誕生日の実験記録にこう記していました。
けれどその夜、花札の席で起こった惨劇が薬の副作用かどうかは判らず、「卓越した臨床的成果と若干の神経系統の異常症状、多数の肯定的な要因と多少の副作用…どちらも可能性に過ぎずさらに検証が必要だ」と迷います。
「里長がいけないモノを持ちこんだ」とは、果して彼の実験の事を言うのか、または烈女の呪いの解呪と村の繁栄祈願のため里長が無理に推し進めた極楽神社建立によりキム一家が破産、激怒した息子たちの突然の事故死に伴うキム老人の精神異常という過去がある老人にとって、”いけないモノ”=極楽神社という可能性も捨てきれないと考えた彼は、真相を確かめるべくチュンベに老人の言葉(”里長はいけないモノを持ちこんだ”)を知らせようと決意、「殺人事件が事故である事を願おう」と言う言葉で記録ノートは終わっていました。
診療所に1人戻ったウソンはじっとその事を思い、自分の腕に新薬を注射します。
「G-13236」
「G-13236。551日と12時間の実験終了。事故対象実験を開始」
彼はノートにそう書くと、じっとその時を待ちます。彼の背後には暗いナニモノかの気配が漂い始めます。

「極楽島住民の失踪事件でマンミン製薬のカン・チョンソン会長が逮捕されました。検察は同会長が人体実験のために極楽島の住民を利用、不法な人体実験を行っていたと発表しました」…ラジオは連日そのニュースをがなり立て、新聞の一面にはマスコミに取り囲まれ激怒するカン会長の写真と”極楽島唯一の生存者”として小さなギナムの写真が載っています。
日本に漂着し救出されたギナムを港で迎えたのはキム刑事でした。彼は決定的な証拠となる実験資料の提供に感謝しますと記録ノート見せ、あなたは生き延びられて運がいいと笑います。
ギナムは呆然と景色を眺めながら「運がいい?」と呟きます。

誕生日の席で里長はじめ住民らは、心からウソンに感謝の意を述べ、満面の笑みで記念写真を撮っていたのです。
皆の健康を気遣い離島を守る青年医師とその功績を讃える純朴な島民たち……その夜から始まる惨劇を知る由も無く。

みんなの感想

ライターの感想

片付けの悪い伏線やフェイクも多いので、サスペンスの質としてはイマイチですが、愉快で陽気、純朴な島民らが次第に狂わされていく様が見事な佳作です。
長くなりますが判りにくかった部分を解説。
“烈女”とは日本と多少ニュアンスが異なり、命懸けで夫に尽くし夫亡き後自害してまでも操を立てる女性の事だとか。
また彼らが寄合をする学校は唯一の大きな平地で、揉め事の舞台となる”里長の家”は大きく、キム爺さんの傘寿の祝い(参加者17名)をした中庭を挟んで、片側には里長親子が暮らす本宅とウソンらが監禁された物置小屋が並び、片側にはギナムが下宿する離れがあります。
「里長との約束 砂糖」とは、新薬トクシアリンを仕込んだもので、ウソンは中でも大量摂取実験の被験者となったチュンベを注視しています。詳細は語られませんが、成功すれば認知症始め知能や発達障害に絶大な効果を発揮する薬だったようです。
ウソン役パク・ヘイルは「殺人の追憶」「グエムル~漢江の怪物」で大注目、本作でも「でもみんなの幸せ願ってたんだよね?」と庇いたくなる好青年で、チュンベ役ソン・ジルは「カエル少年殺人事件」で号泣させられて以来大好きな俳優さんです。韓国作品は子役にも容赦が無いですが、テギ役イ・デビットの「もう父ちゃんには殴られたくない」は本当に胸に迫る。何度見ても味のある良作だと思います。

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