映画:殺人者の記憶法

「殺人者の記憶法」のネタバレあらすじと結末

殺人者の記憶法の紹介:かつて連続殺人犯だった男が認知症となり、あやふやな記憶の中で新たな連続殺人犯と対峙するという2017年公開の韓国のクライム・サスペンス。原作はキム・ヨンハの同名ベストセラー小説。監督は「セブンデイズ」「鬘 かつら」のウォン・シニョン。主演は「力道山」「シルミド」などの見事な役作りで知られるソル・ギョング。娘役を人気ガールズグループAOAのキム・ソリョン、謎の男を人気若手俳優キム・ナムギルが演じている。

あらすじ動画

殺人者の記憶法の主な出演者

キム・ビョンス(ソル・ギョング/少年時代シン・ギジュン)、ミン・テジュ(キム・ナムギル)、ビョンスの娘ウンヒ(キム・ソリョン/幼女時代シン・リナ)、アン・ビョンマン派出所長(オ・ダルス)、詩の受講生チョ・ヨンジュ(ファン・ソクチョン)、ビョンスの父(チョン・インギョム)、ビョンスの姉マリア(少女時代キム・ヘユン/シスター時代キル・ヘヨン)、キム・ミンジェ検事(キム・ミンジェ)など

殺人者の記憶法のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①韓国カンファ市の獣医キム・ビョンスは認知症となり休業する。彼は少年時代、暴力的な父親を殺害し「正当な殺人」だと感じて以来、17年前に事故を起こすまで殺人を繰り返すが、遺体は所有する竹林に埋め発覚していない。同居の愛娘ウンヒは事実を知らず、旧知の間柄の派出所長アン・ビョンマンもいて、どちらも彼の認知症を気にかけフォローしている。②その頃市内では連続殺人事件が発生、ビョンスは自らの仕業かもという疑念を抱くが、真犯人と思しき男と追突事故を起こす。2人は互いに相手を殺人鬼と見破り、ビョンスは彼を近々の連続殺人の真犯人と確信する。③謎の男ミン・テジュは警察官で、易々と警察情報を操作しウンヒに接近、ビョンスは娘を守るため彼が真犯人だと立証しようとするが、認知症のため記憶もあやふやで信じてもらえない。④ウンヒに危機が迫る中、ビョンスの失われた記憶の核心が明らかになるが…。

【起】- 殺人者の記憶法のあらすじ1

殺人者の記憶法のシーン1 雪山のトンネルから髪を刈り上げた初老の男が出て来ます。彼はコートに医療カバンを下げていますが、白い運動靴は左右を履き間違え、頬を痙攣させ、遠くを睨めつけています。

韓国カンファ市。派出所に保護されたキム・ビョンスは、旧知の派出所長アン・ビョンマンの名前すらわからず、若い愛娘ウンヒに引き取られラーメン屋に行きます。
ウンヒはカンファ農協に勤める気さくな美しい娘で、ボイスレコーダーに自分の声を入れて渡し、ビョンスはしぶしぶポケットに入れます。彼はもともと寡黙で反応が鈍く、この面倒な手順こそが父娘の大切なコミュニケーションになっています。
また住所入りのペンダントを渡すと「心配すんな。シモの世話まではさせん」と言われます。
彼は獣医でしたが、3ヶ月前「脳血管性認知症とアルツハイマー、記憶は徐々に薄れ、最終的には全て喪失する」と診断され、「進行を遅らせる事はできるが止める事はできない」「原因はかつての交通事故の際の脳の手術」と言われたのです。

その頃カンファ市では、若い女性の連続殺人事件が発生、遺体の手足には拘束跡があり、旅行カバンに詰められ、貯水池に遺棄されるという事件が続いていました。
ビョンスは、自分の運動靴を確認しに行きますが汚れておらず、遅くに出掛るウンヒを止めますが聞き流されます。
しかし彼には解っていました。彼自身がかつて連続殺人犯だったからです。靴を確認したのも「自分が犯人(なのに認知症で忘れたの)かも」と思ったからでした。

認知症を発症して以来、彼はレコーダーにその日の記録や予定などを吹き込み、パソコンでは日記をつけています。
彼が初めて殺害したのは父親でした。
彼の父親は時折帰宅しては家族を殴り、性的虐待を繰り返すケダモノでしたが、1971年の秋、彼が学校から戻った時、滅多に帰らない父親が帰宅し暴れた後で、彼の新品の運動靴がキムチの汁まみれになっていたのです。
父親は彼を叩きのめし、彼の姉マリアの代わりに彼に性的虐待を加えようとしたため、反撃してソバ殻枕で窒息させ殺害、遺体を近くの山林に埋めたのです。
数日間、彼は部屋に引きこもり警察に怯えていましたが、事件は発覚せず、家族は平穏に暮らせるようになったのです。

「世の中には正当な殺人がある」と気づいた彼は、家族を殴る料理屋の店主、指輪を飲んだ犬を撲殺し腹を裂いて取り出せと言った飼い主の女、浮浪児を奴隷扱いしていたホームレス、一家を壊滅させた借金取りなど「死んで当然のクズどもを掃除する」という大義名分で殺人を繰り返していましたが、遺体は彼所有の竹林に埋め、発覚した事はありません。
一方で彼は獣医師として多くの動物の命を救い、ウンヒもそんな父親が大好きでしたが、症状が出始めたある日、患者の猫に薬を過剰投与して死亡させてしまい、休業を決意したのです。

ビョンスはウンヒに勧められ、文化センターの詩の講座を受講しますが、軽薄な講師や厚化粧の受講生らに呆れ「以前の私ならとっくの昔に竹林に埋めてる」と心の中でぼやきます。
中でもおばさん受講者チョ・ヨンジュに気に入られてつきまとわれ、実は人殺しだとも言いますが、笑って聞き流されます。
また彼は元から感情表現が下手ですが、ユーモアだけには時間差で反応し、思い出し笑いが止まらなくなる時があります。

しかし17年前のある殺人の際、彼は連続殺人を止める決意をしたのです。
最後の犠牲者は女性でしたが、今となっては殺害理由すら思い出せず、ただその遺体を竹林に埋めた帰り道、雪の農道で自損事故を起こし、車体は大破、ビョンスは頭部を損傷したのです。
ビョンスは血まみれで自宅に戻りますが、幼いウンヒが「パパ、血が出てるよ。大丈夫?」と声を掛けたのです。
「殺人が詩なら育児は散文だ。人を1人育てるのには10人殺すより手間がかかる。(ウンヒがいたのは)むしろ幸いだった」

そして現在、竹林で寝転がっていた彼は、頬をヒクヒクと痙攣させながら起き上がります。
「この痙攣が合図だ…また道を見失い、記憶が消える」
その頃、貯水池の近くの山林にある廃屋では、下着姿で血だらけの若い女性が縛られもがいていましたが、何者かに絞殺されます。
犯人はその遺体をバスタブに浸け、写真を撮っていました。

帰り道は濃霧になり、ビョンスは停まっていた白い乗用車に気づかず追突してしまいます。
追突の衝撃で開いたトランクの中には迷彩柄の大きな旅行カバンあり、流れ出る大量の血を見た彼は、その血をハンカチに含ませポケットに入れます。
乗っていたのは童顔の青年で「ケガはありませんか?道路で鹿を撥ねたんですよ。僕は平気ですから行ってください」と言われます。しかしビョンスは一目でその男が殺人鬼と見抜き「後で問題になると困るから連絡先を交換しよう」と名刺を渡ししたものの、男は彼の名刺を受け取っただけで走り去ってしまいます。
ビョンスはレコーダーに「10日の夕方6時45分。エウォル三差路で接触事故。ナンバーは”20ろ8588” あいつは殺人者だ」と吹き込みます。

【承】- 殺人者の記憶法のあらすじ2

殺人者の記憶法のシーン2 ビョンスは動物病院で血液を分析しO型と判定、鹿にはO型が無いため人間の血と確信し「同じ町内に殺人鬼が2人、奴も気づいたのだろうか」と考え、連続殺人の手口を分析、若い女性が狙われている事からウンヒの身を案じ、公衆電話から匿名で「死体を運んでる車を見た」と通報し、ナンバーを伝えます。
しかし通報を受けたカンファ警察署では、車の持ち主である情報課のミン・テジュ巡査がからかわれ笑い話になっていました。明るい若手警察官の彼を疑う者は誰一人おらず彼はそこでも「撥ねた鹿を運んでた」と笑っていました。
翌日、テジュはビョンスに電話し「あなたから名刺をもらった者ですが、中身は人間ではなく鹿の死体でした。問題無いのでもう忘れてください」と言います。
相手に身元を知られ、警察が無力だと再確認したビョンスは、殺人者としての経験から、エウォル三差路からほど近い貯水池に目星をつけ、ぬかるみの中で女性の遺体を発見し、匿名通報します。
翌日には死体が発見されてニュースになり、警察官として現場にいたテジュに「こないだの事故はこの近くのエウォル三差路だろ?」と聞く者もいましたが、彼は無言で現場を見つめていました。

翌日、テジュは子猫を連れた患者の体でビョンスの動物病院に行きますが休業の貼り紙があり、偶然ウンヒと出会って「父は具合が悪くて…市内の動物病院に行かないと」と言われます。
またビョンスは農道脇の商店のパラソル席でビョンマン所長と会い、「追突事故を起こしたので相手を調べて欲しい、ご近所だろうから内々で」と頼んでナンバーを渡しますが、所長は普段通りの彼を見て「時々まともになるから混乱するよ」と笑っていました。

その夜、ビョンスに「すぐ帰る」と電話しながら歩いていたウンヒに、件の車に乗ったテジュが声を掛けますが、子猫を見て安心し送ってもらうことに。
ビョンスは路地まで出てウンヒを待っていましたが、やってきた派手な女を見て頬をヒクつかせ、襲いかかって首を絞めますが「お父さん!」と呼ばれて正気に返り、ウンヒと気づきます。
「記憶は薄れても、体は殺人という行為を覚えている」…それを機に、彼の中では「追突事故は妄想で、やはり連続殺人は自分の仕業では?」という疑念が頭をもたげます。

彼はウンヒに「症状が悪化したから施設に入る、このままでは何をするかわからんぞ!」と言いますが聞き流されます。
彼女はビョンスの散髪をしながら「お父さんは私のオムツを替えてくれたでしょ?お返ししなきゃ」と言い、「化粧が濃くなった」と言われると「あなたの娘も恋するお年頃なのよ。お父さんは?文化センターではどうなの?」と返していました。
その際彼は、彼女が入れてくれた歌謡曲を消してしまったから入れ直してくれと頼み、レコーダーを預けます。

ビョンスは、森の中の修道院のシスターとなった姉マリアを訪ね、ベンチでのんびり巻き寿司を食べながら、「俺は認知症だ。天罰かな」「この修道院の療養所には男でも入れる?娘のお荷物になるくらいなら、姉さんの世話になる」と話します。
マリアは涙をこらえて十字を切り「(父殺しは)もう忘れなさい。私はお前のために毎日祈ってる。私が代わりに罰を受けるわ」と言いますが、彼は「父親以外も殺害していると言っても、祈ってくれるのだろうか」と心の中で呟き、去って行きます。

文化センターの詩の講習会は相変わらずで、ビョンスは講師に殺意すら抱きますが、おばさん受講者ヨンジュは彼に夢中で、強引に車に乗り込まれやむなく送る事に。
車中でちぐはぐな会話をするうち、ビョンスはデート中のウンヒとテジュを見かけて車を止め、ウンヒを強引に連れ帰ろうとします。
テジュは平然と自己紹介して警察官だと言いますが、ビョンスは彼の顔に見覚えがあるものの、誰だったかが思い出せませんでした。
その時ヨンジュが割って入り2人を解放しますが、「あんた誰だ?」と言われて置き去りにされます。
独りになったビョンスはレコーダーに「ウンヒに恋人ができた。ミン・テジュという警察官だ。むしろ幸いだ」と吹き込みます。

その後テジュとウンヒは埠頭に行き、テジュは「父親は娘の恋人を嫌うものだ」「以前お父さんの車と事故ったんだが、忘れられたみたいだ」と話します。
ウンヒはビョンスが認知症だと打ち明け「時々知らない人のように感じる」とこぼし、ビョンスがエウォル三差路にいた理由を聞かれ、「その先に幼い頃父が購入し、竹を植えた竹林がある。父はよく散歩に行くんだけど迷子になるの」と話します。

その頃、ビョンスは農道脇のパラソル席でビョンマン所長と出前の麺を食べていました。
所長は彼に仕事を辞めて町を出ればと言いますが、逆に所長自身が町に残ってるわけを聞かれ「昔タバコ屋に気立てのいい娘がいて、俺が毎日朝晩タバコを買いに行くのを覚えててくれた。けれど『おじさん、吸い過ぎは体に毒よ』なんて言ってた翌日に失踪して、母親から死体でいいから見つけてと頼まれた」と言うのです。
そしてその娘から最後に買ったというタバコを見せ、「俺はその日から煙草を止めた。犯人を捕まえたら吸うと決めてる。チキショウ…もう17年も経つのか」「犯人はまだどこかで生きてる、最近の連続殺人もそいつの仕業かも」とこぼします。
また帰り際、所長は「こないだ調べてくれと頼まれた車、持ち主はカンファ警察署情報課のミン・テジュという警察官だから丸く収めた方がいい」と言いますが、ビョンスは頼んだ事すら忘れていました。

ビョンスはその後、録音を聞き直し、テジュが現在ウンヒの恋人であり、殺人者であった事を思い出し、慌ててウンヒに電話しますが、2人は映画の鑑賞中だったため、切られてしまいます。
ビョンスは映画館に駆けつけ、2人のいるスクリーンにたどり着きますが、発作が起きて記憶が飛び、会えずに終わります。また派出所にも助けを求めますが、所長はおらず相手にされませんでした。
結局ウンヒは無事自宅に戻っていて「テジュとは偶然会って車で送ってもらって知り合った」と言いますが、「奴は殺人犯だ!なぜ知らない男の車に乗るんだ!」と怒鳴られ、「接触事故も通報した事も聞いた!でも彼はお父さんを疑ってた!貯水池で殺人があった日、お父さんは竹林に行ったのになんで靴に泥が付いてたの?私は靴の泥を落としながら怖くなった」と言い返します。
ビョンスは愕然として「私を疑うのか?」と聞きますが、「お父さんが殺人犯のわけない、そんな悪人じゃないわ」と言われます。

彼は日記に「世の中に偶然など存在しない。奴も私の事を見抜いていて、娘を餌に私を狙っている」と付け、ビョンマン所長にテジュの車で採取した血を渡し「この血が被害者と一致すればテジュが殺人犯だと証明される」と言います。所長は「1週間後には結果が出る」と言いしぶしぶ引き受けます。

一方、テジュはウンヒの勤務先に現れ連れ出そうとしますが、ビョンスが来てウンヒを強引に車に乗せ、テジュに「2度と娘に近づくな」と言います。
ビョンスは「愛し合ってる」というテジュを鼻で笑い「反吐が出る。正体を知ってるぞ、そっちもだろ?だから娘に近づいた」「この人殺し」と囁きます。
テジュは「自白ですか?」と返しますが、ビョンスは「あいにく認知症でね」と笑い「娘以外なら誰を殺しても構わない、娘にさえ近づかなければお前に手を出さない。だが娘に会えばお前を切り刻んで地中深く埋めてやる」と凄んで車に戻ります。

ビョンスは怒るウンヒに「1週間経ったら交際でも結婚でもすればいい」と言い、自宅の娘の部屋に錠を掛けて閉じ込めます。
17年前、彼の凶器は瞬時に相手を捕らえて絞殺する体力と腕力でした。しかし体力は衰え今ではリンゴすら握り潰せません。そこで彼は牛や豚の安楽死用の鎮静剤と注射器を準備する事に。
またウンヒを職場へ送り、テジュの監視をしますが睡魔に負け気が遠くなります。

気が付けば彼は、自宅に来たテジュに結婚を承諾し「これで私も安心して療養所に入れる」と笑っていました。一方テジュも「先日会った時にも結婚を許すと言ってくれました」と微笑んでいました。
ビョンスはその最中にも目的を思い出し、殺害用の注射器で襲い掛かった幻覚(妄想)を見ますが、ウンヒに呼ばれて正気に返り、機を逃します。
またテジュの車を見送った後、ウンヒの首の痣に気づいて「奴にやられたのか!」と怒りますが、「これはお父さんがしたのよ!それにもう1週間経ったし、彼を呼んだのもお父さんよ!…もう限界だわ」と言われます。

「私の頭から1週間の記憶が消えた。しかし私の手は殺人を覚えている。時間が無い。娘の記憶を失い、殺人の記憶とその習慣だけが残れば娘を殺しかねない。娘を忘れたら守れない。だからウンヒが娘だと頭に刻み込むのだ」…
ビョンスはそう日記に付け、住所のペンダントにウンヒの写真を貼り付けます。
また、夜にはビョンマン所長を呼び出し血液の結果を聞きますが「動物の血で恥をかいた」と憤慨していて突き返されます。

ビョンスはますます混乱し呆然と自宅に戻りますが、納屋の中に佇む人影に気づき入って行きます。
しかし彼の頭の中は「自分が最近の連続殺人の真犯人では?」という恐怖でいっぱいで、それが誰かを確認せぬまま、やってきたシスター姿の姉マリアに「俺の脳が死んでいく…すべき事もすべきでない事も忘れていく…ひどい物忘れが続いて古い記憶も忘れ、終いには娘の顔も分らなくなる…」と嗚咽します。
マリアは彼を優しく抱きしめ「神様に私の願いが届いたのね…記憶を無くせば子供の頃のお前に戻れる…優しくて純粋なかわいい弟に…」と泣いていました。そして「明日、私と一緒に(療養所に)行こう」と言うのです。

また自室では、彼のパソコンの日記を見ていた彼の父親が振り向き、ソバ殻を吐きながらニヤついていました。
しかし実際にそこにいたのは警官姿のテジュで、ビョンスはベッドに寝かされ布団をかけられていましたが、頑丈な細紐で両手を縛られ、その紐は首に掛かり、先端は物入れの取っ手に繋がっていて、暴れるほど首が絞まり、テジュには絶対に届かない場所でしか動けないようにされていました。
テジュは、ウンヒの誕生日だったパスワードを嗤い、小バカにした態度で「俺が誰か分る?殺人者?娘の恋人?」と言い「証拠を持っていたとは思わなかった。でも日記を読んで動物の血にすり替えた」と話し、日記の内容をビョンスが連続殺人犯で、娘殺害をも目論んでいるかのように書き換えていきます。
その間ビョンスは激しくもがいて医療カバンを落とし、注射器を拾おうとしますが出来ませんでした。

またテジュは「ヨンジュをなぜ殺さない?殺したいんだろ?」とニヤつき、彼のスマホから電話を掛けます。彼女はワンコールで取りますが、ビョンスは間違えたと言い訳しすぐに切ります。
テジュは「同じ人殺しでもお前とは違う!」と呻くビョンスに改めて向き直り「死んで当然のクズだなんて誰が決めた?あんただろ?殺したい奴だけ殺す俺と何が違う?」「結局俺たちは同じ、ただの人殺しだ」と言い、「俺も最初からあんたが殺人者だと見抜いてた。俺と同じ目をしてる」とニヤつきます。
そして「ウンヒに手を出すな!」と暴れるビョンスに「その気ならもう殺してる。互いの立場を入れ替えたいだけだ。あんたが俺の殺人を被ってくれれば、ウンヒをどう殺すか考えてやる」と言い、医療カバンの薬剤を注射器に入れ始めます。
ビョンスは「殺すなら俺を殺せ!」と暴れますが「俺が生きてる間に死なれちゃ困る。あんたの罪は娘が償う、感謝しろ」と言い、ビョンスに薬を打ちます。
テジュは倒れた彼に「あんたは幸せだ。人生と言う地獄とじき別れられる…忘れて終わりだ」と言い捨て姿を消します。

ビョンスは自室で目覚めますが、注射の痛みはあるものの解放されていて、居間ではマリアが食事の支度をしていました。
彼は自室で寝ていたウンヒを叩き起して「すぐに修道院に行くんだ!」と怒鳴って支度させ、彼女の荷物を手当たり次第にバックに詰め込み、表で待っていたタクシーに押し込みます。
ウンヒは動揺し拒みますが、彼は助手席に乗り込んだマリアに「数日間だけ預かってくれ!」と頼んで見送ります。

【転】- 殺人者の記憶法のあらすじ3

殺人者の記憶法のシーン3 その夜、ビョンスはテジュの車を尾け、草原の廃屋から遺体らしきモノを運び出す彼を目撃、その後廃屋に忍び込んで、冷蔵庫の中に入れてあった携帯に、ヨンジュ殺害シーンの動画があるのを見つけます。
彼は現場近くにビョンマン所長を呼び出し、その動画を見せ「追突事故も奴の計画で、家に忍び込んで血をすり替えたのも奴だ!テジュが殺人犯だ!」と訴えますが、所長は渋い顔でため息をつき、間もなくテジュがパトカーでやってきます。
2人は何やらひそひそ話をし、所長はビョンスの隣に、テジュは車の窓を開けて覗き込み、改めて所長に「ヨンジュさんの最後の着信履歴はアニキ(ビョンス)の番号だった。4日前に彼女と会っただろ?」と聞かれます。
それはあの晩、テジュが勝手にかけた際のものでしたが、テジュは「指紋が出れば終わりです」と微笑みます。
ビョンスは「あいつが呼び出して殺したんだ!」と掴みかかろうとしますが、所長らに押さえつけられアリバイを聞かれ、テジュにはウンヒの居場所を聞かれ拒みますが、所長に説得され「伯母の修道院にいる」と白状します。
しかし所長は不思議そうに聞き返し、テジュは「彼に姉などいません。『父は時折死んだ姉に会いに行く』とウンヒから聞いています」と言うのです。
ビョンスは車に戻りマリアに電話をしようとしますが登録は無く、混乱して逃げ出し、修道院へと向かいます。

しかし修道院は完全な廃墟で、彼の残した巻き寿司だけがベンチに残されていました。
彼はようやく、父親殺害後、姉が自宅で首を吊っていた事を思い出し、竹林に行き、自分がヨンジュやウンヒを殺した光景を思い出します。
ビョンマン所長はテジュと共に彼の後を尾け「証拠があっても認知症じゃ罪に問えないかも…若い頃の殺しはすでに時効だし…」と話し、所長はウンヒ殺害については納得できない様子でした。

同時にビョンスは、17年前の最後の殺人をはっきりと思い出します。
殺害現場はその竹林、殺害したのは妻とその浮気相手でした。(彼の妻=彼がウンヒだと気づかず首を絞めた派手な化粧の女)
ビョンスは男を先に殺害し、怯えた妻は「さっさと殺しなさいよ!」と開き直っていましたが、ビョンスは「殺すもんか。2度としないと約束して一緒に家に帰ろう…ウンヒが待ってる」と言い含めていました。
けれど頑として交際期間を言わず「ウンヒは殺さないで!子供に罪はない!」とわめく様子から、ウンヒが浮気相手の子だと察して妻を絞殺、取り乱したまま車を運転し、事故を起こしたのです。

血まみれで戻った彼に怯えたウンヒが泣き出したため、彼は人殺しの眼で睨みつけ「パパって誰だ」と言い首に手を掛けますが、その瞬間初めての顔面痙攣と激しい頭痛に襲われ、妻や愛人殺しの全てを忘れて父親に戻り、足元にすがって泣いていたウンヒを抱き上げ「泣くな、怖がらせてすまない」とあやしたのです。
「この憎らしい病は、17年前のあの時始まった…けれど殺人者としての習慣だけが残った」…彼は家に戻り、ヨンジュやウンヒ、最近の連続殺人も全て自分の仕業だったという事実に愕然とし、ウンヒの写真をペンダントから剥がし、ぼんやりとレコーダーを聞き始めます。

竹林では捜索が始まり、まず17年前の妻の遺体が出て、次にビニールに包まれたヨンジュの遺体が見つかります。ビョンマン所長は渋い顔で報告を聞き、テジュは私服で無表情のままパトカーの傍に立っていました。

「認知症は救いにならなかった…娘の出生と同じく、たとえ殺人の記憶が全て消えても私が殺人者である事実は変わらない」
ビョンスは致死量の薬を注射器に入れ自分の首に差しますが、レコーダーから娘のメッセージが流れ手を止めます。
「ひどいこと言ってごめんなさい。でも心配しないで。彼とは結婚しないわ。お父さんを療養所に入れない、ずっと一緒に暮らす。お父さんを信じる、私は味方よ」「お父さんが私を忘れる前に言っておきたい事がある。大好きよ」…

その時録音が途切れ「証拠を持ってるとは思わなかった。日記を読んで血をすり替えたんだ」と言うテジュの声が入ります。
それは偶然録音された、彼の部屋にテジュが侵入した際の会話で、ビョンスの思い違いでも幻覚でもなかったのです。ビョンスが愕然として注射器を抜き、レコーダーに聞き入ります。

その時、竹林ではテジュが「ヨンジュのカメラからはビョンスの指紋しか出なかった、連行しましょう」と言い、即座に2人の刑事がビョンスの家にやってきます。
ビョンスは激しく抵抗し、2人を倒して銃を奪って逃走、表に出た瞬間タクシーに姉と娘を乗せて逃がした事を思い出します。
しかし姉はとうの昔に亡くなって実在しない、自分はどのタクシーに娘を乗せ、誰に「数日間預かってくれ」と頼んだのかを必死に思い出し、”20ろ8588”のナンバーを思い出します。
それはテジュの車で「タクシーです」と言ったのは運転手ではなくテジュでした。
突然現れた彼に驚いたウンヒは拒みますが、テジュに「(発作だから)お父さんのために黙って言うとおりにしよう」と言われ、しぶしぶ同行した事を思い出し悔しがります。

ビョンスは、竹林にいたビョンマン所長に電話をし「テジュは?あいつはウンヒといる。よく聞け、テジュの声だ」と言い録音を聞かせます。
近づいて来たテジュに気づいた所長はごまかして電話を切り、テジュを先に帰し、ビョンスと連絡を取りながら彼の車を尾行します。所長はビョンスを信じテジュを殺人犯と確信したのです。
テジュが向かった先は山中の廃屋で、ウンヒも無事でした。テジュは彼女に「竹林からヨンジュや古い遺体が出た。連続殺人鬼は君の父親で、失踪した母親らしき遺体も見つかった」と話します。
ビョンマン所長はその様子を窓から覗き見ていましたが、ビョンスからの着信音が鳴り出し、慌てて物置に隠れます。
所長はウンヒが無事だと言い「応援も要請した、たばこ屋の娘も奴の仕業だろう。あの野郎は俺が捕まえる」と言い、最後に買ったタバコを開け火を点けますが、その灯りにテジュの顔が浮かび、背後から絞殺されます。

ビョンスの電話には、所長の呻き声とテジュの「しぶといな。だから男を殺すのは嫌いだ」という声が入り、テジュは続けて「今からでも引き返した方がいい。どうせ忘れるんだから」と言い、娘に指一本でも触れてみろ!と怒るビョンスに「彼女は俺が殺すからご心配なく」と言い捨てます。
しかし彼の背後にはウンヒがいて、必死で森に逃げますが、すぐに追いつかれて突き飛ばされ、拉致されます。
ビョンスは途中、レコーダーに「ビョンス。私の言葉だけを信じろ。お前は認知症の殺人者だ。今から会う男はミン・テジュ、そいつは連続殺人犯だ」と吹き込みます。

廃屋の居間には、傷だらけで怯えるウンヒが手足を縛られ口をテープで塞がれ転がされ、テジュはその前で、大きく陥没した頭部に埋め込まれたパーツを嵌め直します。
「女はみんな同じだよ。父は母を素っ裸で追い出そうとした。母に罪はないのに『罰を受けるべきだ』と。だから俺は父を刺そうとした。すると背後からアイロンで殴られた。母にだ。父ではなく母に…女どもはみんな同じだ」…
テジュがそう告白して振り向くと、なぜかウンヒが消えていました。
彼は外の車へと歩きながら、「全てお前の父親のせいだ!キム・ビョンス!俺もお前と幸せになろうと努力したんだ。お前も長年あの人殺しと暮らして来たんだろ?」と話しかけ、車内を探し始めます。
そこにビョンスの車が全力で追突、2台は納屋もろとも大破します。テジュは瓦礫の中に倒れていましたが、ビョンスは廃屋の中にウンヒを探しに入って行きます。

彼は小部屋のカーテンの陰に倒れて泣いていたウンヒを見つけはしますが、その瞬間発作が起き、自分がなぜそこにいるのか分らなくなります。
間もなくテジュが戻ってきて、卑屈に笑いながら詫びるビョンスを「もう忘れちゃったのか?」と笑い、彼を抱きしめ「キムさんのせいで愛する女性がいなくなってしまった」と言い捜そうとしますが、ふとゲームを思いつき「じゃあどこに隠れてるのか教えてくれ。出来たら褒めてやる」と言い、ビョンスに指を差させます。
その瞬間、テジュは堪えきれないように笑い出し、ビョンスもつられて笑い出し、失禁します。
テジュは「ジジイが漏らした!」と言うなり彼が手にしていたウンヒのスカーフで首を絞めます。ビョンスの視線の先には、傷だらけのウンヒがもがいていました。

テジュはビョンスの首を絞めながら「お前もすぐ殺してやるから安心しろ。人殺しの娘として生きるよりマシだろ?どうせ地獄のような人生を送り、父親に殺されるのがオチだったさ!」と嗤います。
ウンヒはなんとか口のテープを剥がして「お父さん!死なないで!」と叫び、その声で正気に返ったビョンスは、ポケットから銃を出しテジュに向かって発砲します。弾は外れますが、逃れたビョンスはテジュに掴み掛ります。
けれど体力ではあきらかに若い警察官であるテジュが上で、長い死闘の末、途中で細紐を切り加勢したウンヒは投げられて気を失い、ビョンスはキッチンで暴行され、起き上がれなくなります。
テジュは「だから引き返せと言ったんだ!」と怒鳴り、「せっかく来たんだから、娘が殺されるところを見せてやろう」と笑って、戸棚にあった酒瓶を握り、ウンヒに近づいて行きます。
ビョンスはそれでもしがみついて抵抗し、酒瓶で頭を殴られても喰らいつき、ついにはテジュを仰向けに床に引き倒し、首を絞め始めます。
テジュは酒瓶のかけらをビョンスの脇腹に突き立て抵抗しますが、その絞めあげは緩むことなく「お前も…罰を受けるぞ…」と呻いて動かなくなります。ビョンスはわき腹に刺さっていた酒瓶のかけらを抜いて、何度もその胸に突き立て殺害します。

気づいたウンヒは、完全に人殺しの顔となったビョンスに「本当に、お父さんが…昔の連続殺人犯なの?…お母さんを殺したの?!」と聞いて怯え、泣き出します。
ビョンスはふらつきながら近づこうとしますが拒まれ、「そうだ…私は殺人者だ…今まで大勢殺してきた…だが、本当に死ぬべき人間は私だけだ…私は…生まれつきの殺人者だから…」と吐露します。
そして「お前は私とは違う…大丈夫だ…泣くな…血の繋がらない…他人だ」と言って涙を流し「お前は私の娘じゃない…だからお前は…殺人者の娘じゃない…」と続け、力無くくずおれます。
ほどなくして警官隊が駆けつけ、彼は殺人鬼の顔で連行されて行きます。

【結】- 殺人者の記憶法のあらすじ4

殺人者の記憶法のシーン2 ビョンスは医療刑務所に収容され、キム・ミンジェ検事が面会にやってきて事情聴取が始まります。
また自宅に戻ったウンヒの元にはビョンスの所持品が届けられ、彼女はレコーダーの最後の録音を聞きます。
「キム・ビョンスは認知症の殺人犯だ。これから会う男はミン・テジュ、そいつは連続殺人犯だ。ウンヒは……私の娘だ。テジュを殺せ!でないと娘が死ぬ!最後のチャンスだ!お前の娘を救え!!それが唯一の使命だ!!」…ウンヒは大粒の涙を流します。

ウンヒが医療刑務所に面会に行った日は、大雪の後の晴天で、囚人患者たちはベランダに並ばされ、散髪されている最中でした。
しかしビョンスは嫌がって逃げ出し、ウンヒを「姉さん」と呼んで微笑みます。
ウンヒは彼を庭のベンチに座らせいつものように散髪を始めますが、ビョンスの心は少年に戻り「姉さん、俺はいつ帰れる?こんなとこはもうイヤだ」「母さんは運動靴を買った?俺の好みを知ってるだろ?…白い運動靴だ」と上機嫌で話しかけ微笑んでいました。
彼女はビョンスの髪を短く刈り上げ、白い運動靴を履かせて頬を撫で、去って行きます。

ほどなくして彼は再び正気に返り、カバンに隠した薬剤を注射器に入れ首に刺します。
「娘が来ると生きていたくなる。未練が膨らむ前に終わらせよう…自分が何者かを忘れる前に…いや、自分が何者であるかを忘れるために」…
しかしポンプを押す前に痙攣が起こり「ミン・テジュ」と呟き、気づいた時には冬山のトンネルにいて、医療カバンを下げ白い運動靴にコート姿で歩いていたのです。

彼は頬を激しく痙攣させ、ペンダントに貼り付けたテジュの顔写真を見て、線路のその先で振り向いた彼を睨みつけます。
「記憶を信じるな。ミン・テジュは生きている」

みんなの感想

ライターの感想

カメレオン俳優ビョンス役ソル・ギョングの気迫にただただ圧倒される感動作です。意に反して途切れすり替わり継続しない記憶のもどかしさ、自分が犯人で娘を殺してしまうかもという恐怖、止まらない思い出し笑い、そして姉の真実、17年前何をしたかを思い出す瞬間の絶望と狂気、そして切なくも胸を打つラストシーン、そのどこを取っても本当に素晴らしい脚本、素晴らしい俳優さんだと思います。
加えてウンヒ役ガールズグループAOAのキム・ソリョンの体を張った演技も真に迫っていて、悪役テジュを演じたイケメン俳優キム・ナムギルの感情の無い”眼”も恐ろしかったです。
がしかし、本作には別バージョン「殺人者の記憶 新しい記憶」があって、それを見た瞬間この結末が裏返るのです。「記憶を信じるな」…いやいや、私はこちらを信じたい、むしろこちらであってほしい。ちなみに鑑賞順はこちらが間違いなく先、それだけは確かなようです。

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