「母なる証明」のネタバレあらすじと結末の感想

母なる証明の紹介:2009年に韓国で公開され、観客動員数約300万人という大ヒット映画。精神薄弱児である息子と共に生きていくことを決意し、何もかもに背を向けてでも守ろうとする、母の強さを感じる壮絶なドラマ…という裏に、とんでもないどんでん返しを抱えている作品。

母なる証明の主な出演者

母親(キム・ヘジャ)、トジュン(ウォンビン)、ジンテ(チン・グ)、ジェムン刑事(ユン・ジェムン)、ミソン(チョン・ミソン)、ミナ(チョン・ウヒ)、セパタクロー刑事(ソン・セビョク)、女社長(パク・ミョンシン)、事務長(ミン・ギョンジン)

母なる証明のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①知的障害者の青年・トジュンが女子高生殺害の容疑で逮捕された。息子が殺人を犯したと信じられない母は、無実を証明すべく奔走する。死んだ女子生徒が売春していたことを突き止め、その相手こそが犯人だと母は思う。 ②事件当夜、禁句の「バカ」とアジョンに言われたトジュンが石を投げ返し、殺害していた。真相を知る老人を殺害した母は、トジュンが知的障害ではないことを知り、自分の記憶を消すことでやりすごす。

【起】- 母なる証明のあらすじ1

初老の母が枯野を歩き、やがて踊り始めます。
(このシーン、後に似た光景が出てくる)

2006年。韓国の、とある田舎の小さな町。

トジュンは28歳ですが、知的障害のある青年です。陽気ではありますが理解は遅く、母はいつもトジュンの心配をしていました。
トジュンの母はヨジェ商店街で、ミョンソン漢方店を経営しています。
漢方薬を裁断しながらも、母はトジュンの行動を気にかけていました。
その日、トジュンは店から見える真向かいの犬を、撫でていました。車道をベンツが走行し、トジュンが撥ねられかけます。

トジュンには悪友の男性・ジンテがいました。トジュンが轢かれそうになった現場をジンテも目撃しており、5293の黒のベンツと覚えています。
ジンテは「ベンツといえばゴルフ場に行くだろう」と、車が走り去った先から検討をつけていました。
ゴルフ場へ行き、轢き逃げの車を発見したジンテは、車を蹴ってサイドミラーを破損させます。
一緒に行ったトジュンも車を蹴りますが、空振りして転げていました。

ゴルフ場へ入りこんだものの、トジュンは本来の目的を忘れ、打ち捨てられたゴルフボールを集めるのに夢中になります。
ジンテに目的を指摘され、「復讐だった」とトジュンは気色ばみました。でもまた次の瞬間、忘れて呑気にゴルフボールを集めます。
トジュンを撥ねかけたのは、高名な大学教授でした。
教授をジェムン刑事に引き渡したものの、教授はベンツのサイドミラーを壊されたと主張し、暴行と恐喝だと訴えます。
バカと言われ、トジュンは憤りました。昔から幾度となくバカにされた経験もあってか、バカと言われるのをトジュンは最も嫌っています(大きな伏線)。

撥ねられかけて犯人を探しに行ったのに、結局、サイドミラーの弁償をせねばならない結果になりました。トジュンの母は気苦労が絶えません。
母はトジュンに「素行の悪いジンテとは付き合うな」と注意しますが、その会話の先からトジュンは「お金はトジンに借りよう」と言って出かけていきました。話が通じていないようです(そうでもない。トジュンは妙に明晰な面もあるから不思議)。

母は違法な鍼灸もしていました。鍼灸の腕は確かなために、資格を持っていないながらも秘密で鍼治療をしており、顧客もそれなりにいます。
母は妊娠を希望する女性に鍼灸治療と漢方薬を勧め、代わりに弁償の代金を借りる約束を取り付けていました。

トジュンはジンテと飲む約束をして、バーの『マンハッタン』へ行きます。
しかしジンテは待ってもやってきませんでした。
昼間、ゴルフボールを拾うトジュンに、ジンテが何のために拾うのかと質問していました。トジュンは「女にプレゼントするため」と言い、警察の事情聴取の時には、署にあったマジックでボールに自分の名前を書いていました。
トジュンが金も払わず、『マンハッタン』のバーの娘・ミナにちょっかいをかけようとしたのを、バーのママは快く思いませんでした。

ジンテから「女と付き合えるのか」と言われたこともあり、トジュンは帰り道に通りすがりの女子高校生ムン・アジョンに声をかけます。
しかしアジョンは相手にしませんでした。話しかけてくるトジュンに、大きな石(岩といってもいいくらい、コンクリの破片っぽい)を投げつけてきます。
帰宅したトジュンは、母の寝床にもぐりこみました。28歳になっても、トジュンは母と一緒に眠っています。

翌朝。
町の山の上にある廃墟の屋上で、ソリン女子高2年のムン・アジョンの遺体が発見されます。
遺体は屋上の手すりのところに、身を乗り出す形で発見されました。立ったままうつぶせで頭をだらりと垂れており、ちょうど洗濯物を干したような形です。
場所は見晴らしがよく、町からも発見されやすい場所でした。死因は頭蓋骨骨折と出血多量です。

現場近くでトジュンの名入りのゴルフボールが発見されたことから、トジュンが逮捕されました。
田舎町とはいえ21世紀ですので、単に現場にボールがあったからという理由で…というムードは、警察内部でもありました。
刑事たちの間ではアメリカのドラマ『CSI:科学捜査班』が流行しており、科学捜査が重要であるという認識もあります。
いっぽうで、田舎町ゆえの問題もありました。
殺人事件など何年ぶりか思い出せないほど、田舎の町ゆえに、早期に犯人を逮捕する必要があったのです。
知的障害があるトジュンがスケープゴートとして選ばれたのは、馴染みのジェムン刑事すら分かる事実でした。
それでも犯人逮捕の上層部の命令に歯向かえません。

【承】- 母なる証明のあらすじ2

トジュンはセパタクローという競技を力説する刑事にリンゴを咥えさせられ、脅され、理解できない同意書に拇印を押すよう命ぜられました。
こうしてトジュンは犯人として、刑務所入りが決まったのです。

もちろん母が黙っているわけがありません。
トジュンの面会に行ったのですが、トジュンは「リンゴ、アップル」というだけで、話になりません。
「今までの罪がまわりまわって、俺にきたのかも」「みんなが、俺が殺したっていうから」
トジュンの発言は頼りになりません。
ジェムン刑事の家に乗り込んだ母ですが、ジェムン刑事は同情ぎみに「終わったことなんだ」と答えました。
ジェムン刑事は「ジョンパルが祈祷院から脱走したので、朝早くから行かねばならない」と言い、母を追い返します。

現場検証が行なわれました。
町で久しぶりに起こった殺人事件ということで、野次馬がたくさん湧いています。
しかもトジュンは遺体の状態も分かっていないのに、セパタクロー刑事から「うつぶせにしろ」と発見状態を教わっています。
母はビラ配りをし、人権蹂躙だと訴えました。
葬儀会場に顔を出した母は、被害者・アジョンの祖母が認知症だと知ります。

息子のトジュンは冤罪で、警察はあてにならないと考えた母は、自分が行動せねばならないと思います。
郡で一番有能とされる、コン・ソッコ弁護士を雇うことにしました。化粧をして弁護士を案内します。
トジュンに「こめかみを押せ」と言いました。こめかみを指圧することで記憶が蘇ることが、トジュンにはよくありました。
この時トジュンが思い出したことは「サイドミラーは、ジンテが壊していた」ということでした。ジンテが都合の悪いことをトジュンのせいにしたと、母は怒ります。
こんな調子なので、ソッコ弁護士はあきれて立ち去りました。

母はふと気付きます。事件のあった日、トジュンは飲みに出かけたのに結局ジンテに会えなかった…つまり、ジンテのアリバイがないのです。
素行が悪いながらも、ジンテはいつもトジュンと一緒に行動していました。
ところがジンテはまだ1度も面会に、顔を出していないとトジュンが言います。
やましいことがあるから、顔を出せないのではないか…そう考え、母はジンテ宅に乗り込みました。

ジンテは倉庫のようなプレハブ小屋に、ひとりで住んでいます。
施錠されていない部屋にこっそり入ると、『大韓民国 科学捜査ファイル』という書籍が目に留まりました。
ますます怪しいと思った母は、ビニール手袋をして私物をあさります。
クローゼットに赤いものがついたゴルフクラブを見つけた母は、これこそ証拠だと思いました。
人の気配がしたので隠れると、ミナとジンテが部屋に入ります。2人は恋人同士でした。
2人が身体を重ね、寝入ったのを見計らい、母は証拠のゴルフクラブを持って警察に行きます。

鑑識に回すまでもなく、ゴルフクラブは口紅だと判明しました。母が先走りすぎました。
落胆した母は、刑事の傘を拒否して帰ります。途中、廃品業者の傘を抜き取り、金を渡しました(覚えておいて!)。
ソッコ弁護士の迎えがきました。母がついていくと、カラオケルームに案内されます。
ソッコ弁護士は「精神病院に4年だけ入れよう」と母に交渉を持ちかけます。
カラオケ屋には精神病院の院長ユン・ジョング博士や、パク・ジョンピョ検事も呼ばれていました。弁護士は取引を持ちかけているのです。
弁護士もあてにならないと考え、立腹した母はしたたか飲んで帰宅します。
母は弁護士をクビにしました。

家に帰ると、ジンテが待ち受けていました。自分を犯人と疑ったことを怒って、慰謝料を要求します。
有り金を渡すと、ジンテはあっさり引き下がりました。そして母に指南します。
世の中の犯罪は大抵3つに分けられる、「金銭トラブル」「痴情のもつれ」「恨み」。
死んだ女子高生・アジョンの家は貧しいもので、1つめは該当しません。つまり、「痴情のもつれ」か「恨み」が殺害の目的だろうと、ジンテは母に言うのです。
実は…ジンテの部屋にあった『大韓民国 科学捜査ファイル』は「ジンテが犯罪を隠すために読んでいた」わけではなく、「自分の親友・トジュンを救うために、ジンテが勉強をしていた」ものでした。

【転】- 母なる証明のあらすじ3

面会に行っていないのも、ジンテが死んだ女子高生・アジョンを調べていたからだと、母は知ります。
(実際、ジンテは母を助けるために協力する)
ジンテはさらに、2つのことを指摘します。
1つめは、被害者のアジョンは「米餅少女」とあだなされていた、という情報。
もう1つは「なぜ目立つ屋上に遺体があったか」ということです。通常であるならば、犯人は遺体を隠そうとするはずなのに、町から見える目立つ場所に置かれていたことに、何かしら意味があるのではないかと、ジンテは言いました。
母は遺体発見現場に足を運び、周辺の様子を見ます。
確かにジンテの言う通り、屋上からは町が一望できました。町からも屋上が見えるということです。

母も独自にアジョンの調査を始めました。それと共に、息子のトジュンのところへも足を運び、何か思い出せることはないかと聞きます。
トジュンは刑務所で、せっせとこめかみを押して記憶をたぐりよせました。
「思い出したよ、大事なこと。5歳の時、栄養ドリンクに農薬を入れて俺を殺そうとしたよね」
母にとって思い出してほしくないことを、トジュンは思い出していました。どうやら事実のようです。
生活に困窮した母は、トジュンと親子心中を図ろうとしたのです。グラモキソンという農薬を使えば楽に死ねたのに、ロンスターという農薬を使ったがために、死ねずに無駄に2日間、母子は下痢と嘔吐に苦しみました。
母は、記憶を消す太もものツボに鍼を打って、息子・トジョンの記憶を消してやろうかと思いますが、ジョンドという刑務官に制止されます(これも伏線)。
(制止されずとも、アクリル板越しでの面会なので太ももに触れることは叶わない)

帰宅した母は半分に破った写真を手に、妊娠を希望するDPE屋(写真現像)の女性のところへ行きます。
写真を拡大してほしいと頼みますが、そこで思わぬ情報を得ました。
最近のパソコン加工では、写真を加工して顔のキズなどを消せるそうです。
左ほほに傷を持つ女子高校生と共に、アジョンもその店へ来ていました。
アジョンは「携帯の写真も現像できるのか」と質問し、鼻血を出したそうです。アジョンは鼻血が出やすい体質でした(大きな伏線)。

アジョンの通っていた高校に張り込んだ母は、顔に傷のある少女を見つけました。携帯電話のストラップを話題にして、少女に近づきます。
少女は携帯を改造する技術に長けていました。本来ならば鳴るカメラのシャッターを出ないようにする、「変態電話」を改造することもできます。
母は意気込んで「アジョンの携帯も改造した?」と聞きました。警戒されて少女に逃げられますが、その少女が路地裏で青年2人に殴られるのを見つけた母は、路地脇の店員を使って青年を撃退します。
その青年たちを尾行し、ジンテに協力を頼みました。
ジンテは青年2人を捕まえ、アジョンについて聞き込みます。

ジンテは盗聴器を渡し、母に別室で聞くよう言いました。
青年2人は、アジョンが「米餅少女」というあだ名だったことを言います。
母は他界し、父がいないアジョンの家族は、認知症の祖母だけで、祖母はマッコリの酒にふけっていました。
食事にも事欠くアジョンは、身体を売っていました。「米をもらって(本当に米と引き換えに)餅をつく(性行為を行なう)」ということで、「米餅少女」と言われていたのです。
アジョンはそんな生活に嫌気がさしていました。
友人の少女に携帯を改造してもらい、今まで売春した相手の男性を、アジョンは撮影していました。
その数はサッカーチーム3つ分(33人)に相当するそうです。
「携帯は捨てたいが、写真は消したくない」
アジョンはそう言っていたと、青年たちは言いました。

アジョンの携帯電話を探れば売春相手が分かり、その中に真犯人がいると考えた母は、アジョンの祖母を訪問します。
祖母は米櫃の中に携帯を入れていました。母は携帯を手に入れます。
膨大な写真を見せると、息子のトジュンは白髪の男性に反応しました。見覚えがあると言います。
その男性は母が傘を買った、廃品回収業のおじいさんでした。
犯人は別にいたからトジュンは釈放されたとカマをかけ、老人から話を聞き出そうとします。

【結】- 母なる証明のあらすじ4

すると老人は、意外な真相を話しました。
事件当夜、老人は現場近くの空き家で身体を休めていました。
(注:廃品回収業者の、ここだけが嘘の証言。「身体を休めていた」のではなく、アジョンを買春するために待っていた。米を用意し床を準備している映像が見られる。買春を恥じ、母に対して嘘をついた)
空き家で横になっていた老人は、アジョンを追うトジュンを見かけます。
トジュンはたまたま見かけたからアジョンを追っていたのですが、アジョンは「自分が売春することを知っていて追っている」と思ったようでした。
「私を知っている?」とトジュンに質問し、「知らない」という答えを得ると、アジョンは「私は男が嫌い、話しかけないで」と言い、大きな石を投げつけます。
「向こうへ行ってよ、バカ」という言葉を、アジョンは発しました。
「バカ」ということばを聞いたトジュンは怒り、石を投げ返します。それがアジョンに頭に当たりました。
トジュンが犯人で間違いなかったのです。
トジュンはアジョンがケガをしたのを見て、その身体を階段にひきずりあげていました(なぜかは後述)。

トジュンがすぐに逮捕されたので、老人は証言するまでもないと思い、名乗り出ていませんでした。
しかし釈放されたと母から聞いた老人は、目撃証言をせねばと、通報しようとします。
それを制止した母は、老人を殴りました。何度も殴り、老人を死に至らせます。
我に返った母は、息子も犯行時にはこんな気持ちだったのかと思いながら、新聞紙に火をつけて廃品回収業の男性の家を燃やします。

真相に辿り着いたものの、途方に暮れた母は、林の中を歩きました。疲れて木によりかかってやすみ、枯野に出ます。
(この枯野が、オープニングの場所。踊りの意味はさらに後に)

漢方薬店で作業をする母の元に、ジェムン刑事がやってきました。
ジェムン刑事は、真犯人が分かったと母に告げます。母は、その相手に会いたいと頼みました。

真犯人とされたのは、祈祷院を脱走していたジョンパルです。
シャツから血痕が発見され、それがアジョンのものと一致しました。科学捜査ですので、間違いありません。
さらにジョンパルに動機を聞くと「すべては愛」という答えが返ってきたそうです。
ジョンパルと会った母は、ジョンパルも知的障害があると知りました。
ジョンパルのシャツについた血痕は、アジョンの鼻血です。母はアジョンが鼻血を出しやすい体質だと知りながら、それでもわが子かわいさに、沈黙を保ちます。

息子のトジュンが釈放されました。ジンテとミナが豆腐ケーキにろうそくをさし、出所を祝います。
トジュンは家へ帰る途中、廃品回収業のおじいさんの家が火事になったと知りました。焼け跡から母の鍼の入った缶を見つけ、持ち帰ります。
また母とトジュンの、元の暮らしに戻りました。
トジュンは、なぜアジョンの身体を屋上に置いたのか自分なりに想像してみたと、母に告げます。
ケガをして血を流したアジョンを早く見つけてもらい、病院へ連れて行ってもらうために、わざと目立つ場所にさらしたのだろうと、トジュンは言いました。
それが犯行当時の、トジュンの考えでもあるのでしょう。

ヨジェ商店街のメンバーで、バスツアーに出かけます。
みんなはバスのなかで、音楽に合わせて楽しそうに踊ります。
しかし真相を知り、老人を殺した母だけは、旅を楽しむ気分になれませんでした。座席に座ったまま、呆然としています。
母の気持ちを斟酌しないトジュンが「鍼を落としちゃダメじゃないか」と言うと、鍼の入った缶を渡しました。焼け跡から見つけ出したものです。
(つまり母は殺害現場に、超重要な証拠を残してきてしまっていた。
そしてそれを、息子のトジュンが持ち帰り「たしなめている」…ここに重大なヒントが隠されている!!)

トジュンもバスのなかで踊りますが、母はじっと鍼を見つめました。
わが子はずっと知的障害だと思っていた母ですが、息子のトジュンは善悪をきちんと理解しています。
そのうえで、わざと知的障害を装い、ずっと愚鈍な振りを装っていたのです。
知的障害者であることで、ジェムン刑事もトジュンには甘いですし、周囲の目も「仕方ない」と思っている節がありました。悪友だと思っていたジンテも、障害者だと思っているトジュンの冤罪を晴らすため、奔走してくれました。
わが子の「闇」の部分を知ってしまった母は、やりきれなくなります。
鍼を見つめて悩んだのち、母は自分の太ももに、鍼を立てました。

…こうして自分で自分の記憶を消すことで、「なかったこと」にした母は、気持ちが晴れました。
みんなといっしょに踊ります。バスのなかで、ひときわ楽しそうに。
(オープニングで踊るのは、記憶をなくした母を描写している)

(注:実はトジュンは知的障害者ではない。ここが最大のポイント。
一見すると飲みこみの悪い愚鈍な青年のように見えるが、怒るべきところには怒るし、善悪や服役についてもじゅうぶん理解している。
知的障害の振りをすることで、世間が甘くなることを知ったうえで、あえてトジュンはその演技をしていた。
「5歳の時に殺されそうになった」と言い出したことをはじめ、気をつけて見ると、局所局所で、妙に鋭いトジュンが見え隠れしている。
トジュンが行なってしまった犯行の証拠を、知らぬうちに母が隠滅してしまった。
息子・トジュンにずっと騙されていたことを、最後に気付いてしまった母。
その母がやりきれなくなり、忘却のツボを押す…という話。
理解して見ると、すごく怖い作品)

みんなの感想

ライターの感想

どんでん返しの多さが半端ない! もう、たまらん!
最初から最後まで、母の気持ちに感情移入して見ちゃうから、よけいに精神的にしんどい。
まず「犯人はトジュンだった」ということに驚き。
「老人が殺害してて、それをトジュンに着せようとしている」と見られなくもないが、だとすると今度は「バカ」と言われたから石を投げ返した(トジュンへの禁句)ことを老人が知る術を考えなくてはならない。ここは素直に、老人は目撃者だったと捉えてよい。
続いて衝動的ではあるものの、母が老人を殺害してしまうというところも、けっこう衝撃。
でもなによりも恐ろしいのが…鍼をトジュンが渡すところ。
もしほんとにトジュンが知的障害だったならば「母はトジュンに鍼を打つ」…こめかみを押すことでトジュンが犯行を思い出してしまうかもしれないから。
ではなぜ自分に打ったのか。答えは、「トジュンが知的障害でないことに、気付いてしまったから」。
このうえなく、パンチの効いた作品。…もう見たくない…。
  • randselusedaiさんの感想

    世界中の映画祭で絶賛されたわけだがその意味がよくわかる。映像の絵力があまりにも強くて見た後も忘れられない。とにかく、脚本、ビジュアル、演技何もかもが力強い。サスペンス界隈で一人狂気的な方向に向かっているボン・ジュノ。明らかに彼は天才。キムヘジャの演技力が特に際立っていて、背筋が凍った。珍しく、邦題に納得できた。

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