「氷菓(古典部シリーズ1)」のネタバレあらすじと結末の感想

氷菓の紹介:2017年11月3日公開の日本映画。人気ミステリー作家、米澤穂信による<古典部>シリーズの第1作を山崎賢人主演で映画化した青春学園ミステリー。古典部の少年・奉太郎が、好奇心旺盛な少女えるの頼みで、33年前に学校で起きた彼女の叔父にまつわる事件と古典部の文集「氷菓」の謎に迫っていく姿が描かれる。

予告動画

氷菓(古典部シリーズ1)の主な出演者

折木奉太郎(山崎賢人)、千反田える(広瀬アリス)、伊原摩耶花(小島藤子)、福部里志(岡山天音)、関谷純(本郷奏多)、糸魚川養子(斉藤由貴)、折木供恵(貫地谷しほり・声)

氷菓(古典部シリーズ1)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①姉の言いつけで高校の古典部に入ろうとした奉太郎。そこには「一身上の都合で」入部を考える同級生・えるがおり、奉太郎の友人・里志や摩耶花も部員として加わる。えるの叔父は古典部のOBで10年前に失踪しており、えるは叔父が幼い自分に語りかけた内容を思い出したがっていた。 ②文化祭を中止する案が教師から出され生徒が反発、生徒の暴動で火災が発生した折に、傍観者だった関谷は女子生徒を救った。それがもとで騒動の責任を取らされた関谷は、薔薇色の青春を送れず悔いていた。「氷菓」=「アイ/スクリーム(私は叫ぶ)」、関谷は反駁しなかった自分を悔いていた。

【起】- 氷菓(古典部シリーズ1)のあらすじ1

『折木奉太郎殿
私は今、ベナレスにいます。
ここはすごい街よ。葬式の街。
いたるところで、ひっきりなしに葬式をしてる。
なんでも、ここで死ぬと必ず天国へ行けるらしいのね。
輪廻から外れられるって。
ちょっと遅れたけど、高校合格おめでとう。
神山高校だってね。面白味のない選択。
無事高校生になったあんたに、姉として1つ、アドバイスしてあげる。
〝古典部に入りなさい〟 折木供恵』

〔伝統ある古典部の再生〕

2010年。
奉太郎は神山高校1年生です。同じクラスには、中学時代からの親友・福部里志もいます。
奉太郎は「やらなくてもいいことはやらず、やらなければならないことは、手短に」をモットーにして生きる、省エネ主義でした。
面倒くさいことに足を踏み入れるのを、極度に嫌うのが奉太郎です。

いっぽうで高校に入学した奉太郎は、こうも思っていました。
青春まっただなかの高校生活。青春といえば、薔薇色の日々。
自分のように灰色の生活を望む高校生がいたっていい…そう話すと、親友の里志は「ホータローに自虐趣味があったとはね」と笑います。
その里志は対照的に、青春を謳歌するつもりでした。部活動の見学もばりばり入れています。

さてその奉太郎は、冒頭にあげた姉・供恵の指示により、古典部に入らないとならないと考えました。
古典部は姉・供恵も高校時代に所属していた由緒ある部なのですが、3年連続で新入部員が入らなかったため、今年は廃部の危機に立たされています。
奉太郎はやりたくないのですが、合気道と逮捕術を特技とする姉に逆らうのは、もっと避けたいことでした。ですから、しぶしぶ入部を考えます。

放課後、校舎の最果ての場所にあるような気がする部室へ奉太郎が行って鍵を開くと、部屋にはすでに清楚な美少女の女子生徒がいました。
その女子生徒は隣のクラス、1年A組の千反田えると名乗ります。A組と奉太郎が所属するB組は、音楽の選択でまだ1回しか一緒になったことがないのですが、えるは奉太郎を覚えていました。
えるは古典部の入部を考えており、「一身上の都合で」と言います。
えるが入部するならば、奉太郎は入部しなくても古典部の存続は叶うと考え、ポケットの中で入部届を握りつぶしました。

ところで、奉太郎が部室のドアを鍵で開けて入ってきたわけですが、すでにえるは部室に入っていました。えるは鍵など持っておらず、えるが3分ほど前に来た時には、部室は開いていたそうです。
えるが「私、気になります」と言って奉太郎を見つめるので、奉太郎は何らかの推理をせねばならない状況に陥りました。
内側からロックをしたのではないかと言うと、「この学校は内側からは、鍵の開け閉めができない」と言いながら里志がやってきます。奉太郎をひやかしにやってきたのでした。

奉太郎は「ドアのロックが半端な状態の時に入ったのではないか」と指摘しますが、それも里志が否定します。中途半端な状態だと、鍵は鍵穴から抜けないようになっているそうです。
足元の2階で物音がするのを聞いた奉太郎は下の階に移動し、真相に辿り着きました。えると里志には「これからその再現がなされる」と言います。

その日は業者さんが放課後の時間を利用して、火災報知機の動作点検をしていました。業者さんはひとりです。
手早く作業をこなすため、業者さんは1フロア全部の鍵を開けて順番に点検した後、最後に全部の部屋の鍵を施錠して帰っていきました。
放課後で、一度点検した部屋にわずかの間に、生徒のえるが入りこんでいると想像しない業者さんは、部屋に人がいるか確認せずに施錠したのです。
部室のあった3階も、同じように作業したのだろうと、奉太郎は言いました。えるは納得します。

施錠音が聞こえなかった理由として、えるは「窓外のずばぬけて古い建物を気にしていた」と言いました。
3階の窓から見ると、格技場だけが古い建物です。
えるが誘い、里志も入部を決めました。

帰り道、えるが部長を決めようと言います。えるは奉太郎を推薦しますが、里志が「ムリムリ」と言いました。えるが部長に決まります。
入部届を提出しろと言われ、しぶしぶ奉太郎は、ポケットの中で一度は握りつぶした入部届を出しました。なし崩し的に、奉太郎も部活に入ることになります。

〔名誉ある古典部の活動〕

入部したものの、することがありません。
部活動としてやっていたのは、読書くらいでした。
「不毛です」とえるが言い出し、10月の文化祭で文集を出すと言い出しました。
古典部は30年以上の歴史があるので、文集が出されているはずで、過去のバックナンバーをまずは手に入れようという話になりました。
奉太郎、える、里志の3人は、図書館へ移動します。

図書室には、同じ中学からの女子生徒・伊原摩耶花が図書委員としていました。毒舌を吐く女子生徒で、里志に思いを寄せています。
摩耶花から、神山高校の文化祭が通称:カンヤ祭であると、3人は聞きました。
返却図書の中にある本にえるが目を留め、図書委員の摩耶花が、その本にまつわる謎を指摘します。

【承】- 氷菓(古典部シリーズ1)のあらすじ2

その本はカバーが赤茶色をしており、『神山高校 五十年の歩み』というハードカバーの書籍でした。中身は年表になっており、まったくの無味乾燥な内容です。
この本がなぜか5週連続で借りられているのです。
返却期限は2週間あるにも関わらず、金曜日に借りられ、いずれもその日のうちに返却されていました。
借りた5人の人物は全部別人で、共通するものといえば「全員が女子生徒で、2年生」ということくらいです。

えるが「私、気になります」と言い出したため、里志が奉太郎に考えろと言いました。
「奉太郎って賢かったっけ」と聞く摩耶花に対し、里志は「役に立たないことにだけ、役に立つ」と褒めたのかけなしたのか分からない答えを言います。
本を手に取った奉太郎は、本にある刺激臭がしたのを感じ、理解しました。
その日のうちに借りたのは、読むためではないと、一同に言います。

奉太郎がえる、摩耶花、里志を案内したのは、美術室でした。
そこには美術の描きかけの絵があり、モデルの女性が手にしているのは『神山高校 五十年の歩み』でした。
本は読むためではなく、美術の本のモデルが持つ本として「使われるために」借りられていたのだと、奉太郎は推理しました。
それを聞いたえるが、「折木さんなら、できるかも」と言います。

図書館の司書・糸魚川養子先生が帰ってきたので、奉太郎が古典部の文集について質問します。
糸魚川先生は、奉太郎のかけた言葉に、すぐには返事をしませんでした。奉太郎が近づくと、振り返って質問に答えます。(大きな伏線)
文集のバックナンバーは図書館にも、書庫にもないと、糸魚川先生は即答しました。

〔事情ある古典部の末裔〕

改まってえるに呼び出された奉太郎は、休みの日に喫茶店で会います。
やってきたえるは、これから告白をするのだと緊張しており、奉太郎もつられて緊張しました。
えるは奉太郎に、頼みがあると言います。

えるの母方の叔父は、関谷純という名で、10年前に失踪していました。えるが幼い頃のことです。
えるは叔父の失踪直前に、叔父に古典部にまつわることを質問したのです。
「コテンブという響きが、スコンブに似ていたから覚えていた」とえるは言います。
ところが10年も前の幼少期なので、何を質問したか、叔父がどう答えたかは、えるは覚えていませんでした。ただ、叔父の答えを聞いて自分が泣いたことだけは、覚えています。

叔父はその直後に失踪をし、7年前に失踪届を出されました。
失踪届が出されて7年間消息が不明だった場合には、法的に死亡扱いになります。
今年がその7年目に当たり、叔父の葬儀が営まれるのですが、それよりも前にえるは、叔父に関する記憶を思い出したいと思っていました。
漠然としすぎていて、無理だと奉太郎は思いますが、「心に留めておいて、ヒントになることがあれば伝える」とえるに言います。

イスタンブールに移動した姉・供恵から、エアメールが届きました。
そこには奉太郎の想いを読み取ったかのように、「古典部の文集のバックナンバーは、部室内にある」と書かれています。

その頃になると、里志に続き、漫画研究会に所属していたはずの摩耶花までが、いつのまにか古典部に入部していました。
奉太郎は姉の手紙のことを話し、奉太郎、摩耶花、えるの3人で部室内を探します。
探し疲れた頃、奉太郎は机の足代わりに利用している段ボール箱を見つけ、その中にあると踏みました。奉太郎の見立てどおり、段ボールの中から文集が発見されます。
文集の名は『氷菓(ひょうか)』とあり、カメとウサギのイラストが表紙を飾っていました。
それを見たえるが、この文集『氷菓』の創刊号を見つけて、それで叔父に問いただしたと言います。

手に取ったものは第2号で、そこにはえるの叔父・関谷純の名がいきなり記されていました。

『序
今年もまた文化祭がやってきた。
関谷先輩が去ってから、もう、一年になる。
この一年で、先輩は英雄から伝説になった。
文化祭は今年も盛大に行なわれる。
私は思う。
十年後、誰がその英雄の事を憶えているだろうか。
争いも犠牲も、全ては時の彼方に流されていく。
その方がいい。憶えていてはならない。
あれは決して、英雄譚ではなかったのだから。
全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく。
郡山養子』

それを見たえるが、33年前に叔父に何かがあったと感じます。
書かれていたのは第2号なので、創刊号に詳細が書かれているのではないかと奉太郎が指摘しますが、創刊号だけが抜けていました。
えるが、「私、気になります」と言い出します。

〔由緒ある古典部の封印〕

創刊号が見つからなかったことが、却ってえるの心に火をつけたようでした。えるは躍起になって、この叔父の謎を解明したいと思います。

【転】- 氷菓(古典部シリーズ1)のあらすじ3

当面のあいだ、古典部の活動は文集作成ではなく、この「古典部の過去を紐解く」ことが最優先課題になりました。
奉太郎、える、里志、摩耶花それぞれが情報を集め、古典部総会が千反田邸で行なわれることになります。

千反田邸は豪華な屋敷でした。奉太郎と里志が自転車で行くと、部屋にはすでにえると摩耶花がいます。
古典部総会は、叔父・関谷純が住んでいたという離れで開きました。
文集の名『氷菓』とは何かと摩耶花が話題に出し、奉太郎は「氷のお菓子。アイスクリームなどのことだ」と答えます。
その間にえるは、すでに分かっていることを大きな白い画用紙の上に記入していました。
『いつ:1967年
どこで:神山高校
誰が:関谷純
どうした:  』

この「どうした」のところが不明なのです。
関谷は結局、高校を卒業せずに3年で中退あるいは退学になったため、最終学歴は中卒だそうです。
その後は、各自が分かったことを交えつつ、意見を言うことになりました。
まずはえるから発表で、時計回りに話していきます。

えるは昨年、隣の高校の文化祭で騒動があったことを指摘し、「33年前の文化祭でも文化祭荒らしがあって、それを叔父が撃退したものの、学校を去る展開になったのではないか」と話します。
これに対し、奉太郎が反論しました。神山高校では、そもそも模擬店を出すことが禁止されています。

続いて摩耶花が述べます。
摩耶花は当時の学校新聞を出し、33年前に教師による横暴があったことを指摘しました。
そのうえで、関谷純が先生たちに反駁した結果、学校を去ることになったのではないかと言います。
それを聞いた奉太郎は、「もどかしい、抽象的すぎる」と文句を言います。

それをより具体化したのが、次に発表する里志でした。
里志は総務委員会の資料を出し、反乱勢力の六月斗争があったことを告げます。
当時は1960年代で、大学での学生運動が盛んでした。その風潮を受け、神山高校でも生徒と教師による争いがあり、それが「六月斗争」と呼ばれるものでした。
里志は、その生徒側のリーダーが関谷純だったということを、述べます。

…3人の仮説を聞きましたが、奉太郎には語るべきものがありませんでした。
トイレに立つ振りをし、3人の集めた資料をもとに、奉太郎は考えます。
なによりも大事なのは真相よりも「えるが納得すること」だと考えた奉太郎は、ある仮説を立てました。戻り、みんなに話します。

奉太郎は『神山高校 五十年の歩み』を出して、みんなに説明しました。
1967年の6月に校舎の一部で火災があったことを指摘し、それが部室の窓から見える「ずばぬけて古い」建物、格技場であったのだろうと言います。急きょ建て直しされたため、他の建物と改築の年度が異なり、古びて見えるのだという説です。
さらにその前の月の5月に「文化祭の話し合い」というのを見つけた奉太郎は、「教師と生徒の争いの原因は、文化祭そのものにあったのではないか」と指摘しました。
1967年の5月に教師側が文化祭のとりやめを考えており、学生たちがそれに反発し、関谷純を中心として抗議運動を起こしたこと、その騒ぎの延長で格技場が燃えるぼや騒動があり、それを六月斗争と呼んだこと。
その年の10月には、文化祭は決行されていることを示した奉太郎は、文化祭は守られたものの、責任を取って関谷が犠牲になったのではないかと言います。
さらに奉太郎は、文化祭が通称:カンヤ祭と呼ばれることについても、「関谷(せきや)」という苗字を音読みして「カンヤ」と呼ばせるようになったのではないかとも指摘しました。
えるは、納得します。

帰り道、里志が「奉太郎の高校生活は灰色」という発言をし、摩耶花がその話に耳を傾けました。
摩耶花は自分に漫画のストーリーを作る才能がないことを言い、それでも漫画を作り続けるだろうと告げます。

帰宅した奉太郎は考え直し、見落としがあったことに気づきました。2号に掲載された文章には「決して英雄譚ではなかった」というところに、反応します。
同じ頃、えるも「違う」と感じました。奉太郎の説明だけでは、なぜえるがその当時泣いたのかの説明がつかないからです。

その時、奉太郎の自宅に電話がありました。姉の供恵からの国際電話です。
供恵は「古典部ではカンヤ祭のことは禁句なのだ」と言い、関谷純のことを「やさしい英雄」と呼ぶと、それ以上聞こうとする奉太郎を無視し、電話を切りました。

翌日。登校した奉太郎は、自分の仮説が間違っていたと言います。
奉太郎はみんなを連れ、文集を持って図書室の司書・糸魚川養子に第2号の「序」を見せて、「話を聞かせてください」と促しました。える、摩耶花、里志は、糸魚川先生の旧姓が郡山で、その文章を書いたのが糸魚川先生だと気付きます。
えるが、自分が関谷純の姪だと名乗り、関谷純は失踪して10年経過すると告げると、糸魚川先生は心を動かされました。
創刊号は先生が持っていました。それを取りだして、真実を話すと先生は言います。

【結】- 氷菓(古典部シリーズ1)のあらすじ4

〔氷菓〕

奉太郎が指摘したとおりでした。
1967年、教師側が文化祭のとりやめを一方的に決めたために、生徒側から反発の動きがありました。
ところが関谷純は首謀者ではなく、むしろ事態を傍観しているむきがありました。関谷はもともと温和で優しい人で、騒動に加わる人物ではなかったのです。
生徒側から起こった騒動は暴力的なものでした。授業を放棄し、校内で花火を焚いて騒ぎを起こします。
その花火が元で、格技場に火がつきました。そこでひとりの女子生徒が負傷します。
女子生徒の至近距離で爆竹が鳴り、女子生徒の鼓膜が破裂しました。

関谷はそれを教室の窓から傍観し、格技場に火がついた時に女子生徒が取り残されたことに気づきます。
関谷は火の中に入って女子生徒を助け出しますが、これが六月斗争のシンボルになりました。そして悲劇が始まるのです。
格技場でぼやを起こした騒動の責任を、誰かが取らねばなりません。
その白羽の矢が立ったのは、関谷でした。
騒動に一切関与していないにもかかわらず、罪を負わされ、退学処分になったのです。
他の生徒はそれについて何も言わず、関谷が学校を去るのを見送りました。

文集『氷菓』の表紙のイラストは、「カメ」=「学校」で「ウサギ」=「見ている生徒たち」でした。
奉太郎は、その時に助け出された女子生徒が糸魚川先生だと看破します。
声をかけた時に、すぐに反応しなかった糸魚川先生は、鼓膜が破裂したことで、右の耳が聞こえないのだと言いました。
糸魚川先生は「これで全てよ」と言いますが、奉太郎は質問します。
「関谷純は、自ら望んで全校生徒の犠牲になったんですか」
その問いの答えを、糸魚川先生も知りませんでした。ただ、関谷が学校に残したのは文集『氷菓』という名前だけだと言います。

奉太郎は想像します。
世間的には青春のど真ん中、薔薇色の人生を送っているであろう高校生活を途中で断たれた関谷純。
自分が起こしていない騒動の責任を取らされ、たかだか文化祭のことで退学処分になり、薔薇色の高校生活を打ち切られた関谷は、学校を去りながら、内心は不満でいっぱいだったのではないかと思います。
「氷菓」=「アイスクリーム」が、言葉遊びの一種で「アイ/スクリーム(I Scream)=(私は叫ぶ)」と気づいた奉太郎は、愕然としました。
「お前の叔父は、本当は悲鳴をあげたかったんだ。無実の罪で、学校を追われたことに」
えるにそう告げます。

告げられたえるも、当時のことを思い出しました。
文集のタイトル『氷菓』の意味を聞いたえるは、叔父から言葉をかけられます。
「強くなれ。もしお前が弱かったら、いつか悲鳴を上げなくちゃならなくなる。そうなったらお前は、生きたまま死ぬ。俺のように」
叔父の言葉は幼少期のえるに重く響き、特に「生きて死ぬ」という言葉に恐怖を感じたえるは、泣きだしたのでした。
えるは10年後に、真相に辿り着きます。

(関谷純は騒動に一切関わっていなかった。それなのに火事騒動の時に女生徒を救ったことで英雄扱いされ、伝説が生み出された。結果、関谷は首謀者とみなされ、学校を追放された。
周囲の生徒たちは、自分が生贄になるのを恐れ、真実を知っていながら口を閉ざした。
関谷が本当に強ければ、抗議の声を上げることができたのだが、何も言えないまま孝行を去ることになった。
薔薇色の高校生活を中断せざるをえなかった関谷は「叫びたかった」。
その教訓をこめ、文集にそれと分からぬよう『氷菓』という言葉遊びを導入した。
高校退学後の関谷は、文字通り「生きたまま死ぬ(ぬけがらのように生きる)」状態だった。
えるに問われて思い出した関谷は、自分を取り巻く環境を一新させるために出奔した)

放課後。
えるは奉太郎に、礼を言いました。翌日、叔父の葬儀が営まれるそうです。
えると『氷菓』の話をした直後に、叔父は姿を消していました。
えるは「俺はこのまま、死んだまま生きるのは嫌だ」と言って、姿を消したのだそうです。
それを聞いた奉太郎は、ぴんとくるものがありました。
「お前の叔父は、インドのベナレスにいる。そこでは輪廻から外れられる。そこでお前の叔父は、今も生きているよ」
(姉・供恵の言葉をヒントにした)
それを聞いたえるは救われて、涙を浮かべながらも笑顔で下校していきました。

姉への手紙を書きながら、奉太郎は姉・供恵がどこまで考えて自分を古典部に入れたのか想像し、そら恐ろしくなります。
すべてのシナリオが姉の描いたとおりであるなら、自分は駒のように動かされているように感じられたのでした。
一方で、灰色の高校生活も案外悪くないと思います。

…10月。
文化祭が開かれ、古典部も文集を売り出しています。
店番をする奉太郎のところへ、「気になることがあります」と言いながら、えるが駆け寄ってきました。
奉太郎の手をひっぱり、弓道場へ連れていこうとします。
何があったか説明してくれと奉太郎は問うのですが、えるはそれよりも「見てもらった方が分かる」と言いました。
このように、奉太郎が古典部に所属しているあいだは、えるの「気になること」につきあわされそうです…。

(そのままエンドロールに突入するため、弓道場で何があったかは謎。
続編、『古典部シリーズ化』をにおわせるラスト)

みんなの感想

ライターの感想

原作未読。でもじゅうぶん理解できた。
でも…ヒロイン役の広瀬アリスは、なんか演技がいまいち。
目を見開いて待ってる…これしかできないの?
(いかん、悪口になってる? 彼女の演技を見たのが初めてなので、知らないのだ)
ゆるーい感じのミステリ、こういうのもあって、いいかな。
割りに真面目な内容。おちゃらけていないのも好感が持てた。

映画の感想を投稿する

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

映画「氷菓(古典部シリーズ1)」の商品はこちら