「湿地」のネタバレあらすじと結末の感想

湿地の紹介:2006年製作のアイスランド&ドイツ&デンマーク合作映画。「このミステリーがすごい!」に選ばれた小説を『エベレスト 3D』のバルタザール・コルマウクル監督が映画化。10月のアイスランド・レイキャヴィク。あるアパートで老人の遺体が発見される。捜査を進めるうちに、老人の隠された過去が明らかになり…。

予告動画

湿地の主な出演者

エーレンデュル警部(イングヴァール・E・シーグルソン)、エヴァ(オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル)、オルン(ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン)、エレンボルク(オーラフィア・フロン・ヨンスドッティル)、オルン(アトゥリ・ラフン・シーグルスソン)、ルーナル(テオドール・ユーリウソン)、ホルベルク(ソルステイン・グンナルソン)

湿地のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①アイスランドの湿地のアパートで老人男性・ホルベルクが殴打され死亡。部屋にあった墓標の写真は、30年前に起きたレイプ事件の被害者が生んだ娘・ウイドルのもの。墓を暴くとウイドルには脳がなかった。 ②ホルベルクは遺伝性の難病の保因者。レイプはもう1件あり、男・オルンが誕生。オルンは自分の娘・コーラが遺伝性の病気で死んだと知り調査し、ホルベルクが実の父と知って殺害、自殺した。

【起】- 湿地のあらすじ1

アイスランド・レイキャビク。

オルンという男性は5歳の娘・コーラの難病のことを、アイスランド遺伝子研究会社に問い合わせていました。
娘のコーラは入院しており、完治が見込めない難病です。
妻と交代でつきそったものの、娘に「いつ退院できるの?」と聞かれたオルンは、返す言葉が見つかりません。
コーラは亡くなり、葬儀がしめやかに営まれます…。

秋。
北の湿地地帯にあるアパートの一室で、老人の死体が発見されました。見つけたのは近所の少年たちです。
亡くなった男性は1937年生まれの、アパートの住人・ホルベルクでした。
ベテランのエーレンデュル刑事は、若い男性・シグルデュル刑事と共に、捜査を開始します。中年の女性捜査員・エレンボルクも、捜査の手助けを行ないます。

現場に行くと、死後2日経過していると言われました。
床下からは異臭がしています。
沼地(湿地)に家を建てると、臭いが部屋のなかにこもるそうです。その一帯は沼地でした。
ホルベルクは現場にあった灰皿で殴られて、頭蓋骨骨折で死亡しています。
殺人事件として捜査を開始したエーレンデュル刑事は、トイカメラというおもちゃのカメラに、墓を映したものがあり、気になりました。
その墓標には「ウイドル」という少女の名が記されています。

ホルベルクは自身が幼い頃に、妹を6歳で亡くし、以後は独身を貫きました。身寄りがなく、ここ数年はトラック運転手をしていたそうです。
捜査の途中で町に娘・エヴァを見つけたエーレンデュル刑事は、エヴァから金の無心をされました。
エヴァは家出して、転々と過ごしています。
金の使い道を聞くと、エヴァは黙りました。どうやら中絶費用のようですが、エーレンデュル刑事は金を渡しませんでした。
エヴァは不機嫌な顔で、仲間と共に立ち去ります。

墓標を探したところ、コルブルンという女性の娘だと分かりました。1974年に、悪性の脳腫瘍でわずか4歳で亡くなっています。
母・コルブルンは自殺し、父親は誰か分からずでした。
エーレンデュル刑事は唯一の近親者である伯母・エーリンに会いに行きます。

エーリンは警察を露骨に嫌いました。居留守を使われます。
電話に出たものの、すぐに切られました。「妹をあんな目に遭わせた警察を許さない」と、エーレンデュル刑事は言われます。
エーレンデュル刑事が墓標を見に行くと、エーリン伯母が出てきて「その子に構わないで」と言いました。
ホルベルクの死を告げるとエーリン伯母は「詳しくは、ルーナル刑事に聞けばいい」と答えます。ルーナル刑事は現在は職を辞しています。
エーリン伯母はホルベルクだけでなく、ルーナル刑事にも恨みがあるようでした。

【承】- 湿地のあらすじ2

伯母のエーリンは話をします。
昔、ホルベルクとグレータル、エットリデの3人組が、コルブルンをレイプしたのです。
エーリンとコルブルンはルーナル刑事にレイプのことを訴えたのですが、聞き入れてもらえませんでした。
それどころか、仲間に「コルブルンは米国基地で売春をしていた」という偽証までさせます。
コルブルンはレイプで妊娠し、娘・ウイドルを産みました。
そのウイドルが4歳で亡くなってしまい、娘の死後、コルブルンは自殺しました。
ホルベルクが墓標の写真を持っていたのは、父親であるからかもしれないと、エーレンデュル刑事は考えます。

エーレンデュル刑事が家に帰ると、部屋の前の階段でエヴァが寝ていました。具合が悪そうです。
父・エーレンデュル刑事はエヴァを部屋に入れ、寝かせました。
エヴァはしばらく父の元で、穏やかに過ごします。それを見ていると、父であるエーレンデュル刑事は昔が戻ってきたようで、ほっとします。

エーリン伯母が話した内容に基づき、エーレンデュル刑事は仲間の行方を探しました。
グレータルは1970年代からずっと行方不明でした。
エットリデは小さな罪を犯し、現在も服役中です。しかし先週脱獄をしており、その期間がちょうどホルベルクが死んだ時期に該当します。今はまた捕まっています。
刑務所に聞き込みに行くと、エットリデは昔のことだから覚えていないと言いました。30年以上前のことなので、やむをえないところもあります。
エットリデの発言から、レイプは1件ではなく、もう1人強姦した相手がいました。しかし女性の名をエットリデは覚えていませんでした。
グレンダヴィクという地名が出てきたので、もう1人の被害女性を捜査する手がかりは得られます。

エーレンデュル刑事がグレータルの母に会いに行くと、息子と最後に会ったのは1974年だと言います。
目の見えない母は、写真を飾っていました。グレータルはカメラが好きで、よく撮影していたそうです。
グレータルが失踪した当時、ルーナル元刑事が捜査担当になったのですが、ルーナルは事件を早く終わらせたがっているようだったと言いました。

検死医にホルベルクの検死結果を聞くと、意外なことが分かります。
頭部の殴打で頭蓋骨が折れ、脳内出血で死亡したことには変わりありません。
ところが、ホルベルクの脳には良性腫瘍がありました。腫瘍持ちの人にありがちな色素斑も確認されたそうです。
ホルベルクの妹が、幼少の頃に死んだことと関係がありそうでした。
腫瘍がヒントになるのではと考えたエーレンデュル刑事は、レイプされてできた娘・ウイドルの墓を掘り返します。土葬です。

【転】- 湿地のあらすじ3

その時、誰か人影がありました。エーレンデュル刑事は追跡しますが、相手は逃げてしまいます(これについては後述)。

同じ頃、シグルデュル刑事とエレンボルク女刑事は、30年前のレイプ事件について調べていました。
30年前にグレンダヴィクに住んでいた適齢期の女性は、166名います。いずれも当然、今は老女と化しています。
ひとりひとりに確認していきますが、バカにしているのかと聞かれたり、どっきりカメラかと思われたりで、見つけられませんでした。
1人だけ、少し変わった反応をする女性がいました。上品な初老女性です。

エーレンデュル刑事は検死医に、少女・ウイドルの検死結果を聞きにいきました。そこで意外な回答を得ます。
ウイドルの脳が取り出されており、なかったのです。
脳さえ見つかれば、細かな死因が特定できると言われました。
検死医は「瓶の街にいけば脳があるかもしれない」と言い、エーレンデュル刑事はアイスランド遺伝子研究所に足を運びます。

検死医の見立てどおりでした。研究所では、少女・ウイドルの脳を保管していました。
ウイドルは非常に特殊な「遺伝病のひとつ」にかかっていました。神経線維腫症という名の病気です。
この病気は完全に遺伝性です。殆どの者は幼少期に発症し、そのまますぐ脳腫瘍で死に至るそうです。
ところがまれに、発病せずに普通の生活を送り、そのまま寿命をまっとうする者がいるそうです。
その場合でも「保因者」と呼ばれ、たとえ本人が無症状でも、病気は遺伝します。
コルブルンをレイプして妊娠させたのは、ホルベルクと判明しました。ホルブルク自身は発症しなかったものの、保因者です。
ウイドルの脳をエーレンデュル刑事は受け取り、持ち帰りました。そのまま自宅へ戻ります。

自宅にはエヴァを連れ戻そうと、悪い仲間たちが押しかけていました。
エヴァの父・エーレンデュル刑事は追い返します。
その後、情報通の男性・エディと接触したエーレンデュル刑事は、エットリデがまた脱走したことを聞かされました。
エットリデは前回の事情聴取で、エーレンデュル刑事やシグルデュル刑事に恨みを持っています。
それが娘・エヴァの身に及ばぬよう、エーレンデュル刑事は警戒します。
エヴァは悪い仲間のところへ行っていました。見つけて連れ戻しました。
帰りの車中、エヴァは「中絶すべきよね」と呟きます。このまま出産すると、虐待しそうで怖いと言いました。

シグルデュル刑事はルーナル元刑事のところへ聞き込みに行き、脱走したエットリデがいるのに気付き、隠れて応援を呼びます。
エットリデはルーナル元刑事を殺しました。エットリデはシグルデュル刑事に追われ、沼地に落ちてずぶぬれになり、逮捕されます。

【結】- 湿地のあらすじ4

ホルベルクの自宅が臭いのは、昔の仲間のひとり・グレータルの遺体が埋まっているからではないかと思い、エーレンデュル刑事は床下を剥がさせます。
その通りでした。グレータルの白骨化した死体と共に、ネガも見つかります。
30年前、ホルベルクとグレータル、エットリデの3人は、ルーナル刑事にレイプ事件を隠蔽してもらいました。
その代わり、ルーナル刑事に弱みを握られた3人は、汚れ仕事をすることになります。
連絡係として選ばれたグレータルが増長し、他の2人に疎まれて殺害されました。
その後ずっと、ホルベルクは床下にグレータルの遺体を隠していたのです。
ネガにはレイプされた女性の写真が映っており、被害女性が分かりました。

オルンの母は、レイプされたことを認めます。(オルンとはオープニングで娘を亡くした男性)彼女は既婚者でしたが、夫は船乗りで留守にしがちでした。
実のところ、オルンの母もオルンは夫との子どもだと信じていました。
オルンが結婚して生まれた孫娘・コーラが、遺伝性の難病で死んだことにより、初めてオルンの母は、オルンの父がホルベルクだという可能性に思い至ります。

オルンは娘・コーラの死の原因を、必死で突き止めようとしました。
主治医から「遺伝性の病気」と言われてからは、家系図まで作り、必死で捜査します。
オルンの妻は「そんなことをしたからといって、娘が戻ってくるわけではない」と言いますが、それでもオルンは執着しました。
アイスランド遺伝子研究所に入社したオルンは、1974年に死んだウイドルという少女にたどりつき、これが義理の妹だと確信します。
(ウイドルの墓を暴いていた時に見ていたのは、オルンだった)
さらにホルベルクの妹の死を見つけたオルンは、ホルベルクが父親だと気付きました。
母に問い詰めて、レイプ事件のことを知ります。

ホルベルクの家に行き、口論になったオルンは、父親であるホルベルクを殺害しました。
衝動的ではありましたが、「保因者ならば子どもを作るべきではない」と思っていた節もあります。

警察が突入し、オルンの家を家宅捜索し、状況証拠を見つけました。オルン本人は見つかっていません。
現場には切断された銃身も残されており、オルンが銃を持ち歩いている恐れがあります。
直後、遺体安置所に泥棒が入りました。ウイドルの遺体が消えていました。
ウイドルの伯母・エーリンから、墓地に誰かいるという知らせを受け、エーレンデュル刑事は急行します。
そこではオルンが義妹の遺体を埋めているところでした。
オルンはエーレンデュル刑事に、ウイドルの脳を知らないかと聞きます。エーレンデュル刑事は持っていると示しました(自宅に保管していた)。
オルンは「僕は何者だ?」と言いながら銃で自殺しました。

みんなの感想

ライターの感想

タイトルからしてそうだけど、とにかく地味で、陰湿な感じの画面。北欧テイスト。
建物や風景など、日本では見られなくて新鮮。
演出の仕方が悪かったかな。途中から時系列が前後するために、混乱しそうになる。
「ホルベルクと仲間たちの過去の悪行」「オルンの娘の死、オルンの娘への愛」「エーレンデュル刑事と娘・エヴァ」
3つの親子関係を示したかったのは判るのだが、もやもやっとする。特にコーラはオープニング時に死亡したところからスタートするので、愛情の度合いが判らない。
3人でレイプしてるのに、2人の女性ともにホルベルクの子どもを産んでいるというのも、すさまじいよなあ。
エヴァは中絶するのか産むのか判らないまま終わった。

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