映画:特捜部Q カルテ番号64

「特捜部Q カルテ番号64」のネタバレあらすじと結末

特捜部Q カルテ番号64の紹介:ノルウェーの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンのサスペンス小説「特捜部Q」シリーズの映画化第4弾。未解決事件担当の特捜部Qが、60年代までデンマークに存在した女子収容所の悲劇を追う2018年公開のクライム・サスペンス。監督は「獣は月夜に夢を見る」のクリストファー・ボー、脚本は「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル。

あらすじ動画

特捜部Q カルテ番号64の主な出演者

カール(ニコライ・リー・コス)、アサド(ファレス・ファレス)、ローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)、ヤコブソン課長(ソーレン・ピルマーク)、バク警部補(ミハエル・ブロストラップ)、ニーデ・ヘアマンスン(ファニー・ボールネダル/Birthe Neumann)、クアト・ヴァズ(エリオット・クロセット・ホーヴ/アンダース・ホーヴ)、ギデ・チャールズ(ルイーゼ・スコウ)、リタ・ニルスン(クララ・ロザガー)、ヌール・トゥラン(アマンダ・ラデルジャック)、ナアヴィー夫人(ヴィーベケ・ハストルプ)、グナー巡査(アンダース・ジュール)、ブラント(ニコラス・ブロー)など。

特捜部Q カルテ番号64のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①カールの推薦によりアサドの異動が迫るある日、湖畔のアパートの隠し部屋で3体のミイラ化遺体が発見され事件となる。部屋の借主は閉鎖された女子収容所の元看護師ギデで、失踪中だが家賃は支払われていた。②遺留品から遺体は女子収容所の収容者ニーデとリタ、収容所への訴訟を担当し後に愛人と遁走したナアヴィー弁護士で、ヒヨスで酩酊させ生きたまま惨殺され、局部を切り取られていた。③ギデはマラガ在住と判明するが再び逃亡、容疑者として指名手配される。④かつて女子収容所では、旧時代の選民主義的思想に基づき強制不妊手術が行われていたが、当時の担当医クアト・ヴァズは、現在不妊治療で名高い大病院の医院長として君臨する一方で、同志を得て組織的に強制不妊手術を継続していた。ターゲットは”劣等”な欧州女性から移民女性へと変わり、アサドの知人のアラブ人女性も被害者となった。⑤特捜部Qは事件のカギを握るギデを追うが、口封じを目論むクアト一味に尾け狙われ…。

【起】- 特捜部Q カルテ番号64のあらすじ1

特捜部Q カルテ番号64のシーン1 1961年。デンマーク、コペンハーゲンにほど近いドラオア海岸。車で若いカップル、ニーデとテーイが愛し合っています。ニーデは妊娠していましたが、テーイは従兄だったため、激怒した父親によって引き離され、コアセー湾からフェリーでスプロー島の女子収容所に送られます。彼女を引き取りに来たのは看護師のギデ・チャールズでした。

現代のコペンハーゲン。閉店間際のレストランで、コペンハーゲン署特捜部Qの刑事カールとアサドが話しています。
特捜部Qは未解決の事件を再捜査する部署ですが、創設当時は武骨で無口な厄介者カール・マーク警部補とアラブ人のアサドのための窓際的存在だったモノの、数々の難事件を解決に導き、今では女性メンバーローセも加わり、一目置かれる存在となっています。
カールは元妻ヴィガとの間に息子イェスパがいますが、病的なコミュ障が原因で離婚、捜査に支障をきたす事も。一方アサドは友好的でコミュ能力も優れていますが、アラブ人でイスラム教徒のため署内でも差別的に扱われています。
現在、現場ではカールが人並み外れた勘と洞察力を発揮し、アサドが重要証言を引き出し、署内ではローセが抜群の調査力と機転でフォローする最強のチームとなっています。

しかし今夜2人が話していたのは、アサドの部署異動の件でした。カールが突然アサドに何の断りも無く、他の部署への推薦状を書いたのです。
異動は1週間後。アサドは当然困惑し「期待通りの働きをした」という投げやりな内容にも納得できず「他に言いようがないんですか?」「(コミュ障なのに)自分がいなくてやって行けるんですか?」と食い下がりますが、カールは頑健に「お前はただの同僚だ。1年もすれば忘れる、5年も経てば名前すら思い出さなくなる」と言い張ります。アサドはひどくショックを受け、激怒して去っていきます。
残されたカールは別のバーに行きますが、鼻持ちならない同僚のバク警部補がいたため、結局酔っぱらって街をうろつき、一般市民に絡んでいたチンピラをボコ殴りにして憂さを晴らしていました。

一方、アラブ人のヌール・トゥランは望まぬ妊娠をし、友人と共に、匿名で中絶してくれると評判のデーネヴァーン研究所を訪ねます。
応対したビエーデは初老の女医で、執刀したのはその夫で医院長の老医師クアト・ヴァズでした。また外には不審な車が停まっていて、2人の姿をスマホで撮影していました。
その頃、湖畔のとあるアパートでは「図面と間取りが一致しない」という管理人に呼ばれた2人の作業員が、隠し部屋と思しき壁を破壊し、中から3体のミイラ化した遺体が発見されます。
事件の担当者はバクでしたが、カールは「”数独に数字以外を書く男”には解決できん」と現場に向かい、アサドも「異動まで1週間ある」と言い同行します。
現場にいたグナー巡査は動揺しますが、カールがバクの依頼だと言い現場に入ります。

部屋の借主は失踪中のギデ・チャールズ。死体は男性1人、女性2人で、3体ともミイラ化し、ティーセットが並んだテーブルの周囲に、椅子にがんじがらめにされ座らされていました。
またテーブルの上には、その遺体のモノと思しき生殖器が各々切り取られ、ガラス瓶に詰められ置いてありました。
また女性の1人はハート付きの鍵のペンダントをしていて、カールは4人掛けの椅子の1脚が倒れていたことから「1人足りない」と気づきます。
事件は大々的に報道され、遠く離れた港町の1室で茶を飲んでいたギデと思しき老夫人にも届きます。

1961年、スプロー島。
女子収容所に収容されたニーデは、カルテ番号64とされ、クアト・ヴァズ医師と面談します。
彼女は妊娠を隠し、問われるままにテーイとの明るい将来を語りますが、クアトはテーイが従兄だという以外特に否定もせず、彼女を膝に座らせ、ベッドに横たわる家族の死体写真を見せます。
彼は「彼らは尊厳を保ってる。君を助けてあげたい。福祉社会に貢献し尊厳を取り戻そう」と囁き、「お父様から君を預かった。しばらくは家に帰れない。君のためにもテーイの事は忘れるんだ」と諭します。
彼の忠実な僕であるギデは、ニーデに冷水を浴びせて洗い、部屋へと連れて行きます。

現代。
検死の結果、鍵のペンダントの死体は、2006年に失踪し、死亡当時60歳だったニーデ・ヘアマンスンと判明。体液と内臓を抜かれ、女性器は切り取られ、エタノールの瓶に詰められていましたが、麻酔や酩酊効果があり大量摂取すれば死に至るヒヨスにより、生きたまま惨殺されたと思われました。
カールは苦悶の表情を浮かべる死体を見て「長年計画された怨恨による殺害」だと確信します。
ヤコブソン課長は事件の陰惨さから担当を特捜部Qに替え、カールとアサドは、容疑者は元看護師ギデ・チャールズと断定します。彼女は攻撃的な言動で解雇され、葬儀社にいた経験から死体の保存法に詳しく、消息不明の現在も家賃は支払われていたため、遺留品のIDから即時指名手配されます。
しかし、残る女性1名はIDの写真が不鮮明だったため調査中で、バクは「その女性は2人を殺害後、自殺した犯人のギデだ」と言いますが、カールに「自殺した後、外側から部屋を塞いだのか?」とツッコまれて終わります。
また男性死体は、弁護士のフィリップ・ナアヴィーで、2006年に失踪し事件となったものの、後に妻から「愛人と逃げた」との連絡があり取り下げられていました。
カールとアサドは早速、ナアヴィー夫人に会いに行こうとしますが、ヤコブソン課長はアサドを引き止め「詐欺捜査課は本来、君が行ける課じゃない」と言い、「移民だからですか?」と返され、聞き流されます。

博物館に勤めるナアヴィー夫人は、事件を聞いて愕然としますが、失踪届けを取り下げたのは「夫から『愛人と一緒だ』というメールが届いたから」と証言、後の調査でスペインのマラガから送信されたものだと判明します。
また彼は、女子収容所の閉鎖後に起こった数多くの訴訟を担当していましたが、30年連れ添ったという夫人は、クアトもギデも知りませんでした。
カールはそこでも歯に衣着せぬ物言いで夫人を怒らせ、それ以上の情報は得られませんでした。

1961年、スプロー島の女子収容所。
ニーデはリタ・ニルスンと同室にされ、リタは彼女を品定めし、靴下に隠したタバコを見せて「猟師と寝れば手に入る」と教え、「テーイを愛してるから」と眉を顰めるニーデに「キレイな目ね。面倒見てあげる」と囁きます。
リタとギデは互いの立場を利用し合う内通仲間で、魔女の媚薬としても知られるヒヨス茶を飲んで同性愛行為に耽り、ニーデを半ば強制的に引き込みます。

現代。
署ではローセが、3人目の死体が2006年に失踪した娼婦リタ・ニルスンだと報告、2人は女子収容所の収容者リストをローセに頼み、カールは女子収容所の事情を知らぬアサドに「非行少女の収容施設」と言い、ローセは”非行”を”不適切”と言い直し「反抗期の頃、父親に『当時なら”スプロー島送り”だ』と言われムカついた」と言い、「ギデはマラガ在住で、年2回あの部屋の家賃を送金してた」と話します。
2人は「ギデが3人を殺害後、部屋を封鎖してマラガに逃亡、ナアヴィー夫人にメールを送った」と結論し、殺害動機に焦点を絞ります。
しかしギデは、早々にマラガの口座を解約し逃亡したため、国内外への出入国へと手配が拡大されます。

【承】- 特捜部Q カルテ番号64のあらすじ2

特捜部Q カルテ番号64のシーン2 調査により、1960年から1年間、ニーデとリタはスプロー島の女子刑務所に収容され、ギデは当時の職員だと判明し、特捜部の3人が島に向かいます。
1961年には海路のみだったスプロー島は、海峡を結ぶ巨大な橋グレートベルト・リンクにより車で行く事が出来ます。
彼らを出迎えた女子収容所の案内係ブラントは、7分の遅刻にイラつき、敷地内に自生するヒヨスを見せ、建物の内部を案内し「ヒヨスは加減をすればマリファナのようにハイになれる。収容者たちも摂取してた」「収容者と職員は囚人と看守のような関係で、女好きの女性職員には好都合だった」と話します。
また彼は、懲罰室とされた独房を嫌悪し「食事を与えず何日も閉じ込めた。脱走したある少女は2週間監禁された」と話します。
彼によれば、現在もデンマーク政府は補償を怖れ、収容者に謝罪せず、訴訟そのものが却下されてしまうのだとか。
アサドは、そのため警察には裁判記録が無く、訴訟を潰してきた弁護士こそがフィリップ・ナアヴィーだと気づき、公文書館へと向かう事に。
途中、ローセはデートの打ち合わせのメールをし、アサドに「『彼には俺しかいない、私も必要だ、だから残れ』と言ったくせに」とこぼし、アサドは「彼も変わると思ったが相変わらず『俺にかまうな!助けはいらない!』…前に進まないと」と話し、カールの口真似をして笑い、別れを惜しみます。
公文書館に残された裁判記録はわずかで原告の名もありませんでしたが、強制不妊手術でクアトが訴えられ、フィリップ・ナアヴィーの弁護で却下されていました。

クアトは現在、不妊治療で名高いデーネヴァーン研究所の院長として君臨し、大勢の聴衆を前に「50代までの全ての女性に出産の希望がある。我々はそういった女性たちを数多く救済してきた。生命の鼓動に幸運を」と雄弁に語っていました。
聴衆に紛れていたブラントは眉を顰め、ローセに「どうしても知らせたい事がある。ハーバーパブで12時14分に会いたい」と連絡します。
ローセはバーでグナー巡査とデート中で、情報の内容を聞きますが「盗聴されてるから言えない」と断られ、グナーにやんわりと電話の内容を聞かれ「”スプロー島の管理人”からの電話だった」と漏らしてしまいます。

一方、アサドは馴染みのアラブ人向けのスーパーに立ち寄り、店長の娘ヌールの不調に気づき、倉庫でそっと声を掛けます。
彼女は腹痛を堪え、父親に言おうと言うアサドに「パパに言ったら殺される。実は中絶手術をした」と泣きながら打ち明けます。未婚女性の妊娠は、イスラム教では重罪とされていたからです。
アサドは父親に「食あたりのようだ」と嘘をつき、彼女を家で休ませるよう頼みます。

ヤコブソン課長はカールとアサドを呼んで進捗を聞きますが、課長室にはバクとグナー巡査もいました。
2人はミイラ遺体の3人はスプロー島の関係者だと話し、クアトの名を出しますが、ヤコブソン課長は「デーネヴァーン研究所は不妊治療の高名な病院で妻も世話になり、子供にも恵まれた。くれぐれも敬意を持てよ」と頭を抱えます。
2人はデーネヴァーン研究所に行き、クアトに「収容所時代、ニーデとリタとギデは仲が良かった。その後幸せに暮らしてると思ってた」「ギデとは30年間会ってないし、なぜ殺人を犯したのかも分からない」と言われます。
しかし院長室には件の家族の死体写真があり、クアトはその違和感に気づいたカールに「医者は悪趣味だからな。私はいつも死人が食卓を囲む姿を夢見てる」と言い「それが動機か?」と言われ、言葉に詰まります。
そこにビエーデが呼びに来ますが、カールは強制不妊手術で起訴された件を問い詰め、「彼女(名前の記載が無かった原告)の言い分に過ぎないし、合法の手術をしただけ。褒められる行為ではないが、そういう時代だったのだ。当時の事は憶えてない」と言われ、「ニーデなど3人は憶えてるのに、不妊手術をした少女の事は忘れたのか?」と返します。
クアトは「しかし訴えは却下された」と薄笑いを浮かべただけでした。
アサドはクアトの中絶行為に憤慨しますが、カールは「元妻ヴィガも中絶経験がある。子供は既に1人いたし、俺の子じゃかわいそうだからな」と言い捨てます。

1961年冬、スプロー島の女子収容所。
リタはニーデの妊娠を見抜き「鍵のペンダント(テーイの思い出)は隠した方がいい」と言い「(妊娠がバレる前に)猟師に身を売り、島から脱出した方がいい」とそそのかします。
ニーデは拒みますが、”別な方法”もあると言われ、結局リタの手引きで収容所を脱走し、猟師小屋に逃げ込みます。
猟師は当然のようにレイプしようとしますが、間もなくクアトやギデがやって来てニーデを収容所に連れ戻します。リタは自らの解放と引き換えにニーデを売ったのです。

現代。ブラントとの待ち合わせにはカールとアサドが行き、警戒していたブラントは、彼らの警察バッチを確認し、ようやく話し始めます。
彼は「女子収容所でクアトに不妊手術をされ、それを苦に自殺した叔母のため、収容所の管理人に身をやつし、奴らを監視している。これまで何度も訴訟を起こしたが全て却下された」と話します。
また「医者を筆頭に弁護士、政治家、警察の上層部などで組織された旧社会民主党の残党が『健康な北欧女性は子供を産め、劣等な女性は社会を汚すから子供を産むな』というかつての理想を追求し、本人に知らせずに不妊手術を続けている。現在狙われているのは移民女性で、湖畔の事件も口封じだったのでは?」と言うのです。
しかし裁判の証拠は揉み消され、彼は代わりにデーネヴァーン研究所に若い女性が1人で来院する動画を見せ「あの医院では、本来親の承認がいる中絶が匿名で行われている。これは一種の草の根運動だ。医者たちの弁護士フィリップ・ナアヴィーの元には記録が残っているはずだ」と話します。
その動画にはヌールと友人も映っていて、アサドはカールと共に、ヌールに事情を言わず、他の婦人科医での検査へと連れ出します。
予想通りヌールには取り返しのつかない不妊手術が施されていましたが、彼女はそれを知らず、アサドに「両親には絶対言わない」と約束させた上で、クアトの名を口にします。
アサドは「君はクアトのせいで子供を持てなくなった。それを警察で証言してくれないか?絶対クアト一味を逮捕する」と頼みますが、ヌールは「子供は欲しかったのに!誰にも言えないと知ってるくせに!」と激怒し、出て行きます。

ヤコブソン課長の指揮の元ついに警察が動き、不妊手術は70年代から行われていたと判明、加担した医者のリストが作成される事に。
一方、情報を察知したクアトは、一味の医者や政治家らと手下の男らを招集し、一旦の活動休止を宣言します。
手下の1人はその足でブラントの元に行き殺害しますが、彼のリストはネット経由でローセに渡った後でした。
またその直前、ブラントから「クアトの手下に尾け狙われてる」と連絡を受けたローセは、1人でブラントの部屋に行きますが、ブラントの遺体を発見し、手下に殺されそうになり、格闘の末、追い出します。

その頃カールとアサドはナアヴィー夫人宅に向かっていましたが、バイクの男に尾けられていました。
アサドは「クアトの過去を知る者はギデが殺した!クアトが黒幕だ!」と憤慨していましたが、カールは「ならばギデや被害者のIDが残されていた事が妙だし、誰かに知らしめる事こそが目的だったのでは?」と言ったきり黙り込み、アサドに「(異動まで)残り2日です」と言われても「分ってる」と言っただけでした。
ナアヴィー夫人はマンションの玄関先で応対し「夫が彼らの弁護をしていた事は知っていたが、到底理解できず家では話させなかったし、詳細は知らない」と言いますが、裁判資料は全てその家に残されていて持ち帰る事に。
資料はクアトとその妻ビエーデによる不妊手術の記録と、女子収容所のニーデのカルテ64が含まれていました。
ニーデのカルテを見たカールは、誰かにメールしようとしますが、バイクの男2名が車に火炎瓶を投げ込み、車は横転して大破、様子を見に近寄った手下の1人がカールに撃たれ、逃げ出します。
カールとアサドは危機一髪で車から脱出しますが、カールが持っていたカルテ64以外は、爆発で焼失してしまいます。

逃亡したギデは、長距離バスでコペンハーゲンに戻る途中、忌わしい女子収容所での記憶を思い出していました。
1961年冬、スプロー島の女子収容所。
クアトは、懲罰室のベッドに拘束したニーデを犯そうとしますが、激しく抵抗されて耳を噛み千切られ、泣き叫ぶ彼女を手術室に運ばせ、中絶と不妊手術を行います。
手術室には1933年社会制度改革を果たした政治家K・K・スタインケの肖像が掲げられ、クアトは彼が提唱した「福祉国家を目指すため劣等な者は排除すべし」と語り、讃えます。別室には複雑な面持ちのリタもいました。
手術後、ニーデは懲罰室に入れられ、鍵のペンダントをかけ、激しい痛みに堪えていましたが、施設閉鎖のアナウンスを聞き、怒りに唇を震わせます。

カールとアサドはブラントの家の前でローセと再会しますが、その場にはグナー巡査がいて、ヤコブソン課長とバクもやって来ます。
2人はヤコブソン課長に「クアトらが組織的に無許可で中絶と不妊手術を繰り返している。警察と同じで医者も互いに守り合ってるから罪が露呈しないのでは?!」と訴えますが、「ギデも見つかってない上、特にアサドは昇進したら立場も微妙になる!証拠も無いのに手出しできない!」と逆ギレされただけでした。
そこまで言われてもなぜかカールは素直にうなづき、携帯で誰かと話し、アサドにもその内容を言いません。電話の相手は「お探しの人はドイツからの長距離バスで、中央駅に8時25分に着く」と言っていました。
アサドはブチ切れ、カールの腕を掴んで問い詰めますが突き放され「あなたとはもうチームじゃない!」と激怒して去っていきます。
ローセはアサドに「あなたの事を思ってあんなことを」と言いますが、アサドの怒りは収まらず、ローセにはグナー巡査が寄り添っていました。

【転】- 特捜部Q カルテ番号64のあらすじ3

特捜部Q カルテ番号64のシーン3 翌日の8時25分、カールは長距離バスの停留所でギデを待ち伏せし「ニーデさん?」と声を掛け、立ち止った彼女に「3人に恨みを持つのはあなたしかいない、カルテ64を見て分かった。クアトへの訴訟を却下され、子供も殺された」と話します。
彼らが湖畔のミイラ化遺体の殺害犯として追っていたのは、ギデではなく、ギデに成りすましたニーデだったのです。
しかし彼女はいきなり彼に催涙スプレーを吹きかけ「引ったくりよ!」と叫んでタクシーで逃亡、カールは懸命に彼女を追い掛け、出航直前のフェリーで追いつき、甲板で鍵のペンダントを渡します。
ニーデは諦めて、カールに水筒に入れたヒヨス茶を勧め、カールはそれをちびちびやりながら「あなたはリタとギデと、ナアヴィー弁護士を殺し、自身のIDと鍵のペンダントを残してギデとなった。最後の椅子はクアトのためのモノだ」と話します。

その頃、激怒したヌールはデーネヴァーン研究所に乗り込み、ビエーデに診察室に招き入れられ、ヌールの友人から事態を聞いたアサドが救出に向かいます。
アサドは廊下でクアトを見つけて「ヌールはどこだ?!」と詰め寄りますが、「移民の娘なら帰宅した」ととぼけられて突き飛ばし、一旦は諦めて外に出ますが、ローセに「ヌールの携帯の位置情報は病院内だ」と言われ、ギリギリで内部へと戻ります。

ニーデはカールの推理を認め、「解放された後、テーイと暮らしたが、以前の通りにはいかず、クアトのせいで子供も持てず、私の憎しみしかない人生に巻き込みたく無かったので別れた。そして彼らへの復讐を考えた」「しかし奴らへの訴訟は却下され、1人でヒヨス茶を飲み、復讐を夢想するだけの日々を送るうち『失う物は何も無い』と気づいて決行した」と話します。
そして「ギデは6年掛けて許したと信じ込ませ、あの席でヒヨスでハイになって笑っているところを殺害した」と打ち明け、突然笑いだしたカールに「いい気分でしょ?」と微笑みます。
ギデに成りすましたのはクアトを呼び込むためで、死体を座らせたのは、クアトに見せられた家族の死体写真と同じく「死んでテーブルに座り、価値の無い人生を永遠に送る、そのようにしたかった」とも。
しかしその最中、船乗りとなったテーイから手紙が届き、再会して昔のように楽しい時を過ごし、『復讐は無駄だ』と気づいたと言うのです。
彼女は「その後12年間、怒りや復讐を捨て、テーイと”人生で一番幸せな時”を過ごした」と話します。
カールはヒヨスでぼんやりしながらも「神に見捨てられ、政府に裏切られても、愛が勝つのか」と言い、少女時代の顔をしたニーデに「必ずクアトは逮捕する。誰にも言わずに来た。君を捕まえる気はない」と言います。
ニーデは「テーイの意志で散骨する」と言って骨壺を持って甲板に向かい、カールはふらついたまま脇の通路に出ますが、そこにローセから電話があり「ニーデは死んだ」と言います。
ローセは「当の昔にね」と返し「アサドがクアトの病院に行ったきり消息が途絶えた」と言い、カールは船長に警察バッチを見せ、フェリーをコペンハーゲンに戻らせます。

【結】- 特捜部Q カルテ番号64のあらすじ4

特捜部Q カルテ番号64のシーン2 アサドは銃を構えて院内を探し回りますが、制服のグノー巡査がやって来て止められます。
彼は「君の件で通報があり、ヤコブソン課長の命令で来た」と言い連れ帰ろうとしますが、アサドは院長室に気配を感じて扉を開け、睡眠薬で眠らされているヌールを発見、その場にいたクアトに銃を向け、グノーに「救急車と応援を呼べ!」と叫びます。
クアトは縫合痕のある耳を触って院長席に座り「『寒い冬』という説を知ってるかね?」と話し始めます。
それは「大昔、北の地に移り住んだ人間のうち、知能の高い強者だけが生き残り、民主主義を生み出した」と言う説でしたが、アサドは「ギリシャとイタリアで生まれた」と言い直します。
クアトは平然とそして少々すまなそうに「近年君たちのような人間が大勢押し寄せているが、君たちは自然に選ばれた者ではない。弱すぎるのだ。自然に淘汰されるべき存在だが、福祉社会のおかげで生かされてる」と語り続け、グノーに目配せをします。
グノーはアサドを撃ち、クアトは倒れて苦しむアサドを見下ろし、「我々はここでヌールの中絶手術をした。もちろん違法だが罰金程度で済む。君は異教徒が中絶手術をしたのを許せず、ここへ来て私を脅迫、激高して殺害しようとしたため、駆けつけた同僚に撃たれた。しかし救急車は間に合わず助かるようなケガで命を落とすのだ」と話し、苦悶するアサドの頬を叩きます。
グノーは、アサドに銃を握らせたまま何発か撃ち、クアトは助手とグノーに「娘を街から離れた場所に運び、自殺に見せかけて処分しろ」と命じます。
2人はヌールを非常口に運び、運び出す準備に掛かりますが、ヌールは気づいて起き上がります。

同じ頃、カールが病院に駆けつけ、強引に内部に侵入し、廊下でグノーと鉢合わせして銃を向けます。
グノーは慌てて「アサドが暴れて手に負えない」と言いますが、カールは彼の腕から流れ出た血を見て”バイクの男”だと気づいてもみ合ううち、グノーは手すりから転落し死亡します。
院長室では、クアトが心停止させる薬剤をアサドに注射しますが、ヌールが置物で殴りかかり、激高したクアトがヌールに銃を向けたところでカールに撃たれます。
カールはクアトを殴り倒し、苦悶するアサドに駆け寄り声を掛けながら、警察に救急車と応援の要請をします。
「アサド!しっかりしろ!俺を見ろ!死ぬな!!俺がいる!!!」…アサドは遠のく意識の中、必死で呼び掛けるカールを見つめていました。
アサドの手術は無事終わりますが、状態は悪く意識も戻りません。カールはトイレの個室で声を殺して泣き、その手はかつて同僚を再起不能にした事件のトラウマで、わなわなと痙攣していました。

アサドは生命監視装置付きの病室に移されますが、意識不明のままでした。カールは一時も離れず付き添い、駆けつけたローセもただじっと待つだけでした。
ニュースではヤコブソン課長が「ある医師の集団が社会的弱者の女性たちに不妊手術を行っていた。後年標的はデンマークの移民女性だった」と語る記者会見が流れ、クアトとビエーデと職員1名が逮捕され、彼らの組織”寒い冬”の解明も進んでいるようでした。
また証人としてヌールがマスコミに登場して被害を訴え、60人以上の女性から警察に連絡があり、4人の医師が逮捕されたとの続報もありました。
その頃ニーデは、荒野の家でニュースを知り、微笑んでいました。

翌日、ようやくアサドの意識が戻り、事件以来ずっと付き添っていたカールは「驚いたな。危なかった。じゃあまた、明日来るよ」とぶっきらぼうに言い、出て行こうとしますが、枕元に戻って「残って欲しい…特捜部Qに…ローセにはお前が必要だ」と言います。アサドは苦笑いで「ローセに?」と聞き返し、カールは涙ぐみながら「それと、俺にも…」と言い、今一度「残ってくれ」と頼みます。
アサドも涙ぐみ「まず、今の体調をどうにかさせてください」と笑って握手を求め、2人は固く手を握り合います。
そこにローセが現れ、喜んでアサドに抱きつき、カールに「何で知らせてくれなかったんですか?!」と文句を言います。
ほどなくしてアサドは特捜部Qに復帰し、カールは以前気になったバーの窓辺にいた女性に、意を決して声を掛けます。

『質の劣る者は出産を禁ずる』―K・K・スタインケ
『質の劣る者とは、精神障碍者、反社会的人間、性的倒錯者、依存症者などである』―JH・ルーンバック医師
―1934年から1967年までに1万1000人以上の女性が強制不妊手術を受けた―

みんなの感想

ライターの感想

女子収容所での事実を知った原作者ユッシ・エーズラ・オールスンが衝撃を受けて執筆したという、選民思想の悲劇を題材にした1本です。
現代でも女性差別論争は絶えませんが、本作はそれ以前の女性差別、作中でもローセが昔父親に「時代が時代ならスプロー島送りだ」と言われたとムカついているくらい近年の話だし、一方アサドを始めイスラム教では未婚女性の妊娠はご法度、女性においては死刑もありうる重罪なのだとか。
かつての日本にも同様の考えがあり、妊娠出産においての自由が認められたのはごく最近である事も、忘れてはならない事だと思います。
ちなみにクアト・ヴァズ医師を演じたのは実の親子の俳優さんのようで、どちらもゾッとする異常性を秘めた名演でした。また特捜部Qにいた猫は「キジ殺し」の冒頭で殺害されたヤーアンスン元警部の飼い猫で、名前はキャット(命名はカール)。小柄なローセの大活躍にも驚きましたが、なににつけ名コンビ=カールとアサドが元のサヤに納まってホッとしました。

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