「特捜部Q キジ殺し」のネタバレあらすじ動画と結末

特捜部Q キジ殺しの紹介:ノルウェーの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンのサスペンス小説「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。3名チームとなった特捜部Qに、20年前に結審済みのレイプ殺人事件を再捜査してくれと訴え元警部が自殺を遂げる。名コンビカールとアサドが森に佇む名門寄宿学校を舞台にした連続暴行殺人事件の謎を追う2014年公開のクライム・サスペンス。監督はミケル・ノルゴート、脚本は「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル。

あらすじ動画

特捜部Q キジ殺しの主な出演者

カール・マーク(ニコライ・リー・コス)、アサド(ファレス・ファレス)、ディトリウ・プラム(ピルウ・アスベック/少年時代:マルコ・リソー)、キアステン/キミー(ダニカ・クルチッチ/少女時代:サラ=ソフィー・ブースニーナ)、ウルレク・デュブル(ダーヴィッド・デンシック)、ディトリゥの妻テルマ(ベアテ・ビレ)、フィン・オールベク(ピーター・クリストファーセン)、ビャーネ(アダム・アイルド・ロウェーダー)、特捜部Qの秘書ローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)、マークス・ヤコブソン課長(ソーレン・ピルマーク)など。

特捜部Q キジ殺しのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①武骨だが天才的な勘を持つ刑事カールと常識的で前向きなアラブ人刑事アサドに、新たに秘書ローセが加わった特捜部Q。ある晩カールの前にやつれた初老の男が現れ、20年前に結審済みの双子レイプ殺人事件の再捜査を依頼し自殺を遂げる。彼は被害者の父親の元警部で、特捜部に独自の調査資料を託した。②事件は20年前に双子の兄妹がレイプ・殺害された事件で、直後に地元の不良ビャーネが自首し、富裕層専門の弁護士クルムによって3年で出所し結審済みだが不審点も多い。③当時、現場近くの名門寄宿学校周辺では、暴行・レイプ事件が頻発しており、財閥の子息でホテル王となったディトリゥとその腹心ウルレク、当時ディトリゥの恋人だったが行方知れずの資産家令嬢キアステン(キミー)、自首したビャーネの犯行であることが浮き彫りになり、双子殺害事件はそのうちの一件であった。④それらの暴行事件は、主犯のディトリゥの金と暴力、クルム弁護士始め同校出身の要人の助力で隠蔽され、現在も継続している事が明らかとなるが、物的証拠が無くキミーの証言頼りとなる。⑤一方キミーは、ディトリゥの子を妊娠して無視され反目、双子殺人事件を通報して暴行され死産。以来ディトリゥに怯える放浪生活を送っていた。⑥事件の真相を知るキミーを巡って、ホテル王ディトリゥと特捜部Qの攻防が繰り広げられる。

【起】- 特捜部Q キジ殺しのあらすじ1

どしゃ降りの木曜の夜。コペンハーゲン警察署では”ミレーデ失踪事件”解決の祝賀パーティーが行われ、特捜部Qの設立者ヤコブソン課長が壇上で挨拶しています。
特捜部Qとは、未解決の事件を再捜査し解決する新設部署ですが、当初は、捜査に失敗し同僚を再起不能に追いやった、武骨で無口な厄介者カール・マーク警部補のための窓際部署で、相棒となったアサドは、それまで倉庫でスタンプ押しをさせられていたアラブ人刑事です。
しかし彼らは、卓越した勘と捨て身の捜査、絶妙なコンビネーションで事件を解決し認められたのです。しかし警官たちには相変わらず”酔払いとアラブ人”と陰口を言われていて、ムカついたアサドは、特捜部にこもって躍起になるカールを、新しい秘書に会って欲しいとパーティーに連れ出します。それはカールが、特捜部に常駐し連絡や資料整理する人材が必要だと課長に要望した事でした。
しかしカールは、若い気さくな秘書ローセに武骨な会釈をしただけで、結局他の誰とも話せず早々に退散、中庭の通路で切羽詰まった感じの初老の男に呼び止められます。

男は彼を新聞で知ったと言い、「私の手紙は受け取ったか?」「明日は日曜だ」と口走り、いきなり彼の胸ぐらを掴んで「再捜査してくれ!」と迫ります。カールは男を振り払い「時間が出来たら見ます。今日は無理だ」と言い、帰ってしまいます。
深夜、ソファで寝ていたカールは、息子のイェスパに携帯が鳴ってると起こされます。それは通路で会った男が自殺したという知らせでした。
男は浴槽で手首を切って自殺しており、部屋にはカール宛ての荷物があって、部屋に貼ってあったと思しき写真や新聞の切り抜きと仲良さげな双子の兄妹の写真が入っていて、男の猫が見知らぬ訪問者に怯えていました。
カールは男の遺品と猫を特捜部に持ち帰り、猫はカールが”キャット”と名付け特捜部で面倒を見ることに。

男は、ヤーアンスン元警部。彼の子で双子の兄妹トーマスとマリーが殺害されたレイプ殺害事件を機に90年代に退職、犯人のビャーネ・トゥーヤンスンは直後に自首し5年の実刑を受けますが、富豪専門の弁護士ベント・クルムによって”一時的な精神障害”と認められ3年で出所し、解決しています。
しかしヤーアンスン元警部はその結果に納得できず、退職後独自に捜査し、昨夜カールと会った2時間後に自殺を遂げたのです。しかしながら彼の資料は満月や日曜に執着した意味不明のメモも多く、精神病とも言われていました。
カールは「私は彼の訴えを無視したんだ。捜査する義務がある」とアサドを説得、次の捜査はその事件に決まります。
2人は早速捜査に出掛け、デスクにはヤーアンスンの遺品から出て来た、名門寄宿学校の集合写真が置いてあり、美しくキツイ目をした女生徒に、赤い丸が付けられています。

20年前。静かな森に佇む富豪の子女が集まる名門寄宿学校に、写真で赤丸が付けられていた美しい少女が転入してきます。少女は女生徒たちを無視して喫煙し、間もなくハンサムな財閥の子息ディトリウ・プラムの遊び仲間に加わります。
彼の遊び仲間は暗い眼をしたウルレク・デュブルと地元の不良ビャーネです。彼らは夕方学校を抜け出し、近くの湖でビャーネが持ち込んだ麻薬を楽しむのです。

貧乏人の息子だったビャーネは、現在立派な家に住み高級車を所有し、訪ねて来た特捜部の2人に「16歳の時の事件で刑期も終えた。また同じ質問をするのか」とこぼします。
カールは「2人のレイプ殺人で、刑期がたった3年とは妙だ」と言い「事件当時、父親は失業中、母親は専業主婦で、富豪専門のクルム弁護士の高額な弁護費用が払えるとは思えないが」と聞きますが、「弁護費用は親が家を担保にして工面した。今の暮らしは出所後の株式ブームで儲けた金だ」と言われます。
調査の結果証言の裏は取れますが、事件当時薬物で酩酊状態だったビャーネが、正常な2人を殺害しえたのかという疑問が残ります。
その頃、ディトリウは海辺の瀟洒な邸宅の前の埠頭で、首にタトゥのある手下オールベクから、美人妻テルマの浮気調査の報告を受けていました。浮気相手は市の報道官フランク・ヘルモンです。そこにビャーネから刑事が聞き込みに来たと連絡が入ります。

一方署では、ローセがヤーアンスンの資料を整理し壁に貼り出していました。
彼女はムッとするカールを無視して「判決に納得できなかったヤーアンスンは、関連すると思われる2つの事件を独自に調査し始めた事で退職に追い込まれ、精神科に送られた。以来、満月と日曜に異常に拘るようになった」と話します。
また、遺品の中には”キアステンからの緊急通報”とメモが付いた電話ボックスの写真があり、ローセは「調査によれば、双子殺人の1時間後、7キロ離れた電話ボックスから通報があった。通報者は多分、写真の赤丸の女性キアステン・マリーイ・ラスン(=キミー)」だと言い、写真をカールに渡します。それは事件調書には無い事でした。

ディトリウはテルマに(浮気当日の)土曜はどうしてた?と聞きますが、友人のリッケとショッピングに行ったと言われます。
彼はウルレクを呼び、レストランの前でフランク・ヘルモンを待ち伏せする間「ヤーアンスンが自殺し、ビャーネから警察が嗅ぎまわってると聞いたが、彼の妄想かも」と話します。
2人は目出し帽をかぶり、店から出て来たフランクを襲撃、ウルレクは血まみれで瀕死状態のフランクから腕時計を奪い逃げ去ります。ディトリウは麻薬でハイになり、奇声を挙げてハイウェイを暴走、ウルレクは助手席で暗い笑みを浮かべていました。

カールは署の資料室から1994年6月12日の緊急通報のテープを借りて自宅に戻り、イェスパと久しぶりに普通の会話をして、明後日の晩、食事を作ると約束します。
通報はすすり泣きから始まり「彼らは惨めな天使なの…空の断片が落ちて目に入る…」と言い、名前を聞かれて「キア…」「実は…」と言いかけ「2人とも死んでます」「お願い、助けて!彼のキスで引き裂かれる」と泣き、途切れるものでした。

その頃キミーは、唯一の友人売春婦のティーネと話す以外は大事そうに抱えたバックに話しかけ、ディトリゥの幻覚に怯え、浮浪者のように暮らしていました。
キミーの継母は富豪で、2人の前で「娘は夫の連れ子で、来客を誘惑したり酒を持ち出すような子だったため、夫が死んですぐ寄宿学校に入れた」と開き直り、「先週留守中に戻ったようだが会ってない」「2日後、彼女の口座が空になっていたため、海外に行ったと思った」「友人や恋人は知らないが、学校から物理の先生にレイプされたと聞いた」と話します。
その教師クラウスはその後公立小学校の教師となり「雨の夜、突然訪ねて来たキアステンに誘惑され関係したが、直後に彼女が狂乱し、強姦で告訴された」「”フェンスマーク森のレイプ事件”でも告訴されたが、スキャンダルを怖れた学校側からの指示で、彼女は告訴を取り下げ、私は解雇を受け入れた」と言い、理由は全く分からないと声を震わせます。

ウルレクの広大な屋敷では、狩猟好きの富豪が集まりディトリゥ主宰の狩猟会が行われています。賞品はプロヴァンスのコテージ、獲物はシマウマの仔馬です。
皆が猟場に向かう中、ディトリゥとウルレクはクルム弁護士に引き留められます。クルムは「警察がキアステンの捜査を始め、特捜部はビャーネの金の出所を探ってるようだ。警察の越権行為だが、私はビャーネの元弁護人だから告訴できない」と打ち明け去って行きます。2人は困惑しますが、ディトリゥはオールベクを使うと言い、ウルレクもケリをつけようと同意します。
一方キミーは、街中で浮浪者に声を掛けるタトゥの男(オールベク)に気づき物陰に隠れます。男は彼女の学生時代の写真を配り行方を捜しているようでした。
彼女は怯えながらねぐらにしている操車場の貨車に戻り、ディトリゥの幻に「つきまとわないで!」と怒鳴り、泣き出します。

”フェンスマーク森のレイプ事件”とは、1994年5月15日、布を被せられてレイプされた被害女性が男女の声を聞き、失神して全裸のまま放置された事件で、犯行現場は件の寄宿学校から歩いてすぐの森の中でした。
2人は校舎を眺めながら、アサドは「金持ちが、厄介な子供を送る学校だ」と言い、カールは「授業が無いのは日曜だけ、ヤーアンスンが日曜に拘った理由はそこだ」と話します。
彼らが寄宿学校にいた1993~96年の間、学校周辺では暴行・レイプ事件が頻発していて、全て日曜に発生し、男性は半殺しにされ、女性は皆レイプされていました。
またローセは卒業生から、キミーがディトリゥと付き合っていたという情報を得ます。ディトリウ・プラムは現在ホテル王と呼ばれ、病院や会社を複数所有しオリンピックの出資者でもある経済界の大物でした。またウルレクの名は出ますが、ビャーネの名は出て来ませんでした。

【承】- 特捜部Q キジ殺しのあらすじ2

その頃ディトリゥは、重傷で入院中のフランクの病室に行き、「この病院には私の病院のスタッフもいる」「誰にやられたかデマを流しているそうだな」と脅迫し「君を顧問にして今後6年間大金を振り込んでやるから俺の事は忘れろ。テルマの事もな」と言い承諾させます。後にフランクは「移民に襲撃された」と公式発表し記事になります。
ディトリゥが帰宅するとカールとアサドが来ていて、テルマも同席しますが、アサドがコーヒーを頼んでキッチンにやり、優しい会話と笑顔で懐柔します。
ディトリゥは、矢継ぎ早に質問するカールに穏やかに対応し、キミーの事は「”異常”だった。気性が激しくよく泥酔して嫉妬深かったので、すぐに別れてその後は会ってない」、ビャーネの事は「昔一緒に大麻をやった事があるだけ。双子殺人事件は噂で聞いてゾッとした」と話し、壁にあった狩猟会の写真の、彼とクルムとウルレクの3人で撮った写真も指摘されますが「クルムは信頼する弁護士だ」と言い「よく調べたね、感心する」と言われ帰されます。

2人はアサドの馴染みのカフェに寄り、ローセからの「数週間前、中央駅でキミーを見た」いう報せを聞きます。
カールは一度自宅に戻り、イェスパの「クソな食事をありがとう」というメモを見て約束を思い出し、ドアの前で迷いますが声は掛けられませんでした。
アサドは中央駅で聞き込みをし、キミーをタトゥの男(オールベク)が探してた事、ティーネという友人がいる事を掴みます。カールは「再捜査が始まると同時に動き出した何者かがいる、捜査情報が漏れているのでは?」と疑います。
その頃、オールベクはティーネに麻薬を与えてキミーの居場所を聞き出し、キミーの貨車のねぐらに潜み襲い掛かります。彼女は酒瓶で殴って逃げ出し、ティーネの家に逃げ込みますが、枕元の麻薬の小袋と男が配っていた写真を見て事態に気づきます。
ティーネは麻薬の多量摂取で朦朧とし「…あんたを助けたくて…(男は)古い友人だと言ってた、…親切だった…寒いわ…」と言い、間もなく息を引き取ります。
キミーは、ただ涙を流し、あの頃の事を思い出します。

ディトリゥとの甘やかで危険な恋。彼は父親のライフルを持ちだし、キミーと睦み合っているところを風紀委員に見られ、ウルレクと2人で風紀委員を待ち伏せして暴行し、口止めします。ディトリゥが唯一恐れていたのは、父親に成績を含め自分の悪事が露呈する事でした。
しかし、そこにやってきたキミーは、止めるどころか、苦痛に呻く風紀委員の腹をさらに蹴り上げニヤついたのです。ディトリゥとキミーが残忍な性癖を共有した瞬間でした。

その時、家の扉がノックされ、彼女は見知らぬ2人の男=カールとアサドを見て逃げ出します。
カールはアサドが止めるのも聞かず彼女を追い、ゴミ置き場の行き止まりに追いつめますが、キミーは太い鉄パイプを構えて怯えていました。
カールはピストルを置きなだめながら近づきますが、キミーは「誰の命令?!殺す気でしょ!」と叫んで、フルスイングでカールのこめかみを殴り「警察だ」と言っても殴り続けます。
しかし「トーマスとマリー…通報したのは君だろ?」と言われて初めて手を止め「構わないで!」と叫んで逃げ去ります。

キミーのねぐらには大規模な捜査が入り、顔中血まみれのカールとアサドは、課長に事件を説明し「キミーは双子殺害事件の目撃者で、殺されるかもしれない」と訴えますが、カールは言葉足らずで、アサドは「あなたはキミーに殺されそうになったのになぜ?」と案じます。
また、証拠も精神病とされたヤーアンスンの資料と通報者不明のテープだけ、手掛かりはキミーと死んだティーネだけで説得力もありません。また容疑者の名前を聞いた課長は「ホテル王のディトリゥ・プラムだと?」顔色を変えます。
また、キミーのバックからは嬰児のミイラが発見され、カールは「ローセに赤ん坊を調べさせろ!」と言い、気を失います。
ディトリウはオールベクを解雇し、車にいたウルレクに「キミーは隠れてるがもう出てこない。警察が勝手に探せばいい。20年前から備えてた」と言います。
カールはアサドに付き添われて入院し、ローセが駆けつけます。
ローセは「こんな破壊的な人、他にいない。ついて行けないわ」と辞職をほのめかし、アサドに引き留められます。彼女に「よく耐えてるね」と言われたアサドは「彼には俺しかいないから」と返します。彼女はアサドに1994年の病院の記録を渡して帰ります。

キミーはプールでシャワーを浴びながら、昔を思い出します。
その日、ディトリゥは不機嫌で「物理の単位がヤバいから、先公のクラウスをレイプ事件で追い出したい」と言い出します。それは彼女に被害者になれという意味で、キミーは彼の機嫌を損ねるのを恐れ引き受けます。彼はうまくやり遂げた彼女を”プリンセス”と呼び抱きしめますが、キミーの心は冷ややかでした。
彼らはいつも一緒で、始めはキミーに誘惑され近づいた男を3人が叩きのめすゲームのようなものでしたが、間もなくキミーも暴行に加わるようになり、4人で相手構わず襲撃する暴力事件へと発展しますが、一方で彼女はディトリゥの子を宿している事に気づいたのです。
彼女は、更衣室で髪を上げて何かを決意し、学生時代の写真を捨てます。

病院の記録には「1994年6月16日 若い女が見だらけで来院、レイプ被害を受けた模様。犯人の名は言わなかった。女性は妊娠4か月、胎児は死亡。中絶の準備中、姿を消し身元は不明」とありました。それは双子殺害事件の4日後で、女性はキミーだと思われました。
カールは急ぎ捜査に戻ろうとしますが、アサドに、課長に安全運転キャンペーンを理由に捜索の応援要請を却下されたと言われ、ネットのある写真を見せられます。
カールとアサドは署に戻り、課長にネットの写真を見せます。それはあの寄宿学校の1981年度の集合写真で、若き日の市警本部長が映っています。
カールは「市警本部長とディトリゥはあの学校の卒業生であり、同じ経営者団体の会員で、ウルレクは狩猟仲間、あの学校の同窓生は結束が固く助け合う。本部長は特捜部を監視し、事件より交通安全を優先せよと指示したのでは?」と聞くと、そばにいたビャアン副課長に「本部長に捜査ファイルを見たいと言われ見せた」と言われます。彼らの動きは市警本部長経由でディトリゥに漏れていたのです。
課長は頭を抱え「キャンペーンは中止だ。車5台と警官10名を使ってキミーを追え」と許可します。
しかし車で出た途端、アサドはカールを自宅に送ると言い「あの女は双子殺害事件の共犯だったんだ!その上あなたを殺そうとした!」と怒ります。しかしカールは彼女に同情的で「キミーは通報者だぞ。家族も赤ん坊も無くしたんだ!消させない」と怒り暴れます。
そこに「キミーをプールで目撃した」との連絡が入り駆けつけますが、キミーは消えた後でした。

その頃彼女は、ブロンドのウィッグとドレスと化粧で別人となり、バーで飲んでいたオールベクを誘い、彼の部屋に行きますが、正体に気づいていた彼に殴られ、銃を向けられます。
彼女はペンで彼の太腿を刺して反撃、銃を奪って突きつけ「ティーネを殺した」と言って蹴り上げ、ベランダの柵の外側に立たせ、雇い主がディトリゥだと吐かせたところで銃を彼の額に当て「行って!」と命じます。
オールベクはわずかに反撃しますが、バランスを崩し落下します。

【転】- 特捜部Q キジ殺しのあらすじ3

オールベクの落下事故は騒ぎとなり、カールとアサドも駆けつけます。男の名はフィン・オールベク、首にタトゥがあり、元兵士で警備会社の経営者でした。
現場の刑事は「女の声がしたらしい、突き落とされたんだな」といい、オールベクのパソコンから見つかったテルマとフランクの浮気現場の画像を見せます。オールベクの携帯はキミーが持ち去り、GPSの追跡でディトリゥ邸に向かっている事が判明します。

その頃キミーは、すでにディトリウ邸の庭に潜み、テルマと幼い息子との楽しそうな食事の光景を見ていました。間もなくディトリゥに電話が入り、彼だけがテラスに出たため、撃とうとしますが出来ませんでした。彼女は間もなくパトカーのサイレンを聞き逃げますが、警官に銃を向けられ捕まります。
駆けつけたカールは、呆然とする彼女に「無事か?もう大丈夫だ、安全だよ」と声を掛けパトカーに乗せますが、大勢警官らがいる邸内に取って返し、彼に「常に前進する主義だと?善悪を問わず何でもやるのか!彼女の身柄は確保した!聴取するぞ!終わりだ!観念しろ!」と突き飛ばし怒鳴ります。ディトリゥは、黙って薄ら笑いを浮かべただけでした。

しかし特捜部に戻ったカールを待っていたのは、暗い顔をしたアサドと課長、ローセの3人でした。ディトリゥが、20年の間送られ続けたキミーからの破壊的暴力的なラヴレターを証拠として提出したのです。
「あなたの血が飲みたい」「引き裂きたい」「ドライバーで目を刺したい」…それは彼女の筆跡で、彼女の狂気を証明する確たる証拠となる物でした。
つまり、彼女が精神病患者とされれば証言は無効で起訴できず、ディトリゥとオールベクには正当な雇用関係があるため違法性も問えません。逆にキミーだけが、唯一物証(オールベクと揉み合った時の指紋や毛髪)のあるオールベク殺害事件の容疑者として起訴され、ディトリゥのお抱え弁護士クルムによって、精神病院に送られる(ディトリゥの手下には病院スタッフもいるため消される可能性大)というのです。カールは激怒しますがすぐに落ち着き、キミーに会いに行きます。

キミーは薄汚れた牢屋に座り、彼を見ても無言で目を逸らしただけでした。
カールは彼女の前に座り、「人を信じないんだね。俺も同じだ」「この仕事では、ウソや窃盗や汚らしい秘密ばかり目にする」「微笑んで幸せそうな人を見ていれば”自分もきっといつかそうなれる”と思うんだろうが…(汚いモノばかり見ている自分はそうは思えない)」と話し、煙草に火をつけ、残りをキミーに投げてやります。
「薬を飲んで楽になりたいと思う朝もあるが、俺はやらない」「君たちのためだ」「君のような人が俺を必要とする」…「俺がこだわるのは、君たちの更生だ」「逃げなくていい」…
彼は、ようやく顔を上げ彼を見たキミーに「赤ん坊はディトリゥとの子だね?」と聞き、彼女は小さく頷き、涙ぐみます。
「君をここから出す。だから協力を…ディトリゥたちは犯罪者だ。それを立証したい」
彼女は少し考え「ウルレクには収集癖がある。犠牲者の宝石や服、髪の毛…それを抱いて寝てる」と打ち明けます。カールは「OK」と立ち上がり「明日の朝には裁判がある。俺が送るよ」と約束します。

カールは表で待っていたアサドにウルレク邸に侵入すると言い、猛反対されますが「礼状より捜索が先だ。一緒に来るだろ?…いやなら来るな」と悪戯っぽい笑みを浮かべる彼にしぶしぶ付き合う事に。「何か具体策があるんですか?」「…(ノープランだ)」
アサドはおもむろにどこかに電話をしますが、相手がだれかとしつこく聞かれ「あなたに協力するんですよ!」と言い返します。
アサドは1人でテルマに会い、車の中でディトリゥたちが殺害した犠牲者の写真を見せ、全てを打ち明けます。テルマは泣きながら「協力したら夫にバレる」と言いますが、「ウルレクは孤独で、仕事以外は家に引きこもってる」「ウルレクには弱点がある…私よ」と打ち明けます。彼女は、長年、夫の目を盗みウルレクと密通していたのです。
自宅に戻った彼女はウルレクを呼び出し、ディトリウにはリッケと会うと言って出掛けます。ウルレクは、彼の愛玩物でもある黒人の若いメイドに見送られ出掛けます。
カールとアサドは、ウルレクが出て行ったのを確認して屋敷に侵入しますが、カールがドアのガラスを割ってカギを開けたため、防犯センサーが働き、警備会社からウルレクに電話が入ります。
彼らが侵入したのは東棟で、ウルレクは「あの棟は賃貸だから」と警備会社の出動を断わり、テルマとベッドに向かいます。

東棟はウルレクの獲物の保存用の建物で、1階は熊や鹿など大型動物の剥製で埋め尽くされ、2階は無数の小さな居室が並んでいます。
2人は次々と部屋を調べて行きますが、その1室で寝ていたメイドが目を覚ましてフランス語で叫び出します。アサドはフランス語で「警察です」と話して落ち着かせ、カールの質問を通訳し「ウルレクしか入れない部屋はあるか?」と訊ねます。
その部屋は3階にありSMのプレイルームでした。2人は隅々を探して隠し金庫を発見、中にはマリーのペンダントやフランクの腕時計などの”戦利品”が入っていました。
その頃、コトを済ませたウルレクは、ようやくディトリゥに「警察が家に来てる」と連絡し車を飛ばしていました。
カールとアサドは誰かが帰宅した物音を聞き、慌てて”戦利品”を袋に詰め逃げ出しますが、広大な庭を逃げる途中、狩猟用の麻酔銃で撃たれ気を失います。

【結】- 特捜部Q キジ殺しのあらすじ4

双子殺害事件の直前、キミーはディトリゥに妊娠を打ち明けていました。胎児はすでに4ヵ月で、キミーは嬉しそうに「触る?」と聞きますが、彼は汚物でも見るように顔を顰めただけでした。
そこへ「トーマスとマリーの双子が留守番だそうだ」と知らせが入り、ディトリゥは愕然とするキミーを無視して誘い、一緒に出掛けて行ったのです。
犯行現場には、覆面を被ったディトリゥとウルレク、キミーとヴィーネがいましたが、キミーは当然のようにマリーを犯そうとするディトリゥに眉を顰め、トーマスに馬乗りになって殴っていたウルレクは、覆面を剥がされ顔を見られます。
3人は見やがったな!と笑い、ウルレクはディトリゥの指示でトーマスをナイフで惨殺、キミーは逃げ出し公衆電話から通報したのです。
その時、ディトリゥが追ってきたため、彼女は途中で受話器を投げ出し「もう2度と会わない!」と叫んで、義母の屋敷に逃げ帰ったのです。
しかしその4日後、彼女の家にディトリゥとウルレクが侵入して襲われ、彼女は窓から飛び降りて逃げ、病院に駆け込みましたが、胎児は死亡し、彼女は死んだ胎児と共に逃亡生活を送る事に。

翌朝、監視官に1時間後に出廷だと起されたキミーは、カールが来てないと知り、監視官を殴り倒して脱獄します。
その頃カールは、ウルレク邸の動物小屋に閉じ込められ、猛獣の鳴き声で目を覚ましますが、麻酔のダメージに加え両腕を後ろ手に縛られていて動けず、飼育係に引きずられて行きます。
駆けつけたディトリゥは、ウルレクに、カールとアサドを泥酔させ河に投げ落とすと言いますが、ウルレクは動揺している様子です。
カールとアサドは動物の解体部屋に運ばれ、カールが漏斗で酒を飲まされたところでキミーが現れ、飼育係をハンマーで殺害、カールに酒を吐かせます。
彼女は部屋にあったライフルに弾を込め、ディトリゥを待ち伏せします。カールは何度も止めますが、やむなく床に伏せて息を詰めます。
ディトリゥは飼育係の死体と倒れている2人を見て異変に気づきますが、間もなく明かりが消されて撃たれキミーが現れます。彼は慌てて逃げ出しキミーが追いますが、外で銃声を聞いたウルレクもライフルを持って駆け出します。
2人が消えた後、気づいたアサドはロープをこすって千切りカールを救出、共に2人を追い始めます。

ディトリゥは動物の檻が積み上げられた倉庫に隠れますが、間もなくキミーにライフルで殴り倒されます。
その時、カールが飛び出し発砲しますが、上にいたウルレクに腕を撃たれ倒れます。ウルレクはディトリゥに呼びかけますが返事は無く、アサドに撃たれ死亡します。
キミーは、ディトリゥを縛ってガソリンをかけ、今にも撃ち殺しそうにしていました。そこにカールが駆けつけキミーを止め、ディトリゥは必死の形相で彼に助けを求めます。
カールは「止めるんだ。もう終わった、2人を捕まえた」「ライフルを置け、まだ間に合う」と話し掛け、キミーは一旦は銃を降ろしますが、ディトリゥに呼ばれて振り向き、泣きながら「愛してる」と呟きます。
そして彼が「プリンセス」と言った瞬間、ライフルでガソリン溜まりを撃ち火を点けます。

ディトリゥは悲鳴を上げてもがきますが、瞬く間に炎に包まれ動かなくなります。
キミーとカールは、その炎を挟んだ両側で見つめ合い、キミーはようやく安堵の表情を見せますが数歩進んで眼を閉じ、炎に包まれます。
「ダメだ!!ダメだダメだダメだーー!!」…カールはそう叫んで駆け寄ろうとしますが、「カール!もう十分です!」と叫ぶアサドに止められます。キミーは無言でくずおれ、ディトリゥの炎に呑まれて行きます。

警察はようやく事件を公表し、クルム弁護士も含め大規模な捜査が始まります。マスコミは「経済界の大物2名が死亡、クルム弁護士は共犯を疑われ調査中」と騒ぎ立てています。
特捜部では、ローセが壁に貼った資料を片付け、アサドはぼんやりと座り込んでいるカールの肩を叩きます。残ったのはヤーアンスンの飼い猫”キャット”だけです。
彼は、次の事件の資料を調べるアサドとローセに声も掛けずに帰宅し、冷蔵庫からビールを取り出し、イェスパの部屋のドアをノックします。

みんなの感想

ライターの感想

カールの中には、紙一重の狂気があるのかも。たとえば「クルージング」「狼たちの午後」のアル・パチーノ、「パピヨン」のS・マックィーンなどなど、正義ではなく信念に突き動かされ「そのためになら死んでもかまわない」と常に思い詰めているような。
カールがそこまで信じるモノとはなんなのか、反面アサドがそこまで彼につき合う理由は何なのかがますます知りたくなる1本です。
しかしながらアサドが言うように、キミーは間違いなく20年前の連続殺人の共犯者だし、そのどれをとっても殺人や暴力を楽しむ快楽殺人だった事は事実で、その点に関しては彼女の20年にわたる長い長い地獄をしてなお腑に落ちづらい事は確かかも。ディトリゥのような気のオカシイ金持ちやウルレクのような変態金持ちは火刑や銃殺では甘すぎる。
キミーを演じたダニカ・クルチッチとサラ=ソフィー・ブースニーナ(少女時代)、テルマを演じたベアテ・ビレは、どちらもエキセントリックな超絶美人だし、特捜部に加わったローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)も、キュートな面立ちに鋭い勘を供えた心強いメンバーです。
カールは相変わらず手の付けられないコミュ障wですが、その度慌てるアサドへのちょっとよっかかった感が増してるのも見逃せません。また、前作では2人に全く気が無かった課長が、ちょっと特捜部寄りになっているのも嬉しいところです。
息詰まる緊迫の119分。カールに”ついて行ける”あなたなら間違いなく楽しめるはず。

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