映画:特捜部Q Pからのメッセージ

「特捜部Q Pからのメッセージ」のネタバレあらすじと結末

特捜部Q Pからのメッセージの紹介:ノルウェーの人気作家ユッシ・エーズラ・オールスンのサスペンス小説「特捜部Q」シリーズの映画化第3弾。未解決事件のための特設部署特捜部Qが、幼い子供と思しき”P”からのボトルメールにより浮かび上がった連続誘拐事件を追う、2017年公開のクライム・サスペンス。監督は「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」のハンス・ペテル・モランド、脚本は「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセル。

あらすじ動画

特捜部Q Pからのメッセージの主な出演者

カール(ニコライ・リー・コス)、アサド(ファレス・ファレス)、ヨハネス(ポール・スヴェーレ・ハーゲン)、イーリアス(ヤコブ・ウルリク・ローマン)、その妻ラーケル(アマンダ・コリン)、ヤコブソン課長(ソーレン・ピルマーク)、ローセ(ヨハン・ルイズ・シュミット)、パスゴー(ヤーコブ・オフテブロ)、リーサ(シーネ・アナスタシア・マノフ)など。

特捜部Q Pからのメッセージのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①”P”で始まる名前の子供によって書かれたボトルメッセージが特捜部Qに届く。”P”は誘拐されていた”エホバの証人”の子供で、当時幼かったポウルとトレクヴェ兄弟と判明する。ハイティーンとなったトレクヴェは麻薬に依存しつつも存命し、犯人は幼い彼の目前でポウルを殺害して解放、事件は神罰を恐れた両親により口止めされたと証言する。②一方、”神の弟子”の信者イーリアス夫妻の幼い子供マウダリーナとセームエルが、信頼していた巡回牧師ヨハネスに誘拐される。夫妻は他言すれば殺害すると脅され捜索願いを出さなかった。しかし誘拐時の目撃情報が所轄署のリーナによって特捜部に流れ、宗教絡みの連続誘拐事件と踏んだカールとアサドはイーリアス夫妻を説得、身代金の受け渡しに警察が介入する事に。③列車での大捕物となるが、イーリアスは身代金を投げた直後に飛び下り、ヨハネスに刺されて重傷を負い、カールとアサドは目前でヨハネスを取り逃がし批難される。④ヨハネスは病院に現れ、イーリアスと追跡した刑事パスゴーを殺害、カールを拉致して逃亡する。⑤カールはヨハネスのアジトの船小屋で幼児2人と共に監禁されるが、ヨハネスはカールの目前で弟セームエルを水に沈めて殺害、マウダリーナに自分を殺して復讐を果たし悪魔の子となれと迫るが…。

【起】- 特捜部Q Pからのメッセージのあらすじ1

幼い子供2人が暗い水浸しの倉庫のような場所に閉じ込められています。その1人が紙に何かを書き古いシャンプーボトルに入れて、間もなく入って来た大人の誰か見つからないよう、床の一部の水面に沈めます。ボトルはしばらく水中の網に引っ掛かった後、砂浜に打ち上げられ誰かに拾われます。
そのボトルは、巡り巡って特捜部Qに届きます。それを届けたバクは「退役軍人が浜辺で見つけて届けたそうだ。特捜部向きの仕事だろ?」と言い「カールは?」と聞きますが、彼は前回の事件のダメージが重くヤコブソン課長に休職を命じられ不在でした。バクと共にやってきた若い刑事はパスゴー。髭面でやる気がありそうです。
アサドは「カールは明日出勤します」と言いますが、電話もずっと留守電のままです。
ボトルのメッセージは染みだらけで、文字も稚拙で読めず、研究所の分析に回します。
翌朝、アサドはカールの自宅に行き、玄関も開けっ放しでコートを着たままぼんやりしていたカールを「散歩に行きましょう」と連れ出します。アサドは、運動場で遊ぶ子供たちを何度も振り返っては立ち止まるカールを優しく促し、署に連れて行きます。

広大な菜の花畑に囲まれた一軒家に住んでいるのは、イリーアスとラーケル夫妻、寝たきりの祖父と幼い姉マウダリーナと弟セームエルの5人家族です。
洗礼式の日、年に数度訪ねてくるヨハネス神父が彼らの家に立ち寄り、農地を失ったばかりで落ち込むイリーアスを「大事なのは家族と信仰です」と慰め、「でも夫は農園で働き、私は教団の会計係だから生活に支障は無い」と微笑むラーケルには笑顔でうなづきます。
しかしマウダリーナは彼を警戒し、ラーケルは夫の目の前で襟足を撫でられ違和感を覚えます。ヨハネスはその後、暗い道に車を止め、母親に怯えた幼い頃を思い出していました。

カールは特捜部に着いても黙ったままで、メッセージを分析するアサドとローセを見つめています。
メッセージは7~8年前の物で、船のタールで書かれ、多量の血が付着していました。差出人の”P”で始まる何者かは誘拐された幼い子供で、現場は陸地に近く、「エホバが救ってくれる」という文言から”エホバの証人”の信者と思われました。
そこでようやくカールが「過去10年間で行方不明になった子供は2人。マスコミが大騒ぎだった」と言いますが、被害者は”P”が付く名でも”エホバの証人”でもありません。
メッセージからは、さらにバレルプにある道の名が判明し、2人は近郊の小学校で”エホバの証人”の子トレクヴェが宗教活動を理由に1年で中退したと聞きます。また、カールはそれが兄弟だと見抜き、トレクヴェの兄”P”で始まるポウル・ホルトの名を聞き出します。

その頃、牧草地を下校途中だったマウダリーナは、宗教的な理由で禁じられているファッション誌を読み、セームエルに言いつけてやると騒がれていました。
そこにヨハネスが車で通り掛かり、家まで送ってあげると言われます。マウダリーナは警戒しますが強引に乗せられ連れ去られるところを、通り掛かりの住民に目撃されます。
ほどなくしてイリーアスの家の電話が鳴り、ラーケルの泣き声が響きます。

ポウル・ホルトとトレクヴェは、当時バレルプで両親と共に暮らしていましたが、両親が睡眠薬の多量摂取により遺体で発見され、宗教儀式中の事故死となっていました。しかしカールは「”エホバの証人”はただ集まって話すだけで、薬は使わない」と呟きます。
兄弟の現住所の団地は、ヤク中の若者の溜まり場になっていて、トレクヴェには会えますが「手紙なんて知らない!ポウルは出ていってどこにいるかもわからない!」と怒鳴られ追い返されます。しかし間もなくトレクヴェが出てきて「手紙を見せて」と言われます。
その頃ヨハネスは、彼の愛人ミアの邸宅に現れ、”クレスチャン”と呼ばれていました。

署で事情聴取に応じたトレクヴェの告白は衝撃的なものでした。
彼ら兄弟は幼い頃誘拐され、海水で水浸しの機械音が聞こえる小屋で監禁され、犯人は、弟のトレクヴェに、兄のポウルをハサミで殺害するところを故意に見せつけ、解放したというのです。その上彼の両親は「話したらエホバに罰せられる」と事件を口止めしたそうです。
アサドは、大粒の涙を流し告白し終えたトレクヴェを抱きしめます。

その頃、イリーアスの家からほど近いビヴォー警察署には「子供が連れ去られた」との通報が入りますが、”神の弟子”教団の教区内で、親からの捜索願いも出ていないため、警察の反応は鈍いモノでした。
同じ頃、特捜部にはヤコブソン課長とビャアン副課長、バクやパスゴーが加わり、捜査範囲を検討していました。
カールは、犯人がノルウェー語でボートは使わなかったという証言から、ビーチ沿いの家か船小屋かもと言い、アサドは”機械音”を突きとめようと話します。
しかしビャアン副課長は「薬で逮捕歴のある15歳の少年(トレクヴェ)の証言を当てにするのか。捜査範囲が広大で費用がかかり過ぎだ」とごね、両親から捜索願いが出ない事も妙でした。
そこにようやくビヴォー署からの誘拐の報が届き、カールは適当な言い訳をして休暇の延長を頼み、課長はため息交じりで許可します。

スカルスに向かう途中、アサドは「”神の弟子”教団は、イエスがテキサス生まれだと信じてる、完全にイカれてる」とこぼすカールを諌めますが、「(宗教に傾倒する人間は)みんなイカレてる」と言い張る彼に「(イスラム教徒の)私もですか?」と聞き、「喫煙や同性愛のような一過性の悪習かと思ってた」と言われ意地になります。
彼は「私が信じているのは偉大なものの存在で、奇妙な行動に走る気はない。”変な考え”ではなく大勢が共有する信念です」と説明しますが、殺し合ってるじゃないかと言い返され、初めて声を荒げ「(イスラム教は)複雑なんです。賛同しろというなら無理だ、あなたが信じてるのはブラックホールでしょ」と言い返してしまいます。
カールは一瞬言葉に詰まり「なら、フライドポークのパセリソース添えを食わさん」と返しますが「笑えません」と言われます。

【承】- 特捜部Q Pからのメッセージのあらすじ2

特捜部に情報を流したのは、ビヴォー署のリーサという女性刑事でした。彼女は地域の事情に詳しく、宗教絡みの事を避けたがる警察の体質を踏まえ、外部の人間である彼らに委ねたのです。リーサは早速2人に「まだ捜索願いが出てない」といって信者名簿を渡し、聞き込みに同行します。
彼らはやがてイリーアスの家にたどり着きますが、イリーアスは「子供たちはスウェーデンの叔母の所にいる」と言い、(異教徒の)アサドを嫌い話を切り上げます。アサドとリーサは察しますが、カールはわけが解らず「やっぱりイカレてる」とこぼします。
しかし家の中では妻のラーケルが号泣し、イリーアスは彼らにバレないよう懸命になだめていました。

夜になり3人は町のバーに行き、リーサがカールに話し掛けますが捜査に夢中で上の空です。アサドは苦笑し水を向けますが、カールはうっすら事情を察しただけでした。
3人はやがて今回の事件が宗教の祝日”昇天の日”に合わせで起こり、ポウルとトレクヴェの事件が2008年の”聖霊降臨祭(ペンテコステ)”だった事から、事件がキリスト教の祝日に因んで発生していると気づき、ローセに連絡を取ります。
ローセは「2008年12月”キリストの家”の信者宅で2人の娘が行方不明になったが、両親はすぐに捜索願いを撤回、末娘以外の全員がタイに移住したという事件があった」と話し、イリーアスの件でも報告があると言います。

その頃ヨハネスはミアと睦み合っていましたが、彼女に自慰をさせて嘲笑い、その後、海上に浮かぶ水浸しの小屋に行き、マウダリーナを禁じられている雑誌を見たと責め「助けは神のみだ!祈れ!」と命じます。
それは、彼自身と姉が狂信的な母親から受けていた虐待の再現でした。

翌朝、カールとアサドは出掛けのイリーアスを引き留め、「年金積立や親の預金67万をかき集めたな。叔母の家に子供はいなかった。何をする気だ?」と迫り殴られます。
彼はアサドに止められますが「もし警察に話したとバレたら…」と言いかけたところで、泣きはらした目をしたラーケルに止められます。
カールは「前にも同じ事件があって1人が助かった」と言い、ラーケルも「子供たちのために来てくれたのよ!」と叫び、イリーアスはようやく納得し彼らを受け入れます。
夫妻は2人に子供たちの寝室を見せ、ラーケルが「(犯人は)資産額も知っていて、身代金を要求してきた。犯人はヨハネスです」と打ち明けた事で、イリーアスもようやく腹をくくり、ヨハネスが教団の伝道師と名乗り数回訪ねて来た事、一昨日食事をした事などを話します。ヨハネスは偽名と思われ、写真もありませんでした。
金の受け渡しは”夜7時15分発のハンブルク行きの列車に乗り指示を待つ”というもので「指示に反したり誰かに話したら殺す」「2人を天国に行かせない」「死ぬ前にさせる事がある」とも言われたそうです。
カールは怯えて警察を拒む夫妻にキれ「他の両親は警察に通報してない!神を信じてるからだ!だが、子供たちを見殺しにして生きて行けるのか!」と怒鳴り、アサドに止められます。
アサドはイリーアスに「あなたが決めてください。でも彼は正しい。今犯人を止めないと2人が犠牲になります」と言い、夫妻は泣きながら介入を許しますが、イリーアスはカールに「失敗したらあんたの責任だ」と言い、カールは「全力を尽くす」と応えます。

発車まで5時間半。署では早速作戦会議が行われ、ハンブルクまでの各駅に総勢25名の私服警官を配置、列車内に乗り込む3人のうち、パスゴーは乗客を装いイリーアスに付き添い、カールとアサドは車で列車と並走し、共犯者の可能性に備えヘリが出動します。
またカールは「たかが誘拐犯にそれほどまでする必要があるか?」というビャアン副課長に、「犯人は、時間を掛けて両親に近づき子供を誘拐し、7歳の子に兄の殺害現場を見せて解放してる、2008年にも同様の事件を起こし、全て宗教の祝日に行われた。目的は身代金じゃない。単なる誘拐犯ではなく”連続誘拐魔”だ」と説得し納得させます。メンバーにヨハネスの似顔絵を配られます。

ヨハネスはミア邸を出て、車で顔の崩れた少女の写真を見つめています。
研究所では、トレクヴェが根気よく音の正体を確かめようと耳を澄ませています。
ヘリはカールとアサドの車を確認し無線で連絡を入れますが、アサドがふいに「ヘリ ブラボー ウイスキー 以上」と言わないと味方だと認識できないと言い始めます。カールは憤慨しますが、しぶしぶ従った途端アサドは笑い出し、ヘリからは「鼻をへし折ってやったか」と無線が入ります。
一同は一旦教会に集まり、イリーアスの胸にマイクを装着し、ラーケルはリーサや警察と共に待機する事に。
カールは緊張した面持ちで立ち上がりますが、同僚を亡くした事件以来続いている手の震えが始まっていました。

発車直前、極度の緊張状態だったイリーアスに、パスゴーが偶然を装って話し掛け、ローセは別の警官と列車に乗り込みます。
車で待機していたアサドは、風力発電の風車を見つめながら「なぜポウルの手紙が、今、私たちの元に届いたのか、あの手紙が無ければセームエルたちの誘拐には気づかなかった」と呟きます。そして「神の力とでも言うのか」というカールに「何かの力に守られているのかも…神の声に従えばいい方向に導いてくれる」と言います。
カールはそれでも「君のように賢い男が、なぜそんな馬鹿げた事を信じるんだ」と言い「人生を神秘的なものだと考えた事は?」と言われ「無いね」と答えます。

列車は定刻にハズスティーン駅を出発。2人の車は線路に並走する道を走り出します。
車内ではパスゴーが車両内に似顔の男がいないかを確認し、イリーアスの数列前の座席に座ります。同じ車両にはローセもいて、2人はイリーアスの携帯が鳴る寸前に携帯をかけ始めたフードの男に目を付けます。
初めの指示は「一番近くのトイレに行け」というもので、フードの男はその数秒前にトイレに向かって歩き始めていました。
イリーアスは「トイレ脇のドアを開けろ」と指示され従いますが、乗客が騒ぎ始めると同時に、フードの男が無関係だと判明します。
車で並走していたカールは「犯人は列車に乗ってない!」と喚き、イリーアスが開けたドア側につけようと焦ります。

騒ぎは広がり、イリーアスは彼の質問をはぐらかすばかりの犯人に苛立ち怒鳴り始めます。
犯人は「3秒後に森だ。そこでバックを投げろ」と指示しますが、イリーアスはバックを投げた直後に飛び降り、車内は騒然となります。
カールの車はドアの反対側を走っていましたが、森に入る直前、線路に絡むように交差した踏切を突っ切り、電車の鼻面を間一髪ですり抜け森の道へと突入し、アサドは焦って怒鳴っても、カールは「神が守ってくれるんだろ?」と言ったきり全力で走り続けます。
思わぬ事態にパスゴーやローセは蒼褪め、教会ではラーケルが取り乱し、リーサがフォローしています。

イリーアスが着地したのは森の中で、彼は満身創痍で血だらけのままヨハネスの車を見つけ駆け寄ります。
しかし車内には彼も子供の姿も無く、背後に現れたヨハネスを見て「子供たちは?!」とすがった瞬間ハサミで刺されます。ヨハネスは、ハサミで彼の腹部を抉り「私が見えるか?」と呟いてハサミを抜き、車で立ち去ろうとします。
が、車の前にはカールたちが立ちはだかって発砲し、後部窓を破壊、カールが後部座席にしがみつき、ヨハネスの肩を撃ち抜いたところで振り落とされ、逃げられます。
アサドは倒れていたイリーアスを抱え「ヘリを呼んで!」と叫び、列車は大騒ぎになり、乗客たちが携帯やスマホで撮影しています。
カールはローセに電話してヘリを要請、現場に落ちていた顔の崩れた少女の写真を見つけます。写真の裏には”ベッカ”とメモがありました。

【転】- 特捜部Q Pからのメッセージのあらすじ3

病院にはマスコミが押し寄せ、乗客が撮影したイリーアスが飛び降りる動画や、誘拐された子供たちの顔写真がTVのニュース映像として流れます。
病院に駆けつけたラーケルは、ニュースを見て愕然とし「あなたは助けると約束した。けれど夫は大ケガをし、子供たちとももう会えない…あなたの責任よ」とカールを責めます。彼は何も言い返さず拳を握りしめますが、その手は小刻みに震えていました。
リーサは、待合室で一人うなだれていたカールに「あなたは最善を尽くしたわ」「私にもひどい経験をした同僚がたくさんいる。その手の震えは重傷だわ。助けが必要よ」と話します。カールは初めてその事を指摘され「どうにかしよう」と言います。
一方、ヨハネスはミア宅のバスルームで、肩の銃創を拭っていましたが、テレビに映ったカールに向かって「私を見ろ…見えるか?」と呟き、目が合った途端にニヤつき「どうかお願いします」と体を揺らしていました。そこにミアがきて事態を知りますが、振り向いた彼の目を見て怯えます。
”ベッカ”の写真は1993~1996年に撮られたもので、指紋にも該当者は無く、顔中ケロイドで眼は白濁し失明しているようでした。

待合室にいたカールの元に、本部から”子供たちの情報”に関する件だという電話が回されてきます。彼はアサドに逆探知をするよう目配せして電話を受けます。
相手は名乗りませんが明らかにヨハネスで、「神を信じるか?カール・マーク…ずいぶんバカな事をしたな」と言われ、彼は衒いなく「(神を)信じる」「(お前の)邪魔をすべきじゃなかった」と言い、子供たちを解放するよう説得しようとしますが、相手は彼の言葉を無視して「子供は2人とも死ぬ。子供たちをないがしろにしたお前のせいだ。いつか会おう」と言い、切られます。相手の背後ではひっきりなしに何かのチャイムが鳴っていました。
話しの最後、カールはどもり、終わった時には手の震えのため、携帯を落としてしまいます。

その頃、イリーアスの病室の前にはラーケルがいましたが、1人の医師がラーケルの瞳孔を見て生命維持装置のスイッチを切ってしまいます。
一方、エレベーターホールに行ったカールは、エレベーターの発着のチャイムが電話で鳴っていた事に気づき「ヤツは院内にいる!イリーアスは!」と叫びます。アサドはその場にいた刑事とパスゴーに出入口を封鎖するよう指示し、カールと共にイリーアスの病室に走ります。
イリーアスの装置を切ったのは医師に扮したヨハネスで、彼はラーケルを「イリーアスが目覚めた」と騙して呼び入れ首筋に何かの薬液を注射し、彼女は痙攣して床に倒れ込みます。
イリーアスの異常をモニターで知った看護師たちが駆けつける中、アサドはイリーアスの手を握り「(犯人は)白衣を着たヨハネスか?」と聞き、カールに携帯で知らせます。が、カールは、アサドの背後に立つヨハネスを見て「後ろにいる!」と叫び、追いかけます。
アサドはイリーアスに「神父を呼ぶか?」と言いますが、彼はアサドの頬に手を当て息絶えます。

その時非常階段にいたパスゴーは、駆け降りるヨハネスを見かけて追い掛けカールも続きます。2人は地下駐車場で合流し、二手に分かれてヨハネスを追いますが、カールは手の震えがひどくヨハネスを見失い、パスゴーの名を呼びながら下へと向かって行きます。下階では、ヨハネスが彼の声に耳を澄ませていました。
間もなくカールは地下3階で、瀕死の状態で車の助手席に座らされているパスゴーを発見し無線で知らせ、ヨハネスはその様子を背後からじっと見ていました。
方やアサドは、無線でカールを呼びながら外から駐車場に入りますが、間もなくパスゴーが乗った車が出てきます。
彼は頸動脈を切られて助手席に座らされ、アサドを見ますが、その手はハンドルに縛りつけられ、首からは血が噴き出ています。
アサドが愕然とした刹那、車は出口の合流地点で止まり、そこに別の通路から現れたトラックが突っ込みます。

その頃、ヨハネスは音楽を聞きながらオープンカーで海へと向かっていましたが、後部座席には睡眠薬で眠らされたカールが乗せられていました。
彼は、母親がいつも手にしていた裁ちバサミを思い浮かべます。
彼の狂信的な母親は、いつもそのハサミで彼ら姉弟を威嚇して服従させ、時折コップに入れたサビ取り用の酸で切っ先を洗っていました。
姉がヨハネスを庇い母親にたてついたある日、母親はその酸を姉の顔面に浴びせかけたのです。泣き叫ぶ2人の前で、母親は取り憑かれたように祈っていただけでした。

アサドは刑事たちと駐車場のモニターで、職員の車ではない白のコンバーチブルを確認、ナンバーからミアの車と判明し、リーサと共にミア宅に向かいます。
署では、トレクヴェの協力でついに”音”の再現に成功、ローセが皆に音を聞かせていました。それは風力発電機の音で、”海の近くの船小屋”と合わせ現場の特定が進められます。
ミアはすでに殺害されており、車庫にあった車からは誘拐に使ったであろうガムテープやクロロホルム、また彼が描いたと思しき顔が崩れた女性の画が見つかります。その画にもまた”ベッカ”と名前が書いてありました。それはヨハネスの姉レベッカでした。

レベッカは、顔全体にひどいケロイドのある全盲の女性で、警察手帳を触らせ「ヨハネスという弟がいますか」と聞くアサドに、「弟は製薬会社のCEOでここ数年ドイツで暮らしてる。姉思いでこの邸宅も買ってくれた。名前もヨハネスではなくトマスだ」と話します。
しかしアサドが静かな声で「私たちは今、ある誘拐犯を追っています。その男は、信心深い家族の子供を誘拐し殺害している。あなたの弟ではないですか?ドイツではなくデンマークの海沿いで暮らしているのでは?」と聞くと、ある光景を思い出し泣き出します。
それは、彼女が酸をかけられ失明した夜、手当てをしていた弟が、ふとベッドを離れ、少しして母親のうめき声がして、以来母親の脅威が消えた事でした。
アサドは、レベッカから聞き出した北海沿岸の風力発電機の船小屋を警官隊に知らせ、彼はヘリでそれらしき場所を探します。

【結】- 特捜部Q Pからのメッセージのあらすじ4

カールは、両手を後ろ手に鎖に繋がれた状態で目覚めます。
そこは洋上に建ち並ぶ風力発電機の監視用ボートのための船小屋で、ボートが乗り入れられるよう床の一部が無く、床は水浸しでした。また水際には両手を縛られ気を失ったセームエル、正面には怯えるマウダレーナとヨハネスがいました。
ヨハネスはカールの話に耳を貸さず「娘の事は忘れろ。お前と私だ。私が何か分かるか?悪魔の子だ」と嗤います。また「しかも選ばれし者は私だけではない、私は大勢の1人、いわば”彼”の兵士だ」と言うのです。
ヨハネスは「悪魔の?…サタンか?」と言うカールの問いには答えず、「一番必要な時に降りて来てくれた。弱い私を強くしてくれたのだ。以来私は”悪魔の子”になった」と打ち明けます。
彼は、焼け爛れ失明した姉の看病をしている時、隣室で寝こけていた母親に明るく声を掛け、その腹をハサミで何度も突き刺し殺害したのです。
そして「子供を生贄にして魂を捧げてるのか?」と言うカールの質問を嘲笑い、「子供らは関係ない。聖なる目的を果たしている。神を信じる信心深い連中から信仰心を奪う、神への信頼を失わせるのだ、そして」とさもおかしそうに嗤い「お前の信仰心も奪ってやる」と続けます。

カールは冷めた目で「俺は神なんか信じてない。時間の無駄だ」と言いますが、ヨハネスはセームエルを抱き上げて海に沈め、「お前は何度も人の命を救ってきた。だから信者だ。お前ほど信心深い信者はいない」と言い、もがいて暴れるセームエルの髪を掴み、何度も水に沈めます。
カールは「止めろ!まだ幼い子供だぞ!代わりに俺をやれ!」と暴れますが、彼は「幼い子供だ。なのになぜ誰も助けない?」「神に祈って私を止めさせたらどうだ?」と言い、やがてセームエルは動かなくなり、沈んでいきます。
ヨハネスは「早く引き上げろ!」と呻くカールに、「お前は今日の日を忘れない…この場にいたのに、何もできなかった…神は現れなかったんだ」と言います。
彼は言葉を失うカールの前で、マウダレーナの縄を切ってハサミを握らせ、「復讐しろ。悪魔の子になるのだ。私を刺せ」と迫りますが、マウダレーナはハサミを構える気力も無くうなだれていました。
彼が次にカールに向かって「お前は生きろ」と言ったところで、上空にヘリのプロペラ音が響きます。

署のモニター室にいた課長はアサドに、着陸して救出しろ!と叫び、ヨハネスは小屋から出て行きます。
カールはマウダリーナに鎖を外させて飛び込み、セームエルを引き上げ人工呼吸を施します。小屋の下にはいくつもの骸骨が転がっていました。
そこにアサドが駆けつけますが、ヨハネスの姿は見えません。アサドはピストルを構え、長い桟橋を戻って砂浜の草むらや水辺を探しますが、彼が膝まで海に浸かったところで、背後から現れたヨハネスにハサミで肩や胸を刺されて揉み合いになり、やがてアサドがヨハネスを水に沈め息の根を止めます。ヨハネスは憤怒の形相のまま、水に沈んでいきました。
ヨハネスの脳裏には、ベッドに横たわる血まみれの母親の遺体を鏡越しに見て、血塗れのハサミを握った瞬間が過ぎっていました。
小屋では、息を吹き返したセームエルとマウダリーナが抱き合い、それをカールが抱きしめていました。
マウダリーナの姿はまるで聖母のようでした。

ほどなくして、彼らを導いた”P”ことポウルの葬儀が執り行われ、トレクヴェの他にカールとアサド、ローセとリーサが参列し、神父の言葉に耳を傾けます。
「あなた方は皆、ポウルが与えてくれた命に感謝するのです。トレクヴェよ、生きなさい。ポウルは神と共にいます」…
オルガンに合わせて、初めに賛美歌を歌い始めたのはローセでした。カールはローセの隣で固く唇を結んだままようやく聖書を開き、武骨な声で歌い始め、間もなく涙を浮かべ泣き出します。
マウダリーナとセームエルは、生き延びた母親ラーケルの元に戻り、教団の教会の片付けをしていました。

葬儀の後、カールはアサドに改めて礼を言い、運動場で遊ぶ子供たちに目を馳せます。
彼は「子供たちを見ながら、無知な奴らだと思ってた…夢なんか持って、何もわかってない…だが、それでいい」と言い、アサドを見つめます。

みんなの感想

ライターの感想

アサドの宗教観に関する会話でカールが「フライドポークは食わさん」と返すシーンで、ようやく1話目「檻の中の女」のカフェのシーンのチキンの話が理解できました^^;カールに「こんなもの(チキンの手羽揚げ)ばかり食ってるのか」と言われても、アサドは宗教上の理由から(その近辺の店では)チキン以外の肉類がご法度だったんですね。
「檻の中の女」「キジ殺し」を経てようやくコペンハーゲン署で人権?を得た特捜部Qは、ヤコブソン課長、経費にうるさいビャアン副課長(モルテン・カークスコフ)、カールとは犬猿の仲のバク(ミハエル・ブロストラップ)、残念ながら本作限りとなってしまったパスゴーなど、様々な人物の助力が得られるようになります。原作に興味が出て”ネットの立ち読み”したのですが、カールの台詞も多く、内容もかなりいじられているような。機会があれば読んでみたいと思います。
大した手柄も無く失敗も多くトラウマの後遺症を抱える刑事としてポンコツなカールになぜこれほどの魅力があるのか、役者ニコライ・リー・コスの魅力なのか、アサド役ファレスファレスとの掛け合いなのか…今回も手の痙攣を指摘されるシーンや最後の”泣き”がたまらなかったです。とにもかくにも1作目「檻の中の女」から見て頂きたい、次作に期待させる引力だけは確かな作品だと思います。
  • ぬさんの感想

    このシリーズは初めてです、キャラ、バックボーンなにも知らない状態で見ました。
    作品のストーリーは面白いと思いましたが、病院での行動がおかしいかな、カールが「うしろだ!」と指さしたにもかかわらず、頑なに後ろを向せない演出とか、エレベーターの音でピンとくる優秀さは持っているが、犯人を逃がす事を前提とした、捜査方法、出入り口封鎖せず、駐車場出入り口封鎖せず、応援呼ばず・・最後の小屋の所もたった一人で来て外に見張りも居ない(殺人犯なのにだ)、そして最もつまらなかったのが最後の演出でうしろから襲われ、そのまま海に潜ったまま、犯人が油断(ちょっと刺しただけで死ぬわけ無いのに何故か油断する知能犯)した隙に形勢逆転、こんな機転きくならもうちょっと他の場面でも何とか出来るだろと、かなりしらけた。
    こういう矛盾な演出が好きなら、評価高いでしょうが、リアリティーがあるストーリーを期待していた私にはこれらの演出でつまらない映画になってしまいました、残念です。
    特捜部Qファンの方には申し訳ないです。
    さすがにこれだけがこんな感じかもしれないので、別の作品も見たいと思います。

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