「空気殺人〜TOXIC〜」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

サスペンス映画

空気殺人〜TOXIC〜の紹介:2022年製作の韓国映画。韓国で多くの被害者が出た加湿器殺菌剤事件を基にした、「死体が消えた夜」のキム・サンギョン主演の社会派ドラマ。息子が肺の病に倒れ、妻も同じ病気で突然他界し、疑問を抱いた夫のテフンと義妹ヨンジュは加湿器用の殺菌剤に原因があると突き止めるが……。監督は、「君に泳げ!」のチョ・ヨンソン。家族の死の真相を追及し巨大企業に立ち向かうテフンをキム・サンギョンが、テフンと共に真相を追うヨンジュを「ミッション:ポッシブル」のイ・ソンビンが、テフンの妻ギルジュを「ヨコクソン」のソ・ヨンヒが演じる。

あらすじ動画

空気殺人〜TOXIC〜の主な出演者

チョン・テフン – キム・サンギョン ハン・ヨンジュ – イ・ソンビン ソ・ウシク – ユン・ギョンホ ハン・ギルジュ – ソ・ヨンヒ

空気殺人〜TOXIC〜のネタバレあらすじ

【起】– 空気殺人〜TOXIC〜のあらすじ1

空気殺人〜TOXIC〜のシーン1

画像引用元:YouTube / 空気殺人〜TOXIC〜トレーラー映像

(原題『TOXIC』=『毒。有害』)

〝2011年に韓国で起きた事件を基に制作されました〟の文字。

韓国・ソウル。2011年3月末。

チョン・テフンは韓国大学病院に勤める外科医です。妻ハン・ギルジュと息子・ミヌと3人で暮らしています。家庭は円満ですが、仕事が激務のためなかなかミヌと接することができません。

ギルジュに呼ばれて目覚めたテフンは、警備員姿のマネキンの顔のアップを見て思わずソファから転げ落ちます。前夜に同僚のイノと飲んでしたたかに酔って持ち帰ったようですが、記憶がありませんでした。

ギルジュが用意した朝食を口にしながら、テフンは息子のミヌが体調不良だと聞きました。自分の勤務する病院へ連れて来いと言いますが、妻・ギルジュはテフンが多忙だろうと指摘して「しっかり診てくれる近くの病院に行く」と答えます。

出勤前にテフンはミヌの部屋に行くと、ベッドで横になっている息子の頭を撫でながら「悲しくなるから病気になるな。元気になったら遊園地へ行こう」と言います。ミヌがそれを聞いて喜んだので、テフンはミヌと指切りして約束しました。

大学病院の勤務は慌ただしく、昼食をゆっくりとる時間もありません。急いでランチをかきこみながら、イノはテフンに「義妹が検索ワードの1位になっていた」と教えます。

義妹とはテフンの妻・ギルジュの妹のハン・ヨンジュのことでした。ヨンジュは最高検察庁の検事をしており、正義感が強くて向こう見ずなことで有名でした。性犯罪の被疑者へ暴行を働いたことが注目されて、検索ワードランキングの1位になっていました。

最高検察庁の上司であるイム部長は怒っており、ヨンジュは雷が落ちるのを避けて隠れていました。かばってくれた同僚たちを焼き肉屋へ連れて行こうとして部長に見つかり、ヨンジュだけでなく同僚たちも叱られます。

ミヌの体調不良は悪化することなく、すぐによくなりました。治ったミヌはプール教室に行き、仲間たちとニコニコ笑いながら準備運動をします。

プールに飛び込んでクロールをしていたミヌは、泳いでいる最中に意識を失い沈みます…。

(映画タイトル)

外科手術室から出たテフンは、そのまま救急病棟へ駆け込みました。泣きそうな顔をした妻・ギルジュがミヌに付き添っています。プールで意識不明になったミヌは呼吸数が減っており、このままだと心停止に陥ると言われました。テフンも緊急手術に立ち会います。

手術のあと、テフンは暗い顔で妻のギルジュに病状を説明します。ミヌは肺が硬くなる急性間質性肺炎にかかっていました。「治療すれば治るんでしょ」と聞くギルジュに、テフンはうまく答えられません。

入院する息子のために必要なものを取りに行くと言って、ギルジュは車に乗り込みました。すぐに病院へ戻ってくると言うギルジュを、勤務中のテフンは見送ります。

翌日。

甥のミヌが病院に担ぎ込まれたことを知らない叔母のヨンジュは、テフンらの家へ遊びに来ました。いつもならドアホンを鳴らすと姉が開けてくれるのに、応答がないことをいぶかしみながら合鍵で開けて部屋に入り、倒れている姉・ギルジュを見つけます。

病院の階段を駆け下りたテフンは、つい何時間か前に話したばかりの妻・ギルジュが遺体安置室に横たえられているのを見て号泣します。息子のミヌは意識が戻らず予断を許さない状況なうえに、妻のギルジュの急逝にテフンは呆然としました。

4月2日、テフンとヨンジュはギルジュの葬儀を斎場で行ないます。ヨンジュの職場の部長らも、お悔やみに来てくれました。

斎場でテフンはヨンジュに、「1年以上肺を患っていたようだ」とギルジュのことを話しました。死んだギルジュは肺の3分の2以上が硬くなっており、その状態になるには最低でも1年はかかるだろうと専門医からテフンは聞いたのです。

それを聞いたヨンジュは異を唱えます。テフンには内緒でしたが、ヨンジュとギルジュ姉妹は5カ月前に人間ドッグの診察を受けていたのです。テフンは放射線科へ走り、ギルジュの5カ月前の肺のレントゲン写真を見ました。ギルジュの肺は綺麗でした。

テフンは斎場に連絡をして火葬を中止し、ギルジュの遺体を解剖することにします。

4月3日に解剖し肺を摘出すると、5カ月前のレントゲン写真とは比べ物にならないくらいギルジュの肺は傷んでいました。テフンはショックを受けます。

疾病管理本部に検査へ回した結果、ウイルスによるものではありませんでした。血液検査も培養検査でも、感染を疑う所見はありませんでした。但し組織検査で1つ異常がありました。気管支周辺にだけ炎症が発生しており、肺胞に大きなダメージを受けていました。つまり、何かが気管支から肺に流入したことが急性間質性肺炎の原因ということです。

妻の死因に関する会議に参加したテフンは、同じような症例を小児科のオ・ジョンハク教授が研究していたと聞きました。その教授について調べると、今年の初めに退職して故郷で別の仕事に就いていました。テフンは訪ねていきます。

ジョンハク教授は2006年10月号に、原因不明の肺疾患について医学ジャーナルに発表していました。テフンが自己紹介して息子が同じ症状にかかっていると話すと、ジョンハク教授は資料を取り出してテフンに見せてくれます。

ただの風邪にしか思えない症状で子どもが死に、ジョンハク教授は遺族に詰め寄られていました。当時ほかの病院にも似た症状で死ぬ子が多発していたのですが、疫学調査にまでこぎつけられていませんでした。「春にだけ発生する」と聞いたテフンが調べると、確かに患者の8割が春に発症していました。残り2割は発覚と発症が遅れただけで、症状は春から出ていた可能性が濃厚だと判ります。

次のページで起承転結の「承」を見る

次のページへ
1 2 3 4 5

「空気殺人〜TOXIC〜」と同じカテゴリの映画

関連記事はこちら

×