映画:第十七捕虜収容所

「第十七捕虜収容所」のネタバレあらすじと結末

サスペンス映画

第十七捕虜収容所の紹介:1953年製作のアメリカのサスペンス映画。ナチスドイツの捕虜収容所で密告者の疑いを賭けられた男の孤独な闘いをサスペンスフルに描いていく。元々はドナルド・ビーヴァンとエドモンド・トルチンスキーのブロードウェイ舞台劇で、ビリー・ワイルダー監督がウィリアム・ホールデン主演で映画化した。第26回アカデミー賞ではウィリアム・ホールデンは主演男優賞を受賞した。

あらすじ動画

第十七捕虜収容所の主な出演者

セフトン(ウィリアム・ホールデン)、ダンバー(ドン・テイラー)、シェルバッハ(オットー・プレミンジャー)、プライス(ピーター・グレイブス)、シュルツ軍曹(シグ・ルーマン)

第十七捕虜収容所のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 第十七捕虜収容所のあらすじ1

舞台は第二次世界大戦中のドイツ、ナチスの捕虜収容所。数ある捕虜収容所の一つ、第十七捕虜収容所には多くのアメリカ空軍の兵が捕らえられていました。そんなある夜のこと、第4兵舎の2名の捕虜が収容所からの脱走を実行に移しました。しかし、それは失敗に終わり、2名の捕虜は監視兵により射殺されてしまいました。

綿密な計画にもかかわらず失敗したのは、密告者がいたからではないか、と捕虜たちは思うようになり、ある男に疑惑の目を向けました。男の名前はセフトン、収容所内ではやり手の調達屋として知られていた男でした。セフトンには疑わしき点が多くありました。脱走に失敗した2名と同じ第4兵舎におり、計画を事前に知っていたこと、仲間内の賭けで脱走失敗に賭けていたこと、そして、何よりの決め手となったのは、脱走失敗直後からセフトンがナチスの将校から優遇を受け始めたことでした。皆が貧相な食事に耐える中、セフトンはナチスの将校から貴重な卵を与えられていたのです。本人はタバコ45本と交換したと言いますが、同じ兵舎に暮らす捕虜の中に信じる者はいませんでした。

脱走失敗事件が起こる以前には、セフトンは捕虜仲間に慕われていた存在でした。セフトンは商才のある男で、ネズミを使った競馬もどきの賭け事や、手作りの蒸留酒の販売など、捕虜たちの暮らしに娯楽を与えていたのです。何より捕虜たちを喜ばせたのは、通称「展望台」と呼ばれる望遠鏡でした。その望遠鏡からは、すぐ近くのロシア女性兵捕虜のシラミ駆除小屋を覗き見することができたのです。セフトンの商売は連日大盛況でしたが、第4兵舎の捕虜はセフトンにきつい態度を取り始めました。

【承】- 第十七捕虜収容所のあらすじ2

そんな中、ダンバー中尉というアメリカ空軍の将校が第4兵舎に収容されることとなりました。ダンバーは多くの仲間たちに快く受け入れられましたが、セフトンだけは敵対的な態度をとりました。セフトンはダンバーと同じ将校試験を受けたことがあり、ダンバーが合格できたのは母の財力のおかげと決めつけていました。

そんなセフトンを無視し、第4兵舎の捕虜たちはダンバーに戦況について尋ねました。すると、ダンバーは重要な作戦に参加していたことを打ち明けました。弾薬を載せたナチスの列車を爆破したというのです。この話に仲間たちは興奮しますが、一方でスパイのセフトンには十分注意を払うようダンバーに忠告するのでした。

それから間もなくのことでした。ナチスのシュルツ軍曹が抜き打ちの検査をするために第4兵舎に現れました。シュルツ軍曹は捕虜たちが隠し持っていたラジオを簡単に見つけ出し、没収して行きました。それと時を同じくして、第4兵舎の捕虜たちはセフトンがロシア女性兵の収容所に出入りする姿を目撃しました。第4兵舎のアメリカ兵たちは、これがラジオの存在を密告した見返りと決めつけ、セフトンを追及し始めました。

その最中、収容所の所長のシェルバッハが自ら第4兵舎を訪れ、ダンバーを連行して行きました。第4兵舎の捕虜たちは、セフトンが今度はダンバーを売ったと確信。その報復として、第4兵舎の捕虜たちはその夜に集団でセフトンに暴行を加えるのでした。

セフトンは命の危険を感じ始め、シュルツにスパイの正体を教えて欲しいと迫りました。その見返りとしてセフトンはこれまでに儲けたタバコやシルクのストッキングを渡そうとしますが、シュルツはその求めに応じようとはしませんでした。さらに悪いことに、セフトンはこの場面を捕虜仲間に目撃されてしまいます。兵舎の仲間はセフトンが賄賂を渡していると勘違いし、ますますセフトンへの不信感を強めていくのでした。

その後すぐ、ジュネーブの視察団が捕虜の待遇を確認するために第十七捕虜収容所を訪れ、第4兵舎の中に入って来ました。視察官が待遇に関する苦情の聞き取りをしていると、ある兵士がダンバーの不当連行を訴え出ました。ただちに視察官が調査にあたると、ダンバーは不眠不休でシェルバッハから尋問を受けていたことが判明しました。視察官は、物的証拠がないにもかかわらず過酷な取り調べを行うのはジュネーブ条約違反だと指摘。シェルバッハは早急に物的証拠を見つけるよう第4兵舎に潜むスパイに指令を送りました。

【転】- 第十七捕虜収容所のあらすじ3

同じ頃、第4兵舎はクリスマスが近づき、陽気なムードになっていました。捕虜仲間たちが蓄音機から流れる「ジョニーが凱旋するとき」に合わせて踊る中、セフトンは一人ベッドに横になり壁を見つめていました。すると、セフトンはふとある違和感に気づきました。セフトンの後方には天井からワイヤーで吊るされている電灯がありましたが、その電灯の影がゆったりと揺れていたのです。風が吹いてもいないのになぜ電灯が揺れているのか…疑問に感じたセフトンはこの電灯に注意を払うようになりました。

そして、それからすぐのクリスマスの夜、先日までとは異なり電灯を吊るすワイヤーが結ばれ、ループができていることにセフトンは気づきました。その直後のことでした。空襲警報が鳴り、捕虜たちはただちに防空壕に移動するよう指示されました。第4兵舎の捕虜たちはただちに出て行きましたが、その中でただ一人プライスという名の若い捕虜が兵舎の中に残り、シュルツと密談を始めました。二人は捕虜たちが全員出て行ったと安心しきっていましたが、実は物陰にセフトンが潜んでいました。プライスが流暢なドイツ語でシュルツと会話する様子を見て、セフトンはスパイの正体がプライスであることに気づきました。二人は電灯の下にあるチェス盤のクイーンの駒の中に手紙を隠し、連絡を取り合っているようでした。事前にダンバーの側近の捕虜から時限爆弾の仕組みの詳細について聞き出していたプライスは、得意げにシュルツにその概要を説明し出しました。シュルツは「そうだったのか」と感心し、ダンバーを連行するための証拠を得たことに満足した様子でした。二人が密談を終え兵舎を出ていくと、セフトンはシュルツの真似をしてドイツ語で「そうだったのか」と独り言を呟きました。

その後、セフトンはどうやってプライスの正体を暴くべきか頭を悩ませていました。そんな中、捕虜たちの間で暴動計画が持ち上がりました。このとき、ダンバーが親衛隊に引き渡されることが決まっており、暴動はそれを阻止することが目的でした。プライスはシュルツの気を引く役目を申し出ますが、そこにセフトンは口を挟み、自分の監視役にプライスを指名しました。捕虜たちはセフトンの言葉に納得し、プライスに兵舎の中でセフトンを見張るよう指示するのでした。

【結】- 第十七捕虜収容所のあらすじ4

セフトンがプライスの密告をひそかに阻止したおかげで、捕虜たちの暴動は成功、ダンバーは収容所内の貯水タンクに身を隠し、脱出の時を待っていました。その夜、第4兵舎内ではダンバーを外に連れ出すための作戦会議が行われていました。プライスが自らその大役を担いたいと申し出ると、他の捕虜たちは満場一致でプライスを支持しました。

そこに突然セフトンが横槍を入れ、プライスに真珠湾攻撃の時刻を尋ねました。夕方の6時と即座に答えたプライスでしたが、その答えは正確ではありませんでした。プライスが答えたのは、ベルリン時間だったのです。セフトンは捕虜仲間たちにシュルツとの連絡方法を説明し、緊急のときは昨夜のように偽の緊急警報を鳴らし、シュルツと密談する場を設けていることを明かしました。

セフトンの話を聞いた捕虜たちは、すぐにプライスを取り押さえました。セフトンは続けてダンバー救出計画に名乗りを上げ、作戦の一部変更を提案しました。それは、プライスを兵舎から放り出し、監視兵の注目がプライスに集中している間にダンバーを救出し、収容所の外に逃げる、というものでした。捕虜仲間はこの作戦に全面的に賛同し、セフトンにワイヤーカッターを託しました。

セフトンはすぐに出発し、兵舎の床下の隠し通路を通り貯水タンクに向かいました。セフトンが貯水タンクにたどり着いたとき、ダンバーはひどく衰弱していましたが、セフトンは陽気な口調でダンバーを励ましました。セフトンはダンバーの凍えた体をさすりながら、プライスが放り出されるときを待ちました。

捕虜仲間はセフトンが指定した時間通りにプライスを外に放り出しました。セフトンたちはそのタイミングで走り出し、収容所の柵のワイヤーをカッターで切り、収容所脱出を成功させました。一方、プライスはドイツ語で助けを訴えましたが、監視兵から何発もの銃弾を浴び、その場に倒れ込みました。

同じ頃、第4兵舎では「あの野郎、やりやがった」と捕虜仲間がセフトンたちの脱出成功に沸いていました。その内の一人は「ジョニーが凱旋するとき」のメロディーを口笛で奏で、セフトンの脱出を讃えるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

前半は才気あふれる男、後半は命がけの勝負に出る男と、主演のウィリアム・ホールデンが見事に表情を使い分けているのが印象的でした。主人公のセリフも魅力的で、スパイの正体がわかったときにナチスの軍曹の口真似をして語る主人公のドイツ語がとても素敵でした。また、シリアスな物語と並行して描かれる捕虜たちのコミカルな暮らしが地味におもしろかったです。

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