映画:義兄弟(2010年韓国)

「義兄弟(2010年韓国)」のネタバレあらすじと結末

義兄弟(2010年韓国)の紹介:それぞれの名誉のために足掻く北朝鮮工作員と元韓国情報院の男の葛藤と友情を描いた2010年の韓国映画。監督は「映画は映画だ」「高地戦」のチャン・フン。主演は「JSA」「殺人の追憶」のソン・ガンホと「デュエリスト」「超能力者」のカン・ドンウォン。

あらすじ動画

義兄弟(2010年韓国)の主な出演者

イ・ハンギュ(ソン・ガンホ)、ソン・ジウォン(カン・ドンウォン)、”影”(チョン・グクァン)、コ・ギョンナム(パク・ヒョックォン)、国家情報院次長(チェ・ジョンウ)、ソン・テスン(ユン・ヒソク)、チ・ミョンフン(クォン・ボムテク)、キム・ソンハク(チョン・インギ)など。

義兄弟(2010年韓国)のネタバレあらすじ

【起】- 義兄弟(2010年韓国)のあらすじ1

北朝鮮工作員のソン・ジウォンは、狭いアパートで上層部からの暗号メールを解読しています。彼には臨月の妻がいて、任務の隙に電話をし「すぐ帰る」と話します。
一方、韓国国家情報院の対北チーム長イ・ハンギュも、内通している北朝鮮工作員ソン・テスンからの情報を受け取り、暗号解読を進めます。彼は元妻と海外で暮らす受験生の娘を思い、連絡しては煙たがられています。
またテスンはジウォンの同僚で、妻と1歳の子供がいます。ハンギュと内通している事情は判りませんが、その尾行を知りつつジウォンと車で合流、ジウォンに気づかれぬよう尾行者をまき、指示された場所へ向かいます。
彼らが殺害ターゲットにしているのは、脱北し北朝鮮を批判するキム・ジョンイルのはとこキム・ソンハク。ハンギュら対北チームは何としてでもそれを阻止する任務を担っています。
ハンギュは手柄を焦り、上司である国家情報院次長への報告を後回しにしますが、彼の部下コ・ギョンナムは、そんな彼に怒鳴られながらも何度も進言し、彼の身を案じています。

一方ジウォンとテスンは、バスターミナルで北朝鮮の凄腕工作員”北の殺し屋”、通称”影”と呼ばれる中年男と接触、機敏なジウォンが”影”と同行、テスンは見張り役を命じられます。
彼らが向かったのは、韓国女性と結婚したソンハク一家が暮らすスンミンマンションの11階で、その直前ジウォンは”影”から特殊な投げナイフを渡されます。
その頃、ようやくテスンから情報を得たハンギュら対北チームは、サイレンを鳴らし、数十台のパトカーで駆けつけますが、その途中ハンギュは、激怒する次長の電話を一方的に切ってしまいます。

”影”とジウォンがソンハクの部屋を訪ねた時、彼は幼い息子シギョンと外出中でした。”影”は応対に出たソンハクの義母を消音銃で射殺、ジウォンは狂乱するソンハクの妻を押え、殺害するよう促されますができませんでした。
”影”は動揺する彼にかまわず妻を射殺、「南朝鮮でロマンチックな奴はバカだ。脱北者を憐れんで結婚なんかするからこうなった」と言い捨てます。
そこにソンハクと息子が帰宅、”影”はソンハクを暴行し「人民の祝福を受けた奴が将軍様を謀略する本を書くなど!毎晩お前の首を刎ねる夢を見てた」と言い射殺、シギョンの目を塞いでいたジウォンにかまわず、息子にも銃を向けますが止められます。
2人が揉めるうち、ハンギュら対北チームがマンションに到着、テスンの手引きで11階を目指して上がって来ます。気づいた”影”は上階に身を隠し、シギョンを抱えたジウォンは取り囲まれますが、隣人のフリをします。
対北チームはとりあえずシギョンを確保しますが、気づかれて戦闘になったところでギョンナムが到着、しかし上階にいた”影”が対北メンバーに発砲し、激しい銃撃戦となります。

マンションの下は、銃声を聞いた住民や野次馬でごった返し、ハンギュや対北メンバーも思うように動けません。
その隙にジウォンはシギョンを捕まえエレベーターで逃亡、逃げ惑う住民に紛れて建物の外へ。シギョンは知り合いらしき住民に渡します。
その時、ジウォンは無線で怒鳴るハンギュを目撃、また逃げ惑う群衆の中でバンの座席に座り、女性にタバコの火をもらっていたテスンと目が合い、彼が内通者である事に気づき愕然とします。
ハンギュは「下に一人降りた」の連絡を受け、部下に飛び出してきた住民の写真を片っ端から撮らせていました。
その時ハンギュはジウォンに気づきますが、建物から出てきた”影”が住民に発砲、荷台付バイクで逃走したため見失い、手負いのギョンナムが運転する車で追跡します。
”影”のバイクは、住宅街の狭い路地を逃げ回り、車は階段で大破し、捕り逃がします。
一方、ジウォンは打ち合わせ通り、深夜までバスターミナルで待ちますが、”影”は現れませんでした。
国家情報院次長は、銃撃戦に巻き込まれた負傷者であふれ返る病院に現れ、言い訳をするハンギュをひっぱたき「覚悟しとけ!」と恫喝します。

その一件は国家情報院の大失態として大々的に報道されますが、ハンギュはテスンに電話してきたジウォンに、責任者だと名乗り「”影”を何としてでも捕まえたい。協力してくれれば、テスンと君の望みを聞くと約束する」「君の事は金正日政治軍事大学卒の秀才だと言う事しか知らないし、顔も分らない。今話せないなら携帯に連絡をくれ」と言い、番号を伝えますが、途中で切られます。
しかし実際には、騒ぎの際の写真からジウォンの顔も判明していました。
ジウォンはその足でネカフェに行き、メールの暗号を読み解きますが、その内容は「再会」「裏切り」「許さない」でした。
つまり”影”は、テスンではなくジウォンを内通者=裏切り者と決めつけ、彼が党から見捨てられた事を意味していました。

2007年の南北首脳会談で、世間は祝福ムードに包まれていましたが、ジウォンは店頭のテレビ中継を無表情に見つめていました。
ハンギュは、その一件で問責、減俸、懲戒となり、後の会議で、次長に依願退職するよう言われ、揚句に「スパイ活動を金銭目的でやってる、お前のような奴がいるから組織が見下される」とまで言われてブチ切れ、「事後報告にしたのは、てめえが優柔不断で上の顔色ばっかり見てるからだ!」とぼやいて掴み合いのケンカになり、解雇されます。

6年後。
ハンギュは、若い2人の社員と共に”国際タスクフォース”という身元調査の会社(興信所)を立ち上げ、家出人捜索、外国人労働者や花嫁の斡旋、果てはかつての人脈を活用し、警察の指名手配犯探しに至るまで商売にし、荒稼ぎしていました。
しかし工場でサッカー観戦中だった賞金首=ベトナム人の結婚ブローカーのボスを捜索中、社員らがドジを踏んで逃げだし、チンピラ相手に大乱闘となり、あわやというところを、マスクをしてベトナム語を話す、素晴らしくキレのいい戦闘力を持った工員に救われます。

それは工員に身をやつし、パク・キジュンと名を変えたジウォンで、2人は一目で相手が何者かを理解しますが、ジウォンはハンギュが国家情報院を解雇された事を知らず、ハンギュもとぼけて会社の名刺を渡し「人探しの仕事をしているんだが、警察からの依頼もあるため、ケンカが強く運動神経もいいあなたのような人が必要だ、手伝ってもらえないか」と勧誘します。
ジウォンは、あっさり誘いを断わり作業に戻るフリをして、ナイフを出しハンギュを尾けますが、逃げた社員2人が戻ってタイミングを失います。
ハンギュもまた「絶対捕まえる」と呟き、戻った2人をクビにして去っていきます。

ハンギュは早速ギョンナムに大はしゃぎで連絡して自宅に呼び、「ソンハク殺しのジウォンを見つけた!情報院に内緒で、俺が指揮するからお前は手伝え! スパイの懸賞金1人1億ウォン、スパイ団だとしたらいくらになる?」と誘います。
つまり、ハンギュがとぼけてジウォンに近づき、スパイ団ごと捕まえて一攫千金を得ようというのです。
あの時情報院に残ったギョンナムは、数人の部下を持つ立場に出世していましたが、戸惑いながらも同意します。

一方ジウォンは、彼の金正日政治軍事大学の恩師で、現在は脱北し統一政策研究所の研究員となったチ・ミョンフン教授に接触し、「情報院のハンギュと再会した、奴が今、隠れミノにしてる組織だ」と言い、彼の名刺を見せます。
ミョンフン教授は自首するよう勧めますが、ジウォンは「大学では思想教育をしていたあなたが、あなたと同じく祖国を裏切れと?」と苦笑し「6年も逃亡生活をしたがそろそろ決断しないと。もう二度と連絡しません」と言い去っていきます。

翌日からハンギュはジウォンを見張りますが、間もなく連絡がありバーガーショップで会う事に。
ハンギュは「以前の(クビにした)社員には2人で200万ウォン払ってた」と前置きし、「月給300万ウォン(約29万5千円)に住宅費と食費を支給する」と言いますが「それでは今と変わらない。マンションの内金が欲しい」と言われ、更に報酬の30%の歩合給を上乗せし、話をつけます。

【承】- 義兄弟(2010年韓国)のあらすじ2

ハンギュは早速ジウォンを連れて、”国際人材センター”の所長に会いに行き、捜索依頼の女性の居所を聞きます。所長に出身地を聞かれたジウォンはへナムだと応えます。
2人は、路地を逃げ回るその女性を追いますが、ハンギュはジウォンを監視している事がバレそうになって焦ります。
またハンギュは女性を”紳士的に”手錠で繋ぎますが、ジウォンは「もっと人間的に扱うべきだ」と意見し手錠を外してやります。

その夜、ハンギュはジウォンを、彼の事務所兼自宅であるメゾネット式のマンションに連れて行き「2階は俺、1階はお前が使え。2階には来るな」と話します。1階はキッチンとソファのある居間と事務所、2階の寝室からは1階が見渡せます。
ジウォンは無表情で室内を確認し、旅の記念写真で情報院のハンギュの同僚の顔を覚え、それを2階から盗み見ていたハンギュは、キッチンの包丁をしまい込みます。
深夜、ジウォンは部屋を抜け出し、外のネカフェからハンギュの情報と「テスンを追跡中」と送信します。ハンギュの会社は”偽装組織”と報告されます。
彼は翌朝戻りますが、その間ハンギュは一睡もできず、揚句にギョンナムに「”影”を連れて来たらどうする気ですか?!」と言われ、戦闘のシュミレーションをするうち、自分を手錠で繋ぐ羽目に。ジウォンは呆れて手錠を外し「今日の仕事は?」と聞きます。

その日の仕事も家出人探しでしたが、ハンギュは居眠り運転で事故りそうになり、運転しましょうかと言われますが断ります。
また彼は、サボってギョンナムに電話し「アカ(ジウォン)はがめつい、このままじゃ懸賞金以上の支払いになる」とこぼし、近所のおばちゃんにお涙頂戴話をして聞き込みをします。
一方ジウォンは、”ネットで知った捜索法”(スパイの方法)で、間もなくしかも同じ村から逃げた女性2人を”人間的に説得して”連れ戻し、ハンギュはその手際の良さに感心します。
届け先の農家で、ジウォンは子供たちと笑って話し謝礼を辞退しますが、ハンギュは謝礼を要求し、”人間的な”山盛りの農作物を受け取ります。その中には鶏もいて車内で暴れ、2人は初めて一緒に大笑いします。

その鶏はジウォンが〆て水炊きにし、一方処理された鶏を見て「食えん!」と騒いだハンギュも、水炊きには大喜びで舌鼓を打ちます。
その際、家族の事を聞かれたハンギュは「俺はダメ亭主だったから、女房はイギリス人と再婚して、新しい亭主は娘の名前をエイミーに替えた。娘が結婚する時には家を買ってやりたい」とこぼし、「お前はいい亭主になれよ」と話します。
その夜、ジウォンはネカフェからの連絡の際、「イ・ハンギュ 離婚」「鶏の水炊き」と打ってため息をつき、水炊きの部分だけ消します。
その後も2人は、常に共に行動し、ジウォンはその報告書の特筆事項に一緒に食べた物を打っては、一緒に行った田園風景や桟橋に想いを馳せ、消しています。

そしてある休日、ジウォンはハンギュのパソコンで、送ったメールが未読である事を確認してため息をつき、スーツ姿で出掛けたハンギュを尾行します。
彼は街をぶらつき、韓江の土手から娘に電話をし、挙句にジウォンに「美味い晩飯が食いたいな」とメールしてきます。
盗聴していたジウォンが呆れて帰ろうとした時、かなりやつれたテスンが現れ、ハンギュから封筒を受け取り「いつも、どうも」と礼を言います。ハンギュは「お互いまともに暮らそう」と肩を叩いて分かれます。
ジウォンはテスンを尾け、汚いアパートに戻ったところで殴り掛かり「こんな暮らしのために祖国と同志を売ったのか!」「お前のせいで裏切り者扱いされ、北にも戻れない!チクショウ!」と泣きながら殴り、首を絞めます。
テスンは、それでも「生きたい!…俺は生きたい!」と呻いていました。
その後2人は並んで座り、テスンは、妻の実家に身を寄せてたと言い、「情報院の男(ハンギュ)と接触しただろ?」というジウォンに「奴は情報院を解雇された」と打ち明けます。
一方ハンギュは、バーでギョンナムから尾行用のGPSチップを受け取り「北の動きが不穏で、次長にあなたの近況を聞かれた」と言われます。

翌日、北朝鮮が核実験を強行したニュースが流れ、ハンギュは隙を見てジウォンの腕時計にGPSチップを付けますが、ジウォンは何か思い悩んでいる様子でした。
翌朝、ジウォンはスーツ姿で「小学校の同窓会に行く」と出掛け、ハンギュが尾行する事に。
彼が参加したのはミョンフン教授ら脱北者の集会で、ハンギュはメンバーや車のナンバーの写真を撮ってギョンナムと合流、メンバーの一人ギフン牧師の教会を訪ねて襲い掛かり、「国家情報院のハンギュだ!”影”と接触してるジウォンを知ってるだろう!俺は奴と同棲してる!」と問い詰めます。
しかしギフン牧師は「ジウォンは我々の顧客だ」と言い、彼らに茶を出し、事情を話します。

ギフン牧師が知るジウォンの名はチョ・インジュン。裏切り者の汚名を着せられ党から捨てられたが、北朝鮮に妻子がいるため自首もできずに7年が経ち、妻子を呼び寄せる決意をして、彼らに相談に来たのだそうです。
けれどその時点では資金が足りず、ハンギュとの仕事が決まった頃「金が出来る」と訪ねて来て、再び話が動き出したものの、北朝鮮の核問題が勃発、国境警備が強化され、数人の脱北者は出国した後だというのです。
その帰り、ギョンナムに「ジウォンを通報しますか?」と聞かれたハンギュは「待ってみよう。家族が来たら自首するだろ」と言い、帰って行きます。

翌日の仕事は、韓国人社長の夫の暴力に耐えかねて家出したベトナム人妻の捜索でしたが、夫は反省のかけらもありませんでした。
その途中「戻ったらまた殴られる」と案ずるジウォンに、ハンギュは「自分の家族を心配しろ、人の金で幸せになるのが資本主義だ」と言い、「あなたは人の嫁を探すのが幸せですか?」と返され、互いに大きなお世話だとばかりに舌打ちをします。
その女性は、郊外の外国人労働者たちの工場で元気に暮らしていましたが、ハンギュは皆の前で女性にベトナム名を言い、庇おうとした外国人労働者たちを「不法滞在で通報するぞ!」と脅し、嫌がる女性を引っ捕まえて車に乗せます。
ジウォンはそんなハンギュを突き飛ばし「人が金に見えますか!どうりで妻子に逃げられるはずだ!」と言い、殴り合いになります。
しかしそこに、件の結婚ブローカーのボスが大勢の手下を引き連れて乱入、2人は共に闘い、ブローカー一味をやっつけ見逃します。

ハンギュは初めてジウォンに運転を任せ、ベトナム人妻を乗せて走り出しますが、彼女が怯えるのを見て改めて事情を聞きます。
彼女は現在結婚2年目で韓国籍になるはずでしたが、夫は「韓国籍を得れば逃げる」と決めつけ、籍の話になる度彼女を殴るようになったのだとか。女性は「連れ戻される前に、せめて韓国で結婚した妹に会わせて」と懇願し、立ち寄ることに。
彼女の妹は、郊外の大きな家に嫁ぎ、幸せに暮らしていました。ハンギュは、姉妹が抱き合う姿を見届け、その場を去っていきます。
ジウォンにその理由を聞かれたハンギュは、「お前がいるのもマンションの内金が出来るまでだろ?お前は懸賞金の何倍も稼いでくれるからな」と笑っていました。
その日は旧暦のお盆。2人には一緒に祝う家族が傍にいません。
その晩、2人は北朝鮮の核実験のニュースを見ながら初めて酒を酌み交わし、家族が恋しくないかと話します。
酔ったハンギュは「兄貴と呼べ」と言いますが拒否られ、結局2人とも居間で酔いつぶれるまで飲み明かします。

翌朝、ハンギュは早々に起き出してお盆の祭祀の準備をし、韓国の様式がおぼつかないジウォンに「最近は、北朝鮮でも祭祀を行うそうだな」と呟き、「俺が何者か知ってたのか!」と言われナイフで切りつけられます。
ハンギュは反撃せず「始めは懸賞金目当てだったし、お前一人じゃ意味がないからスパイ団ごと捕まえようと思った。しかしお前は組織に捨てられ、わからなくなった」と言い、「互いの腕を生かして今の仕事を広げ、大金持ちになって人助けもしよう、2人でやれば大成功だ」と話します。そして「ナイフを降ろして続けよう。俺もお前の親にお辞儀をするよ」と続けます。
ジウォンはナイフを捨て、祭壇に向かってハンギュと共に頭を垂れ、目を潤ませます。

【転】- 義兄弟(2010年韓国)のあらすじ3

そこにギョンナムから連絡が入り、ハンギュは「友だちが事故に遭った」と言い、出掛けます。
ジウォンはこれまで通り後を尾けますが、ハンギュが駆けつけた病院には遺体となったテスンがいて、ハンギュはギョンナムと「”影”の仕業だ。奴は南に来てる」と話していました。
廊下にいたジウォンはその場で愕然としますが、情報院の連中に気づかれ、銃を向けられ取り囲まれます。
ギョンナムは彼に手短に事情を話し「”影”の居場所を教えてくれ。お前の秘密は守る」と説得しますが、ジウォンは動揺するハンギュの目をじっと見つめて「あんたの目には、俺が裏切り者に見えるか?」と言い、反撃して病院内を逃げ回ります。
その最中、ハンギュはギョンナムに「ジウォンは”影”に捨てられた、この件には関係ない、妻子が来れば自首する、逃がせ」と言いますが、「相手はスパイですよ?」と返され、駆けつけた次長に追及される事に。

ハンギュは本部の執務室に連れて行かれ、GPSの返却とジウォンの情報提供を求められますが聞き流します。
また途中の作戦室ではジウォン分析が行われていて、彼が仕込んだ腕時計のGPSから情報がダダ漏れになっていた事に気づきます。情報院ではGPSと連動する街路の監視カメラを駆使してジウォンを追跡、彼の情報は完全に把握されていました。
ハンギュは彼の携帯に電話して事態を知らせようとしますが、彼は電話を取らず、やむなく留守電を残します。

その頃、ジウォンには”影”からの指令が届き、彼は待ち合わせ場所のバスターミナルから、脱北者支援グループのミン・プロデューサーに電話し「自分のせいで家族が危険に晒されてる」と話し、自分抜きでも家族を脱北させるよう頼みます。
その直後、彼は情報院の追っ手をまき、”影”と共に同志の車で、対北の先鋒としてTV出演中のミョンフン教授殺害へと向かいます。
”影”は車中で「祖国がお前に与えた最後のチャンスだ。忠誠心を証明しろ」と話します。

ハンギュもギョンナムが乗った情報院の車も、必死にジウォンと”影”の車を追いますが、チョンノ大通りで渋滞に巻き込まれます。
一方ミョンフン教授は、情報院の指示で刑事らに警護されエレベーターで降りますが、殺害に向かった”影”とジウォンと入れ違いになり、気づいた”影”に銃撃され、銃撃戦となりますが、刑事たちに守られ何とか車で脱出します。
しかし”影”は同志の車に指示を出し、ミョンフン教授らの車に全力で追突させ、どちらの同乗者も死亡しますが、負傷した教授は近くのビルに逃げ込みます。
”影”とジウォンはそれを冷徹に追い、ハンギュもすぐに気付いてビルの階段を昇り始めます。

【結】- 義兄弟(2010年韓国)のあらすじ4

ハンギュが屋上に到着した時、ミョンフン教授はジウォンに腹を刺されてへたり込み、”影”はジウォンに「早く始末しろ」と命令しているところでした。
ハンギュの声を聞いた”影”は姿を隠し、ハンギュはそれに気づかないままジウォンにあれこれと話しかけ、彼の腕時計を外して捨て「情報院の奴らに殺されるかもしれない!早く逃げろ!」と急かします。
ジウォンは無言でしたが、その目線の先には物陰からハンギュに銃口を向ける”影”がいました。ハンギュが気づいて振り返った直後、ジウォンは苦しげな顔で彼の腹に何度もナイフを突き立て、ハンギュは悲しげな顔で倒れます。

その時、へたり込んでいた教授が”影”に「党の指示で来たのか?誰の指示だ?」と聞き、ジウォンが「何の話ですか?」と聞いた途端、”影”は教授を射殺し「変節者め、無駄口が多すぎる」と言い捨てます。
ジウォンは改めて”影”に「党の指示ではないんですか?」と聞きますが、まともな返答はありませんでした。つまり”影”は、その異常な忠誠心から党からの指示を逸脱し、脱北者を殺害し続ける殺人者となり果てていたのです。
「テスンを殺したのも同志ですか?」…その問いに”影”は、「変節者(思想を変えた者)を始末するのは祖国のためだ。お前も同じだ、腰抜け野郎」と言い、ジウォンにも銃を向け、変節者ではないという彼に「お前は北の家族を逃がしただろう?」と薄笑いを浮かべます。
それは、ジウォンの家族の死を意味していました。

その時、ハンギュが苦しそうに起き上がり、”影”が止めを刺そうとしますが、その銃口をジウォンが握り、ハンギュは”影”に銃を向けます。
ジウォンはナイフを逆に持ち、自分の手が裂けるのをいとわず、ハンギュの腹を打っていたのです。
ハンギュは”影”に銃を向けたまま「お前のせいで部下を失い、仕事もクビになり、家族とも別れた」と言いますが、”影”は「ジウォンを殺す」と言い張ります。
ジウォンは”影”の銃口を自分の額に当て、泣きながら「殺してください!」と迫り、揉み合ううちビルから転落します。
ジウォンは狭い路地に倒れていましたが、”影”は重傷を負いながらも物陰に隠れ、倒れているジウォンに「一緒に行こう」と呟き、撃ち始めます。
そこに情報院の連中が到着、ギョンナムが足を撃たれます。ハンギュも屋上から駆け降り、止めに入ろうとして引き留められます。
しかし、”影”も手元が狂っていて、なかなか止めが差せずにいるうち、ハンギュは皆を振り払ってジウォンに駆け寄ります。
”影”は「感傷的な野郎ども…」と呟き撃ち続けますが、ハンギュと対峙し、射殺されます。
医療班を待つ間、ジウォンは「僕は…誰も…裏切ってません」と言い、ハンギュは「分ってる」と涙をこぼします。
朦朧とする意識の中、ジウォンは、自分を励まし続けるハンギュの顔を見て、草原で微笑みながら手を振る妻と幼い娘の幻覚を見ます。

ほどなくして、ハンギュは情報院から表彰され、仏頂面の次長をハグして「クビになったら電話しろ」と耳打ちし、正々堂々と職場を後にし興信所の仕事に戻ります。
彼は気楽な一人暮らしに戻りますが、そこにジウォンの本名イ・ソンギュからのロンドン行きのビジネスクラスの航空券が届きます。
「兄貴へ」という書き出しを見て、ハンギュは思わず笑みを浮かべます。
それはジウォンが、ロンドンの娘を案じるばかりのハンギュへのプレゼントであり、「無事回復し元気に暮らしている」「今より騒々しい所に行く、でもここで子育てするよりはいいと思う」という報告で、「縁があれば、また会いましょう」という言葉でくくられていました。

空港にハンギュの見送りに来たのは、あの結婚ブローカーのボスで「娘さんへ」と流行りの学習端末PMPをプレゼントします。彼はヤクザ稼業から足を洗い、ハンギュの社員になっていました。
飛行機に乗って間もなくハンギュは「ビジネスクラスは酒飲み放題だって?」と聞き、高級ウィスキーのオンザロックを注文しますが「出発前にウイスキーなんてダサイ」「ハンバーガー好きは味噌もクソも一緒だ」という悪口が聞こえます。
それはいくつか離れた席に、妻と幼い娘と共に座っていた元気そうなジウォンでした。
気づいたハンギュは声を出して笑い、ジウォンも照れくさそうに笑っていました。

みんなの感想

ライターの感想

本作が公開されたのは2010年、2007年には南北首脳会談が行われ、その後の核問題など目まぐるしく変化する北朝鮮情勢に翻弄される、北朝鮮の若き工作員たちの苦悩がよく描かれている作品です。家族を北に残しているジウォンの苦悩もさることながら、一見お調子者にも見えるテスンの末路にも同情を禁じ得ません。その苦悩を知るうち、元は敵だったハンギュ(ソン・ガンホ)の心が少しづつ変化していくのも見どころです。
本作では、ジウォン(カン・ドンウォン)が作った鶏の水炊きに舌鼓を打っていたガンホが、先の見えない暗黒時代に翻弄される南北の兵士たちを描いた「JSA」では北の兵士を演じ、めったに食べられないチョコパイを頬張り「早く皆にも食べさせたい」と笑っていた事を思い出しました。
リアルではもっと凄絶な状態なのだとは思いますが、韓国が製作するこの手の作品は、いつも平和的な統一を願っているように感じてしまいます。一日も早く平和的な解決が訪れるよう願ってやみません。

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