「薄化粧」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

サスペンス映画

【承】– 薄化粧のあらすじ2

薄化粧のシーン2

画像引用元:YouTube / 薄化粧トレーラー映像

昭和20年代半ば。愛媛県。

ダイナマイトが大爆発を起こす場所から、坂根藤吉が全速力で逃げていました。坂根は現場から逃げますが、その様子を近所の女性が目撃していました。

ダイナマイトで爆破されたのは、仙波家の屋敷でした。その爆発で2人の死者が出ました。坂根は爆破容疑で愛媛県警に逮捕されると、真壁一郎刑事と松井捨蔵刑事から拷問に近い聴取を受けました。真壁刑事は坂根に暴力を振るって、自白するようにと迫ります。

それを苦にした坂根はある日、衣類の裾に忍ばせていたカミソリを出すと、留置所で自殺を図ります。カミソリで自分の首を横に切り大出血を起こしたのですが、坂根は奇跡的に命を取り留めました。切った場所があと1ミリずれていると、頸動脈に達して助からなかったそうです。この自殺未遂がもとで、坂根の首には大きな傷が残ります。

坂根には妻・ふくみと息子・喬がいましたが、前年の9月末に坂根のもとを去ったと言われていました。坂根はその後、地所テル子と懇意にしていました。テル子に聞き込みをしながら坂根の自宅を家宅捜索していた真壁刑事と松井刑事は、異臭に気づきました。異臭のもとを辿ると、奥の間の畳の下の床から、ふくみの遺体が見つかりました。前年の秋に高知谷で発見された身元不明の少年の遺体が、喬であることも判明します。それらの殺人も坂根の仕業でした。坂根は4人の人間を殺していたのです。

坂根は刑務所に収監されましたが、昭和27年のある雨の夜に脱獄しました。刑務所の床をひたすら掘り進めており、その穴は20メートル以上に及んでいたそうです。穴を見た刑務官が真壁刑事に「ネズミトリですよ。ヘビですよ、ヘビ」と、坂根の執着心をさしてヘビと表現しました。

脱獄した坂根の行方を、真壁刑事は追っていました。坂根は高知出身ですが、追っ手から逃れるために見知らぬ土地へ逃げている可能性が高いと、真壁刑事は推測します。松井刑事は定年が控えており、真壁刑事に坂根逮捕を頼みます。

真壁刑事の予想は正解でした。坂根は人目を避けて、ひたすら逃亡生活を行ないました。途中で小さな仏壇を購入すると、妻・ふくみと息子・喬の位牌代わりに石を持ち歩いていました。流れ流れてたどり着いたある石切り場の飯場で、坂根は名前を偽って働き始めます。そこで坂根は、群馬県出身の古場平四郎と名乗りました。坂根は首の傷に布を巻いて隠しています。

飯場で坂根は、氏家正助という男と親しくなります。坂根と居酒屋へ飲みに行った氏家は、そこでぽつりぽつりと自分の過去を話しました。

氏家は逃げた妻を追ってこの地に来たものの、妻は別の男の子どもを妊娠していました。氏家はそれでも妻との生活を決めましたが、妻は子どもを出産するとどこかへ逃げてしまい、氏家は血のつながらない子どもを実家に預けて、この飯場で働いています。妻と再会したこの土地にいれば、いつか妻が戻ってくるかも…と思っているそうですが、それを聞いた居酒屋の女将・内藤ちえは、「奥さんの気持ち判る。いたたまれなかったがよ」と土佐弁で話しました。ちえも坂根と同じ、高知出身でした。ちえも男に捨てられた過去を話します。

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