「赦し」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

サスペンス映画

赦しの紹介:2020年製作の日本映画。未成年が引き起こした殺人事件である「少年犯罪」を題材に、被害者遺族の元夫婦と服役中の加害者の女性の葛藤を描いたヒューマン・ドラマ。最初の裁判で加害者の夏奈には懲役20年の重刑が課せられたが、事件の事実認定の正当性をめぐる再審公判が決定し、3人の心は激しく揺らぎ出す。“正義”に固執する被害者の父親の克を「義足のボクサー GENSAN PUNCH」の尚玄、一刻も早く過去を拭い去りたい元妻の澄子を「台風家族」「ひとよ」のMEGUMI。夏奈役にはデビュー作「渇き。」で注目された松浦りょうが抜擢された。オリジナル脚本で、被害者遺族と加害者双方の視点を取り入れ、罪と罰という根源的な主題を鋭く探求したのは、長編第2作「コントラ」(19)が国内外で評価された日本在住のインド人監督アンシュル・チョウハン。人と人は互いにわかり合い、憎むべき相手をも受け入れることができるのか。魂の救済、赦しという深遠なテーマに真正面から挑んだ問題作。

あらすじ動画

赦しの主な出演者

樋口克(尚玄) 岡崎澄子(MEGUMI) 福田夏奈(松浦りょう) 佐藤匠(生津徹) 岡崎直樹(藤森慎吾) 樋口恵未(成海花音) 阿部生郎(清水拓藏) 岡本和美(真矢ミキ)

赦しのネタバレあらすじ

【起】– 赦しのあらすじ1

赦しのシーン1

画像引用元:YouTube / 赦しトレーラー映像

真っ黒な画面のなか、少女の荒い息遣いと走る足音が聞こえます。やがて画面は上空から荒川を見下ろします。川岸から逃げる少女が画面から消えたあと、画面中央には川岸に横たわった少女の遺体がありました…。

(映画タイトル)

2018年、東京。

樋口克は酒浸りの生活を送っています。その日も酒場でひとり冷酒を重ねた克は、両手をコートのポケットに入れて早朝の東京の街を歩いて帰ります。

郵便局員がミニバイクで配達をしています。

克は独り暮らしする安アパートに帰宅して、娘・恵未の遺影に線香をあげて水を替えました。冷蔵庫からビールを取り出して飲んでいると、郵便局員が新聞受けに封筒を入れていきました。克はそれを開封します。

同じ頃、東京の別の場所では克の元妻・岡崎澄子が起き出していました。現在の夫・岡崎直樹が台所で朝食を作って、澄子を迎えます。2人で朝食をとりはじめると、直樹は澄子に「裁判所から手紙がきている」と封筒を渡しました。澄子は「あとで見る」と言って朝食を食べつづけます。

早朝の澄子の家に克がやってくると、話がしたいと言い出しました。澄子は克の急な訪問に戸惑います。夫の直樹も出勤前で家におり、元夫のぶしつけな来訪を険しい表情で窺っていました。克は直樹の存在も意に介さず、今朝届いた郵便物について澄子と話がしたいのだと繰り返します。

澄子はちょっと待ってくれと言い、身支度をして克と近くの喫茶店へ行きました。そして克に「過去に囚われていちゃ駄目」と諭しますが、克は「娘の話だぞ」と気色ばんだままでした。澄子は怨みを忘れて前を向いて生きるべきだと言い、憎み続けている克と意見が分かれます。

克の用件とは、再審公判にいっしょに参加してくれというものでした。澄子はことばを濁して店を去ります。残された克は懐から酒を出し、コーヒーに注ぎました。

…それは7年前の2011年12月20日のことでした。当時17歳だった克と澄子のひとり娘・恵未の刺殺体が、荒川の河川敷で発見されたのです。

捜査の末に逮捕されたのは、同級生の福田夏奈でした。裁判の末に夏奈は懲役20年の実刑が下され、現在は刑務所で服役7年目でした。

娘の死で、克と澄子の結婚生活は破綻しました。加害者を憎み続けて酒に逃げ、現実に向き合わない克に対し、澄子はグループセラピーに参加して娘を亡くした悲しみに向き合い、気持ちに折り合いをつけようとしました。夫婦の考えがすれ違って離婚に至ったのです。

澄子は家族を亡くした者が通うそのセラピーで、同じく子どもを亡くした直樹と出会い再婚しました。

克と澄子のもとに届いたのは、7年前に逮捕され実刑判決を受けた夏奈の再審公判が行なわれるという通知でした。7年前から時が止まったままの克は、その公判にいっしょに来てくれと澄子を誘ったのです…。

その頃刑務所では、弁護士・佐藤匠が夏奈と面会をしていました。「今回は絶対に勝てるから」と佐藤は夏奈を励まします。

佐藤は、事件当時夏奈が未成年であったことを争点にし、更生の可能性を鑑みない不当に重い罰が下されたと主張するつもりでした。そう話す佐藤に、夏奈はなんのために自分の力になるのかと聞きます。「正義のためかな」と佐藤は答えますが、夏奈は「賠償金のためですよね」と切り返しました。図星だったようで、佐藤は声をあげて笑います。

7年前に出た判決には懲役20年の刑だけでなく、夏奈の家族から被害者の克たちに多額の賠償金が支払われたのです。佐藤はその賠償金の返還も求めるつもりでした。そこで得た金を報酬のあてにしているのです。

佐藤は笑ったあと、「必ず君をここから解放する」と夏奈に約束しました。

再審公判の通知が来てから澄子の顔が曇っていることを、直樹は気にしていました。「なにかあったらいつでも相談してね」と声をかけますが、澄子は心ここにあらずといった感じで直樹に裁判の話を一切せずひとりの殻にこもります。

安アパートの一室で克は、ひとり酒を煽って過ごします。

刑務所で過ごす夏奈も同じでした。

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