「風邪(ふうじゃ)」のネタバレあらすじと結末の感想

サスペンス映画

風邪(ふうじゃ)の紹介:2014年公開の日本映画。極秘裏に開発された風邪ウイルスの特効薬をめぐる壮絶な利権争いに巻き込まれていく1人の女性を描くウイルスハザード・サスペンス。小西真奈美、窪塚洋介、柄本明らが熱演する。

予告動画

風邪(ふうじゃ)の主な出演者

鮎川桜子(小西真奈美)、日村紀久生(窪塚洋介)、寺子田達彦(和田哲史)、契約社員1(SHOGO)、契約社員2(勝矢)、道元紀夫(クリス・ペプラー)、津田(高橋洋)、紀久生の母(秋吉久美子)、一ノ瀬迅(柄本明)

風邪(ふうじゃ)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①東京での仕事を辞め現在はスナックのママをする桜子は、厄介な風邪をひいた男・紀久生の世話をする。しかしそれは表向きで、本当はどんな風邪にも効果がある風邪(ふうじゃ)ワクチンの開発者・紀久生を連れてくるよう命ぜられていた。紀久生は脅されてワクチンを作る。 ②心臓疾患があり風邪による合併症を引き起こしたわが子・ヒロキに桜子は風邪ワクチンを投薬した。ところがワクチンには重篤な副作用があり、ヒロキも投薬された紀久生も廃人になった。

【起】- 風邪(ふうじゃ)のあらすじ1

〝「よこしまなかぜ」と書いて「風邪」、風邪は怖いものだ〟
…医療品廃棄物処理作業現場で働く若い男・日村紀久生は、このところ風邪気味でした。風邪をおして働きますが、同僚たちに「お前、うつすなよ」と蹴られます。
紀久生はバイトで働いていました。
仕事終わりにみんなで飲みに行きます。
『スナック いそしぎ』のママ・鮎川桜子は、かつて東京の広告代理店で働いていましたが、辞めて故郷に戻ってきていました。契約社員に誘われた昭和歌謡のデュエットを断って、文句を言われます。
いつも木箱を持ち歩いている紀久生に、契約社員の2人が中身は何なのか質問しますが、紀久生はろくに答えません。
思わず「バイトの癖に、契約(社員)舐めんじゃねーぞ」と言った契約社員2の顔に、紀久生はくしゃみをかけてしまいました。
紀久生は殴られて、気絶します。
そのまま紀久生は風邪で寝込み、桜子が看病を始めました。欠勤の電話をかけ、かいがいしく世話をします。
桜子の家は1階部分が店舗で、2階部分が居住空間でした。
桜子が木箱の中身を聞くと、紀久生は「カール・ツァイス」と答えます。
桜子はすぐには理解できませんでしたが、箱の中から出てきたものを見て納得しました。顕微鏡です(注:「カール・ツァイス」はドイツの光学機器製造会社のことを意味しており、顕微鏡が有名)。
桜子が看病しましたが、紀久生の熱は1週間以上経過しても、一向に下がりませんでした。桜子は病院の受診を勧め、紀久生を病院に連れていきます。
紀久生を連れて行ったのは、学会でも有名で本も出している初老の男性・一ノ瀬迅医師のところでした。紀久生は入院を勧められますが、「DNAシークエンサーを調べてほしい」と一ノ瀬医師に希望します。
深夜、病室を抜け出した紀久生は検査室に行き、自分の唾液と口腔内の皮膚を採取して、自分で検査もしてみました。
一ノ瀬医師は検査結果を見て「新種かな」と言います。
一概に風邪といっても、その種類は実は200種類以上あります。同じウイルスでもいくつもの型があり、さらに年々変化していくため、次々に新しいウイルスに感染して繰り返し風邪をひくのです。
インフルエンザがその最たる例で、毎年ウイルスの型が変わるため、対処が難しいとされます。
すべての風邪に効果があるとされる特効薬のワクチンを作れればノーベル賞もので、それだけ風邪は厄介なものなのでした。

【承】- 風邪(ふうじゃ)のあらすじ2

その紀久生が病室から、忽然と消えました。桜子は地下鉄に乗って移動します。
国際展示場駅前には、一ノ瀬医師、道元教授、監視の男・寺子田達彦が既にいました。桜子を含む4人が一同に会し、対処を練ります…。
…桜子が紀久生をかいがいしく看病していたのには、事情がありました。それは、桜子の家族と関係があります。
東京で暮らしていた時代、桜子は津田という男と結婚し、ヒロキという息子を儲けます。
津田とは離婚しましたが、離婚後に息子・ヒロキが心臓疾患を抱えました。
広告代理店を解雇されて、故郷のスナックを経営する桜子は、ヒロキの治療費を捻出するのが難しい状況です。
一方の元夫・津田は国際NPO医療法人に勤務しており、収入も安定していました。
津田もヒロキの親権を得ることを希望しており、このままだと息子・ヒロキは元夫の津田に奪われてしまうと、桜子は焦ります。
その折に、道元教授に桜子は声をかけられました。ある誘いに手を貸します。
桜子、道元教授、一ノ瀬医師はグルでした。但し桜子が命ぜられたのは、紀久生を病院に連れてくることだけで、詳細は聞かされていませんでした。
一ノ瀬医師がいる病院に紀久生を入院させてからも、寺子田をつけてひそかに紀久生を監視していました。
紀久生の風邪は自然にかかったものではなく、一ノ瀬医師が作った「しつこい風邪ウイルス」をうつしてあったのです。この風邪の病原菌は、感染力は弱いものの長引く性質を持っています。
日村紀久生は、神奈川県生まれのリョウメイ大学医学部大学院理工化学生命学者で、20年に1人と言われる逸材でした。
紀久生が研究していたのは風邪を撲滅するワクチンで、この世に200種類以上あると言われている風邪すべてに効く、特効薬を作りました。
その特効薬を1回接種すると、成人ならば4年間は絶対に風邪をひかない身体になると言われています。
これは非常に重要な発明でした。単に健康な人が風邪をひかないというだけではありません。
たとえば桜子の息子・ヒロキなどのように心臓疾患などを抱える患者にとっては、他の病気との合併症は危険です。たとえそれが風邪でも、命取りになることがあります。

【転】- 風邪(ふうじゃ)のあらすじ3

重篤な病気を抱えている人ほど紀久生の開発したワクチンは重要で、そのため誰もが欲しがるものでした。
紀久生がすべての風邪に効果がある万能のワクチンを作ったのは事実です。紀久生はそれを「風邪(ふうじゃ)ワクチン」と名付けました。
しかしその後、紀久生は風邪(ふうじゃ)ワクチンのデータ一式を持って、研究室を去ります。紀久生が作った風邪(ふうじゃ)ワクチンを手に入れるため、一ノ瀬医師らは血眼になっています。
一ノ瀬医師が紀久生に風邪を植え付けたのは「厄介な風邪を引かせれば、風邪(ふうじゃ)ワクチンを作って自分に接種するのではないか」と思ったからでした。見張っていた矢先に紀久生が逃亡したわけです。
桜子は、いなくなった紀久生を見つけろと命じられました。桜子が今回の作戦に成功すれば、かつて勤めていた会社に戻ることができます。
帰宅した桜子を、夜遅くに元夫の津田が家を訪問しました。津田はどこからか紀久生と風邪(ふうじゃ)ワクチンのことを耳にしており、ワクチンを寄越せと言います。
迫られて押し倒された桜子が津田を突き飛ばすと、頭の打ちどころが悪くて津田は死にました。桜子はリヤカーで運び、土中に津田の遺体を埋めます。
翌日、寺子田に「一ノ瀬が裏切った」と聞かされた桜子は、津田が一ノ瀬を買収したと知りました。
その頃、紀久生は一ノ瀬の手先に拉致されて、森の奥にある明峰医科大学の教育研究施設に監禁されていました。繰り返し拷問を受けています。
寺子田の情報を得て桜子がそこに行くと、一ノ瀬は銃を持って桜子を人質にとり、紀久生にワクチンを作るよう命じました。
また桜子は一ノ瀬に、息子・ヒロキが風邪の合併症を患っており、このままだと24時間もたないと聞かされます。息子・ヒロキを救いたい桜子も紀久生に頼みました。
母からのプレゼントであり、形見でもある顕微鏡を一ノ瀬に壊された紀久生はショックを受けます。しかし桜子を自分の母と重ねていた紀久生は、ワクチンの作り方を一ノ瀬に教えました。
その際に「陽あれば陰あり。陰極まりて、陽極まり」と言います。
一ノ瀬は紀久生の処方箋どおりに、コーンスターチを水で溶いて食品用ラップを敷いたスピーカーの上に乗せ、クラシックを流しました。

【結】- 風邪(ふうじゃ)のあらすじ4

クラシックの音楽に合わせて、薬は怪しげな形を取ります。その後遠心分離機にかけてワクチンは完成しました。
一ノ瀬はそのワクチンを、風邪で弱っている紀久生に注射します。効き目を探っているのです。
そして風邪がよくなった紀久生を見てワクチンが本物と確信した一ノ瀬は、「お前は私を見下した」と怒って暴れ回り、拳銃自殺を図ります。
桜子はワクチンを持って息子の病院へ行こうとしました。桜子を制止しようと紀久生も車に乗り込もうとしますが、桜子は紀久生をメスで刺して山に放置し、ワクチンを持って逃げます。
病院内に忍び込んだ桜子は、風邪(ふうじゃ)ワクチンを息子・ヒロキに打ちました。
…道元教授に残り1つの風邪(ふうじゃ)ワクチンを渡した桜子は、被験者(紀久生)が回復したところを見たと言います。そして会社への復帰を打診しますが、報酬は「東京-博多間の新幹線切符60枚」でした。金券ショップで換金しろと言われます。
病院を出た桜子は、自責の念に駆られました。わが子のためとはいえ、罪のない紀久生を刺して逃げたことを、今更ながら後悔したのです。
急いで山の中に引き返しますが、桜子が紀久生を刺したメスが落ちているだけで、紀久生の姿はありませんでした。
呆然とする桜子に契約社員2から電話がかかります。「日村(紀久生)、こっち来てるんだけど、何か知ってるか」と聞いた桜子は、急いで作業現場に行きます。
そこで桜子は、すっかり廃人と化した紀久生の姿を見ました。紀久生はよだれを垂らし、すでに何も語らない人間と化していました。
…紀久生が風邪(ふうじゃ)ワクチンを開発したのは事実です。但しこれには後日談がありました。
紀久生の母は、紀久生の発明の第1の被験者になりたいと言います。そして紀久生のワクチンを接種した後、廃人と化しました。
風邪(ふうじゃ)ワクチンはどんな風邪にも効果がある特効薬でしたが、「廃人になる」という大きな副作用があったのです。
研究室を去った紀久生は、廃人となった母を連れて旅を続けていましたが、母は紀久生が少し目を離した隙に車道に出て、車に轢かれました。
女手ひとつで自分を育ててくれた母を廃人にし、殺してしまったことに、紀久生は苛まされながら生きていたのです。
桜子がワクチンを持って車に乗り込んだ時、紀久生が必死で制止しようとしたのは、重篤な副作用があることを告げたかったからでした。それを聞かずに桜子は、紀久生を刺して逃げました。
紀久生の姿を見た桜子は、急いで息子・ヒロキの病院に行きます。
そこには、元気になったものの廃人と化した息子・ヒロキの姿がありました。よだれをだらだら垂らしながら座るヒロキを見て、桜子は号泣するしかありませんでした。

みんなの感想

ライターの感想

豪華なキャスト、そして医療サスペンスものと思ってかなり期待して見た。…落胆した。
冒頭からけっこうざっくりしすぎている。細部にわたってきちんと練られた脚本ではないようで、細かなところに突っ込みどころが多い。
むしろ突っ込んでほしいのかと思うくらい。
だって、ワクチン作るのに、コーンスターチって!(笑)クラシック聞かせるって!(笑)どういうこと!?
作らせておきながら一ノ瀬医師はなぜか拳銃自殺しちゃうし。じゃあ、なんで作らせたのよ、って思ってしまった。(たぶん紀久生の才能に嫉妬してだろうと思うのだが)
報酬がなぜか新幹線の切符だったり…なんか意味が判らん。どういうこと?
(道元教授が講演などで使うから経費で落とせるって意味だろうか)
ただ、映画全編にわたって漂う「不気味な感じ」は悪くなかった。紀久生と母親とのいびつな愛とかがちりばめられていて、それがラストできちんとまとめられているのは評価する。

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