「2重螺旋の恋人」のネタバレあらすじ動画と結末

2重螺旋の恋人の紹介:原因不明の腹痛に苦しんでいたクロエ。精神分析医のポールに出逢ったクロエは、医師と患者の関係を解消し恋人となる。ある日クロエはポールに双子の兄がいることを知るが、ポール曰く自分に兄弟はいないと言う…。
2017年の仏映画で、日本では2018年に公開。ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を鬼才フランソワ・オゾンが翻案したエロティック・スリラー。R-18指定。

あらすじ動画

2重螺旋の恋人の主な出演者

クロエ(マリーヌ・ヴァクト)、ポール/ルイ(ジェレミー・レニエ)、ローズ(ミリアム・ボワイエ)、サンドラ(ファニー・サージュ) 、クロエの母(ジャクリーン・ビセット)

2重螺旋の恋人のネタバレあらすじ

【起】- 2重螺旋の恋人のあらすじ1

元モデルの25歳のクロエは、長い間腹痛に悩まされています。様々な病院で検査をしても原因は解明されず、受診した婦人科では、精神面が起因しているのではと指摘されました。そこでクロエは医師から、精神分析医のポールを紹介してもらいます。
ポールはひたすら患者の話を聞く診療体制で、クロエは初対面ながら彼に、就職が決まらずストレスを感じていることや、これまでの恋愛は形式だけで、人を愛せないことなど赤裸々に話しました。「共に原因を突き止めよう」と寄り添うポールにクロエは、幾ばくかの安堵感を得ます。
その後もカウンセリングに通い続けたクロエは、切々と自分の想いをぶつけました。一人っ子の彼女は、自分を守るための分身として想像上で姉がいたこと、自分は望まれずに生まれた子供であることなどを打明けていくうちに、母に愛されなかったことが腹痛の原因だと判明します。程なくしてクロエは美術館の監視員の仕事も決まり、しばらく腹痛も起きていません。クロエの気持ちも晴れたうえ、初診時から彼女に惹かれてしまったポールは、診察を終えることにしました。クロエもまた彼に好意を寄せていて、2人は医師と患者という関係を解消し、恋人同士に。

2人は新たな部屋で、クロエの愛猫ミロと共に同棲を始めます。引越しの荷物を片付けていたクロエは、ついポールの私物を覗き見し、メイエルという姓のポールが、以前はドゥロールという姓だったことを知りました。自分は全てを語ったのに、ポールはまるで“見知らぬ男”と不安を感じたクロエは、ポールに問います。響きがよいので開業時に母方の姓にしたのだとポールが教えてくれますが、クロエは納得しきれません。隠し事をしないこと、互いの私物は見ないという約束を2人は交わします。
クロエは仕事帰りに、ポールが女性といるのを目撃します。有らぬ事を疑ったクロエはポールを問い詰めますが、終日職場にいたポールは、人違いだとあっさり否定しました。ポールの発言が信じられなかったクロエは、彼を目撃した場所に再び行ってみます。そこはポールと同じ精神分析医のクリニックで、看板には“ルイ・ドゥロール”と名前が綴られていました。

【承】- 2重螺旋の恋人のあらすじ2

クロエは偽名でルイのクリニックを受診すると、現れたのはポールと瓜二つの男性でした。ポールは双子の弟だとルイが言うので初耳だったクロエは驚き、ポールと交際していることは隠しました。双子と言いつつも、彼らが似ているのは見た目だけ…。優しく穏やかなポールとは違い、ルイは高慢で挑発的な態度でした。自らが発言するという診療スタイルもポールとは違ううえに、診療代も高額。しかしルイは鋭い洞察力で、クロエの虚言をすぐに見抜きました。美人で不感症の女性ほど、誘惑するために嘘をつくとのだとルイ。図星を突かれたクロエは「次の診察はない」と怒って、クリニックを去りました。

ルイの存在にショックを受けたクロエは、なぜ姓を変えたのか、兄弟はいないのかとポールに尋ねます。父の会社がインサイダー取引に関わった影響で姓を変え、兄弟もいないとポールは説明してくれましたが、やはりクロエは信じることができません。それにポールがミロを嫌がることも不服でした。クロエは苦手な存在だと感じながらも、猫好きな隣人の老女ローズにミロを預けることにしました。

クロエはルイを拒んでいるはずなのに、再びクリニックを受診し、気づけば何故か彼にキスをしていました。その夜ポールと体を重ねたクロエは、彼とルイに同時に抱かれる想像をすると、珍しく興奮を覚えます。クロエはルイに会っていることをポールに悟られないために、彼の知人の女性医師ウェクスレルの診療を受けていると言って、ルイの診察内容をポールに報告するようになりました。
次の診察時では、カウンセリング室の奥にあるベッドにクロエは招かれました。クロエはルイに体に触れられるものの、「次は感じるように」と彼に突き放されて、思わずがっかりします。背徳感がありながらも、ルイに魅かれ始めていたクロエは、少年のような風貌から女性らしい雰囲気に変化していきました。

【転】- 2重螺旋の恋人のあらすじ3

色香を漂わせたクロエは、またルイのクリニックへ。クロエは自ら服を脱ぎ、2人は体を重ねました。その日クロエはルイのペットが、珍しいオスの三毛猫だと知ります。三毛のオスというのは母の子宮内で2つの胎児だったものの、数週間後には片方に喰われて優勢な方が残るのだとルイが語ります。人間でも大人になってからその痕跡に気付く場合もあり、それを“共食い双子”だと表現するルイに、クロエは恐怖を感じました。
同じころ。預かって貰っていたミロがベランダから逃げ出します。クロエは猫の剥製などが飾られたローズの部屋に、妙な不気味さを感じました。1人暮らしだと思っていたローズには、もう20年も精神科に入院している娘がいると聞かされます。

ポールの同業者が集まるパーティに出向いたクロエは、彼が双子なのか聞き込みしました。しかし誰もが「聞いたことがない」と口を揃えるのです。そのうえクロエは、彼女にとっては初対面のウェクスレルを見て「あの人は誰?」とポールに尋ねてしまい、慌てて会場を飛び出しました。帰路中にクロエはルイの幻影を見て、異様に取り乱します。クロエは次第に、現実と幻覚が混同するようになっていました。彼女の状況が理解できないものの、ポールは優しく介抱します。

クロエはその後もルイと関係を続けます。ルイは強引さを増していきますが、それと共にクロエは快楽に溺れていきました。ある時異常に攻撃的だったルイは、ポールがクロエの恋人だと気付いていたことを暴露します。激しく動揺したにも拘わらずクロエは、ルイに会いに行くのを止められません。本性を露わにしていくルイは、最初に生まれた自分の方が優勢だから、ポールは自分と縁を切ったのだと得意げに語るのでした。

クロエはポールにプロポーズされ喜びますが、そのころ腹痛が復活します。お腹も張ってきて妊娠を確信したクロエですが、ポールの子かルイの子なのかが分かりません。クロエは妊娠と結婚をルイに知らせ、「本当はポールが優勢だと思っているでしょ」と詰ると、彼に殴り飛ばされます。クロエにはルイが怪物のように見えて拒絶を始めますが、一方のルイは執拗に逢瀬を求めるようになりました。

【結】- 2重螺旋の恋人のあらすじ4

クロエの誕生日、美術館にポールが訪ねて来ます。嬉しかったクロエは一緒に食事に出掛けますが、キスの仕方で彼がルイだと気付きました。逃げ出すクロエにルイは、“サンドラ”という女性の名前を挙げました。

ポールが学会の参加で家を空けたため、クロエは彼の私物を探し、サンドラが元恋人だったと知ります。クロエはサンドラの同級生だと偽って実家に連絡し、直接会いに行きました。モデルをしていたサンドラは、現在は会話も出来ずほぼ寝たきり状態でした。サンドラはポールとの交際時に、ルイに酒を飲まされてレイプされました。それを受け入れられなかったポールがサンドラと別れたため、彼女は拳銃自殺を図ったのです。そう語ってくれたサンドラの母は、たじろぐクロエを見抜いて「あなたも餌食になったけど、あなたの場合は楽しんだのね。売女め!」と罵りました。
サンドラの家を出たクロエを、ルイが追っていました。クロエが部屋に逃げると、玄関にはルイが先日渡し損ねたプレゼント(猫のブローチの代わりに猫の舌が入れられていた)が置かれていました。狼狽したクロエは、ローズの部屋に逃げ込みます。ローズは自分の娘の姿を重ねたのか、クロエを受け入れました。

翌日。ウェクスレルに会ったポールに、彼女の診察を受けていないことを電話で問い詰められたクロエは、銃を持ってルイのクリニックへ向かいます。クロエがルイに銃を向けると、奥の部屋から全く見分けのつかないポールが現れました。混乱したクロエは片方に発砲します。すると今度はクロエのお腹が破裂し、彼女は意識を失いました。
クロエは搬送されますが、妊娠していませんでした。お腹の膨らみの正体は、胎児の時にクロエが取り込んだ双子の残骸だったのです。クロエの母の妊娠初期に吸収された双子は、1キロにも及ぶ腫瘤に変貌してクロエのお腹に残っていました。駆けつけた母も双子を妊娠していたとは知らず、事実に驚きました。この腫瘤こそがクロエの精神的且つ性的な面に影響を与えていたのです。落胆するクロエにポールは、共食いではなく「寄生性双生児」という症状で、君のせいではないと穏やかに諭します。もう1人の子は、“サンドラ”という姉だったと、クロエは静かに呟くのでした。

退院したクロエは、ポールと体を重ねました。不感症だったクロエは自分や自分にそっくりな“サンドラ”の殻を破るように、絶頂に達しました。

みんなの感想

ライターの感想

静かな作品が多いオゾン監督ですが、今作では大げさなくらいの音楽と目くるめくような映像と展開に、終始ドキドキが止まりませんでした。クロエの感情を共に体験しているような感覚です。
結局ルイにまつわるものは、全てクロエの幻覚や夢だったのだと思います。(断定はできないので、あらすじにはクロエの見たままを記載しましたが…)但し、それは痛々しい妄想などではないと感じました。クロエの中には“サンドラ”の魂が宿り、母にも気付かれなかった自分の存在を、サンドラが必死に叫んでいたのではないかと。もちろんそれはクロエにはうまく伝わらず、双子への異常な関心を与え、精神を不安定にさせてしまったのではないでしょうか。寄生性双生児がどのようなものか知らなかったため、少し調べてみて、そう感じたのです。劇中の映像でも抽象的に表現されていましたが、まさに生命の神秘を感じる作品でした。
2回ほど鑑賞してこの考えに至りましたが、オゾン監督曰く、3,4回見れば謎が解けるように編集したそうな。どうやら2回では、まだ足りない様子です。

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