映画:es[エス]

「es[エス]」のネタバレあらすじと結末

es[エス]の紹介:2002年公開のドイツ映画。実際に行われた「スタンフォード監獄実験」を元に作成されています。募集で集められた人を看守役と囚人役に分かれてもらいどういう精神状態になるのかを観察していきます。

es[エス]の主な出演者

タレク囚人番号77(モーリッツ・ブライブトロイ)、シュタインホフ囚人番号38(クリスチャン・ベルケル)、シュッテ囚人番号82(オリバー・ストコフスキー)

es[エス]のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①ドイツのケルン市で高額なバイトの被験者が募られた。タクシードライバー兼記者のタレクは詳細を記事にするために潜入。同室には同じ目的を持つ軍人・シュタインホフもいた。実験は2週間で、看守と囚人役として過ごすというもの。 ②疑似刑務所で過ごすうち看守は暴力的、高圧的になり、囚人をいたぶるように。やがてエスカレートし死者が出る始末、実験はわずか5日で終わった。

【起】- es[エス]のあらすじ1

(「es」=「ドイツ語での『これ』または『それ』」「心理学用語で『無意識層の中心の機能』)

ドイツ・ケルン市。

〝被験者求む
模擬刑務所での2週間の実験
報酬4000マルク(約26万5千円)〟


タクシードライバーの男タレク・ファルトは、客を待つ間に目を通していた新聞に、こんな記事を見つけました。
実はタレクは2年前に雑誌記者をしていた過去があり、今も返り咲きたいと思っています。
半月で4000マルクとは、かなり高額なバイトでした。
何か裏があるのではないかと思ったタレクは、2年前の上司にかけあって「いい記事が賭ければ、写真込みで1万マルク(約66万2000円)で買い取る」という確約を得ます。

新聞記事を読んでやってきた男性は、おおぜいいました。
実験助手の女性ユッタ・グリム博士に聞くと、「実験を通して精神状態を調べるのだ」という、漠然とした内容です。
体力テスト、知力テスト、適性テストを受けたタレクは、簡単な面接も受けました。
高学歴にも関わらずタクシードライバーの仕事をしていることを問われ、タレクはバツの悪い思いをします。
「極限状態に追い込まれても平気か」とグリム博士に聞かれ、タレクは「そんなことがあるのか」と動揺しました。
グリム博士は「一応確認のため聞いている」と答えます。
動画が撮影できるメガネを買い、タレクは実験への準備を整えます。


実験前夜、タレクはうっかり事故を起こしてしまいました。
赤信号の車が突っ込んできて、その車とぶつかったのです。
タレクが相手の運転手のところへ行くと、相手は若い女性・ドラでした。放心状態に陥っています。
聞くと、ドラは父の葬儀の帰りでした。父の死がショックで、落ち込んで何も手につかない状態なのです。
幸いと、タレクもドラもケガはありませんでした。

ドラに乞われるままタレクは自室に連れていき、話を聞きます。
ドラは父と4年も会わないまま死別したことを、悔やんでいました。
タレクはドラを慰め、ベッドインします。
翌日、ドラはメモを残して去っていました。ドラもタレクも、互いに好感を持ちます。


実験当日。
タレクが大学へ行くと、そこには20人の男性が集まっていました。みんな被験者です。
初老の男性トーン教授が現れると、全員に実験の主旨を説明します。
今から2週間、みんなの人権は無視されること、むろん、安全が最優先とされることを告げたうえで、「これから2週間、大学の地下に作った疑似刑務所で、『看守』と『囚人』とに分かれて、それぞれ与えられた役柄を演じろ」と、トーン教授は言いました。

まず看守側の名前が呼ばれます。

「ベルス」「ボッシュ」「エッカート」「カンプス」「レンチェル」「ストック」「グレーザー」「アマンディ」
この8人は、看守側でした。
彼らは控室に案内され、制服を見せられます。ほかにも手錠や警棒がありました。
彼らには「監獄の秩序の維持と、囚人の監督を徹底してくれ」という指示がなされます。

残りの12名は、囚人側と決まりました。
囚人は人権を認められず、番号で呼ばれます。


・タレク/囚人番号77…主人公。タクシードライバーでありながら記者。今回の実験をリポートするのが目的。
・シュタインホフ/囚人番号38…タレクと同室の男。映画中盤まで名前を明かさない。タレク同様、軍から派遣されている者で、実験を上部に報告するのが目的。空軍少佐のパイロット。
・ジョー/囚人番号69…タレク、シュタインホフと同室の男。本来は気の良い男なのだが、タレクと同室になったためにとばっちりを受け、徐々に精神的に追いつめられていく。
・シュッテ/囚人番号82…タレクと顔なじみの男性。雑貨店の店主をしている。牛乳が苦手で看守に目をつけられた。

・ベルス/看守…看守側のリーダー格。囚人をいじめることに快感を覚え始め、徐々にエスカレートしていく。
・エッカート/看守…歌が上手でエルビス・プレスリーが特に好き。序盤で囚人に情けを見せたため、もっと厳しくしろと責められた。
・ボッシュ/看守…太めの男性。ボッシュだけが唯一、最後まで囚人に同情的だった。そのため看守側からも反感を買い、囚人と共に収監される羽目に。


〔1日目〕

囚人側の人間は、収監から経験します。
全裸になって看守にデッキブラシで洗われ、ぶかぶかの大きな白いTシャツ1枚を与えられました。下着はなしです。
半袖のシャツは着用すると、ふとももの半ばまで覆えるようになっていました。
シャツには番号が縫い付けられており、囚人は番号で呼ばれます。
履物はぞうりでした。

地下の疑似刑務所には、監視カメラがあちこち仕掛けられています。
大学関係者は基本的には「看守と囚人」側と接触することなく、監視カメラで観察していました。介入せざるをえない時だけ、スピーカーで連絡します。

初日ということもあり、看守側も囚人側も「ごっこ」気分です。
囚人たちは白線に並ばされ、ルールを読み上げられました。
その後、3人で1つの房に入れられます。
タレクと同室になったのは、69番のジョーと、必要最低限のことしか話さない38番のシュタインホフでした。
(あとでタレクと協力する際に名乗るのだが、それまでは名すら明かさない。便宜上先に名だけ記させていただく)

【承】- es[エス]のあらすじ2

食事の際、82番のシュッテが牛乳を残します。
タレクはタクシードライバーの仕事をしている際に、よくシュッテの雑貨店に買い物に行くため、顔見知りでした。
シュッテが咎められているのを見て、とっさにタレクはシュッテの分の牛乳を飲み、切りぬけます。
しかしその行動を見て、38番のシュタインホフが「バカな奴め」とタレクに言います。
目立つ行動をしたタレクを、戒めたのでした。

看守側ではエッカートが、囚人に優しすぎると控室で責められました。
エッカートはむきになり、監獄へ行くとタレクを呼び出し、腕立て伏せ20回を命じます。
タレクがすぐに応じなかったので、連帯責任として同室のシュタインホフとジョーも、腕立て伏せをすることになりました。
それを見た他の房の者は、にわかに緊張し始めますが、まだ「実験だ」という甘さも残ります。


〔2日目〕

起床の合図があり、きびきび行動することが囚人に求められました。みんな言うことに従います。
食事の際、82番のシュッテがまた牛乳を残しました。
飲めと要求されたシュッテは「アレルギーだ」と嘘をつきます。
タレクは前夜のことがあり、「シュッテのために!」というと、罰の腕立て伏せを始めます。
するとみんなもシュッテのために、腕立て伏せをその場で始めました。

囚人に先手を打たれ、看守側の面目が丸つぶれになります。同時に「タレクは問題児」という認識が、看守側に強く刻まれました。
シュッテの牛乳アレルギーが本当だった場合、無理に飲ませると命に関わるので、事態の真偽の確認も、看守側にとっては問題です。

ベッドを綺麗に整えているか看守がチェックをし、いやがらせのためにタレクの整えたベッドをわざと乱して、「整えろ」と命令します。
タレクは枕をわざと房の外に出し、「取りに行け」と言われた際に、看守を檻に閉じ込める仕返しをしました。他の房の者は大喜びです。
しかし38号のシュタインホフだけは、冷静でした。事態を冷静にみています。

看守側は、タレクをなんとかおとなしくしたいと、控室で考えました。
ベルスが「本に書いていたことなのだが、屈辱を与えるのが一番らしい」と発言します。
房の照明を落として真っ暗にし、看守たちは消火器を噴霧して、全員から着衣を剥ぎ取り、手錠で房に繋ぎました。

この行為に対し、トーン教授は看守側を呼び出して「監獄の秩序は守られたが、適切な解決策とはいえない。次にトラブルが起きた時に際して、なにかいい策を考えておけ」と注意します。
注意だけに終わったので、看守側はある程度なら自分たちの独断で行動を起こしてもよいのだと考えました。
夜半すぎ、やっと手錠だけ外されますが、着衣は返してもらえませんでした。


〔3日目〕

裸のまま朝を迎え、囚人側はみんな毛布を腰に巻いて点呼に臨みます。
点呼の後、Tシャツが返されました。
82号のシュッテはがんばって牛乳を飲みますが、直後にトイレへ駆け込んで吐きます。

タレクはシュッテに、なぜ参加したのか質問しました。ここまでつらい目に遭いながら、なぜ被験者でいつづけるのか疑問に思ったのです。
シュッテは「夢のため」と答えました。ほかにもシュッテは、いろんな実験に参加しているそうです。
子供の頃からシュッテは「いつかフェラーリを手に入れる」ことを夢に描いていました。
それを聞いたタレクは、シュッテを応援する気持ちになります。

タレクが看守のベルスを「くさいぞ」と挑発しました。
実はベルスは自分の体臭が強いのを、コンプレックスに感じていました。
このひとことで、タレクはベルスから憎まれます。

タレクは同房の38番・シュタインホフに、メガネが動画撮影のカメラだと見抜かれました。
しかしタレクも負けていません。
シュタインホフがベッドの整え方ひとつとっても、非常に手際がいいことを、タレクは気付いていました。
シュタインホフが軍人だと、タレクも見抜きます。
シュタインホフは認め、空軍少佐のパイロットだと言います。大学の実験内容を観察し、軍に報告するのが任務でした。

看守側は反発する囚人への戒め対策として、ガス銃を持ちこみました。中は空包(音だけの弾丸)です。

【転】- es[エス]のあらすじ3

…眠りにつく際に、タレクは先日出会った女性・ドラのことを思い返していました。
ドラとの一夜は、タレクにとっては忘れがたいものです。
タレクはドラに、自分の弱点を言っていました。
タレクの父はカメラマンで、家でいばっていました。母はそんな父に逆らえずにいました。
タレクが8歳の時、お仕置きとして父がタレクを暗室に閉じ込めます。
以来、タレクは暗闇とせまい場所が大嫌いなのです(暗所、閉所恐怖症)。


タレクへのお仕置きはエスカレートします。
眠っていたタレクを奇襲した看守は、口にガムテープを貼って連れ出すと、控室で椅子に拘束し、バリカンで頭を刈り上げました。
看守たちは喜びますが、ボッシュだけが同情的な目で見ています。
ベルスはタレクに「明日、釈放を願い出ろ」と言いました。
(「釈放」=「実験の中断」。中断するとバイト代がもらえない)


〔4日目〕

タレクが坊主頭になっているのに気付き、トーン教授が呼び出して聴取をします。
しかしタレクは「散髪を自分から頼んだのだ」と言い、釈放の件もつっぱねます。
ベルスは、タレクが残ることも読んでいました。
タレスが自分の意志で残れば、またいじめることが出来ます。


…同じ頃。
タレクと一夜を共にしたドラは、日が経つにつれ、タレクと再び会いたがります。
ドイツを去ってカナダに戻る前に、海辺を眺めたドラは、タレクの家に電話してみますが、留守電です。
タレクの家を訪問したドラは、郵便受けにメッセージを残そうとしました。
タレクが留守にしているので郵便物がたまっており、ドラが入れようとすると、郵便物がこぼれます。
そこに合いカギが入っているのを見つけたドラは、タレクの部屋に入りました。
タレクの部屋で過ごし、トーン教授との契約書に気付いたドラは、タレクが実験に参加して留守だと知ります…。


4日目には、囚人たちが手紙を書く時間が儲けられます。
シュッテには、手紙を書く相手がいませんでした。それを知ったタレクが「俺に書け」と、住所を教えます。
タレク自身は書いた後、回収の段になってわざと破りました。その隙にこっそりエンピツを1本くすねます。
38号のシュタインホフがタレクの所作に気付きました。タレクが呼び出された時、エンピツをタレクからすばやく、受け取ります。

房に戻った後、有事の際にタレクはエンピツを房に隠します(筆記具としても使える)。
タレクは38号に呼びかけ、協力を願いました。
シュタインホフはタレクに名を明かします。

タレクが暴走するので、否が応でもタレクの房は目立っていました。
同室の69番、ジョーは実験の中断を申し出ます。
報酬もいらないと教授に言いますが、解放されるのは翌日でした。
その日の夜、ジョーは看守に弱虫扱いされ、裸で立たされる屈辱を味わいます。

急に暴れ出した囚人が、看守を殴りました。
その囚人をベルスが警棒で殴ります。


教授たちスタッフは、監視を怠っているわけではありません。
むしろ実験の早期の段階、わずか36時間が経過したあたりから、看守と囚人がいがみあうようになっているのを、興味深く観察していました。
ベルスが警棒を使った時、グリム博士はトーン教授に、やりすぎではないか、ベルスを増長させてしまうと実験中止を忠告しますが、トーン教授は聞き入れませんでした。

実験を終え、帰宅するベルス(注:囚人側は宿泊するのだが、看守側は通いで実験に参加している)にグリム博士が注意しますが、ベルスは「教授の言うことならば聞く」と、グリム博士を軽視します。


ストレスがたまり、タレクは生まれて初めて過呼吸の発作が起きました。シュタインホフが発作を止めてくれます。
タレクとシュタインホフには「報告しなければ」という同じ目的のもと、絆が生まれていました。


〔5日目〕

69号のジョーと53号に異変があるとして、2人は運び出されました。
(ジョーは精神的に疲弊、53号は暴力を振るわれたから)

5日目は面会の日でした。みんな家族など、面会する者がいます。
82号のシュッテに面会者がいないと、わざわざベルスが先日の手紙を読み上げました。タレクに宛てたものだと分かる内容で、タレクは怒ります。
タレクには逆らったお仕置きとして、着用しているTシャツで便器を磨けという命令が下りました。トイレを磨いた後も、その服を着るよう命ぜられます。


エスカレートする看守の行動を見たグリム博士は、実験を中止しようと言いました。
しかしトーン教授は、実験を敢行したがります。
トーン教授はこの日、午後から大事な会議がありました。出かけていきます。

【結】- es[エス]のあらすじ4

汚れた服を着せられたタレクに、看守のボッシュだけが同情的でした。
それに気づいたタレクは、ボッシュに頼みごとをします。外へ郵便物を出してほしいと言いました(記者として、上司に連絡する内容のもの)。

タレクにドラが面会に来ていました。タレクは驚きます(嬉しい)。
ドラは、タレクの部屋に入って契約書を見つけたと言いました。
ドラはカナダに帰るので、一緒に来てほしいと頼みますが、それは実験の中断、記者の仕事もボツになるということなので、タレクは断ります。
タレクはドラに、あとで看守のボッシュが接触するから、そのメモを上司に渡してほしいと頼みました。

ボッシュがドラに接触しようとしますが、看守に気付かれて止められます。
ベルスがドラに会い、「気が変わったらしい。キャンセルだ」と言い、ボッシュは裏切り者とされます。


監視カメラのスタッフ、ラースと会話をした看守たちは、トーン教授が会議で留守だと知りました。
実験の中断を決定する者が不在と知り、看守たちは今が囚人たちを懲らしめるチャンスだと思います。

ボッシュが看守たちにリンチされ、脱落した53号の囚人服を着せられて房に入れられました。
それを監視カメラで見たラースは、急いでトーン教授に電話をしますが、留守番電話でした。メッセージを吹き込みます。
その後、ラースも看守に暴行を受け、連行されました。

牢獄では38番のシュタインホフがカメラ目線で、房での異常を訴えますが、監視カメラ室は無人になります。
タレクは看守たちに殴られ、シュッテも警棒で殴られました。

牢獄には威圧(プレッシャー)のため、中央に金庫に似た形状の、暗室が置かれていました。
閉所恐怖症のタレクはそれを見るたびに内心、怯えていたのですが、とうとうその暗室に入れられます。
タレクは恐怖と戦いながら、エンピツで作ったドライバーで、ネジを開け始めました。


…帰宅したドラは胸騒ぎを覚え、大学へ電話をかけます。
誰も出ないので不審に思い、大学へ向かいました。

着信と入れちがいで戻ってきたグリム博士は、監視カメラを見て異常を知ります。
しかし看守たちに囲まれ、「これも実験のうちなんだろう」とグリム博士は言われました。
ベルスに命ぜられ、グリム博士は着衣を脱がされて、囚人用のTシャツを着せられます。

ドラが大学に訪ねてきました。応対したベルスは「警察を呼ぶわよ」とドラに言われたため、別室に通します。


牢獄に音楽が鳴り始め、グリム博士が乱暴されそうになりました。
それより先にタレクが暗室を脱出し、シュタインホフに牢の鍵を渡します。
シュタインホフは牢を出ると、他の囚人たちの房を開けていきました。グリム博士を救います。
タレクは警棒で殴られ、椅子に縛られたシュッテのところへ駆け寄りますが、シュッテは死んでいました。タレクは嘆きます。


助けられたグリム博士が「奥の配管室を抜ければ外へ出られる」と言い、囚人たちは全員で脱走しようとしました。
ベルスはドラを別室に通し、よからぬことを考えていましたが、そこへ「囚人たちが脱走した」という知らせが入り、駆け付けます。
存在を忘れられたドラは、ガラスを割って部屋を脱出しました。


その頃、会議を終えたトーン教授は留守番電話のメッセージを聞いて、あぜんとします。
急いでタクシーで駆け付けようとしました。


大学の地下では、壮絶な追走劇が展開されていました。
看守側は逃げる囚人を相手に捕り物をし、囚人側も必死で逃げます。
看守のひとりは、駆け付けたトーン教授に「何があった」と問い詰められますが、混乱のあまり銃で撃ってしまいました。
その音を聞きつけ、ドラが駆け付けます。
教授に発砲して呆然とする看守を、ボッシュが消火器で殴りました。

タレクとシュタインホフは、厨房でベルスと対峙します。
本気で戦ううちに、ベルスの気持ちは殺意へ傾いていました。思わず包丁を手にし、タレクに向かいます。
ドラが駆け付けて声をあげたので、ベルスは我に返りました。おそるおそる、手元の包丁を見ます。
手にしていた包丁はタレクを刺さず、タレクが包丁の刃を片手で握っていました。
血を見たことで冷静さを取り戻したベルスに、シュタインホフが首を絞めようとしますが、タレクが制止します。


…14日(2週間)行なわれるはずの実験は、わずか5日で中止になりました。
この実験により2人が死亡、3人が重傷を負います。
(そして恐ろしいことに、映画では触れないが、これは実際に行なわれた実験をもとに作られた映画)
互いの役割をまっとうしようとする者ほど、過度な凶暴性が現れ、服従する者には相当なプレッシャーがかかることが、実験であかるみになりました。

実験の後。
タレクはドラと共に海を渡り、カナダで一緒に海を見ています…。
(タレクとドラは一緒に暮らし始めた)

みんなの感想

ライターの感想

普通の人を囚人と看守役に分け、それぞれの言動を検証するという実験をテーマにした映画です。はじめは乗り気でなかったそれぞれの役の人たちも、徐々に役に入り込んで行き次第に言動がエスカレートしていき...という話です。
実は、この映画は1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験をもとにしており、この実験も映画同様次第にお互いの言動がエスカレートしていき途中で中止されることになりました。平凡な人が役を与えられることでその役になりきろうとし、徐々に変わっていく怖さを垣間見ることのできる映画です。

ライターの感想

淡々と描かれた映画だが、これが実話にもとづくのだから、おそろしい。
これはドイツ映画。アメリカ映画でも2010年に『エクスペリメント』、『プリズン・エクスペリメント』という名で同じ題材が扱われている。
本当にこんな事態に陥るのだろうかと、半信半疑。でも、じゅうぶんありうるという説得力が、この映画にはある。
たとえば囚人側のタレクとシュタインホフが絆で結ばれるけど、あれも一種のプラスの効果。
閉鎖された空間で、同じ目的を持つ者同士が協力し合う、たとえシュタインホフが優秀な軍人だとしても、正体を洩らしてしまうだけのものが、あの状況ではあるのだ。
それは看守側でも同様。さらに、それを一段上から見下ろす教授サイドにも、同様の現象があらわれたのだろう。
異常な環境に置かれると、じょじょに危機管理能力が麻痺してしまうことを如実にあらわした作品。

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